展示会出展を社内稟議に回し決裁を仰ぐ際には、企画書をつくることが重要です。しかし、どのような内容を記載すればよいのでしょうか?企画書づくりに慣れていないと戸惑うことも多いでしょう。そこで本記事では、稟議が通りやすい展示会の企画書とはどういうものなのか?、必ず押さえておきたいポイントは何なのか?を解説します。
目次
展示会への参加時に企画書を作成する場合、「そもそもなぜ企画書が必要なのか?」を最初に考える必要があります。企画書の必要性を把握し、役割を理解することが、通る展示会の企画書作成につながります。以下では、展示会の企画書の必要性を解説します。
展示会の企画書は、展示会そのもののメリットや魅力をスムーズに伝えられる効果があります。展示会への参加によってどれほどの効果が見込めるのか、どのような成果につながるのかを明確に示せるため、社内での高評価につなげられる点が魅力です。
これまで展示会に参加したことがない場合、その効果に懐疑的になるケースもあります。いくら担当者が説明を重ねても、会社に展示会の魅力を伝えきれないことも多いです。そこで企画書を作成し、その特徴や期待される効果をビジネス文書で提出することが求められます。
ビジネスで一般的に使用する形式にまとめることで、展示会について正確に理解を深めてくれる可能性が高まります。何よりも正式な議題として挙げられるようになるため、本格的に参加を検討する準備を進められるでしょう。
展示会の企画書は、関連する情報を社内に共有する手段としても有効です。展示会についての情報が少ないと、どれだけその魅力を解説してもイメージがしづらくなります。具体的な展示会のイメージ像が固まらないままでは、企画を通すことは難しいでしょう。
そこで企画書を正式に作成し、展示会についての基本情報を社内に提供することが重要となります。企画書に書かれた内容を軸に話を進めることで、具体的なイメージを持ってもらいやすくなります。また、参考資料として展示会のパンフレットや動画などを提示することで、社内全体でイメージを共有できる点も企画書の特徴です。
展示会の基本的な情報を提供する方法としても、企画書は必要なものとなるでしょう。
展示会の企画書は、社内のコンセンサスを正式に得るための手続きになります。ただ展示会の魅力を発信するだけでは、なかなか具体的な企画立案にはつながりません。仮に展示会に興味のある人が社内に多いとしても、企画が立ち上がらなければ行動に移るのは困難でしょう。
そこで、企画書を社内コンセンサスを得るためのツールとして活用するのです。、まず企画書を作成して社内の根回しをし、コンセンサスを得ていまいましょう。目的や目標などを企画書で明確に示し、その内容が認められれば、正式に企画として動かしていくことが可能です。展示会への参加における第一段階として、企画書の作成に力を入れるのがおすすめです。
展示会の企画書で押さえておかなければならないポイントは、以下の9つです。
それぞれのポイントについて、以下で詳しく解説します。
展示会の企画書で最初に押さえるべきポイントは「展示会に出展する目的」を明確化することです。
なぜなら展示会の目標や展示する商材、出展コンセプトは、展示会に出展する目的によって大きく変わるからです。
目的が曖昧なままだと準備、展示会当日、展示会後のフォローのどのタイミングでも判断に迷うシーンが出てくることになります。
そうならないように、展示会に出展する目的を明確に決めておく必要があります。
具体的には、以下が展示会出展の目的として挙げられます。
これらは、具体的に落とし込むことが重要です。
たとえば、「商材の拡販」を目的として設定したら、
どの機能をどのようにアピールするのか、まで踏み込んで記載しなければ企画書の説得力に欠けます。
目的から落とし込まれた出展コンセプトや効率的な集客方法、ターゲットを惹きつけるブースイメージまで企画書に記載しましょう。
※出展コンセプトのつくり方は、「出展コンセプトを練り上げる4つの質問とは?」もご覧ください。
展示会の出展目的が決まったら、具体的な目標を設定しましょう。
展示会出展目的の達成を可視化できるように、具体的な数値での目標の設定が重要です。
この数値目標は、展示会の出展目的によって変わります。
「商材の拡販」が目的であれば、受注数や案件化数、見積提出数等が目標になりますし、
ブランディングが目的なら、メディア取材数、メルマガ登録数やYouTubeチャンネル登録数などが目標になりえます。
具体的な数値目標の例は、以下の通りです。
展示会の出展目的に合致した数値目標を設定し、目的の達成度合いを具体的に測定できるように企画書に記載しましょう。
展示会の企画書には、出展する展示会の会場と開催日時を明記しましょう。
さらに、会場と開催日時だけでなく、主催者や過去の来場者数も記載するとよいでしょう。
出展する展示会が、自社が設定した目的に合致していることを、そう判断した理由とともに記載すると、
通りやすい企画書になります。
展示会選定のために主催者に確認を取っておきたい項目は、以下のようなものがあります。
企画書提出の時点で、下調べしこれらを具体的に記載しておけば、熱意を伝えることもできます。
※出展展示会の選び方は、「成果が出る展示会の選び方」もご参照ください。
次に、展示会のターゲットを決定しましょう。
展示会で出会いたい相手を具体的に企画書に記載します。
展示会なら、出会いたい相手の、所属企業、部署や役職はもちろん、どのような悩みを持った人なのか、まで具体的に設定します。
さらに対象者が、自社がどのような解決策を提示するか?、解決できると説得力を持って伝えるためにどのような事例や実績を使うかまで具体的にイメージできるようにしましょう。
展示会出展の、主担当者とサブ担当者を決定し、企画書に明記しておくと、企画書が通った後の動きがスムーズになります。
さらに、各メンバーの具体的な業務分担や責任の範囲なども事前に決めておきましょう。
指令系統等を図表化すると、関係者が理解しやすいためおすすめです。
参加期間や、大まかなスケジュールもこの時点で考えておくと、関係者との連携がとりやすくなります。
企画書の段階で明確にしづらい場合は、役割だけ記載し、固有名詞は空白にしておいてもよいでしょう。
出展コンセプトは、展示会の出展目的からブレークダウンして決定します。
コンセプトを決める際に考慮に入れておくポイントは、以下の通りです。
展示会の出展コンセプトを明確にし、展示会プロジェクトチームで共有しておくと、成功確率が高まります。
※出展コンセプトのつくり方は、「出展コンセプトを練り上げる4つの質問とは?」もご覧ください。
展示内容とは、展示会で具体的に何をやるのかを決めることです。
目的・目標・出展コンセプトをもとに、展示内容を考えましょう。
展示会後、来場者に期待する行動は、展示会の出展目的は、商材の拡販なのか、ブランディングなのか等により異なります。
展示内容を決める前に展示会の目的・目標、出展コンセプトを明確化しておきましょう。
展示ブースでの見せ方は、セミナー型、実演・デモ型、体験型、シアター型、パフォーマンス型とさまざまです。
予算とも相談しながら、コンセプトに合うイベントの形式を検討しましょう。
※ブースでの見せ方、接客方法については、「ブースで絶対に行うべき体験アトラクションとは?」もご覧ください。
展示会の企画書には、具体的なスケジュール設定が必須です。
展示会のスケジュールは、当日までの準備スケジュールと当日のスケジュール、展示会後のフォロースケジュールの3つを設定しましょう。
準備スケジュールには展示会出展の告知やプレスリリースのタイミングも記載しましょう。
企画書が通り、実行の段階になると、ブース設営会社選定、主催者への書類提出、当日の人繰りなどなどさまざまなタスクが山積みになります。
展示会当日までの大枠のスケジュールを事前に組んでおくと、煩雑な準備に掛かる工数を時間を短縮しましょう。
また、予定通り進まないリスクを勘案し、できるだけ余裕を持ったスケジュールを設定しましょう。
費用対効果は、開催する展示会にいくら費用がかかってどれだけのリターンがあるのかを検討する項目です。
展示会を開催するメリットの根拠にもなる項目で、企画書の中でも非常に重要な要素です。
予算は、イベント内容やスケジュールの設定と並行して見積もりを進めましょう。
費用項目の割り出し・費用項目の優先順位決め・予算配分も、合わせて記載すると、具体性や予算配分の根拠になります。
また、目標達成時の費用対効果を記載して、開催に期待できる効果やメリットをアピールしましょう。
展示会の企画書を作成する際には、事前準備も重要になります。上記で解説した一連の流れをスムーズに進めるためにも、企画書の作成準備は重要なプロセスとなるでしょう。以下では、展示会の企画書作成において重要視される準備を解説します。
展示会の企画書を作成するためには、まず展示会についての情報収集を進めましょう。展示会の意味や内容といった基本的な部分から、最新のトレンドや動向までを確認することで、説得力のある企画書の作成が可能となります。展示会についての理解度が低い状態で企画書を作成しても、許可が出ない可能性が高いです。
まずは企画書を作成するための最低限の知識を身につけて、周囲を説得できる準備を整えるのが重要です。情報収集はインターネットを活用するほか、実際に展示会を開催している主催者企業などに連絡を取り、詳しい話を聞くのも1つの方法です。
専門企業・サービスと早くから連携することで、より多くの情報を収集できるでしょう。
展示会場の実際の様子は、「展示会レポート」をご参考になさってください。
展示会の企画書を作成する際には、成功事例と失敗事例の両方を確認することも準備の一環となります。企画書作りにおいて、前例を参考にするのは一般的な方法です。展示会の企画書においても同じく、過去の事例を参考にして企画書の魅力を説明することが考えられるでしょう。
その際には成功事例だけでなく、失敗事例を参考資料に取り入れるのがポイントです。失敗事例を提示することで、事前にリスクを明らかにしつつ、対策について話ができます。なぜその企画が失敗したのかを分析して解決方法を提案できれば、より説得力のある企画書を構成できるでしょう。
企画書には複数の事例を用いることを前提にしたうえで、成功事例と失敗事例を資料にするのがコツです。
展示会の企画書作成時には、展示会に出展することによる自社ならではのメリットを明確にしておくことがポイントになります。一般的なメリットだけでなく、自社が参加することで得られる特別な利益を紹介できれば、より企画書の効果が高まるでしょう。
「新規顧客の獲得につながる」「自社のブランディングになる」といったメリットに加えて、「自社にとって重要である〇〇の効果を期待できる」といったかたちで、独自の魅力を展示会の企画書で解説するのも1つの方法です。
展示会の企画書を作成する場合、周囲に相談しながら進行できる環境が必要となります。個人の力で企画を立ち上げて許可を得られる可能性もありますが、周囲の理解を得られないままでは結果的に企画をスタートさせてから苦労するかたちになるでしょう。
そこで早い段階から周囲に展示会についての相談を行い、味方を作っておくことも準備につながります。周囲に相談できる環境を構築できれば、課題が見つかったときに協力してもらうことも可能です。企画書の精査を依頼して、よりクオリティの高い内容に仕上げることにも期待できます。
展示会の企画書を作成するのなら、周囲の協力を積極的に得ていくとよいでしょう。
展示会の企画書を作成する場合、いくつかの注意点を把握しておくのもポイントです。事前に注意すべき内容がわかっていれば、スムーズな企画書作成を実現しやすくなります。以下では、展示会の企画書作成における注意点を解説します。
展示会の企画書では、客観的な根拠を示す必要があります。「自分は〇〇だと思う」「〇〇と信じている」といった主観が軸になっていると、根拠の薄い企画書になると想定されます。あくまで客観的な視点から事実を見つめて、主観を排除した内容に仕上げるのが企画書の基本です。
展示会の課題や問題点も含めて記載し、解決方法を提示することで企画書の説得力を高められます。展示会の問題点を隠すのではなく、公開したうえで対策を考えていることをアピールするとよいでしょう。
展示会の企画書で使用する参考資料などに、間違いがないことは入念に確認しておきましょう。根拠として使用した数字が間違っていたり、参考事例の表記にミスがあったりすると、企画書の信用が低下します。
一から作り直しになる可能性もあるため、参考資料を使用する際にはよく内容を確認して、正確な情報を取り扱うように備えましょう。参考にした内容そのものに誤りがある可能性もあるので、信憑性の高い情報だけを活用するのがポイントです。
展示会の企画書を作成する際には、読みづらくならないように注意が必要です。多くの情報やデータを記載した結果、読みづらい内容になってしまうケースは多いです。読みづらい企画書はそもそも最後まで目を通してもらえず、まともな評価を受けられない可能性があります。
展示会の企画書を作成する際には、内容を充実させつつ、同時に読む側が最後まで確認できるかたちに整えることが重要です。表や数字を整理して確認しやすくしたり、フォントの大きさや種類を揃えたりするだけでも、企画書の見やすさは大きく変わります。
展示会出展の際に通りやすい企画書は、以下のポイントを押さえて作成しましょう。
目的や目標、ターゲット、出展コンセプトは展示会の展示内容と直接関わる項目です。
これらを最初に詳細を設定しておくと、軸がぶれない企画書を作成できます。
企画書の段階で、出展展示会の詳細をリサーチし、細かくスケージューリングができていると、企画に対する熱意や具体性をアピールできます。
詳細まで作りこんで、通りやすい企画書を作成しましょう。
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