展示会を失敗させないセミナー

展示会のプロジェクター活用法|大画面より「実物・体験」につなげる使い方

展示会でプロジェクターを使うと、大きな映像で製品やサービスを見せたり、実機では見せにくい仕組みを映像化したり、複数の来場者へ同時に情報を伝えたりすることができます。

一方で、展示会場でプロジェクターを使ってみたものの、

  • 「思ったより映像が薄い」
  • 「照明が明るくてほとんど見えない」
  • 「人が前を通るたびに影になる」
  • 「プロジェクターは動いているのに、誰も見ていない」
  • 「動画はきれいだが、何の商品なのか伝わっていない」

という状態になっているブースもあります。

展示会で使うプロジェクターは、会議室で使うプロジェクターと同じ感覚で選ばない方がよい場合があります。

展示会場は非常に明るく、人が絶えず動き、設置スペースも限られます。

さらに、映像そのものが主役なのではありません。

清永健一の結論

展示会でプロジェクターを使う目的は、「大きな映像を出すこと」ではありません。

実物だけでは分かりにくい価値を見える化したり、来場者の課題を自分事化してもらったり、実物・体験・会話へつなげたりするために使います。

だから、プロジェクターを選ぶ前に、

「この映像を見た来場者に、その次に何をしてほしいのか?」

を決めてください。

立ち止まってほしいのか。

商品へ触ってほしいのか。

デモを体験してほしいのか。

スタッフへ質問してほしいのか。

プロジェクターは主役ではありません。実物・体験・会話を始めるための補助装置です。

展示会白書のデータ

来場者1,089名に「期待以上だった」と感じたブースの特徴を尋ねると、「開発者やエンジニアから直接話を聞けた」49.1%が最多でした。また、「製品・サービスを実際に体験・操作できた」30.9%でした。

来場者が高く評価しているのは、大画面そのものではなく、対話や実体験です。プロジェクターは、実物・体験・会話へ来場者をつなぐ補助装置として使うのが基本です。

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展示会営業®コンサルタントとして累計1,300社超を支援してきた清永健一が、展示会で使うプロジェクターについて、明るさ、解像度、投写距離、短焦点・超短焦点、接続方法、設置、映像コンテンツ、活用方法、メンテナンスまで詳しく解説します。

また、株式会社展示会営業マーケティングが2026年4月に実施した、出展者536名・業務目的来場者1,089名への独自調査「展示会白書」も踏まえ、そもそも展示会で映像をどう使えば来場者の行動につながるのかも考えます。

目次

展示会でプロジェクターを使うメリット

展示会でプロジェクターを使うメリットは、大画面をつくれることだけではありません。

使い方によっては、実物だけでは伝えにくい商品・サービスの価値を、短時間で理解してもらうことができます。

大きな画面で複数の来場者へ同時に伝えられる

パソコンやタブレットの画面は、1~2人へ説明するには便利です。

しかし、5人、10人と来場者が集まると、後ろの人には見えません。

プロジェクターで大きく映せば、複数の来場者へ同時に、

  • 製品の使い方
  • ソフトウェア画面
  • 加工工程
  • 導入事例
  • Before/After
  • 工場内部

などを見せることができます。

特に小型の商品やソフトウェア画面を複数人に見せる場合には有効です。

実物を持ち込めない商品・設備を見せられる

大型設備、生産ライン、建築物、物流設備などは、展示会場へ実物を持ち込めないことがあります。

その場合、映像で、

  • 実際の稼働状況
  • 導入現場
  • 機械内部
  • 施工前・施工後
  • 導入効果

を見せることができます。

実物がない商材ほど、プロジェクターを「大型の会社紹介画面」にしてしまうのではなく、普段見せられないものを見せる装置として使うと価値が高まります。

無形サービスを「見える化」できる

SaaS、コンサルティング、業務支援、人材サービスなどには実物がありません。

その場合、

  • 実際の操作画面
  • 診断結果
  • シミュレーション
  • 業務フローのBefore/After
  • 導入前後の数値変化

などを大きく映すことで、サービスを「見える化」できます。

体験を周囲の来場者にも見せられる

一人の来場者が商品を操作している様子を大画面へ映せば、その周囲を歩いている人にも、

「何か体験できるブースだ」

と気づいてもらえることがあります。

たとえば、AI診断、シミュレーション、ソフトウェア操作などは、体験者本人のPC画面だけでなく、大画面にも結果を表示すると、周囲の来場者にも内容が伝わります。

「説明を映す」より、「来場者の体験を映す」。

この方が、プロジェクターを展示会らしく活用できます。

展示会白書から見る|プロジェクターそのものでは人は止まらない

展示会で大型映像を使うと、どうしても、

「大画面なら目立つ」

「動画を流しておけば人が止まる」

と考えがちです。

展示会白書のデータ

来場者1,089名に「ブースへ立ち寄る際に重視する要素」を尋ねると、「自社の業務課題に直結するキーワードや展示内容」51.5%、「製品・サービスの実物展示やデモ体験」40.1%が上位でした。一方、「セミナー・プレゼンテーション」6.2%でした。

プロジェクターを置くこと自体ではなく、誰のどんな課題に関係する映像なのかを明確にし、実物やデモへつなげることが重要です。

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清永健一の解説

この数字を見ると、プロジェクターを設置しただけで来場者の足が止まるわけではないことが分かります。

つまり、先に必要なのは、

「誰のどんな課題に関係する映像なのか」

です。

大画面に会社紹介動画を流し続けるだけではなく、

「〇〇工程にまだ3人使っていませんか?」

と最初に表示し、その解決方法を実物・動画・デモで見せる。

映像の大きさより、映像の意味を先に設計してください。

展示会ではプロジェクター・大型モニター・LEDのどれを使うべきか

展示会で映像を見せる方法は、プロジェクターだけではありません。

場合によっては、大型モニターの方が使いやすいこともあります。

方法メリット注意点
プロジェクター比較的大きな画面を作りやすい。投影サイズを変更しやすい。壁面全体などへの演出も可能。周囲が明るいと見えにくい。投写距離が必要。人が横切ると影が出る場合がある。
大型モニター明るい会場でも見やすい。設置後の調整が比較的少ない。人が前を通っても画面に影が出ない。大型になるほど重量・輸送・設置コストが増える。
LEDディスプレイ非常に明るく、大型画面・大規模ブースに向く。自由度の高い映像演出が可能。費用、設営、電源、運用の負担が大きくなりやすい。

1小間程度の小規模ブースで、60~80インチ程度の映像を常時表示したいだけなら、大型モニターの方が運用しやすい場合もあります。

一方、100インチ以上の大画面をつくりたい、壁面全体を使いたい、サイズを柔軟に変えたい、映像演出をしたい場合には、プロジェクターのメリットが大きくなります。

清永健一の判断基準

「プロジェクターを置きたい」から考えないでください。

先に、

「何を、どの大きさで、どこから、何人に見せたいのか」

を決めます。

その結果として、プロジェクター、大型モニター、LEDのどれが適しているかを選びます。

展示会に適したプロジェクターの選定基準

展示会用プロジェクターを選ぶ際には、主に次の項目を確認します。

  1. 明るさ
  2. 解像度
  3. 投影サイズ
  4. 投写距離
  5. 短焦点・超短焦点
  6. レンズシフト・補正機能
  7. 接続端子
  8. 光源
  9. サイズ・重量
  10. 使用するスクリーン・壁面

明るさ|展示会場は想像以上に明るい

展示会でプロジェクターを使う際、もっとも注意したいのが明るさです。

展示会場には天井照明が多数あり、隣のブースにも照明があります。

さらに、自社ブースでもスポットライトや電飾を使用している場合があります。

会社の会議室で映したときは十分明るく見えたプロジェクターでも、展示会場へ持ち込むと、

「かなり薄い」

ということがあります。

ビジネスプロジェクターのメーカーによる一般的な目安では、明るさには、

  • 3,000~4,000lm前後
  • 4,000~5,000lm前後
  • 5,000~7,000lm前後
  • それ以上

という複数のクラスがあります。

一般に、画面を大きくするほど、また周囲が明るくなるほど、より高い明るさが必要になります。

現行記事では「3,000ルーメン以上」を一つの目安としていました。

これは小型スクリーン・比較的条件のよい環境では使える考え方ですが、展示会場で一律に3,000lmあれば十分とは考えない方がよいでしょう。

たとえば、

使用状況検討の目安
小規模ブース・比較的小さな画面3,000~4,000lmクラスから検討
照明を落とせない一般的な展示会ブース4,000~5,000lm以上も含めて検討
100インチ超・明るいホール・広いブース5,000~7,000lm以上も含めて検討

これは絶対的な基準ではありません。

スクリーンサイズ、スクリーンの種類、周囲光、映像内容によって見え方は大きく変わります。

できれば、レンタル会社・施工会社へ、

  • 会場
  • 小間位置
  • 投影サイズ
  • 設置距離
  • 周囲照明

を伝えて選定してもらってください。

解像度|展示会ではFull HD以上を一つの基準にする

現行記事では720p以上を一つの目安としていました。

現在は、ビジネス向けでもFull HD、WUXGA、4K対応・4K相当の製品が増えています。

特に、

  • 小さな文字
  • CAD図面
  • 細かな表
  • ソフトウェア画面
  • 高精細な写真・映像

を表示するなら、Full HD以上を一つの基準に考えるとよいでしょう。

ただし、4Kなら必ず成果が出るわけではありません。

通路を歩いている来場者へ見せる映像なら、解像度より、

  • 文字を大きくする
  • 情報量を減らす
  • 色の差をはっきりさせる
  • 意味を一瞬で理解できるようにする

方が重要です。

展示会では「高画質」より「何が映っているか一瞬で分かること」が先です。

コントラスト比

コントラスト比は、明るい部分と暗い部分の差を表す指標です。

高いほど黒が締まり、映像の階調を表現しやすくなります。

ただし展示会場のように周囲光が多い環境では、スペック上のコントラスト比だけで実際の見え方を判断しない方がよいでしょう。

スクリーンへ外光や照明が直接当たれば、黒い部分も明るく見えてしまいます。

そのため、

  • 明るさ
  • 周囲照明
  • スクリーンの位置
  • 投影サイズ

と合わせて判断してください。

投影距離|ブース図面で必ず確認する

プロジェクターには、希望する画面サイズを投影するために必要な距離があります。

たとえば100インチで映したくても、ブース奥行きが3mしかない場合、一般的なプロジェクターでは必要な距離を確保できないことがあります。

また、プロジェクターを通路側へ置けば、人がレンズの前を通るたびに影が出ます。

購入・レンタル前に、

  • スクリーンサイズ
  • レンズからスクリーンまでの距離
  • 本体を置く位置
  • 来場者の動線

を図面上で確認してください。

メーカー各社には投写距離シミュレーターや投写距離表がありますので、必ず使用機種の仕様を確認します。

短焦点・超短焦点プロジェクター

展示会と相性がよいのが、短焦点・超短焦点タイプです。

短い距離から大きな画面を投影できるため、奥行きの限られたブースでも使いやすくなります。

さらに、スクリーンのすぐ近くへプロジェクターを設置できれば、来場者やスタッフが前を横切ったときに影が出にくくなります。

特に、

  • 1~2小間程度のブース
  • 壁面に大きく投影したい
  • 来場者が映像の前へ近づく
  • タッチ・インタラクティブ展示を行う

場合は、短焦点・超短焦点を検討する価値があります。

レンズシフト・台形補正・設置調整

展示会では、必ずしもスクリーン正面中央にプロジェクターを置けるとは限りません。

柱、展示台、通路、照明、隣接ブースなどの制約があります。

そこで、

  • レンズシフト
  • 台形補正
  • コーナー補正

などの設置調整機能があると便利です。

ただし、デジタル補正を大きくかけると、画質が低下する場合があります。

最初から極端な斜め投影を前提にするのではなく、できるだけ自然な位置へ設置したうえで補正機能を使ってください。

接続性と互換性

展示会当日に多いトラブルが、

「映像が出ない」

です。

プロジェクター本体だけでなく、

  • PC
  • HDMIケーブル
  • USB-C/HDMI変換アダプター
  • 電源ケーブル
  • 延長コード
  • 電源タップ

までセットで確認してください。

無線接続は便利ですが、大型展示会場では多数の無線機器が使われます。

展示会本番のメイン映像は、可能であれば有線接続を基本にし、無線を補助として考えると安心です。

さらに、クラウド上の動画しか用意していない場合、会場の通信環境によって再生できない可能性があります。

動画やプレゼン資料はPC本体にも保存しておくことをおすすめします。

光源|レーザーとランプ

現在の業務用プロジェクターでは、レーザー光源を採用した機種が増えています。

レーザー光源は、ランプ交換の頻度を抑えやすく、立ち上がり・終了が速い製品も多いため、イベント用途でも使いやすくなっています。

一方、既存のランプ式プロジェクターを社内で所有している企業もあるでしょう。

重要なのは、新しい方式だから必ず買い替えることではありません。

明るさ、解像度、設置距離、稼働時間など、今回の展示会要件を満たしているかで判断してください。

サイズ・重量

自社スタッフが電車や飛行機で持ち運ぶなら、重量も重要です。

一方、施工会社やレンタル会社に会場設置まで依頼するのであれば、重量より明るさ・設置性能を優先できます。

「軽いから」という理由だけで選び、映像が暗くなってしまっては意味がありません。

2026年時点|展示会用プロジェクターの選定例

プロジェクターの型番は入れ替わりが早いため、この記事では「この機種を必ず買うべき」というランキングにはしません。

代わりに、2026年時点のメーカー公式ラインアップから、展示会で考えやすいタイプの例を挙げます。

超短焦点・省スペース型

小~中規模ブースで、壁面の近くから大画面を投影したい場合に検討しやすいタイプです。

たとえばエプソンの「EB-810E/EB-815E」は、5,000lmクラスで超短焦点のモデルです。

壁面近くに設置できるため、奥行きの限られた展示ブースでも大画面をつくりやすいタイプです。

また、パナソニックの「PT-CMZ50J」は、5,200lm・WUXGAの超短焦点モデルです。

80型クラスを非常に短い距離から投写できるため、来場者とスクリーンの間に長い投写距離を確保しにくい展示会でも検討しやすいでしょう。

5,000lm前後の汎用タイプ

ある程度の明るさを確保しつつ、会議室、セミナー、展示会など複数用途で使いたい場合に選びやすいクラスです。

5,000lm前後には、複数メーカーからWUXGA、Full HD以上のモデルがあります。

年間に何度も展示会へ出展し、普段は社内会議やセミナーにも使う企業であれば、汎用性を重視する方法があります。

6,000~8,000lm以上の高輝度タイプ

大型スクリーン、比較的明るい展示ホール、大規模ブースなどでは、6,000~8,000lm以上のクラスも選択肢になります。

パナソニックの現行ラインアップにも、6,500lm、7,300lm、8,000lmクラスのポータブル・業務用モデルがあります。

ただし、明るければ明るいほどよい、という意味ではありません。

本体サイズ、重量、電源、設置、予算も増えるため、必要な投影サイズと周囲環境から逆算してください。

具体機種は展示会ごとに再確認する

現行ページでは、過去の個別機種を具体的におすすめしていました。

しかし、プロジェクターはモデルチェンジがあるため、記事を読んだ時点で生産終了・後継機登場となっている可能性があります。

そのため、実際に購入・レンタルするときは、

  • メーカー公式サイト
  • 施工会社
  • 映像機器レンタル会社

などで最新機種を確認してください。

プロジェクターの設置方法と注意点

設置場所の選び方

プロジェクターの設置場所は、ブースレイアウトと同時に考えます。

確認するのは、

  • スクリーンとの距離
  • 来場者の視線
  • 人が横切る場所
  • スタッフの立ち位置
  • 商品展示
  • 電源位置

です。

後から「空いている場所に置く」のではなく、映像もブース設計の一部として最初から位置を決めます。

スクリーンとの距離と位置

投写距離は機種によって異なります。

同じ100インチでも、必要な距離はプロジェクターによって大きく変わります。

必ずメーカーの仕様書・投写距離表で確認してください。

また、できるだけ映像の正面から来場者が見られるようにします。

通路方向に対して横向きにしか見えない場合、映像が大きくても見てもらえません。

スクリーンか壁面か

展示ブースの白い壁へ直接投影する方法もあります。

ただし、壁面の色、凹凸、継ぎ目、光沢によって見え方が変わります。

映像を重要な訴求要素として使うなら、専用スクリーンや投影に適した面材を検討してください。

壁へ直接投影する場合も、設営日に実際の映像を出して確認します。

適切なケーブル配線

展示会場では、来場者の足元へケーブルを露出させないことが重要です。

つまずき事故につながる可能性があります。

ケーブルは、

  • 壁面・什器の裏を通す
  • 床面では適切に養生する
  • 余ったケーブルをまとめる

など、安全を優先してください。

床面への固定方法には主催者ごとの規定があります。

出展者マニュアルを確認してください。

周囲の明るさを確認する

プロジェクターの明るさを選ぶだけでなく、スクリーンに直接照明が当たらないようにすることも重要です。

たとえば、スクリーンを明るく見せようとして、その正面からスポットライトを当てれば、投影映像が薄くなります。

映像用の壁面と商品用照明は分けて設計してください。

展示会前日に必ず実機確認する

プロジェクターは設営日に必ず確認します。

  • 映像が出るか
  • 画面サイズは適切か
  • ピントは合っているか
  • 文字は読めるか
  • 色は正常か
  • 動画が最後まで再生できるか
  • 音声が必要なら音が出るか
  • 照明をつけた状態でも見えるか

を確認します。

本番当日の朝に初めて接続するのは避けてください。

展示会で流す映像の作り方

プロジェクターの機種より、実は映像内容の方が展示会成果への影響が大きい場合があります。

会社紹介動画をそのまま流さない

会社紹介動画は、

「当社は昭和〇年創業……」

「国内〇拠点……」

「品質を第一に……」

という構成になっていることがあります。

企業理解には役立ちますが、通路を歩いている来場者の足を止める映像とは限りません。

最初に、

「誰の、どんな課題を解決するのか」

を表示してください。

音声なしでも意味が分かるようにする

展示会場は騒がしいです。

隣のブースでも動画、マイク、デモが行われています。

そのため、音声を聞かないと意味が分からない動画は不利です。

字幕、見出し、大きな数字などを使い、無音でも意味が分かる映像にしてください。

一画面に文字を詰め込まない

PowerPointのプレゼン資料をそのままループ表示すると、文字が小さすぎて通路から読めません。

展示会では、

  • 一つの画面に一つのメッセージ
  • 文字を大きくする
  • 文章ではなくキーワード
  • 実物・写真・数値を中心にする

方が分かりやすくなります。

長い動画より短いループをつくる

来場者は動画の冒頭から最後まで必ず見てくれるわけではありません。

途中から見ても意味が分かるよう、短い単位でループさせます。

私は、展示会ブースで常時流す映像なら、30~90秒程度で一つの意味が伝わる構成を一つの目安として考えることをおすすめしています。

詳しい説明は、映像を見て興味を持った人との会話で行えばよいのです。

Webサイトにある情報だけを映さない

展示会白書のデータ

来場者1,089名に「期待外れだったブース」の特徴を尋ねると、「展示内容がWebサイトで得られる情報と大差なかった」35.1%でした。

プロジェクターへWebサイトと同じ商品説明を映すだけでは、展示会場まで来た意味が弱くなります。

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プロジェクターにWebサイトと同じ商品説明を映すだけでは、展示会へ来た意味が弱くなります。

そこで、

  • 実際の導入現場
  • 開発者のコメント
  • 加工途中
  • 失敗例
  • 比較テスト
  • 実際の操作
  • 展示会限定の事例

など、会場だから見せられる一次情報を映します。

展示会白書から見る|映像で「説明する」より、体験へつなげる

展示会白書のデータ

展示会の重要性が「高まる」と答えた来場者740名に理由を尋ねると、「AI検索では得られない、五感を使った製品体験や実物確認」42.7%、「直接対話で得られる一次情報の価値が高まっている」41.6%でした。

プロジェクターで説明を完結させるのではなく、映像をきっかけに実物・体験・開発者との対話へ送る方が、展示会ならではの価値を活かせます。

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清永健一の解説

プロジェクターで商品の特徴を10分間説明すること自体が、展示会価値ではありません。

映像で、

「こんな課題がある」

「この商品なら、こう変わる」

と短時間で理解してもらう。

そして、

「実物はこちらです」

「実際に触ってみてください」

「開発担当に質問できます」

と次へ進める。

プロジェクターは「説明を完結させる道具」ではなく、「実物・体験・対話へ送る道具」として使う方が、展示会の強みを活かせます。

展示会でのプロジェクター活用パターン

現行記事では「成功事例」として複数の利用例を掲載していました。

ここでは、特定企業の成果が確認できないものを成功事例とは呼ばず、展示会で使える活用パターンとして整理します。

活用パターン1|製品デモンストレーション

ソフトウェアや小型機器を一人の来場者に操作してもらい、その操作画面をプロジェクターで大きく映します。

すると、周囲の来場者も、

「何をしているのだろう?」

と内容を見ることができます。

操作する本人だけでなく、周囲の人にもデモを見せられるのがメリットです。

活用パターン2|大型設備の稼働映像

会場へ持ち込めない大型機械なら、実際の工場で動いている映像を見せます。

ただし、単なる製品PVではなく、

  • 処理前
  • 処理中
  • 処理後
  • 所要時間
  • 作業人数

など、導入効果が具体的に分かる映像にします。

活用パターン3|インタラクティブ展示

来場者が質問へ答える、数字を入力する、選択肢を選ぶ。

その結果を大画面に表示します。

診断、クイズ、シミュレーションなどです。

来場者が「見る人」ではなく「参加する人」になるため、自然に会話を始めやすくなります。

活用パターン4|Before/After

展示会で伝わりやすいのが、変化です。

たとえば、

  • 清掃前/清掃後
  • 導入前/導入後
  • 従来工法/新工法
  • 旧システム/新システム
  • 人作業/自動化後

を左右に並べて映します。

製品説明を何分も聞かなくても、価値を視覚的に理解してもらえます。

活用パターン5|ショートプレゼンテーション

一定時間ごとに、3~5分程度のショートプレゼンを行う方法です。

30分のセミナーではなく、

「一つの課題、一つの解決策、一つの次の行動」

に絞ります。

たとえば、

「この工程を5分短縮する方法を3分で説明します」

というようにします。

プレゼン終了後、興味を持った人に実物を触ってもらう。

そこから個別会話へつなげます。

活用パターン6|空間演出

大きな壁面へブランドイメージや商品世界観を投影する方法です。

ブランド訴求やBtoCイベントでは有効な場合があります。

ただしBtoB展示会で商談創出が目的なら、映像演出だけで終わらず、

「誰の何に役立つ会社なのか」

が分かる言葉も併せて表示してください。

プロジェクター設置でよくある失敗

失敗1|画面が暗い

会議室で問題なかったプロジェクターを展示会場へ持ち込んだ結果、照明に負けてほとんど見えないケースです。

設営前の明るさだけでなく、本番時の照明をすべて点灯した状態で確認してください。

失敗2|人が横切るたびに影になる

一般的なプロジェクターをブース奥からスクリーンへ投影し、その間を来場者が歩くレイアウトです。

短焦点・超短焦点へ変更するか、プロジェクターの位置を変えるなどして改善します。

失敗3|大画面なのに文字が読めない

PowerPoint資料をそのまま表示して、文章やグラフの文字が小さすぎるケースです。

通路から見る映像と、商談席で見る資料は分けてください。

失敗4|音が聞こえない

ナレーション中心の動画を流しているのに、展示会場がうるさくて聞こえないケースです。

字幕を入れ、音声なしでも理解できるようにしてください。

失敗5|通信が切れて映像が止まる

YouTubeやクラウド上の動画だけを準備していると、通信状況によって止まる可能性があります。

展示会で繰り返し使う動画は、可能ならローカル保存しておきます。

失敗6|映像だけ立派で商品が見えない

巨大映像に注目が集まり、肝心の商品がブース奥に埋もれている状態です。

プロジェクターは商品を目立たせるための道具です。

映像の方が主役にならないようにしてください。

失敗7|プロジェクターを置くこと自体が目的になっている

施工会社から提案されたから。

競合が使っていたから。

大型映像が格好いいから。

という理由だけで導入すると、何を映せばよいか最後まで決まりません。

設備を先に決めない。顧客に起こしたい行動を先に決める。

プロジェクターのメンテナンスと保管方法

定期的なクリーニング

レンズや吸気口、フィルターなどにホコリがたまると、性能に影響する場合があります。

清掃方法はメーカー・機種によって異なりますので、取扱説明書に従ってください。

レンズを強くこすったり、指定外の薬剤を使ったりしないよう注意します。

保管場所と運搬

プロジェクターは精密機器です。

湿気、高温、衝撃を避け、可能であれば専用ケースで保管・運搬します。

特に展示会では、他の什器や工具と同じ段ボールへ入れると、移動中に衝撃を受ける可能性があります。

ランプ式の場合

ランプ式プロジェクターを使用している場合は、メーカーが指定するランプ使用時間・交換方法を確認してください。

現行記事ではランプ寿命を一律に800~2,000時間程度としていましたが、実際の寿命は機種・モードによって異なります。

一律の数字ではなく、使用機種の仕様を確認してください。

レーザー光源の場合

レーザー光源モデルでは、従来のランプ式のような頻繁なランプ交換を必要としない製品が増えています。

ただし、プロジェクター本体の清掃・点検が不要になるわけではありません。

メーカーのメンテナンス指示に従って管理してください。

プロジェクターは購入する?レンタルする?

展示会用プロジェクターを毎回購入する必要はありません。

 向いているケース
購入年間何度も使う。社内セミナー・会議でも使う。毎回ほぼ同じ投影条件。
レンタル年1~2回しか使わない。展示会ごとに必要な明るさ・サイズが違う。高輝度機を使いたい。

展示会では、ブースサイズによって必要なプロジェクターが変わることがあります。

今年は1小間で5,000lm。

来年は4小間で8,000lm。

ということもあります。

その場合、毎回購入するよりレンタルの方が柔軟です。

また、レンタル会社に、設置・調整・撤去まで依頼できるケースもあります。

本体価格だけではなく、運搬、設営、保管、メンテナンスまで含めて判断してください。

展示会で使うプロジェクター準備チェックリスト

  • □ プロジェクターを使う目的が明確
  • □ 映像を見た後、来場者に何をしてほしいか決めた
  • □ プロジェクターと大型モニターを比較した
  • □ 投影サイズを決めた
  • □ 展示会場の明るさを想定した
  • □ 必要なルーメン数を確認した
  • □ 解像度を確認した
  • □ 投写距離を確認した
  • □ 短焦点・超短焦点が必要か確認した
  • □ スクリーンまたは投影面を決めた
  • □ 人が投写光を遮らない
  • □ プロジェクター本体の位置を図面に入れた
  • □ 電源容量を確認した
  • □ HDMIケーブルを用意した
  • □ 必要な変換アダプターを用意した
  • □ 予備ケーブルを用意した
  • □ 動画をPC本体にも保存した
  • □ インターネットがなくても再生できる
  • □ 映像を無音でも理解できる
  • □ 字幕を入れた
  • □ 文字を通路から読める大きさにした
  • □ 会社紹介ばかりの映像になっていない
  • □ ターゲットの課題が最初に伝わる
  • □ 実物・体験へ誘導する内容になっている
  • □ 設営日に実機テストする
  • □ 本番照明をつけた状態で確認する
  • □ ケーブルを安全に養生する
  • □ 主催者の施工・電源ルールを確認した
  • □ プロジェクター故障時の代替手段を考えた

よくある質問|展示会用プロジェクター

展示会では何ルーメンのプロジェクターが必要ですか?

一律の正解はありません。

小さめの画面で条件がよければ3,000~4,000lmクラスから検討できますが、展示会場は明るいため、4,000~5,000lm以上が必要になることも少なくありません。

大型スクリーンや非常に明るい会場では、5,000~7,000lm以上も含めて検討します。

投影サイズ、周囲光、スクリーンによって必要な明るさは変わります。

展示会ではプロジェクターとモニターのどちらがよいですか?

小規模ブースで常時映像を表示するだけなら、明るさや設置のしやすさから大型モニターが向く場合があります。

一方、大画面、壁面演出、柔軟な画面サイズなどが必要なら、プロジェクターにメリットがあります。

展示会では短焦点プロジェクターがおすすめですか?

小規模ブースや、人がスクリーンの前へ立つ展示では有効です。

短い距離で大きく映せるため、人の影も出にくくできます。

ただし、投影面や設置条件によって向き不向きがあります。

解像度は4Kが必要ですか?

必須ではありません。

一般的な動画、商品紹介、プレゼンならFull HD・WUXGAでも十分な場合があります。

CAD図面、精細な写真、細かな文字などを大画面で見せるなら4Kのメリットがあります。

白い壁に直接映しても大丈夫ですか?

壁面が白く、平滑で、照明条件がよければ可能です。

ただし、壁の継ぎ目、凹凸、光沢などで見え方が変わるため、重要な映像であればスクリーンや投影用面材を検討してください。

展示会でYouTubeを流しても大丈夫ですか?

通信環境に依存するため、本番で繰り返し流す動画はローカル保存しておく方が安心です。

また、自社が権利を持たない映像・音楽等の利用には著作権上の注意も必要です。

プロジェクターで音も流した方がよいですか?

音声が有効な場合もありますが、展示会場は騒がしく、主催者の音量規定もあります。

基本的には、音声を聞かなくても字幕や映像だけで意味が分かるようにすることをおすすめします。

展示会でプロジェクターを使えば集客できますか?

プロジェクターを置いただけでは集客できません。

前述した図5-7のとおり、来場者はプロジェクターそのものより、自社課題に直結する展示内容や実物・デモを重視しています。

プロジェクターは、その課題や実物の価値を分かりやすく伝えるために使ってください。

展示会映像は何分くらいがよいですか?

常時ループさせる映像なら、長編動画より、途中から見ても意味が分かる短い単位に分ける方法をおすすめします。

清永健一は、30~90秒程度で一つの意味が伝わる構成を一つの目安としています。

詳しい説明は、興味を持った来場者との会話で行います。

展示会のプロジェクターは「映像を見せる装置」ではなく「会話を始める装置」

展示会用プロジェクターを選ぶ際には、

  • 明るさ
  • 解像度
  • 投影サイズ
  • 投写距離
  • 短焦点・超短焦点
  • 接続性
  • 設置性

を確認する必要があります。

展示会場は明るいため、会社の会議室で使用しているプロジェクターをそのまま持ち込むと、映像が薄くなる場合があります。

また、小さな展示ブースでは、短焦点・超短焦点プロジェクターが有効な場合があります。

しかし、もっと重要なのは、

「何を映すか」

です。

企業紹介動画を流す。

商品カタログを大画面にする。

これだけでは、リアル展示会の価値を十分に活かせません。

実際の稼働映像。

Before/After。

来場者自身の診断結果。

商品を操作している様子。

開発者しか知らない情報。

こうした、Webだけでは得にくい一次情報や体験へつなげる映像にしてください。

実物 → 体験 → 説明。

プロジェクターも、この順番を助けるための道具として使います。

清永健一の結論

展示会でプロジェクターを選ぶとき、「何ルーメンにするか」から始めないでください。

まず、

「誰に、何を見せ、その人に次に何をしてほしいか」

を決めます。

そして、その体験を実現するために必要な画面サイズ、明るさ、投写距離を決める。

そうすれば、プロジェクターは単なる映像機器ではなく、ターゲットとの会話を始める展示会営業®の道具になります。

展示会営業®とは、展示会で名刺を集める活動ではなく、ターゲット企業との接点をつくり、商談・案件・売上につなげ、そのプロセスを通じて会社を強くする営業活動です。

展示会の映像だけでなく、実物・体験まで含めた展示方法については、展示会で来場者の足を止める展示方法も参考にしてください。

ブースで使う備品全体については、展示会の備品・持ち物リスト、ブースの広さについては、展示会のブースサイズ・小間数をご覧ください。

この記事で使用した出展者536名・来場者1,089名への独自調査は、展示会白書で公開しています。

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「映像にかなり費用をかけているが、商談につながっているか分からない」

「展示会でどんな動画を流せばよいか分からない」

「実物がないサービスなので、展示方法に困っている」

という場合は、映像機器だけでなく、ターゲット、キャッチコピー、実物・体験、スタッフとの会話、後日フォローまでを一つの営業プロセスとして設計する必要があります。

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