展示会に出展する目的のひとつとして、『新規顧客のリードを獲得する』という命題があります。この記事では、リードを獲得するために意識するべきポイントや準備、さらにリード獲得後のアフターフォローについて解説します。
目次
展示会でのリード獲得数を増やすためには、入念な対策が重要です。
ここでは、展示会でリード獲得数を増やすために押さえておきたいポイントを5つ解説します。
自社の既存顧客や見込顧客に、展示会に来ていただけるよう、事前告知を行いましょう。
告知の方法としては例えば、既存顧客や見込顧客に案内状をメールやDMで送付することが有効です。プレスリリースを出稿し、まだ接点のない新規顧客に対してはPRするのも効果的です。
自社ブースへの立ち寄り率を高めるために、ブースデザインや動線、出展場所に気を配りましょう。
デザインは、闇雲に奇抜な、目立つだけのものにすればよいというわけではありません。自社の訴求したい出展コンセプトと一貫性を持つことが重要です。
※出展コンセプトのつくり方は、「出展コンセプトを練り上げる4つの質問とは?」もご覧ください。
また、ブースを検討する際には、当日のスタッフや来場者が動きやすくなるように動線づくりにも留意しましょう。
会場出入口からブースへの動線と、ブース内の動線をそれぞれ考慮することが大事です。
人通りの多い、有効な場所にブースを確保することができれば、来場者を呼び込みやすくなります。
おすすめのブース立地は、会場内メイン通路沿いの出入口付近と、各通路の角です。
展示会においては、競合他社も自社と同様にリード獲得を狙っています。そのため、何らかのメリットを用意しておくと、来場者と話す機会が得やすくなりリード獲得につながります。
以下は、来場者に提供するメリットの一例です。
※ミニセミナーについては、「ブース前ミニセミナーの鉄則」をご覧ください。
これらのように、ブースに立ち寄るだけで得られるメリットを用意しておくと、リード獲得しやすくなります。
アンケートを取得し、感想を都度反映することは、ブース来場者の満足度を高めることに直結します。
アンケートは複雑な内容のものを用意すると、回答が面倒で提出されない場合があります。そのため、アンケートを作成する際には、回答しやすい質問にすることが重要です。
展示会来場者の目的は、興味のある分野の製品やサービスに対して、効率的な情報収集をすることです。
したがって、簡潔なアンケートは自社のイメージ向上にも貢献します。
展示会期間中は、アンケート回答内容を素早く反映させられるようPDCAを回していきましょう。
※展示会アンケートの総裁は、「展示会アンケートで成果を出すポイント」をご参照ください。
展示会は新規顧客を獲得する絶好の機会といえます。
したがって、ブース内に配置する人員の配置や人数も重要です。
ここでは押さえておきたいポイントを2点紹介します。
展示会での説明については、事前にある程度トークスクリプトを作っておき、当日は人員に余裕をもって接客をしましょう。余裕をもって接客をすることで、丁寧な応対が可能です。
時間帯によって、人数が余る場合は、余ったスタッフが来場者のふりをするサクラになったり、他の出展ブースへのあいさつ回り要員になるとよいでしょう。
展示会でリード獲得数を増加させるには、早めに名刺交換を行って関係性を構築することが重要です。名刺交換を行うことができたということは、自社と相手企業・個人との間に一定の関係性が構築されたというのと同義です。これによってその後のアプローチや商談がしやすくなるため、展示会のブースに訪れてくれた来場者には、まず名刺交換を実施しましょう。
名刺交換のタイミングとしては、ブースで足を止めてくれたとき、自社の商品について質問してくれたとき、ノベルティなどを受け取ってくれたときなどがチャンスです。一瞬の機会を逃さずに名刺交換を願い出ることで、スムーズにその後の話に進められます。
もちろん、話を遮ってまで名刺を渡すのは無作法となるため、焦りすぎるのはよくありません。先に会話がスタートした際には、対話の流れを妨げないように、会話の途中ではなく、別れ際に名刺交換を行う方がよいでしょう。いずれにしても名刺交換はリード獲得数を伸ばす重要なポイントになるため、意識して実行していく必要があります。
自社商品・サービスに関するパンフレットやチラシを積極的に配布することも、展示会でリード獲得数を増やすポイントの1つです。来場者の中には時間の関係で、ゆっくりと話を聞けない人もいます。
しかし、だからといった自社商品・サービスに興味がないとは限らないため、パンフレットやチラシだけでも手渡して、あとからゆっくりと内容を精査してもらうのもリードを増やすコツです。また、パンフレットやチラシに挟み込むかたちで名刺を入れておくことで、あとから直接連絡がくる可能性もあります。
話ができない来場者を見込み顧客から外すのではなく、パンフレットやチラシの配布という方法を使い、別のアプローチによって自社との関係性を作るのがポイントです。一方で、配布するパンフレットやチラシが簡素すぎたり、必要な情報が載っていなかったりすると、リード獲得につながりません。
パンフレットやチラシの作成にも時間をかけて、顧客の興味を引けるクオリティにするのが重要です。必要に応じてデザイナーなどに依頼し、本格的なパンフレットやチラシを作成する方法も検討されるでしょう。
展示会でリード獲得数を増やす際には、スムーズな会話を複数回実施できる能力が必要です。どれだけ営業力やトーク力がある人でも、慣れない展示会という場所では、そのパフォーマンスを発揮しきれない可能性があります。そこで事前にロールプレイングを実施し、展示会で営業をする際の練習を重ねておくのがポイントです。
スタッフ側と来場者側で役割を担い、本番を想定してさまざまなパターンでロールプレイを実施します。来場者側はあえて困らせるような対応を行い、営業側の対応力を鍛えることも考えられるでしょう。ロールプレイによって実践的な能力を高めておけば、本番の展示会でも慌てることなく顧客とコミュニケーションが取れます。
会話の際に自信を持つきっかけにもなるので、ロールプレイによって営業力を向上させることも可能でしょう。展示会向けのロールプレイも、普段の営業に活かせる可能性があるため、一石二鳥の方法となります。
トークスクリプトなどを使って会話の流れを明確にしておくことも、展示会でリード獲得数を増やすコツです。どのような状況でも対応できる汎用性の高い会話の流れを構築しておくことで、スムーズに営業をかけてリード獲得を進められるでしょう。
逆に会話の流れや手法をまったく決めずに対応すると、適切なアプローチができないケースもあります。また、社員ごとにアプローチ方法や会話の方向性が異なると、後から齟齬が出て問題になる可能性もあるでしょう。そこで従業員全体で会話の流れを共有し、トークスクリプトなどで明確な内容にしておくのが重要です。
当日に声をかける従業員で話し合う機会をつくり、理想的な会話の流れを構築する準備をするのもコツです。取り扱う商品・サービスによって最適なトークの流れは変わるため、自社独自の方法を模索することが、結果的に展示会でリード獲得数を増やすことにつながります。
展示会でリード獲得数を増やすには、顧客に対して印象的な言葉を送り、インパクトを残すのもポイントです。ただ汎用的な会話をしただけでは、他企業のなかに埋もれてしまう可能性があります。そこで独自性の高いアクションを実行し、印象深い企業であると認識してもらうことで、リード獲得数を伸ばせます。
印象に残る言葉と言っても、奇抜な言葉や意味不明なことを話すのとは意味が違います。例えば「お気持ちはわかります」と共感したり、「自分と同じですね」と考えを共有したりするだけでも、顧客にとって印象深い言葉になります。
また、ブースキャッチコピーを口頭でも伝えるというのもよいでしょう。
(ブースキャッチコピーについては、「ブースキャッチコピー3つの鉄則」もご覧ください。
つまり顧客の考えやニーズをその場で読み取り、共感や共有を行って親近感のわく言葉を残すことが、重要な施策になるのです。もちろん、必ずしもこれらの言葉が顧客に強い印象を残すとは限りません。それでも、ただ商品・サービスの説明をされた場合と比較すると、記憶に残る可能性は高まるでしょう。
営業時には顧客とシンクロするような言葉を意識的に用いて、印象に残る時間を構築するのがポイントです。
リードを獲得した後にも、展示会でするべきフローがあります。
展示会後は、リード顧客に十分なアフターフォローを行うことが重要です。
この記事では、展示会の終了後に実践したいアフターフォローについて、3つ紹介します。
展示会終了後は、来場された企業に対し速やかにお礼メールを送信しましょう。お礼メールの送信は、来場者と継続的な関係をつくるための第一歩です。
また、お礼メールは他の出展者からも送られていると予想されます。埋もれてしまわないよう、印象に残る文面にすることが重要です。
お礼メールは、商談を成立させるためにする最初のアプローチだということを意識しましょう。
自社を積極的に売り込むような内容よりも、自社のイメージ向上を優先する方がよいでしょう。
※お礼メールについては、「展示会のお礼メールはこう書く」をご覧ください。
お礼メールを送信した後は、ランク分けとナーチャリングをしましょう。
顧客をランク分けする際には、顧客の種類や成約までの見込度合いを基準に振り分けることが効果的です。ランク分けをしたうえで、ランクに応じて適切にフォローを進めていくことが、成約への近道です。
ランク分けした顧客のレベルごとに、有効なアプローチ方法は異なります。
以下では、成約までの見込度合いごとのアプローチ方法を解説します。
展示会でリードを獲得するためには、当日までの事前準備が非常に重要です。
事前準備がしっかりとできていれば、リードの獲得数を向上させることができます。
この章では、当日までにしておきたい事前準備を3つ紹介します。
入念な事前準備をして、展示会でのリード獲得を成功させましょう。
自社製品の強みや特徴を明確にすることは非常に重要です。
来場者には、潜在ニーズ段階の新規顧客も含まれています。自社製品の強みや特徴を明確にできていれば、それに合わせた訴求や、顧客の見込み度の見極めが可能です。
自社製品やサービスを利用することで達成できることや解決できることについて、どのような来場者にも分かりやすく説明できるようにトークスクリプトを用意しておきましょう。
自社製品の強みや特徴を明確にするためには出展コンセプトを練り上げることが重要です。
※出展コンセプトのつくり方は、「出展コンセプトを練り上げる4つの質問とは?」をご覧ください。
展示会に参加する目的と目標を明確にしておきましょう。
漫然と展示会に参加するだけでは、リード獲得ができず、出展料を無駄にするだけで終わってしまいます。
展示会に参加する準備段階で意識することは、展示会出展の目的と目標の2点です。
目的は、売上の増大、新規顧客の獲得、見込顧客リードの獲得などとなるでしょう。
目標は、上記の目的のそれぞれの件数にあたります。
目的と目標を明確に定められれば、展示会出展の方向性はおのずと定まります。
※目標設定については、「展示会で成果を出す目標設定法」をご覧ください。
スタッフの当日の動き方を綿密に設計することで、展示会会期中のリード獲得ロスを減らすことができます。
展示会での、来場者の最も大きなメリットは、短時間で情報を収集し、効率的に比較検討できることです。裏を返すと、来場者に対し無駄なく効率的な情報提供をすることで、展示会当日のリード獲得を最大化することができます。
スタッフの当日の動き方について、決めておくとよいことは以下の通りです。
※行動要請については、「目からウロコの展示会フォロー」をご覧ください。
展示会でリード獲得数を増やす際には、注意すべき点もいくつかあります。知らず知らずのうちに相手に不快感を与えることのないように、注意点を把握しておくことも重要です。以下では、展示会でリード獲得数を増やす際の注意点を解説します。
展示会でリード獲得数を増やすことを目的にすると、つい強引に話を続けてしまうケースがあります。しかし、相手の都合を無視した対応は悪印象となるため、リード獲得数の増加にはつながらないでしょう。それどころか展示会中に悪評が立つと、集客に影響する恐れもあります。
そのため無理に話をせず、相手の意思を尊重した対応を心がけるのが重要です。
展示会に参加する従業員は、それぞれの役割をまっとうすることが重要です。個々の従業員が独自の考えで動いてしまうと、適切な運営が難しくなるでしょう。そのため従業員を管理するポジションの人材を配置し、役割に合わせた対応ができているか確認できる体制作りがポイントです。
役割外のことをしている人がいた場合、速やかに声をかけて行動を修正し、ブース運営に支障が出ないように備えましょう。
展示会では、リアルタイムでの情報共有も重要です。従業員が個々で情報を持ち歩いている状態では、進捗やトラブルの状況をきちんと把握できません。定期的に情報を共有する時間を作り、全体で展示会を運営できるようにコントロールするのも重要です。
独断で動いた結果、何かトラブルが発生した場合、それを隠してしまうケースも想定されます。そういった状況になっても、情報共有をこまめに徹底していれば、違和感に気づいて早急な対応が可能となるでしょう。
展示会に当日参加する社員には、研修を通してNGワードや行動について情報共有しておくのも重要です。展示会という空間において、日常の常識が通用しないケースもあります。よいと思って行った行動が裏目に出てしまい、リードの獲得につながるどころか、逆に顧客の信用を落とす可能性もあるでしょう。
そういったリスクを最小限に抑えるためにも、研修やセミナーで展示会の基本を学ばせ、注意すべきポイントを把握してもらうのがおすすめです。研修やセミナーは全従業員に平等に情報を提供できるため、均一な品質を確保できるのが魅力となります。
この記事では、展示会でリード獲得数を増やすためのポイントについて解説しました。
展示会は出展コンセプトさえ固まればあとは、本記事にあるようなディテールをきちんと積みかさえていけば必ず成果を出すことができます。あなたの展示会出展の成功を心から応援しています!
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