展示会を失敗させないセミナー

展示会の成功事例5選!成功させるための進行フローとポイントを専門家が解説

展示会で成果を上げるには、成功事例から学ぶことが非常に有効です。

ただし、「あの会社は大きなブースだったから成功した」「人がたくさん集まっていたから成功した」と、表面的な部分だけを真似しても、同じ成果が出るとは限りません。

大切なのは、

「なぜ、その企業は展示会から商談・案件・売上を生み出せたのか」

という構造を見ることです。

展示会営業®コンサルタントの清永健一は、これまで累計1,300社超の展示会出展・営業強化を支援してきました。

その経験から言えるのは、展示会で成果を出す企業には、業種や商材が違ってもいくつかの共通点があるということです。

清永健一の結論

展示会の成功とは、名刺をたくさん集めることではありません。

自社が役立てる相手と出会い、会話し、次の一歩を決め、商談・案件・売上へつなげることです。

成功企業は、展示会当日だけを工夫しているのではなく、「準備 → 当日 → フォロー」までを一つの営業プロセスとして設計しています。

展示会白書のデータ

出展者536名に「直近の展示会出展において出展目的は達成できましたか?」と尋ねると、「十分に達成できた」25.7%、「ある程度達成できた」54.7%で、合計80.4%が一定の達成を実感しています。この記事では、その「成功」を表面的な集客数ではなく、商談・案件・売上へつながる構造として分解していきます。

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この記事では、実際に展示会から成果を生み出した5社の事例を紹介しながら、成功企業に共通する考え方、準備、ブース、接客、フォロー、KPIまで体系的に解説します。

さらに、株式会社展示会営業マーケティングが2026年4月に実施した、出展者536名・業務目的来場者1,089名への独自調査「展示会白書」のデータも交え、現在の展示会で何を成功指標にすべきかも考えていきます。

目次

まず、「展示会成功」の定義を変える

展示会が終わった夕方、社長や上司から、

「名刺は何枚集まった?」

と聞かれる会社は少なくありません。

そして、

「昨年より100枚増えました」

という報告を聞いて、

「それなら今回は成功だ」

となる。

しかし、本当にそうでしょうか。

名刺を500枚集めても、具体的な商談が1件しか生まれなければ、営業成果として成功とは言いにくいはずです。

逆に、名刺が100枚でも、その中から10件の具体的な商談が生まれ、3件の案件へ進めば、非常に価値の高い展示会だったと言えます。

展示会白書のデータ

出展者536名への独自調査でも、展示会出展の目的として最も多かったのは、「リード・商談機会の獲得」53.7%でした。

一方、獲得したリードのうち商談へ進む割合では、「10~29%」が31.8%で最多でした。

詳細グラフを見る(図4-1:展示会に出展している目的)

詳細グラフを見る(図4-7:獲得リードの商談化率)

つまり、名刺を集めれば自動的に商談になるわけではありません。

展示会のKPIは「量」から「質」へ。
名刺枚数より、後日アポ・商談・案件・売上を見る。

展示会白書から見る「成功するブース」の条件

成功事例を見る前に、来場者自身が「期待以上だった」と感じたブースの特徴を確認しておきましょう。

展示会白書のデータ

業務目的来場者1,089名への独自調査では、最も多かったのが「開発者やエンジニアから直接話を聞けた」49.1%。続いて、「他社では聞けない導入事例や活用ノウハウに触れられた」42.2%、「自社の課題に合わせた具体的な提案をしてもらえた」34.3%、「製品・サービスを実際に体験・操作できた」30.9%でした。


展示会で期待以上だったブースの特徴|来場者1,089名への独自調査
図5-9:「期待以上」だったと感じたブースの特徴(複数回答)|n=1,089[来場者] 出典:株式会社展示会営業マーケティング『展示会白書』

詳細グラフを見る(図5-9:期待以上だったブースの特徴)

清永健一の解説

この結果で重要なのは、上位に並んでいるのが「豪華なブース」「派手な演出」「ノベルティ」ではないことです。

来場者が期待以上だったと評価しているのは、開発者・エンジニアとの直接対話、他では聞けない導入事例、自社課題に合わせた具体的提案、実際の体験です。

つまり、成功する展示会の価値は、Webサイトに載っている情報をもう一度説明することではありません。展示会場だからこそ得られる一次情報・体験情報を提供することにあります。

展示会白書のデータ

逆に、同じ調査で「期待外れだった」と回答されたブースでは、「売り込み感が強かった」42.4%、「質問しても的確な回答が得られなかった」40.1%、「Webサイトで得られる情報と大差なかった」35.1%が上位でした。

詳細グラフを見る(図5-10:期待外れだったブースの特徴)

「たくさん声をかける」「たくさん説明する」だけでは、来場者の満足にはつながらないことが分かります。

展示会出展の目的とは

展示会で成果を上げるためには、最初に「何のために出展するのか」を明確にします。

主な目的には、次のようなものがあります。

目的考え方
新規顧客との接点づくりこれまで出会えなかったターゲット企業と会話を始める
商談・案件の創出自社が役立てる相手と次の打ち合わせを決める
既存顧客との関係強化新製品の案内、課題確認、別部門への展開につなげる
新商品・新用途の検証来場者の反応や質問から市場ニーズを確かめる
認知・ブランド向上ターゲット市場で自社の存在や強みを認知してもらう
市場・競合情報の収集業界の変化、競合、新しい顧客課題を一次情報として集める

重要なのは、目的を一つの展示会ですべて達成しようとしないことです。

今回の出展で最も重要な成果は何かを決め、その目的からターゲット、展示物、ブース、接客、フォローを逆算します。

展示会の成功事例5選

ここからは、実際に展示会から成果を生み出した5つの事例を見ていきます。

成果の数字だけでなく、

  • 誰に何を伝えたのか
  • ブースで何をしたのか
  • 展示会後にどう動いたのか

という「成功の構造」に注目してください。

成功事例1.ゼロイエ|初出展から10日後に336万円超を売り上げ

ゼロイエは、空き家を収益化するノウハウを提供するコンサルティング会社です。

初めて展示会へ出展し、展示会終了からわずか10日後に、約336万円を売り上げました。

成果を生み出した最大のポイントは、展示会を、

準備 → 当日 → フォロー

という一連の営業プロセスとして事前に設計していたことです。

準備|一目で意味が伝わるキャッチコピー

ブースには、

「空き家を0円でゲットし、家賃を得る! 利回り103%超の社会貢献ビジネス」

というキャッチコピーを大きく掲げました。

また、高価な木工装飾に頼らず、繰り返し使用できるタペストリーを活用し、低コストながら視認性の高いブースをつくりました。

展示会キャッチコピーについては、展示会キャッチコピーの作り方で詳しく解説しています。

当日|次の行動をその場で決めた

ブースではハンディマイクを使って活気を生み出すとともに、興味を持った来場者を、展示会後に開催する有料セミナーへ誘導しました。

QRコード入りのTシャツを使い、その場でスマートフォンから申し込める状態をつくった結果、4,900円の有料セミナーへ34件の申込みを獲得しました。

フォロー|展示会後のセミナーから受注

その後の受注獲得型セミナーから、160万円のコンサルティングサービスが2件成約。

展示会終了から10日後までに、

4,900円×34件+160万円×2件=336.66万円

の売上につながりました。

この事例から学ぶべきなのは、派手なブースではありません。

展示会当日に「興味を持ってもらう」ところで終わらず、その場で次の行動を決めていたことです。

詳しい事例は、展示会初出展で10日後に330万円超を売り上げた実事例をご覧ください。

成功事例2.昭栄薬品株式会社|出展コストの110倍の売上

昭栄薬品株式会社は、工場向けの脱臭機などを展示しました。

展示会をきっかけに、出展後18か月で、出展コストの110倍に相当する売上へつながりました。

この事例には、展示会成功の非常に重要なポイントが二つあります。

当日|機能説明ではなく、五感で体験させた

脱臭機について、

「高性能です」

「こんな機能があります」

と説明するのではなく、来場者に実際に臭いを嗅いでもらいました。

  1. 臭いを閉じ込めた袋を嗅ぐ
  2. 脱臭機で処理する
  3. 処理後にもう一度嗅ぐ

というBefore/Afterを体験してもらったのです。

説明する前に、来場者自身が違いを理解できます。

これは展示会営業®で重視している、

実物 → 体験 → 説明

の典型です。

この事例は、先ほど示した「期待以上だったブース」の調査結果とも一致します。来場者自身が製品・サービスを体験・操作できることは、展示会ならではの価値の一つです。

展示会後|18か月間、商談を育て続けた

さらに重要なのは、展示会当日よりも、その後です。

この大型案件が受注になったのは、展示会から約18か月後でした。

展示会当日に名刺を交換したからといって、通常の営業より受注リードタイムが急に短くなるわけではありません。

特に高額設備では、予算編成や既存設備の更新時期などによって、商談期間が長くなることがあります。

それでも、相手に役立つ情報や対応を続け、商談を育てた。

これが110倍という成果につながっています。

展示会の成功は、会期3日間では判定できない。
自社の平均受注リードタイムまで追いかけて初めて分かる。

詳しくは、出展コストの110倍の売上につながった事例をご覧ください。

成功事例3.トレードログ株式会社×株式会社リッカ|半分の費用で遜色のない成果

トレードログ株式会社と株式会社リッカは、秘匿性ブロックチェーンに関する展示を共同出展しました。

同業他社が大規模なブースを構える中、限られた費用で出展しながら、遜色のないリード獲得成果を実現しました。

主な工夫は、

  • パネルの文章を減らし、文字を大きくした
  • 何を提供する会社なのか分かるキャッチコピーへ絞った
  • 来場者が関心を持ちやすい無料診断を用意した
  • ミニセミナーを実施した

ことです。

この事例のポイントは、豪華さではありません。

自社の専門技術を、来場者が理解できる「意味」へ翻訳したことです。

「ブロックチェーン技術の会社です」と言うだけでは、来場者は、自社にどう役立つのか分かりません。

だから、キャッチコピー、無料診断、セミナーを使い、

「自社にどう使える技術なのか」

を考えてもらう入口をつくりました。

この事例からも、来場者の自社課題に合わせて具体的な提案へつなげることの重要性が分かります。

詳しくは、半分の費用で遜色のない成果が出た共同出展事例をご覧ください。

成功事例4.株式会社木村鋳造所|技術力を「見たくなる実物」に変えた

株式会社木村鋳造所は、鋳造技術の高さを展示会で伝えるため、一般的な製品サンプルをずらりと並べるのではなく、ゲームや物語の世界から飛び出してきたような剣や鎧を展示しました。

同社が意識したポイントは、

  • 展示する製品・技術を絞る
  • 技術力を一目で感じられる実物を置く
  • 専門的な内容はスタッフが言葉で説明する

ことです。

製造業の展示会では、加工サンプルを大量に並べるブースが少なくありません。

しかし、それだけでは、来場者から見ると、

「何でもできます」

という印象で終わってしまうことがあります。

木村鋳造所の事例では、一つの象徴的な展示物によって、

「この会社は、こんなものまでつくれるのか」

と来場者に感じてもらっています。

これは、展示会営業®の、

ワンブース・ワンアイテム・ワンターゲット

という考え方にも通じます。

詳しくは、成果が出るブースを実例動画で現地解説をご覧ください。

成功事例5.株式会社カワキタ|商材そのものの存在感を最大限に使う

株式会社カワキタは、霊柩車を扱う会社です。

霊柩車はそれ自体が大きく、非常に特徴的な商材です。

このような商材の場合、周囲に大量のパネルや商品を置いて情報を増やすより、主役の実物そのものを見せる方が強くなります。

展示物の存在感が十分にあるなら、装飾を足すことが必ずしも正解ではありません。

展示会ブースでは、「何を足すか」だけでなく「何を引くか」も重要です。

大きな商材、珍しい商材、実物そのものに説得力がある商材では、余白を使い、来場者が実物を見たり近づいたりしやすいレイアウトにする方が効果的です。

詳しくは、存在感のある商材で成果を出すブースレイアウト事例をご覧ください。

5つの成功事例から見える「展示会成功の共通点」

ここまでの5事例は、商材も会社規模も大きく異なります。

しかし、成功の構造には共通点があります。

成功企業の共通点意味
誰に何を伝えるかが明確来場者が「自分に関係がある」と判断できる
主役が明確商品や情報を並べすぎず、一番伝えたい価値に集中している
実物・体験を使う説明だけでなく、来場者自身が違いを確認できる
展示会当日の次が決まっているセミナー、アポ、資料、回答など次の行動へつながっている
展示会後も追い続ける短期で売れなくても、相手に役立ちながら案件を育てる
成果を名刺枚数だけで判断しない商談・案件・売上まで追っている

展示会成功のポイント1|「誰に役立てるか」からターゲットを決める

展示会のターゲット設定では、

  • 役職
  • 予算
  • 決裁権

だけで相手を絞る考え方があります。

しかし、これは売り手側の都合に寄りすぎています。

展示会営業®では、まず、

「自社が、誰のどんな課題に役立てるのか」

から考えます。

整理したいのは、たとえば、

  • どんな業種・企業なのか
  • どんな現場・部署なのか
  • どんな課題を抱えているのか
  • 現在どんな方法で対応しているのか
  • どこに自社が貢献できるのか

です。

本人が決裁者でなくても、現場利用者、技術担当者、社内提案者、情報収集担当者かもしれません。

「買いそうか」より「自社が役立てるか」で判断します。

展示会白書のデータ

展示会でリードを獲得した出展者529名に「対象外リード」の割合を尋ねると、最多は「31~40%」25.3%でした。「41~50%」19.8%、「50%超」12.3%もあります。名刺の枚数だけを追うのではなく、自社が本当に役立てる相手かを現場で見極める必要があります。

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展示会成功のポイント2|ワンブース・ワンアイテム・ワンターゲット

展示会では、出展費用を回収しようとして、商品を何種類も並べたくなります。

しかし、来場者がブース前を通る時間は短く、すべてを理解してもらうことはできません。

そこで、

ワンブース・ワンアイテム・ワンターゲット

を基本に考えます。

これは「商品を一つしか置いてはいけない」という意味ではありません。

今回の展示会における主役を一つに決めるという意味です。

ブース設計については、展示会ブースの作り方も参考にしてください。

展示会成功のポイント3|「実物 → 体験 → 説明」の順で伝える

展示会では、まず説明をするのではなく、

実物 → 体験 → 説明

の順番を考えます。

昭栄薬品の脱臭体験、木村鋳造所の象徴的な実物、カワキタの霊柩車のように、来場者自身が見て、触れて、違いに気づいた後で説明する方が、理解しやすくなります。

この考え方は、先ほど示した「期待以上だったブース」の調査結果ともつながります。説明だけでなく、来場者自身が見て、触れて、違いを確かめられる設計が重要です。

体験設計については、展示会で体験をつくる方法をご覧ください。

展示会成功のポイント4|事前集客は「出展します」ではなく「行く理由」を伝える

展示会白書のデータ

独自調査では、来場者の90.6%が少なくとも1社以上、訪問候補のブースを事前に決めていました。

詳細グラフを見る(図5-5:来場前に訪問を決めていたブース数)

展示会は当日の通行客だけを相手にする場ではありません。

開催前から、

  • 既存顧客
  • 商談が停滞している企業
  • 休眠顧客
  • 過去に問い合わせがあった企業
  • 今回のターゲット企業

へ情報を届けます。

そのとき、

「〇〇展に出展します」

だけでは弱いでしょう。

「会場で〇〇を実際に比較できます」

「普段は見られない実機を動かします」

「開発担当者へ直接質問できます」

という、わざわざ足を運ぶ理由を伝えてください。

事前集客については、展示会の集客方法で詳しく解説しています。

展示会成功のポイント5|展示会当日のゴールは「後日アポ」

展示会当日に、すべての商談を完結させる必要はありません。

来場者も、他のブースを回りたいと考えています。

自社が役立てる可能性の高い相手なら、

  • 後日オンラインで詳しく話す
  • サンプルを送る
  • 技術担当者から回答する
  • 現場を見せてもらう
  • 具体的な提案を出す

など、次の一歩を決めます。

展示会当日のゴール=後日アポ

と考えると、一人を長時間拘束する必要もなくなります。

当日の営業トークについては、展示会営業のコツをご覧ください。

展示会成功のポイント6|フォローは「早さ」だけでなく「会話の続き」にする

展示会後のフォローについて、従来は、

「3日以内にお礼メールを送る」

といった一律のルールがよく使われます。

もちろん、約束した回答や資料送付は早く行うべきです。

しかし、本当に重要なのは、何日以内かよりも、ブースでの会話が引き継がれているかです。

展示会白書のデータ

来場者1,089名への独自調査では、展示会後のフォローに不満・ストレスを感じた経験がある人は71.6%。

さらに、「ブースで話した内容と無関係な営業をされた」50.6%でした。

一方、理想のフォローとして最も多かったのは、「ブースで話した内容を踏まえた提案・情報提供」56.3%です。

詳細グラフを見る(図5-15:展示会後フォローで不満を感じた経験)

詳細グラフを見る(図5-16:展示会後フォローで不満だった内容)

詳細グラフを見る(図5-17:理想的な展示会後フォロー)

だから、名刺へ一斉メールを送るだけではなく、

  • 何に困っていたか
  • 何へ興味を示したか
  • 何を質問されたか
  • こちらが何を約束したか

をもとにフォローします。

具体的なメール文面は、展示会のお礼メールの書き方・例文も参考にしてください。

展示会成功のポイント7|平均受注リードタイムまで成果を追う

昭栄薬品の事例が示している通り、展示会から18か月後に大きな案件が受注になることもあります。

それなのに、展示会終了から1か月だけ確認して、

「今年の展示会は売上にならなかった」

と判断するのは早すぎます。

自社の商品・サービスの平均受注リードタイムが6か月なら、少なくとも6か月。

1年なら1年。

高額設備で数年かかるなら、その期間まで案件を追います。

展示会白書のデータ

出展者536名に展示会出展のROIを定量的に測定しているか尋ねると、「はい」78.9%でした。展示会の成功を会期中の名刺数だけで判断せず、商談・案件・受注まで継続して追うことが、費用対効果を正しく把握する前提になります。

詳細グラフを見る

そのうえで、

段階見る指標
展示会当日ターゲットとの会話数、後日アポ数
展示会後商談数
商談進行案件化数・案件金額
最終成果受注数・売上・粗利

まで追います。

展示会の費用対効果については、展示会のROI・費用対効果でも詳しく解説しています。

成功する展示会は「準備 → 当日 → フォロー」を一気通貫で設計する

5つの成功事例を見ても分かるように、展示会は当日だけを頑張るイベントではありません。

成果は、

準備 → 当日 → フォロー → 商談 → 案件 → 受注

という一連の流れで生まれます。

準備段階

誰に何を伝えるかを決めます。

ターゲット、主役商品、キャッチコピー、実物・体験、事前集客、スタッフ体制、次の行動まで設計します。

展示会当日

来場者へ一方的に説明するのではなく、

「この人に自社は役立てるか」

を会話の中で確認します。

役立てる相手なら、後日アポなどの次の行動を決めます。

展示会後

名刺リストへ同じメールを送るのではなく、ブースでの会話内容に合わせて対応します。

そして、自社の平均受注リードタイムまで案件を育てます。

展示会で残すべきは「名刺データ」ではなく「会話データ」

展示会の成功事例に共通しているのは、名刺を集めたところで営業活動が終わっていないことです。

そこで、名刺だけではなく、

  • 何を見て足を止めたか
  • 何に困っているか
  • 現在どう対応しているか
  • 何に興味を示したか
  • どんな質問をされたか
  • 自社がどう役立てそうか
  • 次に誰が何をするか

まで記録します。

展示会後につくるべきなのは「名刺データベース」ではなく「会話データベース」です。

AI時代の展示会成功事例から学ぶべきこと

AIやWebで、商品スペック、会社概要、一般的な比較情報は簡単に調べられるようになりました。

展示会白書のデータ

独自調査では、業務上の情報収集でAI検索を使う来場者は50.2%。

詳細グラフを見る(図5-6:業務上の情報収集手段)

展示会白書のデータ

さらに、展示会後にWebやAIで追加調査をした経験がある人は76.7%でした。

詳細グラフを見る(図5-14:展示会後の追加調査)

だから、展示会でWebサイトと同じ商品説明を繰り返すだけでは弱くなります。

成功事例を見ても、成果を生んでいるのは、

  • 臭いのBefore/Afterを体験する
  • 巨大な実物を見る
  • 専門技術を目の前で確認する
  • 担当者と直接話す
  • 自社の場合について質問する

といった、リアルな一次情報です。

AIは情報を集める。展示会は、その情報が自社にとってどんな意味を持つのかを確かめる。

展示会成功のチェックリスト

  • 今回の出展目的は明確か
  • 誰に一番会いたいか決まっているか
  • その相手に自社がどう役立てるか明確か
  • 主役商品・サービスを絞っているか
  • ブースを見ただけで誰向けか分かるか
  • Webではなく会場だからこそ得られる情報があるか
  • 実物や体験を用意しているか
  • 事前に訪問する理由を案内しているか
  • スタッフの役割が決まっているか
  • 声掛け・ヒアリング・説明・クロージングの流れが決まっているか
  • 「買いそうか」ではなく「自社が役立てるか」を見ているか
  • 自社が役立てる相手には次の一歩を提案しているか
  • 会話内容を記録しているか
  • 展示会後の担当者が決まっているか
  • 相手との会話に沿ってフォローしているか
  • 平均受注リードタイムまで案件を追う仕組みがあるか
  • 名刺枚数だけでなく商談・案件・売上を追っているか

展示会の成功事例から学ぶべきなのは「仕掛け」ではなく「構造」

この記事では、5つの展示会成功事例を紹介しました。

ゼロイエは、準備・当日・フォローを一気通貫で設計し、展示会10日後に336万円超の売上へつなげました。

昭栄薬品は、実物・五感体験で違いを伝え、18か月間商談を育て、出展コストの110倍の売上へつなげました。

トレードログとリッカは、高額な大型ブースへ頼らず、分かりやすい訴求、診断、セミナーによって成果を生み出しました。

木村鋳造所は、技術力を象徴する一つの展示物へ絞ることで、来場者の興味を引きました。

カワキタは、存在感のある実物そのものを主役にすることで、商品の魅力を最大限に伝えました。

表面的な手法は違います。

しかし、その根底には、

  • 誰に何を伝えるかが明確
  • 商品を並べすぎない
  • 実物・体験を使う
  • 会話を始める
  • 次の一歩を決める
  • 展示会後も商談を育てる

という共通点があります。

成功事例から真似すべきなのは、ハンディマイクやタペストリーそのものではありません。
「誰に、どう役立ち、どう次へつなぐか」という設計思想です。

展示会営業®とは、展示会で名刺を集める活動ではなく、ターゲット企業との接点をつくり、商談・案件・売上につなげ、そのプロセスを通じて会社を強くする営業活動です。

展示会を単発のイベントで終わらせず、準備・当日・フォローまで一気通貫で成果へつなげる方法については、展示会成功の強化書で体系的に解説しています。

この記事で使用した出展者536名・来場者1,089名への独自調査については、展示会白書をご覧ください。

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「名刺は集まるが、商談につながらない」

「毎回、展示会が終わるとそれで一区切りになってしまう」

「何を展示すればよいか分からない」

「大きな会社のような豪華なブースはつくれない」

「展示会後のフォローが続かない」

という場合は、個別のテクニックではなく、準備・当日・フォローを一つの営業プロセスとして設計する必要があります。

展示会を失敗させないセミナーでは、展示会を名刺集めで終わらせず、商談・案件・売上へつなげる展示会営業®の考え方を体系的に解説しています。