展示会を失敗させないセミナー

ジャパン・インターナショナル・シーフードショー2026|現地観察レポート

展示会場の様子がわかる動画です。

会場を歩いてまず感じたこと

2日目に行きましたがすごい熱気です。東京ビッグサイト東館に足を踏み入れた瞬間、通路の密度と話し声の量で、この展示会が今どういう状態にあるのかがすぐに伝わってきました。

例年以上に、養殖や鮮度管理、流通などの周辺技術の展示にも活気があるように感じました。魚そのものを見せる展示会でありながら、その魚を「どう育て、どう運び、どう鮮度を保つか」を語るブースに人が集まっていたのです。

水産物の展示会は、試食があるぶん賑わいが生まれやすい場です。しかし今年の熱気は、試食待ちの列だけでは説明がつきません。

商談テーブルに座り込み、資料を広げて話し込んでいる組み合わせが、どの通路にも見受けられました。会場全体が「見学」ではなく「相談」のモードに入っている、という印象を受けました。

展示会基本情報

開催日時

2026年8月19日(水)から8月21日(金)までの3日間です。開催時間は10時から17時まで、最終日のみ16時までとなっています。

会場

東京国際展示場、東京ビッグサイト東館です。東京都江東区有明3丁目10-1に位置し、りんかい線やゆりかもめでアクセスできます。

主催者

一般社団法人大日本水産会が主催しています。水産業界の中核団体が28回にわたって積み上げてきた歴史そのものが、この展示会の信頼性を支えていると言えるでしょう。

公式サイト

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来場者層

水産バイヤー、食品バイヤー、漁業者、養殖業者が中心です。加えて、外食や中食のメニュー開発担当者、量販店のバイヤー、輸出入に関わる商社、水産加工機器の導入を検討する製造現場の担当者など、水産物が食卓に届くまでの全工程の関係者が集まります。

主な出展分野

水産物および水産加工品が中心ですが、同時開催展の幅広さがこの展示会の大きな特徴になっています。すしEXPO、国際水産養殖技術展、鮮度流通技術展、フィッシュネクスト技術展、アクアポニックスEXPOコーナー、水産エコラベルコーナー、海と水産業のSDGsコーナー、衛生管理推進コーナーが並び、規模は1,400小間に及びます。

展示会の特徴

この展示会の面白さは、「食材」と「技術」が同じ屋根の下に置かれている点にあります。多くの業界展示会は、素材の展示会と設備の展示会が別々に開催されるのが一般的です。

ところがシーフードショーでは、産地のブースの隣に冷凍機のブースがあり、その先にエコラベルの認証コーナーが続きます。来場者は歩きながら、商品の話と技術の話を自然に往復することになります。

この構造は、出展者にとって非常に有利です。自社の商品を売るだけでなく、「なぜその品質が実現できるのか」を、隣の技術展示を引き合いに出しながら説明できるからです。

もうひとつの特徴は、全国の産地が地域単位でまとまって出展していることです。県単位、漁協単位のブースが並ぶ光景は、日本の水産業の地図をそのまま歩いているような感覚を与えてくれます。

今回のみどころ

僕が今年もっとも注目したのは、養殖関連の展示の質的な変化です。かつての養殖関連展示は、飼料や生簀といった資材の紹介が中心でした。

今回は、水温や溶存酸素をセンサーで測り、給餌のタイミングを最適化するといったデータ活用の話が前面に出ていました。「勘と経験」を否定するのではなく、それを数値で裏づけて次世代に引き継ぐ、という文脈で語られていたのが印象的でした。

鮮度流通技術展の一角も見応えがありました。急速凍結や解凍の技術は、単なる設備の話ではなく、「これまで流通に乗らなかった魚を商品にする」という新しい市場創出の話になっています。

すしEXPOの周辺も相当な人の流れです。海外バイヤーの姿が目立ち、日本の水産物が世界の食卓とどうつながっているかを、会場の空気そのものが物語っていました。

注目ポイント

ブースを一つずつ見ていくと、来場者の足が止まっている場所と、通り過ぎられている場所の差がはっきり分かれます。

足が止まるブースには、必ず「一言」がありました。産地名や社名を大きく掲げるだけでなく、「この魚をこう使うと、こういう課題が解決する」という提案が、遠目からでも読み取れる形で示されているのです。

逆に、素晴らしい商品を扱っていながら通り過ぎられてしまうブースもありました。その多くは、商品名の羅列だけで、来場者が自分に関係のある展示かどうかを判断できない状態になっていました。

今回、来場者の足を止めていたブースには共通点がありました。それは「誰に、何を伝えるのか」が明確に設計されていることです。こうした成果の出る展示会営業は、決して偶然ではなく再現可能です。その具体的な考え方と手順は、展示会成功のための全体像で体系的にまとめています。

もう一点、試食の扱い方にも大きな差がありました。試食を配ることが目的になっているブースと、試食をきっかけに「普段どんな用途でお使いですか」と会話を始めるブースでは、その後に残るものが全く違ってきます。

会場の様子

東館の通路は、2日目の午前中から人の流れが太く、正午前後には主要動線で立ち止まるのが難しいほどでした。

一方で、奥のエリアや技術系の展示ゾーンは、比較的落ち着いた密度が保たれていました。ここが今年の面白いところで、人が少ないのではなく、一人あたりの滞在時間が長いのです。

担当者と来場者が図面や仕様書を挟んで長く話し込んでいる場面を、何度も目にしました。これは、その場の判断で買うものではなく、社内で検討して導入するものを扱っているブースの特徴だと言えます。

会場スタッフの方々の動きも丁寧でした。1,400小間という規模を3日間にわたって滞りなく運営し続けることの大変さを思うと、主催者と運営に携わる皆さんの努力には頭が下がります。

シーーフードショー2026の会場の様子_展示会営業術 (2) シーーフードショー2026の会場の様子_展示会営業術 (3) シーーフードショー2026の会場の様子_展示会営業術 (4) シーーフードショー2026の会場の様子_展示会営業術

業界への意味

水産業は今、いくつもの構造変化に同時に直面しています。漁獲量の変動、海水温の上昇、担い手の減少、輸出市場の再編といった課題が、それぞれ独立してではなく絡み合いながら押し寄せている状況です。

だからこそ、この展示会で「周辺技術」に活気が出ていることには、大きな意味があると僕は考えます。獲れる魚が変わるなら、育てる技術と保つ技術と運ぶ技術で価値を作る、という発想の転換がそこにあるからです。

これは、水産に限った話ではありません。主力商品が置かれている環境が変わったとき、企業が生き残る道は、周辺領域に自社の強みを再配置することにあります。

会場に並ぶ中小企業のブースは、その再配置の実例集でもありました。長年培った加工技術を新しい魚種に応用する、冷凍のノウハウを別の食材に展開する、といった話を、僕は今年いくつも聞くことができました。

今年の展示会トレンド

今年の会場を歩いて感じたトレンドは、大きく3つに整理できます。

1つ目は、データと現場の接続です。センサー、記録、可視化といった言葉が、実験段階ではなく実務の言葉として語られるようになりました。

2つ目は、サステナビリティの実装化です。水産エコラベルやSDGs関連のコーナーが独立して置かれているだけでなく、一般の出展ブースの説明の中に認証や資源管理の話が自然に組み込まれていました。理念の掲示から、取引条件としての実装へと段階が進んだ印象を持ちます。

3つ目は、用途提案型の展示への移行です。「良い魚があります」ではなく「この業態のこのメニューに、この形で使えます」という語り口が増えていました。

この3つは、いずれも来場者の意思決定を助ける方向への変化です。展示会が情報の陳列場から、課題解決の相談窓口へと役割を移しつつあることの表れではないでしょうか。

過去のレポート

同じ展示会の過去のレポートを公開しています。業界の流れや変化を立体的に見る定点観測の材料になさってください。

ジャパン・インターナショナル・シーフードショー2025|現地観察レポート

ジャパン・インターナショナル・シーフードショー2024|現地観察レポート

ジャパン・インターナショナル・シーフードショー2023

展示会営業の専門家 清永健一のワンポイントアドバイス

この展示会に出展される企業の方に、僕がお伝えしたいことは一つです。試食と名刺を目的にしないでください。

水産物の展示会は、試食があるので賑わいが作りやすく、名刺も集まりやすい場です。しかしその賑わいは、成果と同じものではありません。

展示会の最大の収穫は、名刺の枚数ではなく関係性です。そして関係性を作る材料は、来場者が話してくれる一次情報の中にあります。

「今、何にお困りですか」「今の仕入れで一番手間がかかっているのはどこですか」。この2つを聞けているかどうかで、会期後に打てる手の数が変わってきます。

そのためには、ブースの掲示物を「自社が言いたいこと」から「来場者が知りたいこと」に書き換える必要があります。自社の強みを並べたパネルは、残念ながら通路からは読まれません。

そして会期後です。展示会の成果は、フォローで決まります。3日間で聞いた課題を相手ごとに整理し、「あのときお話しされていた件で」と切り出せる状態を作っておけば、それは売り込みではなく相談の続きになります。

水産業は変化の只中にありますが、変化とは、新しい組み合わせが評価される時期でもあります。会場の熱気は、その組み合わせを探しに来た人たちの熱気だと僕は受け取りました。

この熱気を持ち帰り、自社の営業構造を組み替える。それができた企業にとって、今年のシーフードショーは大きな転換点になるはずです。

※この記事はAIを活用して作成しました。

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