展示会!今後どうなる?コロナ後初の大規模展示会レポート_ 関西ホテル・レストランショー

こんにちは!

展示会営業(R)コンサルタントの清永です。

インテックス大阪で開催されている展示会:「関西ホテル・レストランショー」に

行ってきましたよ。

この「関西ホテル・レストランショー」、

新型コロナウィルス後、初めて開催される大規模展示会なのです。

 

新型コロナウィルスは展示会業界の甚大な影響を与えました。

3月から7月までの5か月間の大規模展示会はすべて中止に

追い込まれてしまったのです。

そんな中、満を持して行われるこの「関西ホテル・レストランショー」は

ウィズコロナ時代、コロナ後の大規模展示会のあり方のモデルケースになります。

ぼくにとっては、ホテル・レストランショーの出展者説明会で講演させていただいており、

個人的に思い入れも深い展示会でもあります。

この展示会の主催者:日本能率協会の展示会事業を統括する

小宮太郎ディレクターと対談させていただいたこともあります。

 

縁浅からぬこの展示会を「絶対にこの目で見なければ!」

そう思い、東京からインテックス大阪に乗り込みました。

 

展示会主催者としてのコロナ対策

東京から大阪に向かう新幹線の中で考えたのは、

開催を決断した主催者の日本能率協会さんはすごいなぁ、腹が据わっているなぁ、

ということです。

大阪の新型コロナ感染者数は、

「関西ホテル・レストランショー」の開催前日にあたる

2020年7月28日に155人(この時点で過去最多)、

開催初日の7月29日には221人(過去最多、初の200人超)となっています。

「これは、下手したら中止かもしれないなぁ」

ぼくは、正直そう思っていました。

でも、決行した

これは、展示会主催者としてものすごくプライドのある決断だと感じます。

感染防止だけを考えるなら中止した方がよいでしょうし、

その方が、主催者としても楽だったと思います。

「感染拡大を踏まえて安全のために断腸の思いで、中止しました」

と言えば説明もつきます。

でも、誤解を恐れずに言うなら、それは思考停止です。

「人が集まることころは危険だ」、「今は我慢の時だ」と

なんでも中止にしていては、どんどん手詰まり、ジリ貧になってしまいます。

そして最後には、「国よ!なんとかしてくれ!」と他力本願に言うしかない

状態に陥ります。それでよいはずはありません。

 

「感染対策はもちろん大事、でも経済も回す」

「だから経済を回すためにリスクを取る」

「しかしリスクをできるだけ減らすために万全の対策を行う」

そういうプロとしての矜持を感じました。

実際、かなり緻密にコロナ対策を講じている印象を受けました。

どんな感じかと言うと、

まず、来場者の事前登録の際に、来場時間帯まで確認されます。

 

 

これは、一日あたりの最大人数5,000名下回るようにするために、

会場の人数をコントロールしているのだと思います。

そして、会場では、綿密ににコロナ対策を取っていました。

公益法人大阪観光局のガイドライン、日本展示会協会のガイドライン、

国際見本市連盟の指針に則った運営なのでしょうが、

ぼくが気づいた点を以下に記載しますね。

まず入場前に受付でサーモグラフィーで検温され、

マスクを着用していることを確認されます。

受付スタッフさんはマスクだけでなくその上にさらに

フェイスシールドをしていました。

大阪府の「コロナ追跡システム」のQRコードも大きく掲げられています。

 

会場内でも、出展者はすべてマスク着用です。

特筆すべきは、導線が決まっていたことです。

一方方向にしか進めないようにしているのです。

 

来場者の動きを主催者としてコントロールしやすくしているのでしょうね。

このやり方だと、来場者は、すべてのブースを見ることになるので、

出展者にもメリットがあるかもしれないと感じました。

一方で、導線が決まっていて一方通行だと、これまで以上に

来場者は足早に通り過ぎようとします。

「だれにどんな悩みを解決するブースなのか?」が

パッと見てわかるようにする必要性がこれまで以上に高まっていくと感じました。

また、密を避けるために、通路の幅を通常よりもかなり広くとっていました。

さらに、大型の扇風機が会場の各所に設置され、ガンガン換気していました。

それと、いたるところに消毒液が置いてありました。

それと、もう一つ。ブースとは別に商談スペースを主催者側が用意していました。

アクリル板で仕切っていますね。

 

これらの対策によって、来場者はかなり安心して展示会場を

回遊できたのではないでしょうか?

会場内の試食を提供しているブースがにぎわっていたことは、

そのことを裏付けていると感じました。

 

コロナ対策を考慮したブース

 

では、出展者個社のブースの対応はどうなっているのでしょうか?

ほとんどのブースが、入り口に消毒液を置いている程度で、

いつもとほとんど変わっていないように感じました。

コロナ対策を考慮した展示ブースはどうあるべきなのか?

なかなか難しいテーマです。

感染防止を徹底するだけならカンタンです。

出展しなければいいのですから。

出展しなければ、コロナに感染することはありません。

でも、出展している以上、

集客し売上を生むブースをつくる必要が絶対にあります

そんな「感染防止」と「集客・売上」という相反する2つの命題

正面から取り組んでいるブースが会場内にありました。

スーパーペンギン株式会社の竹村尚久さんのブースです。

竹村さんは、

コロナ禍でもできる半リアル展示会;PHESEhttps://tenjikaieigyo.com/phese/

いち早く提唱し実践された方です。

そんな竹村さんが今回手掛けたブースがこれです。

随所に工夫が凝らされています。

まず、来場者が密にならず原則1人で見れるように、

ブースをゾーンで区切っています。

その区切ったゾーンごとに、iPad PROを置き、

ゾーンのテーマや商材の説明動画を流しているのです。

(音量はiPad PROの内臓スピーカーで十分でした)

来場者は自然と動画を見ることになります。

出展者は動画を見ている来場者の横に立ち、声をかけ説明をするのです。

すると、来場者と出展者が同じ方向を見ながら会話することになりますから、

飛沫感染のリスクが、向かい合うときよりも大幅に軽減されます。

よく考えておられますよね。

また、このブースでは、ブース内を扇風機で換気していました。

ブースデザインと調和した扇風機ですね。

竹村さんによると、

「来場者と出展者をアクリル板で仕切ってしまうと、心理的にも壁ができてしまい

 商談が進みにくくなる。それでは、出展する意味がなくなるので、

 アクリル板以外の方法を考えた」

とのことです。

一理あると感じました。

 

ウィズコロナ時代の展示会で成果を上げるポイント

コロナ後初の大規模展示会を実際に見て回ったことで、

ウィズコロナ時代の展示会で成果を上げるポイントがだんだん見えてきました。

 

ポイント1:出展コンセプトの重要性が一層高まる

ウィズコロナ時代の展示会では、どうしても、来場者の絶対数が少なくなります。

従来の展示会のように、来場者がたくさんいれば、

「いろいろ取り揃えています。どれかお好みのものもあると思います。

 何でもやります。どうぞ立ち寄ってください」

という全方位的なブースでも、興味を持ってくれる人がいたかもしれません。

しかし、そもそも来場者の絶対数が少ないのです。

あいまいなブースでは見向きもされません。

「1ブース=1アイテム=1ターゲット」の出展コンセプトを練り上げることが

これまで以上に重要になってくるのです。

 ※出展コンセプトのつくり方は、

 「展示会の費用対効果を最大化する出展コンセプト検討シートとは?」をご覧ください。

逆に言うと、ウィズコロナの時代にそれでも展示会に来場する人は、

会社からミッションや予算を持たされている真剣度の高い人です。

練り込まれた出展コンセプトを反映したブースをつくることができれば、

そういう優良な見込み客との接点を数多く持つことができるのです。

 

ポイント2:ブースキャッチコピーの重要度が増す

ウィズコロナ時代の展示会は、

導線が決められていて一方通行になるケースが増えます。

すると、どうなるでしょうか?

来場者は、ブラブラと会場を回遊する、という感覚でなく、

ゴールを目指して進む、という意識になります。

ゴールを目指して、導線が決められた通路を一歩通行で進むと、

来場者は、これまで以上に速足で、あなたのブースをできるだけ

通り過ぎようとするのです。

来場者に通り過ぎられてしまっては成果が出るはずもありません。

そんな来場者をハッとさせて立ち止まらせるブースキャッチコピーが必要なのです。

 ※ブースキャッチコピーのつくり方は、

  「展示会のブースキャッチコピーで成果を上げる3つの鉄則(事例あり)」をご覧ください。

逆に言うと、導線が決まっていれば、ブースの立地に左右されず、

来場者に必ず、自社のブースの前を通ることになります。

ブースキャッチコピーをつくり込むことができれば、

これまで以上に大きなチャンスが生まれるのです。

 

また、キャッチコピーを掲示する位置についても考慮が必要です。

これまでの展示会は、ごった返した来場者にさえぎられていて、

ブースの中段や下段が遠くからは見えませんでした。

だから、パラペットと呼ばれるブース上段にキャッチコピーを掲げることが重要だったのです。

しかし、ウィズコロナ時代の展示会では、来場者数が制限されますから、

ブースの中段、下段も遠くから目視確認できます。

ですから、ブースキャッチコピーを掲示するスペースを

パラペットだけでなく中段スペースまで広げることで、

より大きな文字で訴求する、といった対応が効果的になるかもしれません。

 

ポイント3:通路が広がることを踏まえたブースオペレーションにする

ウィズコロナ時代の展示会では、

人の密集を避けるレイアウトになるので、ブース前面の通路が広くなります。

このことを踏まえたオペレーションにしていくことが重要です。

たとえば、ぼくの展示会営業(R)ノウハウでは、

斜め後ろから来場者を呼びかけることをお奨めしています。

展示会では、ブースの前に気合を入れてビシっとよい姿勢で立っている

出展者を見かけますがこれでは成果がでません。

なぜなら、そういうスタッフを見ると来場者は本能的に

「売り込まれる!怖い!」と思うからです。

そうならないように、

  1. スタッフは、自社ブースから離れたところに待機する
  2. 来場者に、自分とブースの間を通ってもらう
  3. 来場者が、チラっと自社ブースを見た瞬間に、
    「何か気になりましたか?」と斜め後ろから声をかける
  4. 来場者とスタッフはブース壁面のパネルなどを見ながら会話する

というというオペレーションを取る必要があります。

ただし、このやり方には、弱点があります。

それは、ブース前面のスペースが狭いとこのやり方をできないという点です。

事実、コロナ前の展示会では、スペースが狭すぎてこのオペレーションをできないケースが

多々ありました。

しかし、ウィズコロナ時代の展示会なら、密を避けるために、通路幅を広くとっていますので

その心配はありません。

それに、

来場者とスタッフが同じ方向(ブース壁面のパネルなど)を見ながら話しをしますから、

会話中に飛沫が飛ぶリスクを軽減することもできるのです。

近づきすぎなくても声が届きやすくするために、

ブーススタッフが、ハンディマイクを活用するのもよい手です。

 ※ハンディマイクの活用イメージについてはこちらの動画の5分16秒あたりをご覧ください。

 

 

来場者は説明を聞き取りやすいですし、ブース内に活気も出ますから、

あなたもぜひ取り入れてみてください。

 

ブースに活気を出すという意味では、

ブース前で体験アトラクションエンタメプレゼンをするというのもよい方法です。

さらに、その様子を動画撮影し、YouTubeライブなどで配信するとよいでしょう。

配信の際のイメージは以下のようにするとよいでしょう。

 

「こんにちは!(社名)(肩書)の(氏名)です。

今回は、(展示会場名)からオンライン配信をしています。

今、実は(展示会名)に出展しています。

今は、コロナ禍ですので、展示会に来たい!でも来れない!という方も

おられると思います。そういう方のためにも情報をお届けしていきます。

今回のテーマは、(出展コンセプト)です。

(ブースのパネルなどを映しながら全体像を説明する)

今回のプレゼンでは、●●の部分をお伝えします。

(画面共有開始。詳細説明)

このあと、オンライン商談も受け付けております。

こちらのQRコードからお申込みください」

 

 

これまでのように多くの来場者が訪れるわけではないウィズコロナ時代の展示会では、

会場に来ていない見込み客にもアピールすることを考えていくべきだからです。

 

ポイント4:来場者がブースに長く滞在しすぎない工夫としての特典企画

ウィズコロナ時代の展示会では、来場者がブースに長居しすぎないようにすることが

重要です。それぞれの来場者がブースに長く滞在してしまうとブース内が

密になってしまうからです。

「興味を持ってもらっているからこそ、ブースに長く滞在するんだ。

 長居されるのはむしろいいことなんじゃないの?」

あなたは、そう思ったかもしれません。その通りです。

展示会で成果を出すためには、長居はむしろプラスなのです。

でも、われわれは、「成果」と「感染防止」を両立させなければいけません。

では、どうすればよいのか?

その答えが、展示会営業(R)ノウハウの中の特典企画です。

 ※特典企画の詳細は、「フォロー挨拶を展示会終了後に行う時の9割の人が見逃すポイント」

  ご覧ください。

特典企画にエントリーしてもらうことができれば、必ず次回接触の機会を持てます。

だから、無理に、ブース内で長々と話しをする必要がないのです。

密を避けなければならないウィズコロナ時代の展示会では、

「特典企画」が一層重要になってくるのです。

 

ポイント5:感染対策に配慮していることをアピールする

ウィズコロナ時代の展示会では、感染対策に配慮していることをアピールすることが

プラスにつながります。

たとえば、ブース入り口に消毒液を置くことはもちろん、

このように検温を奨励するとよいでしょうね。

また、中には、飛沫を気にして、ブーススタッフと直接対話したくないという人もいるかもしれません。

そういう方のために、ZOOMなどで本社に接続しリモート商談できるようにもしておく、

と来場者の安心感が高まります。

また、体験アトラクションやプレゼンをする際には、

人と人が密にならないように立ち位置を指定する、以下のようなカーペットも有効です。

このように、感染対策に拝領していることを、来場者に伝え、

ブースに安心して立ち寄ってもらえるようにすることが、

ウィズコロナ時代の展示会では、重要になるのです。

 

ポイント6:WEB等であらかじめ育成した既存見込み客をブースに連れてくる

以前のように、優良見込み客との偶然の出会いを期待するだけでは、

そもそも来場者の数が少ないウィズコロナ時代の展示会では、

成果を出すことはできません。

では、どうすればよいのでしょうか?

展示会が始まる前に、WEBなどオンライン上で見込み客を育成しておき、

その既存見込み客とのリアルな対面の場、商談の場、クロージングの場として、

展示会を機能させる、という発想が重要です。

「あらかじめ、見込み客を育成しておく?

 そんなのどうやったらいいかわからないよ」

あなたは、そうおもったかもしれません。

でも安心してください。

ぼくが提唱している「自前オンライン展示会の開催」なら、

費用ゼロで、接触自粛でもカンタンに見込み客をWEB上で育成できます。

 ※自前オンライン展示会については、「オンライン展示会開催ノウハウと具体的な手順」

  をご覧ください。

 

「え?新規見込み客の名刺がほしくて展示会に出ているのに、

 商談の場、クロージングの場にするの?

 それなら展示会に出展する意味がないよ!」

あなたは、こう思ったかもしれません。

でも、安心してください。

ウィズコロナ時代の展示会も、新規見込み客の名刺獲得の場としても、

もちろん機能します。

少し考えてみればおわかりになるはずです。

他の出展者も同じことを考えて

展示会を、既存見込み客との、対面の場、商談の場、クロージングの場として機能させたとしましょう。

その際に、他社のブースに商談をしに来た人(他社にとっての既存見込み客)は

あなたの会社にとっての、新規見込み客だからです。

この点において、ウィズコロナ時代の展示会も、

引き続き、新規見込客の名刺獲得のための有効な場になります。

しかし、それだけではなく、既存見込み客との商談の場、クロージングの場としても

機能させていくという考え方を合わせて持っておく方が、

ウィズコロナ時代の展示会では成果を出しやすいのだ、

と発想を広げて考えてほしいと思います。

 

まとめ

関西ホテル・レストランショーの現場レポートと合わせて、

ウィズコロナ時代の展示会を考察しました。

ひとつ、間違いなく言えるのは、本編でお伝えしたように、

ウィズコロナ時代の展示会では、これまで以上に緻密な準備が必要になるということです。

逆に、展示会で成果を出す原則である展示会営業(R)ノウハウを知り、

きちんと準備を進めていけば、これまで以上の成果を出すことも可能なのです。

なぜなら、本編でもお伝えした通り、

ウィズコロナ時代の展示会の来場者は、会社から明確なミッションと予算を与えられ、

真剣に情報収集しにきている優良な見込み客だからです。

しかも、ウィズコロナ時代の展示会では、出展を見合わせる企業もあり、

ライバルが少なくなっているのです。

きちんと準備をすれば、一人勝ちできる、ウィズコロナ時代の展示会は

そんな魅力的なマーケットなのです。

あなたの会社が、このコラムを参考にして、ウィズコロナ時代の展示会で

大きな成果を上げることを心から応援しています。

 

 

リアル展示会やオンライン展示会で成果を出すための「お役立ち資料」は以下からダウンロードできます。 

 
 

 

 

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