2027年、横浜で大規模な国際博覧会が開催されます。
「GREEN×EXPO 2027(グリーンエクスポ2027)」です。
「横浜花博」と呼ばれることもありますが、正式名称は「2027年国際園芸博覧会」。正式略称が「GREEN×EXPO 2027」、通称が「横浜グリーンエクスポ」です。
開催期間は2027年3月19日から9月26日までの約6か月間。会場は横浜市の旧上瀬谷通信施設で、有料来場者数1,000万人以上が想定されています。
「園芸博覧会」と聞くと、「世界中の花を見るイベントでしょ?」と思う人もいるかもしれません。
もちろん、花や緑は大きなテーマです。しかし、GREEN×EXPO 2027を調べていくと、それだけではありません。
企業による未来社会の提案、最新技術、農業、食、ものづくり、子どもの学び、里山、グリーンインフラなど、かなり幅広いテーマを扱う博覧会になりそうです。
ぼくはこれまで、展示会営業®の専門家として1,300社を超える企業の展示会出展を支援してきました。
そんなぼくがGREEN×EXPO 2027で特に注目しているのが、**「AIで何でも調べられる時代に、リアルな博覧会はどんな価値を提供するのか?」**という点です。
AIに聞けば、企業の技術も、環境問題も、花や植物の知識も、かなりのところまで瞬時に調べられるようになりました。
それでもGREEN×EXPO 2027は、有料来場者1,000万人以上を想定しています。
では、人は何を求めてリアルな場所へ行くのでしょうか。
ぼくは、この博覧会が**「AI時代に、リアルな場へ人を集める意味」を問う大規模な社会実験になるのではないか**と考えています。
これからの博覧会や展示会で重要になるのは、単なる「情報量」ではありません。
実物を見る。体験する。人と対話する。そして、自分では探していなかったものと偶然出会う。
企業出展も同じです。
「自社にはこんな技術があります」と説明するだけなら、WebやAIでかなりのことができます。
企業がリアルな場に出展する意味は、その技術によって「どんな未来をつくりたいのか」を、来場者が身体で理解できる体験に変えることにあります。
GREEN×EXPO 2027で各企業がそれをどう表現するのか。
展示会営業®の専門家として、ぼくが最も注目しているポイントです。
この記事では、GREEN×EXPO 2027の開催概要、見どころ、チケット、アクセスなどの基本情報とともに、こうした展示会の専門家としての視点からもGREEN×EXPO 2027を見ていきます。
※この記事は2026年9月30日時点で公表されている公式情報をもとに作成しています。今後、新しい情報の発表や実際の現地取材に合わせて随時更新していきます。
GREEN×EXPO 2027(横浜花博)とは?
GREEN×EXPO 2027は、神奈川県横浜市で開催される国際園芸博覧会です。
正式名称は「2027年国際園芸博覧会(International Horticultural Expo 2027, Yokohama, Japan)」。
国際園芸家協会(AIPH)の承認と博覧会国際事務局(BIE)の認定を受けた、A1(最上位)クラスの国際園芸博覧会です。
基本情報は次のとおりです。
・正式名称:2027年国際園芸博覧会
・正式略称:GREEN×EXPO 2027
・通称:横浜グリーンエクスポ
・開催期間:2027年3月19日(金)~9月26日(日)
・開催場所:神奈川県横浜市・旧上瀬谷通信施設
・博覧会区域:約100ha(うち会場区域約80ha)
・想定有料来場者数:1,000万人以上
・テーマ:「幸せを創る明日の風景(Scenery of the Future for Happiness)」
公式には、国際的な園芸・造園の振興だけでなく、花や緑のある暮らし、地域・経済の創造、社会課題の解決などへの貢献を目的としています。
そのため会場では、花や園芸だけでなく、Society 5.0、グリーンインフラ、農業・農村の活性化、観光や地方創生などもテーマになります。
「大規模な花の祭典」というより、花や緑を入口に、これからの暮らしや社会のあり方を体験する博覧会と考えた方が実態に近そうです。
GREEN×EXPO 2027は大阪・関西万博とは何が違う?
2025年に開催された大阪・関西万博を思い浮かべる人も多いでしょう。
GREEN×EXPO 2027は「万博」という言葉で紹介されることもありますが、大阪・関西万博とまったく同じ種類の博覧会ではありません。
最大の違いは、GREEN×EXPO 2027が「国際園芸博覧会」であることです。
花、緑、農、食、自然との共生などを起点として、持続可能な社会や未来の暮らしを考えていきます。
一方で、「企業や団体が未来社会を来場者に体験してもらう」という点では、大阪・関西万博とも共通するところがあります。
ぼくは展示会の専門家として、GREEN×EXPO 2027を「花を見るイベント」としてだけでなく、企業や団体が未来の社会をどのようにリアルな空間で表現するのかを見る場としても注目しています。
GREEN×EXPO 2027の見どころは?
GREEN×EXPO 2027には、国際展示、日本ゾーン、テーマ館などさまざまな展示が予定されています。
なかでも特徴的なのが「Village」です。
会場には次の5つのVillageが設けられます。
Urban GX Village
グリーン社会の実現につながる最先端技術などを体験するエリアです。
脱炭素、都市、エネルギー、環境技術などに関心のある人にとって、かなり面白い場所になるのではないでしょうか。
Craft Village
自然と共生するなかで培われてきた日本の伝統的なものづくりや知恵に触れるエリアです。
単に完成品を見るのではなく、その背景にある技術や文化までどのように体験させるのかに注目したいところです。
Farm & Food Village
農業と食を通じて、健康や豊かな暮らしを考えるエリアです。
農業、食品、フードテックなどに関心がある人にとっても興味深い展示になりそうです。
Kids Village
子どもたちが遊びながら自然や地球について学ぶエリアです。
子どもに一方的に知識を教えるのではなく、どのような「体験」に変換するのかが見どころになるでしょう。
SATOYAMA Village
日本の原風景ともいえる里山を通じて、自然と共生する暮らしや生物多様性の価値を体験するエリアです。
最新技術を見せるUrban GX Villageとは対照的ですが、「未来を考えるために過去から学ぶ」という意味では非常に重要なエリアになると思います。
テーマ館「ねっこ」も注目したい
GREEN×EXPO 2027には、テーマ館「ねっこ」も設けられます。
テーマは「全ての生命はつながっている。植物を中心に」。
地下の森、環世界の森、気づきの森、つながりの森などのゾーンを巡りながら、普段は意識しない植物と生きもの、人間とのつながりを体験する構成が発表されています。
これも単に植物について説明する展示ではなく、来場者自身が歩き、見て、感じることで理解する展示になりそうです。
展示会の専門家としては、「説明パネルを読ませる」のではなく、どこまで「体験によって気づかせる」ことができるかに注目しています。
GREEN×EXPO 2027にはどんな企業が出展する?
企業展示もGREEN×EXPO 2027の大きな見どころです。
Village出展の内定者として、NTT東日本、大林組、鹿島建設、清水建設、住友林業、相鉄グループ、大和ハウスグループ、竹中グループ、東急グループ、三菱グループなどが公表されています。
テーマ営業出店には、JAグループ、明治グループ、ヤマザキパングループなどが名を連ねています。
2025年3月の発表では、Village出展、花・緑出展、テーマ営業出店を合わせた出展内定者は377件とされています。
企業が「環境に取り組んでいます」と説明するだけなら、Webサイトでもできます。
では、わざわざリアルな空間をつくって何を伝えるのか。
ここは展示会出展にもそのまま通じるテーマです。
ぼくは各企業が「自社の技術を説明する場所」をつくるのか、それとも「自社が実現したい未来を来場者に体験してもらう場所」をつくるのかに注目しています。
GREEN×EXPO 2027のチケット料金は?
2026年9月現在、チケットはすでに販売されています。
主な料金は次のとおりです。
・1日券・早割価格:大人4,900円、中人3,000円、小人1,400円
・1日券・通常価格:大人5,500円、中人3,300円、小人1,500円
・夜間券:大人3,500円、中人1,900円、小人900円
・通期パス:大人28,000円、中人16,000円、小人6,500円
・夏パス:大人12,000円、中人7,000円、小人3,000円
早割の1日券は2027年3月18日まで販売される予定です。
また、3歳以下は無料です。
公式発表によると、2026年7月18日時点ですでに2,180,542枚、約218万枚のチケットが販売されています。
チケットを購入しただけで来場準備が完了するわけではありません。
GREEN×EXPO 2027では来場日時予約が導入されており、2026年9月18日から予約が始まっています。
行く日が決まっている場合は、チケットだけでなく来場日時予約も確認しておきましょう。
GREEN×EXPO 2027へのアクセスは?
会場は、横浜市旭区・瀬谷区にまたがる旧上瀬谷通信施設です。
横浜駅やみなとみらい周辺から歩いて行ける場所ではありません。
公共交通では、会場近隣の4駅から事前予約制のシャトルバスが運行されます。
・相鉄本線「瀬谷駅」
・相鉄本線「三ツ境駅」
・東急田園都市線「南町田グランベリーパーク駅」
・JR横浜線「十日市場駅」
公式FAQで示されている所要時間の目安は、瀬谷駅から約10分、三ツ境駅から約15分、南町田グランベリーパーク駅から約20分、十日市場駅から約25分です。
シャトルバスの運賃は大人200円、小児100円で、往路・復路とも事前予約・事前決済が必要です。
なお、瀬谷駅から会場までは徒歩約30分と案内されています。
さらに、新横浜駅、横浜駅、横浜都心・臨海部、羽田空港からの直行バスも運行に向けた調整が進められています。
交通情報は今後変更・追加される可能性があります。実際に訪れる際は公式サイトの最新情報を確認してください。
GREEN×EXPO 2027は1日で回れる?
これは開幕してみなければ断定できません。
ただし、博覧会区域だけで約100ha、会場区域約80haあります。
**「全部をじっくり見るなら相当広い」**と考えておいた方がよさそうです。
5つのVillageに加え、テーマ館、国際展示、日本ゾーン、花や緑の展示などがあります。
さらに、この博覧会ならではの特徴があります。
それは、開催期間が春から秋まで約6か月に及ぶことです。
植物は季節によって姿を変えます。
つまり、3月に訪れたGREEN×EXPOと、夏、秋に訪れたGREEN×EXPOでは、同じ会場でも見える風景が変わる可能性があります。
「1日で全部制覇する」というより、興味のあるテーマを決めて回ったり、季節を変えて複数回訪れたりする楽しみ方もありそうです。
展示会の専門家がGREEN×EXPO 2027で注目する3つのこと
ここからは、公式情報の紹介ではなく、展示会営業®の専門家としてぼくがGREEN×EXPO 2027で注目していることを書きます。
1.「見る展示」ではなく「体験する展示」になっているか
ぼくは展示会の支援をするとき、「何を説明するか」だけでなく、「来場者に何を体験してもらうか」を重視しています。
これはぼくたちが2026年に実施した「展示会白書」の独自調査でも表れています。
来場者1,089名に展示会で価値を感じることを聞いたところ、
・開発者・技術者と直接対話できる:49.1%
・他社では聞けない事例を知ることができる:42.2%
・自社の課題に合わせた提案を受けられる:34.3%
・製品・サービスを実際に体験できる:30.9%
という結果になりました。
つまり、Webサイトに書いてある情報をパネルにして並べるだけでは、リアルな場へ行く意味は弱くなります。
GREEN×EXPO 2027でも同じです。
「花がきれいだった」「最新技術の説明を読んだ」で終わるのではなく、そこに行ったからこそ感じられた、話せた、触れた、気づいたという体験をどこまで生み出せるか。
ぼくはそこを見たいと思っています。
2.企業は「商品」ではなく「実現したい未来」を見せられるか
通常の展示会では、どうしても「うちの商品はこんなにすごい」「この技術にはこんな特徴がある」という説明になりがちです。
でも来場者が本当に知りたいのは、商品そのものだけではありません。
**「それによって、自分たちの未来がどう変わるのか」**です。
ぼくが展示会支援で提唱している考え方の一つに、
「ワンブース・ワンアイテム・ワンターゲット」
があります。
誰に、何を、どう伝えるのかを絞る。
巨大なVillageであっても、本質は同じだと思います。
最新技術をたくさん並べたとしても、「結局、この企業は何を実現したいの?」が分からなければ印象には残りません。
逆に、一つの強いメッセージを空間、展示物、体験、スタッフとの対話まで一貫して伝えることができれば、企業そのものの印象が残ります。
GREEN×EXPO 2027に出展する企業が、自社の製品を見せるのか、それとも「自分たちがつくりたい未来」を体験させるのか。
展示会に出展する企業にとっても、非常に参考になるはずです。
3.AI時代に「わざわざ行く意味」をつくれるか
ぼくがGREEN×EXPO 2027で最も注目しているのは、実はここです。
AIが急速に普及しています。
GREEN×EXPO 2027について知りたければ、この記事を検索しなくても、AIに聞けば概要を教えてくれる時代です。
「どんな企業が出展するの?」
「チケットはいくら?」
「何が見どころ?」
「どう回ればいい?」
こうした情報の多くはAIが一瞬で整理してくれます。
では、なぜ人はわざわざ横浜・上瀬谷まで足を運ぶのでしょうか。
ぼくたちの「展示会白書」では、仕事上の情報収集手段として、
・Web検索:56.5%
・AI検索ツール:50.2%
・展示会:50.0%
という結果が出ました。
AI検索がすでに半数に利用されている一方で、展示会もほぼ同じ水準で利用されています。
さらに、展示会を情報収集手段として挙げた来場者の79.8%が、Web検索またはAI検索ツールも利用していました。
つまり、AIとリアルは「どちらか一方」ではありません。
AIで調べたうえで、リアルな場へ行く。
リアルな場で気づいたことを、またWebやAIで調べる。
そんな情報収集が始まっています。
AIは情報を集めることができます。
でも、花の香りを嗅ぐことはできません。
実物の大きさを身体で感じることも、開発者の熱量に触れることも、隣にいた知らない人と偶然会話することもできません。
そして何より、自分が探していなかったものに偶然出会い、「こんな考え方があったのか」と気づくことがあります。
ぼくは、
AIは情報を集める。展示会は意味を確かめる。
そんな役割分担がこれから強くなっていくと考えています。
GREEN×EXPO 2027は、AIが当たり前になった2027年に開催される大規模なリアルイベントです。
だからこそ、
「AIで何でも調べられる時代に、なぜ1,000万人以上の人がリアルな場所へ集まるのか」
を考える格好の場になるのではないでしょうか。
GREEN×EXPO 2027は、展示会に出展する企業にも参考になる
GREEN×EXPO 2027は、花や緑が好きな人だけが見るイベントではないと思っています。
展示会に出展している企業の経営者、営業担当者、マーケティング担当者にも、ぜひ見てほしい。
なぜなら、大規模なリアル空間のなかで、
・人をどう立ち止まらせるのか
・言葉だけでは伝わらない価値をどう体験させるのか
・企業のメッセージを空間でどう表現するのか
・スタッフと来場者の対話をどう生み出すのか
・来場者の記憶に何を残すのか
という、展示会にも共通する課題を見ることができるからです。
ぼく自身も開幕後には実際に会場を歩き、展示会の専門家という視点から各展示を見てみたいと思っています。
「これはうまいな」
「これは普通の展示会でも使える」
「ここは少しもったいない」
そんな現地でしか分からないことも、この記事に追加していく予定です。
GREEN×EXPO 2027は「リアルな場の価値」を考える博覧会になる
GREEN×EXPO 2027は、2027年3月19日から9月26日まで横浜・上瀬谷で開催されます。
もちろん、世界の花や緑を楽しむだけでも価値があるでしょう。
でも、展示会の専門家としてぼくが楽しみにしているのは、その先です。
企業が未来をどう見せるのか。
最新技術をどう体験に変えるのか。
自然と人間の関係をどう伝えるのか。
そして、AIで世界中の情報に瞬時にアクセスできる時代に、リアルな場所へ行かなければ得られない価値とは何なのか。
ぼく自身も現地で確かめたいと思っています。
この記事は、GREEN×EXPO 2027の新しい情報が発表されるたびに更新していきます。
そして開幕後には、実際に会場を歩いて感じたことも、展示会の専門家の視点から追記する予定です。
2027年、横浜・上瀬谷でどんな「明日の風景」が生まれるのか。
今から楽しみです。
メディア・報道関係者の方へ
清永健一は、展示会営業®の専門家として1,300社を超える企業の展示会出展を支援するとともに、2026年には出展者536名・来場者1,089名を対象とした独自調査「展示会白書」を発表しました。
GREEN×EXPO 2027についても、**「企業はリアルな場で何を見せるべきか」「AI時代になぜ人はリアルイベントへ足を運ぶのか」「人の記憶に残る展示・体験とは何か」「大阪・関西万博以降、企業展示はどう変わっていくのか」**など、展示会・企業出展の専門家としての取材、コメント、解説に対応しています。

展示会営業(R)コンサルタント。経済産業大臣登録中小企業診断士。詳細はウィキペディアご参照。
展示会をテーマとした著書5冊を含む合計7冊を執筆し、すべてAmazon部門1位を獲得している。執筆書籍は、すべてamazon部門1位を獲得しており、「日経MJ」、「NHKラジオ総合第一」他、多くのメディアで取材を受けている。1300社を超える展示会出展支援経験に基づく実践的なアドバイスが好評を博している。ほぼ毎週、東京ビッグサイトに出没する自称 展示会オタク。
