展示会場の様子がわかる動画です。
会場を歩いてまず感じたこと
東京ビッグサイト南展示棟に足を踏み入れてまず感じたのは、会場全体に流れる「真剣さ」の質でした。
危機管理という言葉には、どこか重く、遠いものという印象があるかもしれません。けれども今回の会場では、来場者一人ひとりが自分の組織や地域を守るための具体的な答えを探していて、その熱量がブースのあちこちで静かに伝わってきました。
22回目を迎えた今回は、南展示棟全館を使った過去最大規模での開催です。通路を歩くたびに、防災、BCP、セキュリティ、ドローン、サイバー対策と、危機管理の守備範囲がここまで広がってきたのかと改めて実感させられます。
展示会は「一次情報の宝庫」だと僕はいつもお伝えしていますが、この展示会はまさにその言葉がぴったりの場でした。
展示会基本情報
開催日時
2026年9月30日(水)~10月2日(金)の3日間、10:00~17:00に開催されています。
会場
東京ビッグサイト 南展示棟全館(南1~4ホール)です。
主催者
主催は株式会社東京ビッグサイト、特別協力は東京都です。内閣府(防災担当)、警察庁、デジタル庁、総務省消防庁、国土交通省、防衛省をはじめ、全国知事会や全国市長会など数多くの機関が後援に名を連ねています。
公式サイト
来場者層
国や自治体の関係者、警察・消防などの治安関係者が多いことが、この展示会の大きな特徴です。加えて、インフラ・製造業の経営幹部や、民間企業の総務・人事・施設管理担当者も主要な来場者層となっています。前回2025年の来場者数は19,622名でした。
主な出展分野
防災・減災、BCP・事業リスク対策、セキュリティを柱に、危機管理ドローン・ロボット、サイバーセキュリティソリューション、セーフシティTECH、スタートアップゾーンが設けられています。特別併催企画として「テロ対策特殊装備展(SEECAT)2026」も同時開催されています。
展示会の特徴
危機管理産業展は、阪神・淡路大震災の教訓をもとに構想された、国内最大級の危機管理ビジネストレードショーです。
主催者によれば、出展構成は防災・減災分野が全体の約65%、セキュリティ分野が約20%を占めています。災害への備えを軸にしながら、防犯やサイバー、テロ対策までを一つの会場で俯瞰できる点に、この展示会ならではの価値があると感じました。
もう一つの大きな特徴は、行政と民間が同じ空間で出会えることです。自治体の防災担当者と民間企業の総務担当者が同じブースで説明を聞いている光景は、ほかの展示会ではなかなか見られないものでしょう。
今回のみどころ
今回の目玉として注目を集めていたのが、「シェルター疑似体験」です。政府のシェルター整備方針を受けて企画された緊急企画で、来場者が実際に中に入って空間を体感できるようになっています。
また、「防災カフェ」では備蓄食の試食が行われていました。非常食というと「我慢して食べるもの」というイメージを持つ方もいるかもしれませんが、今の備蓄食は驚くほど進化しています。実際に口にして確かめられる機会は、来場者にとって貴重な体験になったはずです。
セミナーも充実しています。初日には前石川県知事の馳浩氏らが登壇する「防災庁に求められる役割と機能させるポイント」が行われ、熊本地震から10年の節目にあたる今年は、その検証をテーマにしたセミナーも用意されています。
注目ポイント
僕が特に注目したのは、危機管理ドローン・ロボットのエリアです。前年の1.5倍規模に拡大されており、4足歩行ロボットなど、実用段階に入りつつある技術が並んでいました。
数年前までは「未来の技術」として紹介されていたものが、今では現場でどう使うかという具体的な議論の対象になっています。来場者の質問も、性能そのものより運用体制やコストに向かっていたのが印象的でした。
スタートアップ向けの「Risk Control Startups」には約15社が参加しています。大手企業や官公庁の担当者が、若い企業の技術に真剣に耳を傾ける姿からは、業界の新陳代謝が進んでいる様子がうかがえました。
会場の様子
会場では、体験型の展示に人が集まっている様子が目立ちました。
危機管理の製品やサービスは、カタログを読んだだけでは価値が伝わりにくいものです。だからこそ、実際に触れる、入る、食べるといった体験の設計が、来場者の理解を大きく後押ししていたように思います。
今回、来場者の足を止めていたブースには共通点がありました。それは「誰に、何を伝えるのか」が明確に設計されていることです。自治体向けなのか、企業の総務担当向けなのかがひと目でわかるブースほど、立ち止まって話し込む来場者が多く見られました。こうした成果の出る展示会営業は、決して偶然ではなく再現可能です。その具体的な考え方と手順は、展示会成功のための全体像で体系的にまとめています。
一方で、専門性の高い製品ほど説明が技術寄りになり、来場者の関心とすれ違ってしまう場面もありました。これは裏を返せば、伝え方を少し工夫するだけで成果が大きく伸びる余地があるということでもあります。

業界への意味
危機管理業界にとって、この展示会は単なる商品発表の場ではありません。行政のニーズと民間の技術が出会い、社会実装へとつながっていく「接点」としての役割を担っています。
防災庁の設置に向けた議論が進むなか、国や自治体の調達や施策は今後さらに変化していくことが予想されます。その変化の兆しを、来場者の質問や会話から直接つかめるのは、展示会ならではの価値です。
また主催者は、業界の人材不足に対応するため、若年層向けの企画やアスリートの登壇など、企画の多様化にも力を入れています。危機管理を「一部の専門家の仕事」から「社会全体で担うもの」へと広げていこうとする姿勢に、主催者の強い使命感を感じました。
今年の展示会トレンド
今年の会場から読み取れたトレンドは、大きく三つあります。
一つ目は、防災DXの本格化です。デジタルツインやAIを活用した次世代防災システムをテーマにしたセミナーも開かれ、情報をいかに集め、判断につなげるかという視点が強まっていました。
二つ目は、在宅避難や備蓄といった「生活者目線の防災」への関心の高まりです。災害関連死を防ぐための実践的なトライアルを紹介するセミナーもあり、避難所に行くことだけが防災ではないという考え方が浸透しつつあります。
三つ目は、物理的な安全とサイバー空間の安全を一体で考える流れです。セーフシティやサイバーセキュリティのエリアが並んで設けられていることからも、危機管理の境界線がなくなりつつあることがわかります。
過去のレポート
同じ展示会の過去のレポートを公開しています。業界の流れや変化を立体的に見る定点観測の材料になさってください。
展示会営業の専門家 清永健一のワンポイントアドバイス
危機管理産業展のように、行政と民間の来場者が混在する展示会では、「誰に来てほしいのか」を出展前に一つに絞ることが何より大切です。
自治体の防災担当者と企業の総務担当者とでは、抱えている課題も予算の決まり方も大きく異なります。両方に向けて話そうとすると、どちらにも響かないブースになってしまいがちです。
次に意識していただきたいのが、売り込みではなく「相談」の場をつくることです。この展示会の来場者は、自分の組織を守るための答えを本気で探しに来ています。製品説明から入るのではなく、「どんな災害や事態を想定されていますか」と課題を聞くところから会話を始めると、対話の深さがまったく変わってきます。
そして、危機管理分野は検討期間が長く、予算化まで時間がかかるケースも少なくありません。だからこそ、会期後のフォローが成果を左右します。名刺の枚数ではなく、来場者の課題をどれだけ把握できたかを成果の指標にしてみてください。
展示会は、営業の場であると同時に、社会の安全を支える仲間と出会う場でもあります。出展者の皆さんの技術と想いが、一社でも多くの組織や地域に届くことを、心から応援しています。
※この記事はAIを活用して作成しました。
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展示会営業(R)コンサルタント。経済産業大臣登録中小企業診断士。詳細はウィキペディアご参照。
展示会をテーマとした著書5冊を含む合計7冊を執筆し、すべてAmazon部門1位を獲得している。執筆書籍は、すべてamazon部門1位を獲得しており、「日経MJ」、「NHKラジオ総合第一」他、多くのメディアで取材を受けている。1300社を超える展示会出展支援経験に基づく実践的なアドバイスが好評を博している。ほぼ毎週、東京ビッグサイトに出没する自称 展示会オタク。

