展示会のブース出展は、自社の商品やサービスの認知を広げ、顧客との接点をつくるチャンスです。しかし、会場には多くの競合他社のブースがあるため、特徴のないブースでは集客できません。展示会の出展で集客を図る上で重要なのが「ブースの仕掛け」です。
本記事では、展示会ブース出展の面白い仕掛けと注意点、事例などを紹介します。最後まで読めば、競合と差別化し集客できるブースをつくることができるようになります。
目次
展示会ブースの出展は、競合との差別化を図り、来場者の目に留まることが重要です。自社のサービスや商品を見てもらうために、来場者に興味を持たれて参加したくなるような仕掛けを工夫しましょう。
展示会ブースにおすすめの面白い仕掛けは、次の5つです。
それぞれの特徴やメリットなどについて、解説します。
展示会ブースで動画や音声を活用することで、来場者に対して効果的なアプローチができます。人は動くものに注意が向く傾向にあるため、来場者の注目を集められます。さらに、動画や音声はスタッフが直接接客をしなくても、通りすがりの人にブースの説明やアピールができるため、効率的に呼び込みできるでしょう。
一般的にはパネルや展示物のみで作られる動きのないブースが多いため、展示会場での希少価値が高まります。通路から見える位置に置くことで、より注目度が高められるでしょう。
写真撮影スポットを設けることで、来場者がブース内に入るきっかけを作れます。SNS全盛の現代社会において、写真映えや投稿したくなる撮影スポットは若者に対するアプローチとして有効です。ペット博や資産運用EXPOのようにBtoC的な側面がある展示会では特に効果的です。
撮影スポットは、できる限りオシャレにしたり、トリックアートのような特徴のある仕掛けをつくるなどし、SNSに投稿したくなるようにしましょう。来場者がSNSに投稿すれば、さらなる自社のPRにつなげられます。
3Dファントムとは、対象物を3D(立体)で投影する技術です。360度どこから見ても立体的で、動きのある映像を映し出せます。近代的かつ珍しいため、来場者から注目を集められます。
映し出す映像には、自社のロゴやキャンペーンメッセージなどが使われるケースが多いです。来場者の印象に強く残るため、アイキャッチの機能としては強力なツールといえるでしょう。
体験型のコンテンツは、展示会ブースに来場者を引き込むための強力な仕掛けです。従来の展示会ブースはパネルや展示物を置き、スタッフが説明する形式が多いです。しかし、体験型コンテンツを用いれば、来場者は体験だけしてみようと思い、ブース内に入ってくれる可能性が生まれます。
その結果、体験によって商品やサービスを実体験をもとに理解するので、見込み顧客になることも期待できるでしょう。
体験型のブースについては、「展示会で行うべき体験アトラクションとは?」もご覧ください。
VR・ARは仮想現実や拡張現実と呼ばれるもので、近年の展示会やアトラクション、ゲームなどにも使われています。展示会でVR・ARを使用すれば、来場者は非日常的な感覚を味わえるので興味を持ちやすいでしょう。
例えば、不動産業界で物件ツアーなどを行ったり、ゲームを体験したりするなどのブース展示がおすすめです。しかし、専門家や協力会社を必要とする場合もあるため、自社の予算や出展目的に合わせて検討しましょう。
展示会で面白い仕掛けを行えば、来場者からの注目を集めやすくなります。しかし、ただ面白い仕掛けをつくるだけでは効果がないだけでなく、来場者にマイナスの印象を与えてしまうリスクがあります。
ここからは、展示会で面白い仕掛けをつくるときの注意点を解説します。
展示会ブースで面白い仕掛けをつくるときは、視認性が確保されているかを確かめましょう。展示会場は多くの人とブースで賑わっており、仕掛けに気づかずに通り過ぎる来場者は多いです。どれだけ面白い仕掛けも気づかれなければ意味がないため、来場者に確実に見てもらえる場所に設置しましょう。
例えば、ブースの正面や上に掲げるパラペットは1番目立つ場所です。また、来場者が歩いてくる方向に合わせて、注目を集められるキャッチコピーやパネルを置くのも有効です。会場全体の様子や来場者の動きに合わせた位置に仕掛けましょう。
※キャッチコピーのつくり方は、「ブースキャッチコピー3つの鉄則」をご覧ください。
展示会ブースの仕掛けで、来場者に伝わらないのはNGです。展示会のブース出展は、来場者に認知されてブースの内容が伝わらなければ集客できません。面白さを重視しすぎて展示内容が伝わらなくなることは避け、あくまで自社の商品やサービスを伝えられる範囲内で仕掛けを考えましょう。
よくある例として、パラペットやパネルに社名やロゴを載せるブースがありますが、ブランドの認知がなければ効果的ではありません。来場者が自社の課題を解決できると感じたり、メリットを感じられたりする仕掛けを目指しましょう。
展示会ブースの仕掛けは面白さを過度に強調すると、ブランドや商品のイメージを崩すリスクがあります。その後の事業活動にも支障が出る可能性があるので、展示会の目的を忘れないようにしましょう。
自社のブランドイメージを損なわないためには、雰囲気やトーンを合わせることが重要です。仕掛けを考える際は、ブースのイメージや条件を最初に設定して、ブランドにとってマイナスにならないようにしましょう。
展示会ブースは、来場者が入りやすい雰囲気にしましょう。面白い仕掛けを用意したとしても、ブースに入りにくければ、集客効果を発揮できず来場者は通り過ぎてしまいます。
面白い仕掛けで集客効果を高めるためには、次の工夫でブースに入りやすい雰囲気を作るのがおすすめです。
面白い仕掛けの効果を確実なものにするために、来場者が入りやすいブースの雰囲気を作りましょう。ブース作成時に、スタッフで来場者目線になって意見を出し合いながら作ると効果的です。
※ブースでのスタッフの立ち方は、「即実践!マル秘テクニック」をご覧ください。
とはいえ、展示会で面白い仕掛けをつくる際、自社にぴったり合うものを考えるのは難易度が高いかもしれません。こちらの記事で、展示会の面白い企画を考えるポイントについて解説しているので、参考にしてください。
展示会の仕掛けに成功すれば、自社のブランドやイメージの向上につながります。しかし、どのような仕掛けをすれば、集客効果の高い展示会ブースを作れるかわからない人も多いでしょう。
ここでは、効果的に自社をPRするために、ユニークで面白い仕掛けの事例を紹介します。
2017年の「JAPAN IT Week」に出展された株式会社NTTネオメイトのブースは、学校の教室をイメージしたレイアウトです。研修サービスを提供する企業としてセミナー型のブースを設け、黒板に映像や資料を掲示しました。
ITの展示会とは対照的で注目された面白い仕掛けです。
山田ダンボール株式会社が「2017年Japan IT WeeK」で出展したブースは、自社の商品と同じダンボールで作られたものです。自社のイメージや商品が一目でわかるアイデアかつ、他社よりも目立つための差別化が図られた戦略的な仕掛けです。
自社商品と企業の認知度を高めるための仕掛けとして、参考になるでしょう。
ヤマトグループの漫画パネル展示もインパクトがあり、面白い仕掛けのひとつです。漫画の一コマを大きくプリントしたパネルは存在感があり、来場者の注目を集めます。
難しい説明ではなく、イメージで企業の思いや熱意などを表現できます。来場者の足を止めて興味を惹きつけるための有効な仕掛けといえるでしょう。
展示会ブースの面白い仕掛けの最後は、カルピス「Calpico on Tap」です。カルピスは、100周年の企画として、蛇口を捻るとカルピスが出てくる「カルピス蛇口」を制作しました。
蛇口を捻るとカルピスが出てくる体験は、来場者や顧客にとって興味深くつい足を止めてしまう仕掛けです。さらにオリジナルキャラクターの「じゃぐち君」と会話できる仕掛けもあり、キャッチーで楽しい経験を提供しています。
展示会ブースの様子について、より具体的なイメージを持ちたい方は「展示会レポート」をご覧ください。
展示会ブースは仕掛けの工夫次第で、来場者の興味を惹きつけ集客に結び付けられます。自社の展示内容に合わせた面白い仕掛けで競合他社との差別化を図りましょう。本記事で紹介した、面白い仕掛けのコツや成功事例を参考に、ぜひ自社の出展に活かしてください。
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