展示会場の様子がわかる動画です。
会場を歩いてまず感じたこと
幕張メッセで開催された「地方自治情報化推進フェア2026」に足を運びました。
今年で43回目を迎える、日本最大級の地方公共団体向け情報システム展示会です。メインビジュアルには「自治体の“仕事”が変わる 未来が動く」というコピーが掲げられていました。
会場を歩いてまず感じたのは、来場者の「目的意識」の強さです。自治体の職員の方々が、自分たちの庁内で抱えている課題の答えを探しに来ている。そんな真剣な空気が会場全体に満ちていました。
一般的なBtoB展示会とは、少し質の違う熱量があります。行政のデジタル化という大きな転換期に、現場の皆さんが本気で向き合っている姿に、僕は心強さを覚えました。
展示会基本情報
開催日時
2026年(令和8年)10月27日(火)・28日(水)の2日間です。開場時間は27日が9:30から17:30、28日が9:30から17:00でした。
会場
幕張メッセ 国際展示場 展示ホール1〜3(千葉県千葉市美浜区)で開催されました。
主催者
地方公共団体情報システム機構(J-LIS)が主催しています。総務省、デジタル庁、全国知事会、全国市長会、全国町村会、情報処理推進機構(IPA)など、国と地方の主要な団体が後援に名を連ねていました。
公式サイト
来場者層
参加は無料で、事前登録制となっています。来場者の中心は、都道府県や市区町村で情報システムやDXを担当する職員の方々です。
来場者数は2日間で8,863名(速報値)と発表されました。前年の約7,700名から大きく伸びており、自治体のデジタル化への関心の高さがうかがえます。
一部のセミナーやベンダープレゼンテーションは民間企業の方も聴講できる一方、自治体CSIRT実務者カンファレンスのように地方公共団体職員限定のプログラムも設けられていました。来場者の立場に合わせた丁寧な設計だと感じます。
主な出展分野
出展社は140社以上にのぼります。前年の129社からさらに規模を拡大しました。
主な分野は「セキュリティ」「住民窓口&マイナンバー」「内部事務」「AI・RPA」「クラウド」「働き方改革」です。大手ITベンダーやクラウド事業者から、自治体業務に特化したシステム会社、セキュリティ専業企業まで、幅広い顔ぶれがそろっていました。
展示会の特徴
この展示会の最大の特徴は、来場者と出展者の関係が非常に明確な「自治体向け専門展」である点にあります。
来場者は、窓口業務の改善、ガバメントクラウドへの移行、セキュリティ対策など、具体的なテーマを持って会場に来ています。出展者にとっては、課題を抱えた見込み顧客が自ら足を運んでくれる、理想的な出会いの場と言えるでしょう。
もうひとつの特徴は、展示とセミナーが一体となった構成です。基調講演やトピックスセミナー、自治体事例セミナー、そしてA〜Hの8会場で行われたベンダープレゼンテーションが2日間にわたって組まれていました。ベンダープレゼンテーションだけで80本にのぼります。
講演・セミナーはオンライン配信も実施されていました。会場に来られない自治体の職員にも情報を届けようとする、主催者の姿勢が伝わってきます。
今回のみどころ
今回のみどころは、何といっても「生成AI」と「セキュリティ」を軸にした講演プログラムです。
初日の基調講演①では、一般社団法人AICX協会代表理事の小澤健祐氏が「生成AIで変革する自治体の働き方」をテーマに登壇しました。続く基調講演②は、立命館大学教授の上原哲太郎氏による「フロンティアAI時代に自治体に求められるセキュリティ対策」です。
2日目のトピックスセミナーでは、総務省が「自治体AX」を、デジタル庁が「自治体情報システムの標準化」を、個人情報保護委員会が「個人情報保護法制の最新動向」を取り上げていました。国の政策担当者から直接話を聞けるのは、この展示会ならではの価値です。
自治体事例セミナーには、静岡県、兵庫県洲本市、富山県、静岡県湖西市の職員が登壇しています。規模も地域も異なる自治体の実践は、多くの来場者にとって具体的なヒントになったはずです。
注目ポイント
展示会営業の視点で特に注目したいのは、ベンダープレゼンテーションの多くに「自治体の職員」が共同登壇していた点です。
「【下呂市・仙台市に聞く】」「神戸市様登壇」「【札幌市様と本音で語る】」「【つくば市職員が本音で語る】」「宇部市が語る」など、タイトルに自治体名を冠したプレゼンテーションが数多く並んでいました。
これは非常に理にかなった設計です。自治体の職員が最も知りたいのは、製品のスペックよりも「同じ立場の自治体が、実際にどう導入し、どんな効果があったのか」だからです。
企業が自社製品を語るのではなく、導入した自治体が自らの言葉で語る。売り込みではなく、来場者の関心に寄り添った情報提供になっています。
今回、来場者の足を止めていたブースやプレゼンテーションには共通点がありました。それは「誰に、何を伝えるのか」が明確に設計されていることです。こうした成果の出る展示会営業は、決して偶然ではなく再現可能です。その具体的な考え方と手順は、展示会成功のための全体像で体系的にまとめています。
会場の様子
展示ホール1〜3にまたがる会場には、展示ブースとプレゼンテーション会場がバランスよく配置されていました。
ブースを見て回り、気になるテーマのプレゼンテーションを聴き、また展示に戻る。そんな回遊の流れが自然に生まれていたのが印象的です。
プレゼンテーションのタイトルにも、来場者の心をつかむ工夫が見られました。「なぜ自治体職員は、AI時代も忙しいままなのか?」「『AIを庁内で使えるようにした。』はゴールではない」といった問いかけ型のタイトルは、職員の方々が日々感じている本音に寄り添っています。
「情シスすごろく自治体版 体験ワークショップ」のように、聴くだけでなく参加できるプログラムも用意されていました。真剣なテーマを扱いながらも、来場者が前向きに学べる空気がつくられていたと思います。

業界への意味
自治体向けの営業は、一般的に時間がかかるものです。予算化、調達、導入というプロセスを経るため、一度の訪問で成果が出ることはまずありません。
だからこそ、年に一度、全国の自治体職員が課題を持って集まるこの展示会には、大きな意味があります。通常の営業であれば何十件も訪問しなければ出会えない担当者と、2日間で出会うことができるのです。
これはまさに、営業活動を展示会に集約するという展示会営業の考え方そのものです。人員の限られる中小のシステム会社にとっても、大手と同じ土俵で自社の強みを伝えられる貴重な機会になります。
また、この展示会は一次情報の宝庫でもあります。どの自治体が何に悩み、どんな質問を投げかけてきたのか。こうした現場の声は、インターネット上の情報からは決して得られません。AIが二次情報を瞬時にまとめる時代だからこそ、ここで得られる生の声の価値はますます高まっていくでしょう。
今年の展示会トレンド
今年の会場から感じたトレンドは、大きく4つあります。
1つ目は、「DXからAXへ」という流れです。総務省のトピックスセミナーや富士通Japanのプレゼンテーションなど、AIを前提とした業務変革を意味する「AX」という言葉が随所で使われていました。生成AIは「試す段階」から「庁内でどう定着させるか」という段階に移りつつあります。
2つ目は、「三層分離の先」を見据えたセキュリティです。ゼロトラスト、α’モデル、β’モデル、端末1台化といったテーマが数多く取り上げられていました。基調講演でも触れられた「フロンティアAI」への対策も、新しい論点として浮上しています。
3つ目は、ガバメントクラウドと標準化への対応です。移行の実践事例に加え、クラウドのコスト最適化(FinOps)や、移行後にAIをどう活用するかといった「その先」の議論が増えていました。
4つ目は、フロントヤード改革です。「書かない窓口」や窓口DXなど、住民と接する現場の変革をテーマにした発表が目立ちました。住民サービスの質を高めながら職員の負担を減らす、その両立に多くの自治体が挑んでいることが伝わってきます。
過去のレポート
同じ展示会の過去のレポートを公開しています。業界の流れや変化を立体的に見る定点観測の材料になさってください。
展示会営業の専門家 清永健一のワンポイントアドバイス
自治体向けの展示会に出展する企業の皆さんに、3つのポイントをお伝えします。
1つ目は、「導入事例を語る」ことです。今回のプレゼンテーションが示していたように、自治体の職員は同じ立場の自治体の声に強く関心を持ちます。ブースでも、製品説明より先に「〇〇市ではこう使われています」と事例から入るだけで、会話の深さが大きく変わるはずです。
2つ目は、ブースで「課題を聴く」ことです。来場者は情報収集のために来ています。いきなり製品を説明するのではなく、「いま庁内で一番負担になっている業務は何ですか」と一言たずねてみてください。そこから、次の提案につながる具体的な課題が見えてきます。
3つ目は、「予算サイクルに合わせたフォロー」です。自治体では、導入の検討から予算化、調達までに長い時間がかかります。会期直後のお礼連絡で終わらせず、次年度の予算検討の時期を見据えて、事例紹介や情報提供を継続することが大切です。
展示会の成果は、名刺の枚数ではなく、会期後にどれだけ関係性を育てられたかで決まります。自治体向けの営業では、この考え方が特に大きな差を生みます。
43回という長い歴史を積み重ねながら、来場者数を伸ばし続けているこの展示会は、自治体と企業が共に行政の未来をつくる場として、これからますます重要になっていくでしょう。主催者、出展者、そして来場された自治体職員の皆さんの挑戦を、心から応援しています。
※この記事はAIを活用して作成しました。
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展示会営業(R)コンサルタント。経済産業大臣登録中小企業診断士。詳細はウィキペディアご参照。
展示会をテーマとした著書5冊を含む合計7冊を執筆し、すべてAmazon部門1位を獲得している。執筆書籍は、すべてamazon部門1位を獲得しており、「日経MJ」、「NHKラジオ総合第一」他、多くのメディアで取材を受けている。1300社を超える展示会出展支援経験に基づく実践的なアドバイスが好評を博している。ほぼ毎週、東京ビッグサイトに出没する自称 展示会オタク。

