展示会場の様子がわかる動画です。
会場を歩いてまず感じたこと
食品開発展2026の会場に足を踏み入れて、まず感じたのは「静かな熱気」でした。
派手な呼び込みの声が飛び交うというより、ブースのあちこちで研究者や開発担当者同士が資料を囲み、じっくり話し込んでいます。そうした光景が印象に残っています。
この展示会は、食品の「中身」をつくる人たちが集まる場です。完成品を売り込む場というより、次の商品を生み出すための素材や技術を探す場と言えるでしょう。
来場者一人ひとりが、自社の課題を胸に抱えて歩いていました。その真剣さが、会場全体の空気をつくっていると僕は感じました。
展示会基本情報
開催日時
2026年10月14日(水)から16日(金)までの3日間、10時から17時まで開催されました。
会場
東京ビッグサイト 西展示棟
主催者
インフォーマ マーケッツ ジャパン株式会社
公式サイト
来場者層
食品メーカー、飲料メーカー、菓子メーカー、サプリメント・健康食品メーカーなどの研究開発、商品企画、品質保証、製造部門の方が中心です。例年35,000名以上が来場する規模で、今回は完全事前登録制で運営されました。
主な出展分野
健康素材・機能性素材(Hi)、味・香り・食感・色などの美味しさに関わる素材と技術(FiT)、分析・計測、衛生資材、製造・包装技術(S-tec)、賞味期限延長や鮮度保持などのフードロングライフ技術(LL)の4分野です。
展示会の特徴
食品開発展の最大の特徴は、食品の4大テーマである「健康」「美味しさ」「安全・品質」「フードロングライフ」を一つの会場で横断的に見られる点にあります。
素材を探しに来た開発担当者が、隣のエリアで分析技術や包装技術に出会うこともあります。そうした偶然の接点が生まれやすい構成になっています。
食品開発は、素材だけでも技術だけでも完結しません。その現実をよく理解した上で、主催者が会場全体を設計していることが伝わってきました。
また、出展社プレゼンやセミナーが充実しているのも、この展示会ならではの魅力です。ブースで話を聞き、プレゼンで理解を深め、再びブースに戻って相談します。来場者のそうした回遊が自然に起きていました。
今回のみどころ
今回特に目を引いたのが、初開催となった「ペットのための健康・機能性食品開発パビリオン」です。
ペットを家族として迎える家庭が増え、ペットフードにも人と同じような健康志向や機能性が求められるようになっています。人向けの食品開発で培われた素材や評価技術が、ペット分野へ広がり始めています。その流れを、会場で具体的に確認できたのは大きな収穫でした。
そのほか、発酵素材やアップサイクル素材、機能性評価・試験など、テーマ別のパビリオンも用意されていました。
関心のあるテーマから効率よく情報を集められる工夫は、来場者にとってありがたい設計ではないでしょうか。
注目ポイント
僕が注目したのは、成果を上げているブースほど「素材の説明」より先に「来場者の課題」を聞いていたことです。
この展示会の来場者は、明確な開発テーマを持って会場に来ています。「減塩しても美味しさを保ちたい」「賞味期限をもう少し延ばしたい」「機能性表示に必要なエビデンスを揃えたい」といった具体的な悩みです。
その悩みに寄り添う問いかけから会話を始めているブースでは、自然と商談スペースが埋まっていました。
今回、来場者の足を止めていたブースには共通点がありました。それは「誰に、何を伝えるのか」が明確に設計されていることです。こうした成果の出る展示会営業は、決して偶然ではなく再現可能です。その具体的な考え方と手順は、展示会成功のための全体像で体系的にまとめています。
素材メーカーのブースは、どうしても成分名や規格が前面に出がちです。けれども来場者が本当に知りたいのは「その素材で自社の商品がどう変わるのか」という点でしょう。
試作品や試食を通じて「使った後の姿」を見せていたブースは、そこを上手に伝えていたと感じます。
会場の様子
会場の通路は、ゆっくりと歩きながら各ブースを見比べる来場者でにぎわっていました。
専門展らしく、ノートやタブレットにメモを取りながら説明を聞く姿が目立ちます。名刺交換の後もすぐには立ち去らず、質問を重ねる来場者が多かったのも印象的でした。
地域の自治体や支援機関による共同出展ブースも見られました。地域の機能性素材を全国の開発担当者に届けようとする取り組みには、地方の中小企業にとっての大きな可能性を感じます。
単独では出展が難しい企業にとって、こうした共同出展は展示会営業の第一歩として非常に有効な選択肢です。

業界への意味
食品業界は今、原材料価格の高騰、人手不足、食品ロス削減、健康志向の高まりなど、多くの課題に同時に向き合っています。
こうした課題は、一社だけで解決できるものではありません。素材メーカー、技術メーカー、食品メーカーがつながり、知恵を持ち寄ることで初めて道が開けます。
食品開発展は、そのつながりを生み出す「開発のハブ」としての役割を担っていると僕は考えています。
AIで情報を調べることが当たり前になった時代だからこそ、実際に素材を手に取り、味を確かめ、担当者と直接話せる一次情報の価値はむしろ高まっています。この展示会は、まさに一次情報の宝庫と言えるでしょう。
今年の展示会トレンド
会場を歩いて感じたトレンドは、大きく3つあります。
1つ目は、健康と美味しさの両立です。機能性を高めながら、味や食感では妥協しません。そのための素材や技術の提案が数多く見られました。
2つ目は、サステナビリティへの具体的な対応です。アップサイクル素材や日持ち向上技術など、食品ロス削減に直結する提案が、理念の段階から実用の段階へと進んできている印象を受けました。
3つ目は、対象領域の広がりです。ペット向け機能性食品のパビリオンが新設されたことは象徴的で、食品開発の知見が新しい市場へ広がりつつあることを示しています。
さらに、業務効率化のためのDXやAI技術、美味しさを数値で評価する技術など、開発プロセスそのものを支える提案が増えていることも見逃せません。
過去のレポート
同じ展示会の過去のレポートを公開しています。業界の流れや変化を立体的に見る定点観測の材料になさってください。
https://tenjikaieigyo.com/hi2021/
展示会営業の専門家 清永健一のワンポイントアドバイス
食品開発展のような専門性の高い展示会では、「売り込み」より「相談」の姿勢が成果を大きく左右します。
来場者は課題を持って情報を探しに来ています。だからこそ、ブースのキャッチコピーは素材名や技術名ではなく、来場者の課題を言葉にしたものにしてみてください。「減塩でもコクを出したい方へ」のように、立ち止まる理由を一言で示すことが大切です。
もう一つ意識していただきたいのが、会期後のフォローです。
食品開発は、試作、評価、社内承認と、検討期間が長くなりがちな分野です。展示会で受けた相談内容を記録し、サンプル送付や追加資料の提供を通じて、関係性を丁寧に育てていきましょう。
展示会での最大の成果は、名刺の枚数ではなく「関係性」です。その関係性が、半年後、一年後の採用や共同開発へとつながっていきます。
出展された皆さん、本当にお疲れさまでした。今回の出会いが、日本の食の未来をより豊かにする新しい商品へと育っていくことを、心から応援しています。
※この記事はAIを活用して作成しました。
展示会で成果を出すコツを知りたい方へ
このセミナーに参加すると、
成果を出すノウハウを習得できます。

展示会営業(R)コンサルタント。経済産業大臣登録中小企業診断士。詳細はウィキペディアご参照。
展示会をテーマとした著書5冊を含む合計7冊を執筆し、すべてAmazon部門1位を獲得している。執筆書籍は、すべてamazon部門1位を獲得しており、「日経MJ」、「NHKラジオ総合第一」他、多くのメディアで取材を受けている。1300社を超える展示会出展支援経験に基づく実践的なアドバイスが好評を博している。ほぼ毎週、東京ビッグサイトに出没する自称 展示会オタク。

