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東京ゲームショウ中止。雨の日の展示会で大切なこと|「来場者数」より「誰が来てくれたか」を見る

今回の台風25号では、関東地方を中心に大きな被害が出ました。千葉県や神奈川県では亡くなられた方もおられ、多くの住宅にも被害が出ています。亡くなられた方々に心よりお悔やみ申し上げますとともに、被害に遭われた皆さまにお見舞い申し上げます。

展示会業界にも、台風の影響がありました。

幕張メッセで開催されていた「TGS:東京ゲームショウ2026」は、9月17日から20日は予定通り開催されたものの、最終日の9月21日は台風25号の接近に伴い、終日の開催中止となりました。

主催者は、午後以降に風雨がさらに強まることや交通機関への影響を考慮し、来場者、出展社、関係者の安全と、安全な帰宅を最優先にしたとしています。

この判断は当然のことだと思います。

まず大前提として、災害級の大雨や強風のときは、展示会よりも人の安全が最優先です。

そのうえで、安全が確保され、予定通り展示会が開催される程度の雨の日について、ぼくは以前から感じていることがあります。

それは、

雨の日こそ、「何人来たか」ではなく、「誰が来てくれたか」を見ることが大切ではないか?

ということです。

雨なのに来た。その事実自体が一つの情報

朝起きて窓の外を見ると雨。

そんな展示会当日、出展企業の担当者なら、

「今日は来場者が少ないだろうな……」

と思うのではないでしょうか。

確かに、雨の日には来場をためらう人もいるでしょう。

しかし、ぼくは展示会営業®という観点では、別の見方もできると思っています。

雨なのに、わざわざ展示会場まで来た人は誰なのか?

考えてみてください。

雨の日に展示会へ行くとなれば、傘を差して駅まで行き、電車に乗り、最寄り駅から展示会場まで歩かなければなりません。

洋服や靴が濡れるかもしれない。

交通機関が多少乱れる可能性もある。

できることなら、今日は会社にいよう。

そう考える人がいても不思議ではありません。

それでも展示会場へ来た。

ということは、

「解決したい課題がある」

「どうしても見たい商品がある」

「比較したい会社がある」

「今日、情報を持ち帰りたい」

など、何らかの強い来場動機を持っている可能性があります。

もちろん、

「雨の日に来る人は購買意欲が高い」

と単純に断定することはできません。

でもぼくは展示会の現場で、悪天候でも来てくれた人ほど、「なぜ今日ここへ来たのか」を丁寧に聞いてみる価値があると考えています。

展示会白書でも「何となく来ている人ばかり」ではなかった

ぼくが2026年に出展者536名、来場者1,089名を対象に行った「展示会白書」の調査でも、展示会来場者が必ずしも「何となく会場を歩いている人」ばかりではないことが見えてきました。

来場前に訪問候補として決めていた企業数では、「3~5社」が39.2%で最多。

展示会の来場前に立ち寄ると決めていたブースの数は?_来場者調査_展示会白書

実際に立ち寄ったブース数でも、「4~6社」が43.1%で最多でした。

展示会場で立ち寄ったブースの数は?_来場者調査_展示会白書

つまり展示会場には、

「今日はこの会社を見よう」

「この分野について情報を集めよう」

と、ある程度目的を持って来場している人が少なくありません。

そう考えると、雨の日に必要なのは、

「今日は人が少ないなあ」

と嘆くことではないはずです。

むしろ、

「それでも来てくれた、この人は何を求めているのだろう?」

と、一人ひとりを見ることなのです。

ぼくは、展示会は「何人来たか」だけで評価するものではないと思っています。

誰と出会えたか。

こちらのほうが、はるかに重要です。

「今日は暇ですね」で終わらせたら、もったいない

雨の日の展示会場では、ときどきこんな光景を見かけます。

通路を歩く来場者が少なくなり、ブーススタッフ同士で雑談を始める。

スマートフォンを見る。

そして、

「今日は雨だから仕方ないですね」

となってしまう。

これは、ぼくは実にもったいないと思います。

来場者が少ないなら、逆に普段より一人の来場者とじっくり話すことができます。

いつもなら3分しか話せないところを、10分話せるかもしれない。

実物を触ってもらう。

デモンストレーションをじっくり見てもらう。

技術担当者を呼んで、詳しく話してもらう。

相手の状況を聞きながら、

「当社ならどのようにお役に立てるだろうか」

と一緒に考える。

ぼくは、こうしたことこそ、来場者が展示会に求めているものだと思っています。

展示会白書では、来場者が展示会で「期待以上だと感じた」こととして、

「開発者・技術者などとの直接対話」が49.1%、

「他社では聞けない具体的な事例」が42.2%、

「自社課題に対する提案」が34.3%、

「実機・商品を実際に体験すること」が30.9%でした。

期待以上だと感じた展示ブースの特徴は?_来場者調査_展示会白書

だったら雨の日は、

名刺をたくさん集める日ではなく、一人ひとりとの対話を深める日

と考えてもいいのではないでしょうか。

雨の中で、いきなり売り込まれたらどう思うか

もう一つ大切なのが、雨の日ならではの「いたわり」です。

雨の中、ようやく展示会場に着いた。

靴が少し濡れている。

片手には傘。

もう片方にはバッグ。

そんな状態でブースに立ち寄った瞬間、

「何かお探しですか?」

「弊社の商品はですね……」

と、いきなり営業トークを始められたらどうでしょうか。

展示会白書では、出展企業から受けた対応への不満として、**「売り込み感が強い」が42.4%**に上りました。

だから雨の日こそ、最初の一言を変えてみる。

「雨の中ありがとうございます。濡れませんでしたか?」

それだけでもいいのです。

タオルを用意しておく。

濡れたバッグを置ける場所を作る。

ビニール袋を準備しておく。

冷房で体が冷えている人に配慮する。

こうした小さなことで、

「この会社は、自分のことをちゃんと見てくれているな」

という印象が生まれます。

ぼくは、展示会営業とは、商品を一方的に説明することではないと思っています。

目の前の相手に、自社がどう役立てるかを考えること。

雨の日の対応には、その会社の営業姿勢がよく表れるように思います。

明日9月30日から、まさに「危機管理産業展」が始まる

そして、なんともタイミングのいい展示会があります。

明日9月30日から10月2日まで、東京ビッグサイト南展示棟全館で「危機管理産業展(RISCON TOKYO)2026」が開催されます。

危機管理産業展は2005年に始まり、今年で22回目。自然災害への備えだけでなく、BCPやセキュリティなど、企業や社会を取り巻くさまざまなリスクへの対策が集まる危機管理の総合トレードショーです。

会場では実機を直接触って担当者に質問できるほか、核シェルターの疑似体験、実演ステージ、防災食の試食・試飲など、体験型の企画も予定されています。

もし、この危機管理産業展へ行く日に雨だったとしたら。

ぼくは、その天候自体を、

「自社の危機管理を考えるきっかけ」

にしてみてもいいと思います。

例えば、

「自社だったら、社員をどの段階で帰宅させるだろう?」

「電車が止まったらどうする?」

「外出中の社員とはどう連絡を取る?」

「スマートフォンの電池が切れたら?」

「帰宅困難者が出たとき、水や食料は足りる?」

そんなことを考えながら展示会を歩く。

そうすると展示会は、単なる商品情報の収集場所ではなく、

自社の課題を発見する場所

に変わります。

ぼくは、これこそ展示会の面白いところだと思っています。

実は「雨の日の展示会対応」そのものが危機管理

危機管理というと、

地震。

洪水。

停電。

サイバー攻撃。

そんな大きな出来事を思い浮かべがちです。

しかし、

状況の変化に気づき、起こりうることを想像し、先回りして対応する。

これも危機管理だと、ぼくは思います。

そう考えると、雨の日の展示会ブースでも同じです。

来場者が濡れているかもしれない。

交通機関が乱れるかもしれない。

スタッフが帰れなくなるかもしれない。

会期終了までブースに立つことが正解とは限らない。

「もしこうなったらどうする?」

を事前に考えておく。

展示会出展も、ある意味で危機管理を考える機会になるのです。

タオル、モバイルバッテリー、飲料水、ビニール袋、簡易レインコートなどを出展備品の中に入れておくのもいいでしょう。

そして、これらは自分たちのためだけではなく、来場者のためにも使えます。

ノベルティだって同じです。

自分たちが配りたいものを配るのではなく、

その瞬間、相手が本当に困っていることを解決するものを渡す。

これもまた、

「自分たちが売りたいもの」から発想するのではなく、

「相手にどう役立てるか」から考える

という展示会営業の基本そのものです。

災害級になったら、迷わず「安全」を優先する

ここまで、雨の日だからこそできる展示会営業について書いてきました。

ただし、何度でも強調したいのは、これは安全が確保されている場合の話だということです。

「雨でも来てくれる人を大切にする」ことと、「危険な状況でも展示会を続ける」ことは、まったく別の話です。

大雨や強風が激しくなっている。

冠水や河川氾濫のおそれがある。

交通機関に大きな影響が出そうだ。

そんな状況なら、

「高い出展料を払ったのだから」

「せっかく準備したのだから」

「最後までブースに立たなければ」

と考える必要はありません。

展示会より、人の安全のほうが大切です。

スタッフを早めに帰宅させる。

場合によっては宿泊に切り替える。

主催者からの情報を確認する。

交通機関や気象情報を継続的にチェックする。

そしてできれば、

「こうなったら帰る」

という判断基準を、展示会が始まる前に決めておく。

これもまた、危機管理です。

危機管理産業展へ行くのであれば、展示されている防災用品を見るだけではなく、

「もし展示会出展中に交通機関が大きく乱れそうになったら、自社はスタッフをどう動かすだろう?」

「帰宅困難になりそうなとき、誰が、どのタイミングで判断するだろう?」

と考えながら会場を歩いてみてはいかがでしょうか。

危機管理は、特別な災害対応だけではありません。

「何か起きてから考える」のではなく、

起きる前に、自社としてどう動くかを決めておくこと。

展示会視察も、そんなことを考えるきっかけになると思います。

雨の日は、その会社の展示会営業®力が見える

晴れた日。

会場にはたくさんの来場者がいて、どのブースも活気があります。

そんな日は、誰でも元気に接客できます。

しかし雨の日。

来場者が少ない。

予定通りにいかない。

スタッフも疲れてくる。

そんなとき、

「今日はダメですね」

と考える会社と、

「こんな日に来てくださった人を大切にしよう」

と考える会社がある。

ぼくは、こういう日にこそ、その会社の展示会営業力が表れると思っています。

雨の日は、来場者数が減る日かもしれません。

しかし、

出会いの価値まで下がる日ではありません。

むしろ、安全に開催されている雨の日だからこそ、普段より目の前の一人と向き合えることもある。

だから、ぼくはこう思います。

晴れの日には来場者数を見る。
雨の日には、来場者を見る。

「何人来たか」だけではなく、

「誰が来てくれたか」

を大切にしたいものです。

あなたの展示会の成功を心から応援しています!

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● 危機管理産業展2026 現地レポート
防災・BCP・セキュリティなど、危機管理に関する最新の製品・サービスを現地から紹介しています。
https://tenjikaieigyo.com/riscon/

● 展示会白書|出展者536名・来場者1,089名の実態調査
展示会の来場者行動、出展企業の実態、AI時代における展示会の価値などを、独自調査をもとにまとめています。
https://tenjikaieigyo.com/whitepaper/

● 展示会の対面情報はなぜ購買判断に影響するのか|来場者1,089名調査
来場者が展示会で何に価値を感じ、出展企業の対応にどんな不満を感じているのかを紹介しています。
https://tenjikaieigyo.com/pressrelease/visitor-survey/