出展企業の視点だけでは、展示会の実態を十分に描くことはできない。展示会は出展者と来場者の双方向的な交流によって成立する場であり、来場者が何を期待し、どう行動し、どのような影響を受けているかを理解することは、出展成果を高めるうえで不可欠である。本章では、来場者側の実態を独自調査に基づいて明らかにする。
5-1. 調査概要
本調査は、直近1年以内に展示会(見本市・商談展・トレードショーなど)に業務目的で来場した会社員を対象に、展示会来場者の情報収集行動と購買意思決定の実態を把握することを目的に実施したものである。
調査方法:株式会社IDEATECHが提供するリサーチマーケティング「リサピー®」の企画によるインターネット調査
調査期間:2026年4月8日~同年4月9日
有効回答:直近1年以内に展示会(見本市・商談展・トレードショーなど)に業務目的で来場した会社員1,089名
■調査の限界と留意点
本調査はインターネット調査として実施しているため、回答者は一定程度のデジタル機器操作能力を有し、インターネット利用に抵抗感の少ない層に偏っている可能性がある。また、回答者の業種・役職・企業規模の分布が国内企業全体を代表しているとは限らない点にも留意が必要である。
なお、構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100%とはならない。
5-2. 来場目的と情報収集行動
■来場目的
来場者が展示会に足を運ぶ理由を複数回答で尋ねた結果、「情報収集や業界トレンドの把握」が52.3%で最多となった。「取引先などからの招待(43.8%)」、「特定の製品やサービスの商談(42.7%)」がこれに続き、「自社が展示会を行う際の勉強」が33.2%、「導入を検討している製品・サービスの比較検討」が33.1%、「製品・サービスの実物を体験・確認すること」が30.4%となっている。
来場目的の分布からは、展示会が「情報収集の場」「商談の場」「人脈形成の場」という複数の役割を同時に果たしている構造が読み取れる。
特に「情報収集や業界トレンドの把握」と「特定の製品やサービスの商談」「製品・サービスの実物を体験・確認すること」「比較検討」が上位に並んでいる点は、来場者が単なる受動的な情報の受け手ではなく、具体的な購買プロセスの一環として展示会を活用している可能性を示している。
展示会への来場目的
【図5-1】
図5-1:展示会への来場目的は何ですか?(複数回答)。最多は「情報収集や業界トレンドの把握」の52.3%です。
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| 項目 | 割合 |
|---|---|
| 情報収集や業界トレンドの把握 | 52.3% |
| 取引先などからの招待 | 43.8% |
| 特定の製品やサービスの商談 | 42.7% |
| 自社が展示会を行う際の勉強 | 33.2% |
| 導入を検討している製品・サービスの比較検討 | 33.1% |
| 製品・サービスの実物を体験・確認すること | 30.4% |
| セミナー・講演の聴講 | 25.3% |
| 競合他社の動向調査 | 19.6% |
| 業界の人脈づくり・ネットワーキング | 15.9% |
| 息抜き | 5.2% |
| その他 | 0.9% |
| わからない/答えられない | 0.2% |
■来場頻度と滞在時間
直近1年間の展示会来場回数を尋ねた結果、「2~3回」が53.1%で最多、「4~5回」が19.4%、「6回以上」が8.5%となった。年間複数回来場している割合は合計で81.0%に達しており、一度限りの来場ではなく、継続的な情報収集チャネルとして展示会を位置づけている来場者が多いことがわかる。
直近1年間の展示会来場回数
【図5-2】
図5-2:直近1年間で来場した展示会の回数を教えてください。最多は「2~3回」の53.1%です。
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| 項目 | 割合 |
|---|---|
| 1回 | 18.3% |
| 2~3回 | 53.1% |
| 4~5回 | 19.4% |
| 6回以上 | 8.5% |
| わからない/答えられない | 0.7% |
滞在時間については、「1~2時間未満」が37.0%で最多、「2~3時間未満」が35.0%で続き、「3~4時間未満」が14.1%、「4時間以上」が9.2%となった。「1時間未満(4.5%)」と「1~2時間未満(37.0%)」を合わせると、2時間未満の滞在が41.5%を占める。限られた時間の中で効率的に情報収集・商談を行う来場者の姿が浮かび上がる。
展示会場での滞在時間
【図5-3】
図5-3:直近の展示会来場時に、会場全体でおおよそどのくらい滞在しましたか。最多は「1~2時間未満」の37.0%です。
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| 項目 | 割合 |
|---|---|
| 1時間未満 | 4.5% |
| 1~2時間未満 | 37.0% |
| 2~3時間未満 | 35.0% |
| 3~4時間未満 | 14.1% |
| 4時間以上 | 9.2% |
| わからない/答えられない | 0.2% |
■立ち寄るブース数と事前計画
直近の展示会で立ち寄ったブース数を尋ねた結果、「4~6社」が43.1%で最多となり、「7~10社」が32.0%で続いた。また、「11~15社」は8.6%、「16社以上」は6.2%となった。10社を超えるブースに立ち寄る来場者も14.8%存在する一方で、「4~6社」と「7~10社」を合わせると75.1%に達しており、多くの来場者にとって、1回の展示会来場で実際に立ち寄るブース数は4~10社程度に集中している。
立ち寄ったブース数
【図5-4】
図5-4:直近の展示会来場時に、立ち寄ったブースのおおよその数を教えてください。最多は「4~6社」の43.1%です。
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| 項目 | 割合 |
|---|---|
| 1~3社 | 9.1% |
| 4~6社 | 43.1% |
| 7~10社 | 32.0% |
| 11~15社 | 8.6% |
| 16社以上 | 6.2% |
| わからない/答えられない | 1.0% |
ただし、この結果を解釈する際には、「立ち寄った」という言葉の受け止め方に注意が必要である。展示会場では、来場者が10社以上のブースの前を通り、展示物を見たり、資料を手に取ったり、短時間足を止めたりすることは珍しくない。一方で、本アンケート回答時に来場者が「立ち寄ったブース」として想起するのは、説明を受けた、名刺交換をした、担当者と会話した、印象に残ったといった、一定以上の接点があったブースに限られている可能性がある。したがって、本設問の結果は、来場者が会場内で接触したブースの総数を示すものというより、来場者の記憶に残る程度の接点が生じたブース数を示していると解釈するのが妥当である。来場者は多くのブースを目にしているものの、実際に「立ち寄った」と認識されるブースは限られている。この点は、出展企業にとって、単に来場者の視界に入るだけでなく、記憶に残る接点をいかにつくるかが重要であることを示している。
注目すべきは、実際に立ち寄ったブースのうち、来場前から訪問を決めていたブースが一定数含まれている点である。来場前から立ち寄ると決めていたブース数を尋ねたところ、「3~5社」が39.2%で最多となり、「1~2社」が38.2%で続いた。「0社(すべて当日その場で決めた)」は8.8%にとどまっている。
来場前に訪問を決めていたブース数
【図5-5】
図5-5:来場前から立ち寄ると決めていたブースは何社ですか?。最多は「3~5社」の39.2%です。
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| 項目 | 割合 |
|---|---|
| 0社(すべて当日その場で決めた) | 8.8% |
| 1~2社 | 38.2% |
| 3~5社 | 39.2% |
| 6~10社 | 9.6% |
| 11社以上 | 3.6% |
| わからない/答えられない | 0.6% |
9割以上(90.6%)の来場者が、少なくとも1社以上のブースを事前に訪問候補として決めて来場している。また、「1~2社」と「3~5社」の合計が77.4%に達しており、多くの来場者は、来場前の段階で数社程度の訪問候補を持っていることがわかる。
このことは、出展企業にとって重要な意味を持つ。展示会において、来場者に立ち止まってもらい、対話のきっかけをつくるうえで、会期中の現場対応が重要であることは言うまでもない。ブースキャッチコピーや展示内容の見せ方、ブース前での声かけ、スタッフの接客、短時間で関心を引く説明など、当日の接点づくりの質が成果を左右する。
一方で、実際に立ち寄るブース数が限られており、その一部が来場前から訪問候補として決まっていることを踏まえると、会期前の段階でいかに認知を獲得し、訪問候補に入るかも重要になる。展示会の集客は、会期中の接点づくりを軸としながらも、来場者が訪問先を検討し始める会期前の段階から始まっていると考えられる。この対応については、第7章、第8章で論じる。
■情報収集手段の中での展示会の位置
来場者が業務上の情報収集に利用している手段を複数回答で尋ねた結果、「Web検索(Google・Yahoo!など)」が56.5%で最多となった。注目すべきは、2位「AI検索ツール(ChatGPT・Perplexity・Geminiなど)」が50.2%、3位「展示会・見本市(リアル会場)への来場」が50.0%とほぼ並ぶ結果となった点である。
業務上の情報収集手段
【図5-6】
図5-6:業務上、情報収集に利用している手段は何ですか?(複数回答)。最多は「Web検索(Google・Yahoo!など)」の56.5%です。
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| 項目 | 割合 |
|---|---|
| Web検索(Google・Yahoo!など) | 56.5% |
| AI検索ツール(ChatGPT・Perplexity・Geminiなど) | 50.2% |
| 展示会・見本市(リアル会場)への来場 | 50.0% |
| 業界メディア・ニュースサイト | 43.0% |
| 営業担当者や取引先からの情報提供 | 30.0% |
| SNS(LinkedIn・X・Facebookなど) | 28.1% |
| オンラインセミナー・ウェビナー | 26.7% |
| メールマガジン・ニュースレター | 21.4% |
| 社内の口コミ・同僚からの共有 | 13.2% |
| 書籍・雑誌などの紙媒体 | 11.8% |
| その他 | 0.3% |
| わからない/答えられない | 1.4% |
AI検索ツールが業務上の情報収集手段として半数の回答者に利用されている事実は、デジタル技術の業務浸透の速さを示している。その一方で、展示会が同水準で情報収集チャネルとして認知されている点は、対面での情報収集の価値が失われていないことを示唆する。両者は共存関係にあり、来場者は用途に応じて使い分けているものと考えられる。
5-3. ブース訪問の意思決定要因
来場者がブースに立ち寄る際に重視する要素を上位3つまで選択してもらった結果、「自社の業務課題に直結するキーワードや展示内容が目に留まったこと」が51.5%で最多となった。続いて「製品・サービスの実物展示やデモ体験ができること(40.1%)」、「事前に気になっていた企業やブランドであること(36.8%)」、「事例や開発者の見解、初公開情報など展示会場でしか得られない情報に触れられること(34.6%)」が挙げられている。
この結果は、出展側にとって示唆に富むものである。来場者がブースを選ぶ基準の1位は「自社の業務課題に直結するキーワード(51.5%)」であり、「ブースの見た目や演出(20.3%)」よりも圧倒的に高い。ブースを目立たせる装飾や演出よりも、来場者の課題に響くメッセージを明確に掲げることが重要であることを示唆するデータといえる。
ブースに立ち寄る際に重視する要素
【図5-7】
図5-7:展示会でブースに立ち寄る際、重視する要素は何ですか?(上位3つまで)。最多は「自社の業務課題に直結するキーワードや展示内容が目に留まったこと」の51.5%です。
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| 項目 | 割合 |
|---|---|
| 自社の業務課題に直結するキーワードや展示内容が目に留まったこと | 51.5% |
| 製品・サービスの実物展示やデモ体験ができること | 40.1% |
| 事前に気になっていた企業やブランドであること | 36.8% |
| 事例や開発者の見解、初公開情報など展示会場でしか得られない情報に触れられること | 34.6% |
| ブースの見た目や演出が目を引くこと | 20.3% |
| スタッフの対応が押し売り的でなく、話しやすそうなこと | 17.6% |
| ノベルティや特典があること | 11.4% |
| セミナー・プレゼンテーションが行われていること | 6.2% |
| 事前にメールやSNSで案内をもらっていたこと | 5.0% |
| その他 | 0.2% |
| わからない/答えられない | 1.0% |
この結果を、前掲の出展者側の回答(4-2節参照)と照らし合わせると、出展者と来場者の認識がずれていることに気づく。出展者と来場者の認識のずれについては、第7章で詳しく論じる。また、「事例や開発者の見解、初公開情報など展示会場でしか得られない情報に触れられること」が34.6%と高い水準にある点も注目される。展示会が「一次情報の宝庫」としての価値を持つという本白書の基本認識(第6章で詳述)は、来場者側のデータからも裏付けられている。
■1ブースあたりの滞在時間
1社あたりのブース滞在時間を尋ねた結果、「10~20分未満」が39.5%で最多、「5~10分未満」が36.8%となり、「20~30分未満」が13.5%、「5分未満」が4.5%、「30分以上」が5.0%となった。
5~20分程度でブースの価値を判断する来場者が過半数を占めており、出展側にはこの短い時間でいかに自社の価値を伝えるかという課題が存在することがわかる。
1社あたりのブース滞在時間
【図5-8】
図5-8:直近の展示会来場時に、1社あたりのブースにおおよそどのくらい滞在しましたか。最多は「10~20分未満」の39.5%です。
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| 項目 | 割合 |
|---|---|
| 5分未満 | 4.5% |
| 5~10分未満 | 36.8% |
| 10~20分未満 | 39.5% |
| 20~30分未満 | 13.5% |
| 30分以上 | 5.0% |
| わからない/答えられない | 0.7% |
5-4. 来場者が求める「体験価値」
■期待以上と感じたブースの特徴
期待以上だったと感じたブースの特徴を複数回答で尋ねた結果、「開発者やエンジニアから直接話を聞けた」が49.1%で最多となった。次いで「他社では聞けない導入事例や活用ノウハウに触れられた(42.2%)」、「自社の課題に合わせた具体的な提案をしてもらえた(34.3%)」、「製品・サービスを実際に体験・操作できた(30.9%)」、「業界の最新動向や未公開情報を入手できた(29.8%)」が続いている。
期待以上だったブースの特徴
【図5-9】
図5-9:「期待以上」だったと感じたブースの特徴は何ですか?(複数回答)。最多は「開発者やエンジニアから直接話を聞けた」の49.1%です。
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| 項目 | 割合 |
|---|---|
| 開発者やエンジニアから直接話を聞けた | 49.1% |
| 他社では聞けない導入事例や活用ノウハウに触れられた | 42.2% |
| 自社の課題に合わせた具体的な提案をしてもらえた | 34.3% |
| 製品・サービスを実際に体験・操作できた | 30.9% |
| 業界の最新動向や未公開情報を入手できた | 29.8% |
| 押し売りがなく、気軽に質問・相談ができた | 16.1% |
| 特に期待以上だったブースはない | 6.1% |
| その他 | 0.3% |
| わからない/答えられない | 1.1% |
これらの回答に共通するのは、「展示会でしか得られない情報・体験」への高い評価である。「開発者やエンジニアから直接話を聞ける」「他社では聞けない導入事例やノウハウに触れられる」「実際に体験・操作できる」は、いずれもWeb検索やAI検索では得られにくい一次情報・体験情報であり、来場者が展示会に求めているのはまさにこうした体験価値であることがわかる。
■期待外れと感じたブースの特徴
一方、期待外れだと感じたブースの特徴を複数回答で尋ねた結果、「売り込み感が強く、話を聞く気がなくなった」が42.4%で最多となった。次いで「質問しても的確な回答が得られなかった」が40.1%、「展示内容がWebサイトで得られる情報と大差なかった」が35.1%、「ブース担当者が忙しそうで声をかけにくかった」が26.4%となっている。
「展示内容がWebサイトで得られる情報と大差なかった」という回答が35.1%に上っている点は注目に値する。わざわざ会場に足を運んだにもかかわらずオンラインで得られる情報と変わらないのであれば、来場者にとって展示会に足を運ぶ意義は失われる。
出展側には、展示会という場の特性を活かした「ここでしか得られない情報・体験」を意図的に設計していくことが求められる。この対応については、第8章で論じる。
営業担当者との対話内容
【図5-10】
図5-10:「期待外れ」だと感じたブースの特徴は何ですか?(複数回答)。最多は「売り込み感が強く、話を聞く気がなくなった」の42.4%です。
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| 項目 | 割合 |
|---|---|
| 売り込み感が強く、話を聞く気がなくなった | 42.4% |
| 質問しても的確な回答が得られなかった | 40.1% |
| 展示内容がWebサイトで得られる情報と大差なかった | 35.1% |
| ブース担当者が忙しそうで声をかけにくかった | 26.4% |
| チラシやノベルティを一方的に押し付けてきた | 15.8% |
| 自社の課題に合わない提案をされた | 14.0% |
| 特に期待外れだったブースはない | 11.0% |
| その他 | 1.0% |
| わからない/答えられない | 1.5% |
■購買意思決定への影響
展示会で得た情報が自社の購買意思決定に影響を与えたことがあるかを尋ねた結果、「はい」が79.7%、「いいえ」が14.3%となった。約8割の来場者が、展示会の情報を購買判断に活かしたことがあると回答している。
展示会情報の購買意思決定への影響
【図5-11】
図5-11:展示会で得た情報が自社の購買意思決定に影響を与えたことはありますか?。最多は「はい」の79.7%です。
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| 項目 | 割合 |
|---|---|
| はい | 79.7% |
| いいえ | 14.3% |
| わからない/答えられない | 6.0% |
影響があったと回答した来場者(n=868)に対し、その影響の内容を複数回答で尋ねた結果、「比較検討していた候補を絞り込む判断材料になった」が63.5%で最多となった。続いて「実物を見たことで、導入への社内説得がしやすくなった(44.1%)」、「担当者と直接話したことで、信頼性や対応力を確認できた(39.9%)」、「展示会で初めて知った製品・サービスの導入を検討し始めた(35.3%)」が挙がっている。
購買意思決定に影響したこと
【図5-12】
図5-12:展示会の情報が、自社の購買意思決定にどのような影響を与えましたか?(複数回答)。最多は「比較検討していた候補を絞り込む判断材料になった」の63.5%です。
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| 項目 | 割合 |
|---|---|
| 比較検討していた候補を絞り込む判断材料になった | 63.5% |
| 実物を見たことで、導入への社内説得がしやすくなった | 44.1% |
| 担当者と直接話したことで、信頼性や対応力を確認できた | 39.9% |
| 展示会で初めて知った製品・サービスの導入を検討し始めた | 35.3% |
| 他社の導入事例を聞いたことで、導入の後押しになった | 21.7% |
| 逆に、候補から外す判断材料になった | 7.4% |
| その他 | 0.1% |
| わからない/答えられない | 0.3% |
展示会は単なる情報収集の場ではなく、「候補の絞り込み」「社内説得」「信頼性の確認」「新規検討の起点」といった購買プロセスの複数の段階で機能している。特に「社内説得がしやすくなった」という回答が44.1%に上る点は、BtoB購買における合議的な意思決定プロセスにおいて、展示会で得た一次情報や体験が「説得材料」として機能していることを示している。
この点は、第1章冒頭で示した「BtoBマーケティングはデジタルで完結するのか」という問いに対する一つの答えでもある。Web上の情報やオンライン商談によって比較検討の効率は高まっているものの、社内を説得し、最終的な意思決定を前に進める段階では、実物を見た経験、担当者と直接対話した印象、会場で得た一次情報が依然として重要な役割を果たしている。
■対面情報とWeb・AI情報の比較
Web検索による情報収集が一般化し、生成AIによる情報探索も浸透しつつある中で、来場者が最終的な購買判断においてどちらの情報をより重視しているかを尋ねたところ、「展示会での対面情報の方が影響が大きかった」が18.5%、「どちらかといえば展示会での対面情報」が41.5%となり、合計で60.0%が対面情報を優位と回答した。
この結果は、第6章で論じる「AI時代の展示会の位置づけ」を考えるうえで重要な示唆を含んでいる。本章第2節で確認したとおり、AI検索ツールを業務上の情報収集手段として使う来場者が半数に達する状況下でも、購買の最終判断においてはなお対面情報が優位であるという事実は、展示会の価値が衰退するどころか、むしろ相対的に高まっている可能性を示している。
展示会後の情報収集行動
【図5-13】
図5-13:購買判断において、最も影響が大きかった情報源はどちらですか?。最多は「どちらかといえば展示会での対面情報」の41.5%です。
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| 項目 | 割合 |
|---|---|
| 展示会での対面情報の方が影響が大きかった | 18.5% |
| どちらかといえば展示会での対面情報 | 41.5% |
| どちらも同程度 | 21.9% |
| どちらかといえばWeb・AI検索での情報 | 10.8% |
| Web・AI検索での情報の方が影響が大きかった | 2.2% |
| Web・AI検索を利用していないので比較できない | 2.7% |
| わからない/答えられない | 2.4% |
■ 本白書の引用・転載について
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引用・転載の際は、以下のように出典を明記してください。
出典:株式会社展示会営業マーケティング「展示会白書」

