展示会場の様子がわかる動画です。
会場を歩いてまず感じたこと
東京ビッグサイト西1〜3ホールに広がるTECHNO-FRONTIER 2026を歩いて、まず感じたのは、製造業の展示会が「個別技術を見せる場」から「技術同士のつながりを考える場」へ変わりつつあることです。
モータ、電源、EMC・ノイズ対策、熱設計、制御、部品加工といった要素技術は、どれも製品や設備を確実に動かすために欠かせません。一方、今年の会場では、それらをAI、データ連携、デジタルツイン、ネットワークでつなぎ、工場や製品全体をどう最適化するかという視点が強く打ち出されていました。
会場には、設計、研究開発、生産技術、製造、品質、情報システムなど、明確な課題を持った技術者が多く来場しています。ブースで交わされる会話も、単なる製品説明ではなく、「この条件で使えるか」「既存設備とつながるか」「量産時にどこまで対応できるか」といった具体的な内容になりやすい展示会です。
主催者が長年築いてきた技術者との信頼、出展者が積み重ねてきた技術開発、そして課題解決の糸口を真剣に探す来場者。その三者の力によって、密度の高い対話が生まれていると感じました。
展示会基本情報
開催日時
2026年7月15日(水)から17日(金)まで、各日9時30分から17時まで開催されています。
会場
東京ビッグサイト 西展示棟1〜3ホールです。
主催者
一般社団法人日本能率協会です。
公式サイト
来場者層
機械・精密機器、電機、自動車・輸送機器、材料、化学、食品、医薬、ICT・ソフトウェア、建設・エンジニアリングなど、幅広い産業分野の関係者が来場します。
職種では、研究・開発、設計、生産技術、製造、生産管理、品質、情報システム、資材・購買・調達、経営・管理などが中心です。技術を調べる人だけでなく、選定や購入に関わる人も多いため、具体的な商談に発展しやすい点が特徴です。
主な出展分野
モータ、モーション制御、電源システム、パワーエレクトロニクス、EMC・ノイズ対策、熱設計、部品設計、精密加工、工場ネットワーク、設備の見える化、予兆診断、搬送・協働ロボットなどが主な分野です。
さらに、製造業の生成AI、産業データ連携、デジタルツイン、SDV、OTセキュリティ、プライベート5Gといった新しい領域も加わり、ハードとデジタルの両面から製造業の未来を捉えられる構成になっています。
展示会の特徴
TECHNO-FRONTIERの大きな特徴は、一つの完成品だけを見る展示会ではなく、その完成品や生産設備を成立させる「中の技術」を横断して見られることです。
たとえば、モータの高性能化を考える場合でも、モータ単体だけでは完結しません。電源、制御、センサー、放熱、ノイズ対策、材料、加工精度、通信、ソフトウェアまでが関係します。この展示会では、それぞれの専門技術を比較しながら、組み合わせによる可能性を考えられます。
また、技術シンポジウムや専門セミナーが充実していることも重要です。展示ブースで現物や担当者に触れ、セミナーで技術動向や背景を学び、再びブースへ戻って質問する。この往復が、来場者の理解と意思決定を深めています。
今回のみどころ
今回の大きな見どころは、製造業におけるAI活用が、一般論や実証実験の段階から、設計、品質、生産、保全、サプライチェーンなどの実務へ入り始めていることです。
生成AIの活用だけでなく、エッジAI、AIエージェント、フィジカルAI、デジタルツインといったテーマが、モータ、電源、制御、通信、ロボットなどの要素技術と同じ会場で扱われています。ここに、TECHNO-FRONTIERらしさがあります。
もう一つ注目したいのは、完成品の内部構造や技術変遷を見せる企画です。今回は4脚歩行ロボット「Spot」の分解展示が行われ、動きを支えるモータ、駆動、制御、センサー、電源などを、具体的な構造から考えられる機会になっています。
技術者にとって、動いている姿を見るだけでなく、「なぜ動くのか」「どの技術が性能差を生むのか」まで掘り下げられる展示は、大きな学びになります。
注目ポイント
僕が特に注目したのは、会場全体に「単品から全体最適へ」という流れが見えることです。
これまで製造業では、設計、生産、品質、保全などの各部門が、それぞれの課題を個別に改善してきました。しかし、設備やシステムがつながり、データを共有できるようになると、一部門だけを最適化しても、全体の成果につながらない場合があります。
そのため今年は、「優れた部品です」「高性能なシステムです」と説明するだけではなく、「工場全体のどこにつながり、何を改善するのか」まで示す出展が、より強く来場者の関心を集めていました。
今回、来場者の足を止めていたブースには共通点がありました。それは「誰に、何を伝えるのか」が明確に設計されていることです。こうした成果の出る展示会営業は、決して偶然ではなく再現可能です。その具体的な考え方と手順は、展示会成功のための全体像で体系的にまとめています。
会場の様子
会場では、製品を静かに並べるだけではなく、実機の動作、内部構造、測定結果、シミュレーション画面などを見せるブースが目立ちました。
技術者は、きれいなキャッチコピーだけで判断しません。実際の大きさ、音、熱、動き、反応速度、加工面、配線、操作感など、Webではつかみにくい情報を自分の目で確かめています。
初日と2日目を合わせた主催者発表の来場者数は2万人を超えており、通路には活気がありました。ただし、にぎやかさだけが前面に出る展示会ではありません。一つのブースで長く話し込み、図面や仕様を確認する姿も多く、技術商談の密度の高さが印象的です。
この落ち着いた熱気は、専門技術展ならではのものです。出展者が技術を誠実に伝え、来場者も自社の課題と照らし合わせながら真剣に聞く。その積み重ねが、次の開発や取引につながっていきます。

業界への意味
製造業は現在、人手不足、技能継承、エネルギーコスト、サプライチェーンの不確実性、品質要求の高度化など、複数の課題に同時に向き合っています。
こうした課題は、一つの製品や一つのシステムだけでは解決できません。異なる専門領域の企業が技術を持ち寄り、互いの強みを組み合わせることが重要になります。
TECHNO-FRONTIERは、買い手と売り手が出会うだけでなく、要素技術企業同士が新しい連携先を見つける場でもあります。来場者の何げない質問が製品改良のヒントになり、隣接分野との会話が新しい用途を生むこともあります。
展示会の価値は、完成した答えを並べることだけではありません。まだ言葉になっていない課題と、まだ用途が決まりきっていない技術が出会い、次の可能性が形になり始めることにもあります。
今年の展示会トレンド
今年のトレンドは、「AIを見せる」ことから「AIを現場でどう動かすか」への移行です。
製造業のAI活用では、データを集める仕組み、設備との接続、セキュリティ、リアルタイム処理、電力、冷却、モータ制御など、物理的な技術基盤が欠かせません。AIだけを切り離して語るのではなく、現場で稼働させるためのハードとソフトを一体で考える流れが強まっています。
同時に、デジタルツインによる事前検証、予兆保全による停止時間の削減、協働ロボットや搬送機器による省人化も、引き続き重要なテーマです。
さらに興味深いのは、ものづくりとアート思考を結びつける企画です。改善や効率化だけでは答えが出ない時代に、技術者自身が新しい問いを立てる力を持つこと。その必要性が展示会のテーマにも表れています。
過去のレポート
TECHNO-FRONTIERの過去の開催実績や来場者・出展者の傾向については、主催者の前回開催結果でも確認できます。継続して見ることで、製造業の関心がどの分野へ移っているのかが、より立体的に見えてきます。
展示会営業の専門家 清永健一のワンポイントアドバイス
TECHNO-FRONTIERのような専門性の高い展示会では、製品名や技術名を大きく掲げるだけでは、来場者が自分との関係を瞬時に判断できないことがあります。
大切なのは、「何ができる技術か」だけでなく、「誰の、どの工程の、どんな困りごとを解決するのか」を、通路から見える言葉で示すことです。
たとえば「高性能放熱材料」と掲げるより、「小型化で増えた発熱を抑えたい設計者へ」と示した方が、対象となる来場者は自分ごととして反応できます。そのうえで、実物、比較実験、測定値、断面モデルなどを見せると、技術の価値が伝わりやすくなります。
接客では、最初から詳しい説明を始めるのではなく、「どの部分の熱対策でお困りですか」「現在はどの工程がボトルネックですか」と短く尋ね、相手の課題に合わせて見せるものを変えることが重要です。
そして会期後は、名刺を一括して同じように追いかけるのではなく、相談内容、導入時期、技術条件、社内での役割を記録し、優先順位をつけてフォローしてください。高度な技術ほど、その場で即決されることは多くありません。展示会で生まれた専門的な対話を、次の検討材料へ丁寧につなぐことが成果を左右します。
TECHNO-FRONTIERには、日本のものづくりを支える技術と、それを次の時代へ進めようとする人が集まっています。個々の技術を磨くだけでなく、異なる技術や人をつなぐことで、新しい価値は生まれます。
主催者、出展者、来場者の皆さんが会場で交わす一つひとつの対話が、製造業の未来を前へ進める力になる。僕は会場を歩きながら、あらためてそう感じました。
※この記事はAIを活用して作成しました。
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展示会営業(R)コンサルタント。経済産業大臣登録中小企業診断士。詳細はウィキペディアご参照。
展示会をテーマとした著書5冊を含む合計7冊を執筆し、すべてAmazon部門1位を獲得している。執筆書籍は、すべてamazon部門1位を獲得しており、「日経MJ」、「NHKラジオ総合第一」他、多くのメディアで取材を受けている。1300社を超える展示会出展支援経験に基づく実践的なアドバイスが好評を博している。ほぼ毎週、東京ビッグサイトに出没する自称 展示会オタク。

