展示会に出展する際は、より多くの見込み客に来場いただけるようにPRする必要があります。
今回の記事では、展示会でPRすることの重要性、事前のPR方法や当日のPR方法、さらには展示会後の取り組み方についても解説します。展示会出展を予定している方は、参考にしていただけるとうれしいです。
目次
展示会は、新たな顧客に製品を訴求する機会として大きな意味を持ちますが、事前のPRが不十分では集客が「出たところ勝負」となってしまい、十分な成果が得られなくなる危険性があります。
最悪の場合、展示会出展に使った費用が無駄になってしまうこともあるため、事前および当日のPRの必要性を強く意識して展示会に臨みましょう。
展示会に出展し展示ブースで来場者と出会う場合、来場者は、製品を手に取ってたり、操作音を聞いたり、食品であれば味や香りを確かめたりと、五感を使って商材を体感できるので、ホームページを閲覧する場合と比べて、購入後の使用感や導入後の自社の変化をイメージしやすくなります。
近年はリアル店舗以外での商品販売も多く、特にインターネットでの取引が活発です。しかし、インターネット上では、商材を触ったり味わったりすることはできず、画像や口コミだけで商品の良し悪しを判断しなければならないため、顧客は購入に対して慎重になる場合もあります。その点、展示会では、目で見て、耳で聞いて、手で触って、鼻で匂って、舌で味わいながら、自社商材をアピールすることができるため、顧客の購買意欲を促進させられます。
つまり、展示会で来場者に興味・好感を持ってもらうことは、新規顧客獲得のチャンスにつながります。そのため、展示会では自社のブースにより多くの人に訪れてもらい、商品に触れてもらうためのPRが必要なのです。
展示会に漫然と出展するだけでは、もっとも重要な「自社製品の良さをアピールする」という目的を達成することはできません。
展示会の事前PRを行う際は、自然と「自社製品の魅力を訪れた人にどう伝えればよいか?」を考えることになります。このことは、展示会の場で「だれに、何を、どのように」訴求すればよいのか、を明確にする効果があります。
「自社や製品についてどのようなことを発信したいか」「展示会後にどのような成果を期待しているか」を明確にし、それに沿ったPRを発信しましょう。
弊社では展示会での成果を出すためのセミナーを開催しています。展示会の出展に際してお悩みの方は、ご案内ページからお申し込みください。
この章では、展示会の事前PR方法について解説します。事前PRというと、つい自社のことばかりアピールしたくなりますが、自社のことだけでなく、展示会そのもののテーマ性、出展企業の中の注目企業や旬の商材についても周知すると、より多くの方に来てもらえる可能性が高まります。
一口に事前のPRといっても、その手段はさまざまです。展示会の形式や製品の種類、呼び込みたい顧客層によって適したPR方法は異なるため、よく検討して取り組みましょう。
インターネットを利用したPRは、最新の情報を手軽に広く届けられます。
PRに際しては、ホームページとSNSを連動させるとより効果が高く、多くの方に興味を持ってもらうきっかけにもなるでしょう。インターネットでのPRは距離の制約なく見てもらえるほか、情報がユーザー間でシェアされるため、少ない費用・労力で情報を広げられます。インターネットでの情報発信をメインにする場合は、SNSやホームページの内容を最新の情報に更新するよう心掛けましょう。
また、プレスリリースもオンラインPRの一つです。プレスリリースは、主にメディア関係者に向けて発信するため、展示会参加者の集客に加え、メディア取材の誘致にもつながりやすいです。
プレスリリースの基本構成は、以下のとおりです。
展示会のプレスリリースを書く際は、開催日時や開催場所、参加方法などのイベント概要を明確に記載する必要があります。概要は確定した情報を載せるようにしましょう。プレスリリースの配信日までに確定情報が出ない場合は、情報が変わる可能性がある旨と最新情報を確認する方法を記載しておくことが大切です。
プレスリリースは「5W1H」を意識するとよいでしょう。「誰が」「何を」「いつ」「どこで」「なぜ」「どのように」を意識して書けば、読者が展示会の全体像を把握できるようになります。
また、専門用語を使わず、わかりやすい表現を心掛けましょう。プレスリリースは業界外の人も読むため、専門用語ばかりで理解できない内容では読了されない可能性があります。
以前も展示会に出展した経験がある場合、過去の展示会で獲得した名刺を活用すると効率的な来場者の集客が可能です。
過去の展示会で出会った方や現在商談中の見込み客、案件が塩づけになってしまった停滞客、以前取引があったけれど現在は競合に取られてしまった失注客などにメールや招待状で展示会の日取りや内容を告知します。以前は「成約の見込みが薄い」と感じた人でも、タイミングが変わると購入意欲が高まっていたり、あらためて招待されたことをきっかけに購入を検討したりする可能性があります。停滞客や失注客にとっては、営業電話をされるのはうれしくないケースが多いですが、その点、展示会のご案内なら抵抗なく受け取ってもらえる可能性が高いです。
加えて、自社ブースの展示内容やブース来場特典を詳細に伝えて顧客の興味を掻き立てることで、立ち寄ってくれる可能性が高まります。
ご案内メールには、顧客が展示会に参加できるよう、以下の項目の記載が必須です。
上記に加え、自社ブースに訪れるメリットをアピールよいでしょう。本来有料となる診断サービスを無料にで行う、自社の優位性がわかる事例集(非売品)をプレゼントする、などのブース来場特典を用意し、記載するようにしましょう。
※ブース来場特典については、「目からウロコの展示会フォロー」もご参考になさってください。
【ご案内メールの例文】
件名:■■株式会社 ○○展示会出展のご案内
株式会社□□
▲▲ 様
平素よりお世話になっております。株式会社■■の△△でございます。
この度、弊社は〇月〇日に(開催場所)にて開催されます〇〇展示会に出展する運びとなりました。
当日は、弊社新製品『(製品名)』のご紹介と体験会を実施するほか、既存製品の無料相談会を行います。お立ち寄りいただいた方には、即応用できる事例集(非売品)をプレゼントいたします。みなさまお誘い合わせの上、ぜひご来場いただけますと幸いです。
―記―
〇〇展示会 出展のご案内
開催日時:〇月〇日 〇~〇時
会場:(開催場所)
アクセス:〇〇駅 徒歩5分
弊社ブース:〇ブロック〇ブース
展示内容:弊社新製品の体験会・既存製品の無料相談会
参加費用:無料
ご来場特典:即応用できる事例集(非売品)
ご不明点やご質問があれば、下記問合せ先までお気軽にご連絡ください。
問合せ先:株式会社■■ 担当△△
電話:XX-XXXX-XXXX
以上
株式会社■■
担当△△
展示会に来てもらうための事前PRだけではなく、当然ですが、展示会に訪れた人が自社ブースに対して興味を持ってもらうための施策も重要です。
ここでは、当日の展示ブースに興味を持ってもらうためのPR方法について紹介します。
ブースにパネルやのぼり旗を設置すると、会場に入った方の目に留まりやすくなります。
あなたの会社の展示ブースを目指していた人にとっては場所が分かりやすくなる上、知らなかった人にも自社製品を訴求できます
設置するパネルやのぼり旗は、遠くからでも目立つよう、インパクトが強く視認性の高いデザインが適しています。設置するパネルやのぼりのデザインに一貫性をもたせることで、一貫した自社のイメージを顧客に植え付けられます。
もっとも重要なのは、ブース上段の「パラペット」と呼ばれる部分に、「だれの、どんな悩みを解決するブースなのか?」を端的に表す文章を大きく掲げることです。この文章のことを「ブースキャッチコピー」と呼びます。
※ブースキャッチコピーのつくり方の詳細は、「ブースキャッチコピー3つの鉄則」をご覧ください。
展示ブースにリーフレットやノベルティを置いておくと、その場ではピンと来なかった方にも、後から興味を持ってもらえる可能性があります。
既にブースを訪れた人が対象となるため、リーフレットの内容は、社名よりも製品のメリットを強く打ち出すとよいでしょう。
ブースで音楽や映像を流して、来場者の五感に訴えることも効果的です。
映像は、長時間足を止めなくても展示内容が理解できるものが適しています。簡易なスライドショー程度でも十分に来場者の興味を惹くことができます。15秒程度でキーワードを効果音とともに連呼する動画なども効果的です。
音楽を使う際は、展示の内容や訴求したい事柄に適した曲調のものを使い、音量が大きすぎて邪魔になったり、逆に小さくて聴こえなかったりということがないように調整しましょう。
ほかに、ブースでミニセミナーを行うことも有効です。
※ブース前で行うミニセミナーについては、「ブース前ミニセミナーの鉄則」をご覧ください。
展示会のPRを制作する際は、「費用以上の宣伝効果をもたらせるか」を念頭に組み立てることが重要です。ここでは、PRの際に覚えておきたいことや考えておくべきことについて紹介します。PR発信前の参考にしてください。
展示ブースを組み立てる際は、来場者の動線を意識することが重要です。
通路からブースの場所が分かりやすいようパネルを配置するほか、外からでもブース内が見渡せるようにすると、離れた場所からでも展示に興味を持ってもらいやすくなります。
また、来場者は会場の出入り口付近のブースに自然と集まる傾向があります。自社ブースが出入り口から離れている場合は、興味を持ってもらえるように積極的な呼び込みを行いましょう。
来場者が立ち寄りやすくなるようにするためには、スタッフの立ち位置も重要です。ブースを遠目から見るように立ち、自分とブースの間のスペースに来場者を通すようにするとよいでしょう。
※スタッフの立ち位置については、「即実践!マル秘テクニック」をご覧ください。
同じジャンルの商材を集めて出展させるタイプの展示会では、来場者は競合他社同士の商品を簡単に比較できる立場にあります。
来場者に自社製品の魅力を伝え、手に取ってもらいやすくするため、他社製品と比べたときの優位性や特徴について説明する力を磨いておくようにしましょう。トークスクリプトをつくっておくことも有効です。
また、展示ブースでのデモンストレーションなど来場者が立ち止まり、試してみたくなるような工夫やを施すと、競合他社に差をつけて来場者の興味を惹きやすくなります。
※ブースに立ち寄ってもらうための体験アトラクション事例については、「ブースで絶対に行うべき体験アトラクションとは?」もご覧ください。
展示ブースが閉鎖的な雰囲気では、展示会で初めてその製品やその企業を知った人にとっては入りづらくなってしまいます。
来場者に入りやすいと感じてもらえる展示ブースにするためには、間口を塞がない、開放的な配置やブース内のデザインを工夫しましょう。
専門家に相談し、より立ち寄りやすい雰囲気のブースをつくるためのノウハウを蓄積しておくと、展示会で役立ちます。
弊社では、来場者が思わず立ち寄る展示ブースのつくり方ノウハウをお伝えするセミナーを開催しています。ブースづくりについてお悩みの方は、ご案内ページからお申し込みください。
展示会後のフォローも非常に重要です。来場者に素早くお礼メールを送ると出展者への印象がよくなり、あらためて商談を打診した際に、承諾してくれる可能性が高まります。
来場のお礼と今後の行動要請について簡単にまとめ、当日か遅くとも翌日までにメールすると好印象です。名刺を交換した企業は、優先度の高い見込み客として営業リストへ追加しておきましょう。
※展示会後のお礼メールについては、「展示会のお礼メールはこう書く(実例付き)」もご覧ください。
その後も、メールマガジンやDM、年賀状などで継続的に情報発信を行うことで、自社を印象付けることができます。
展示会に向けたPRや出展後のフォローは、出展効果を最大化するために重要です。展示会の前後には、マーケティングオートメーションを活用し、出展商材や展示内容の魅力を多くの人に適切に伝えることも重要です。
参考記事:効率的なマーケティング手法の実現に向けたMA(マーケティングオートメーション)の活用術
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