展示会で成果を上げるには、成功事例から学ぶことが重要です。実際に成果を出した事例を参考にすることで、どのような意図や工夫が成果につながったのか、具体的に理解できるようになります。
本記事では、展示会で成果を上げた事例を5つ紹介します。これから展示会の企画運営に取り組む方は、ぜひ参考にしてください。
目次
そもそも展示会で成果を上げるには、「目的」を明確に設定することが前提となります。展示会出展の目的を明確にすれば、具体的な数値目標の設定や効果的な施策の選択が可能です。展示会の主な目的は、以下の3つが挙げられます。
目的 | 詳細 |
集客&リード獲得による売上アップ | 展示会で得られる商談や潜在的な顧客との接点を作り、取引に結びつける |
自社のPRによるブランド力向上 | 製品やサービスの認知度を高め、ブランドの印象を強化する |
競合調査 | 同業他社の動向を観察し、市場のトレンドや競合の戦略を把握する |
展示会では、これらの目的に応じたアプローチをすることが重要です。自社の置かれている状況に応じて、目的を適切に設定することが成功の鍵となります。
展示会で成果を上げた企業には、いくつかの共通点があります。なかでも注目すべき点は以下の通りです。
ここでは、5つの展示会成功事例から、具体的な成功のポイントを解説します。
ゼロイエは、空き家を収益化するノウハウを提供するコンサルティング会社です。展示会の出展では、準備から当日、事後のフォローまでの流れを綿密に計画し、展示会後わずか10日で330万円を売り上げました。
ゼロイエの成功要因として、インパクトのあるキャッチコピーと、来場者の目に触れやすい工夫が挙げられます。具体的には、ハンディマイクを使用したり、QRコードを印刷したTシャツを着用したりして、視覚的に訴求する工夫を取り入れました。
さらに、展示会終了後すぐにメールでフォローアップを行い、その後にセミナーを開催したことが契約獲得につながっています。
ゼロイエの成果を生み出した展示会出展の実例について、「初出展で10日後330万円を売った事例」で詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
昭栄薬品株式会社は、展示会出展で脱臭機を展示し、出展コストの110倍の売り上げを達成しました。成果を生み出したポイントとして、以下の3点が挙げられます。
特に重要な点は、顧客への粘り強いアプローチです。約18ヶ月にわたって商談を続けたことで受注に結びつけました。展示会を単なる一時的なイベントとせず、継続的に顧客へアプローチをしたことが成功の秘訣といえるでしょう。
昭栄薬品株式会社の成功の秘訣について、「出展コストの110倍売った事例」で詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
トレードログ株式会社と株式会社リッカは、秘匿性ブロックチェーンに関する展示ブースを共同出展しました。会場に並ぶ同業他社に負けないリード獲得数を低コストで実現させています。
成功の具体的なポイントは、以下の3点です。
シンプルかつ、来場者の視点に立って考えられている点が成功のポイントといえます。
共同出展の詳細について、「半分の費用で遜色のない成果が出た事例」で紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
また、トレードログについては、株式会社展示会営業マーケティング代表の清永健一が執筆し、ヤフーニュースにも取り上げられた「無名企業が資生堂などの大企業を顧客にした秘訣」もご覧ください。
株式会社木村鋳造所は、鋳造の会社として技術力の高さをアピールする展示を実施しました。特に、同社では以下の点を意識したそうです。
具体的には、自社の製品や作品をずらりと並べるのではなく、技術力の高さを視覚的に伝えるために、ゲームから飛び出したかのような剣城や鎧を展示しました。また、技術的な説明は、言葉でわかりやすく伝えることを徹底しています。
株式会社木村鋳造所の成功の秘訣は、「何を伝えたいか」を明確にし、他に類を見ないユニークなアイデアで表現することで、来場者の興味を惹けた点にあるといえます。
株式会社木村鋳造所の詳細な事例について、「成果が出るブースを現地解説」で実例動画を含めて紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
株式会社カワキタは、霊柩車の会社です。霊柩車自体がニッチな業界かつ特徴的な展示物のため、シンプルに製品を目立つように展示しています。
展示物が物理的に大きい場合は、展示数やレイアウトを簡潔に絞ることで、より注目されるようになります。
株式会社カワキタの展示について、「ブースレイアウトで成果を出す事例」で詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
他にもさまざまな成功事例を出展企業自身が語っています。「出展企業自身が語る成功事例」もご覧ください。
展示会で成果を上げるには、入念な計画と準備が重要です。ここでは、展示会出展を成功させるためのポイントについて、事前準備から当日、その後のフォローアップまで、順番に解説します。
最初のステップとして、「何のために展示会に出展するのか」といった目的を明確に設定しましょう。「なんとなく出展する」という曖昧な姿勢では、成果を明確に測定するのが難しくなります。
目標はKPIとして数値化し、チーム全体で共有しましょう。たとえば、新規リード獲得であれば「商談件数100件」、認知度向上であれば「製品デモ体験者200名」といった具体的な数値を設定します。さらに、時間帯別の目標や、商談の質を測る指標なども組み合わせると効果的な運営が可能です。
展示会には、さまざまな立場の来場者が訪れます。その中から、自社にとって最も重要なターゲットを明確にして効果的なアプローチを図りましょう。
ターゲット層を明確化する際には、以下の要素を検討するようにしてください。
これらを事前に整理し、ターゲットに合わせた準備を進めることで、限られた時間内での商談の質を高められます。
展示ブースのデザインは、来場者の興味を惹き、商談の成功へと導く重要な要素です。見た目の美しさだけでなく、商談のしやすさや製品の見せ方まで考慮する必要があります。具体的には、下記の点を意識しましょう。
設計項目 | 詳細 |
レイアウト | ブース内の空間をどのように区切るか 製品サンプルやパネル、映像などを効果的に配置しているか |
デザイン | 企業イメージやブランドイメージに合っているか |
動線 | 来場者がブース内をスムーズに回遊できる導線になっているか |
装飾 | 「だれのどんな悩みを解決するブースか?」が一目瞭然か?遠くからでも見えるか?照明は適切か?か |
自社のブランドや展示製品をどのように訴求するか、ターゲットがブース内をどのように動くかを計画し、目的とターゲットに応じた設計を行いましょう。
展示会のブースを魅力的に整えるポイントについて、「展示会ブースを魅力的にするポイント」で紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
展示会当日の成果を最大化するには、事前集客ができるとベターです。特に、商談につながる可能性の高い見込み客への積極的なアプローチが重要です。商談が停滞している顧客や休眠客を掘り起こす有効なきっかけとして活用しましょう。
主な事前集客の手法として、停滞案件客や休眠客への直接コール、既存顧客へのDM送付、SNSでの告知、プレスリリースの配信などがあります。また、展示会で紹介する新製品や新サービスの情報を一部先出しすると、来場意欲を高められます。
展示会当日は、限られた時間のなかで成果を求められます。そのため、スタッフの役割分担や時間帯ごとの目標設定など、綿密な計画が必要です。
特に重要なのが、トークスクリプトの準備です。製品説明や質疑応答の内容を標準化することで、どのスタッフでも一定水準以上の対応が可能になります。また、名刺交換から商談アポイント獲得までの流れを事前に決めておくことも、スムーズな商談につながります。
トークスクリプトの作り方について、「成果が出る展示会トークのつくり方」で紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
展示会での接点を商談や契約に結びつけるには、迅速なフォローアップが必要です。展示会終了後、遅くとも3日以内には、何らかの形でコンタクトを取るように心がけましょう。
フォローアップでは、展示会での会話内容を踏まえ、顧客の課題やニーズに合わせた具体的な解決策を提案することが重要です。資料送付や訪問アポイントなど、次のアクションにつながるような提案を行うようにしましょう。
展示会後のフォローについて、「お礼メールで展示会フォローを最大化」で紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
展示会で成功するには、事前の綿密な準備と戦略的なアプローチが重要です。目的とターゲットを明確にし、効果的なブース運営とフォローアップを行うことで、商談につながりやすくなります。
本記事で紹介した5つの成功事例と6つのポイントを参考にして、展示会へ出展してみてください。
心から応援しています!
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展示会営業(R)コンサルタント。経済産業大臣登録中小企業診断士。詳細はウィキペディアご参照。
展示会をテーマとした書籍を5冊執筆している展示会の専門家。執筆書籍は、すべてamazon部門1位を獲得しており、「日経MJ」、「NHKラジオ総合第一」他、多くのメディアで取材を受けている。1300社を超える展示会出展支援経験に基づく実践的なアドバイスが好評を博している。ほぼ毎週、東京ビッグサイトに出没する自称 展示会オタク。