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展示会営業(R)コンサルタントの 清永です。 先週、ある経営者さんから 「展示会で成果が出る秘訣をひとつだけ 挙げるとしたら何ですか?」 と聞かれました。 そこで、ぼくは、迷わず 「来場者になりきることです」 とお答えしました。 展示会で成果を出すポイントは たくさんあります。 でも、 ひとつだけ挙げるとしたら、 ズバリ、 「来場者になりきる」 ことだと断言できます。 あなたも来場者になりきってみてほしいのです。
あなたは、展示会に来場者として行ったことが ありますか? 「NO」の方は、 まず、どんな分野でもいいので、 来場者として展示会に参加してみてください。
多くの方は「YES」だと思います。 そんな方は、 その時の自分を思い出してみてほしいのです。
もしも自分が来場者なら
と考えてみてほしいのです。
見本市産業及び国際見本市会場の 運営組織の在り方等に関する調査報告書 (三菱UFJリサーチ&コンサルティング) によると、
「日本の展示会では、来場者は、 半日で、ざっと見ただけで 帰ってしまうことが多い」 と言っています。
半日というと、6時間程度でしょうね?
この6時間を 自分が来場者ならどう使うだろうか? と考えるのです。
展示会場は、 多くの場合、 遠いところにあります。 行きと帰りで、 それぞれ1時間ずつ使うはずですね。
すると、あと残り4時間です。 この4時間を、あなたなら 来場者としてどう使うのでしょうか?
ここで考慮すべきなのは、 来場者には2種類いるということです。
ひとつは、自社や自分のためになる 情報を真剣に収集しに来ているタイプです。
そして、もうひとつのタイプは、 仕事の息抜きで、遊びにきている パターンです。
我々がお相手したいのは、言うまでもなく、 前者ですね。
前者のような 忙しい時間を割いて、真剣に情報収集しに来る人は、 多くの場合、事前にどのようなブースが出展されているかを WEBなどで確認するはずです。
そして、 「よし!このブースは見よう!」 とお目当てのブースを決めておくという行動を取ります。
人によってバラつきはあるでしょうが、 おそらく 5つくらいは、 自分が見るべきブースを あらかじめ特定するはずです。
この5ブースに 平均20分立ち寄るとすると 合計100分になりますね。
前述の通り、 来場者が展示会場にいる時間が4時間=240分だとすると、 そこから100分マイナスしますから 残りの時間は、わずか140分になります。
この140分を使って、 お目当ての5ブース以外のブースを見て回るのです。
1ブースあたり5分しか滞在しないとしても、 140分÷5分=28 ですから、
わずか28個のブースにしか立ち寄らない、 ということになります。
この28ブースに入らなければ、 あなたの会社が、いくら お金と時間をかけて出展していたとしても その来場者にとっては、
あなたの会社のブースは存在していないのと同じ、 なのです。
これが、 「来場者になりきって考えてみる」 ということです。
さて、では、どうすれば、 来場者にとっての28ブースに 自社のブースをノミネートさせることが できるのでしょうか?
そのための方法の一つは、 このコラムでも何度か取り上げた通り、 ブースキャッチコピーを練り上げることです。
これについては、前回、前々回のコラムを含めて すでに何度か取り上げました。
今回新たにお伝えしたいのは、もう一つの方法です。 もう一つの方法のポイントは、
「人は正論だけでは動かない」 という点です。
「正論」でないとすると、 何が来場者を動かすのでしょうか?
それは、 「感情」 です。 来場者の「感情」を刺激することで、 自社ブースに人垣をつくることができます。
少し長くなりました。 その具体的な方法は、また次回お伝えします。 楽しみにしておいてくださいね。
あなたの会社の展示会出展の成功を 心から応援しています。
本記事ではここまで、「展示会の出展者として成果を上げるために重要なこと」についてお伝えしてきました。一方で、「来場者として展示会に行き、情報収集をする際のコツを教えてほしい」という問合せも最近増えてきています。確かに、展示会に参加して情報収集する場合、考えなしに当日を迎えると何を見てよいかわからず、失敗に終わる可能性があります。特に新人や初めて展示会に参加する人が情報収集する場合は要注意です。
そこで、ここからは、展示会に参加して情報収集を成功させるコツをお伝えします。
展示会に参加して情報収集を成功させるポイントは、目的を明確にして、しっかり準備をした上で、展示会に行くことです。
本記事では、ここからは、展示会の情報収集を成功させるコツを7つ紹介します。実際の展示会に来場した時のご自分をイメージしながら、読み進めてみてください。
展示会の情報収集を成功させるには、事前の準備から当日の動き方まで想定することが大切です。ここでは、情報収集のコツを7つ紹介します。
それぞれのコツを押さえ、実際に情報収集を行う際の参考にしてください。
まず、展示会に参加して情報収集する目的を明確にしましょう。目的が明確でなければ、どのような情報を優先して集めるべきなのか定まらず、必要な情報を取るための動きができません。
展示会に参加して情報収集を行う目的は、主に次のようなものがあるでしょう。
仮に自社の課題を解決するための情報収集であれば、課題を解決できる可能性の高いブースに目星をつけておくべきです。トレンドの把握が目的であれば、会場全体を効率的に回る方法を考えるとよいでしょう。
目的によって当日の動きが大きく変わるので、事前に必ず確認しておきましょう。
展示会の情報収集は事前情報をもとに当日の動きや計画を立てておけば、効率的に必要な情報を集められます。展示会には多くのブースが出展しており、限りある時間で必要な情報を集めるための動きを練っておかなければなりません。
事前に参加するブースの目星をつけ、それぞれのブースで得たい情報をまとめておきましょう。効率的にブースを回れば、予定していなかったブースに参加する時間を作れるかもしれません。
展示会を効率的に回るにはコツがあります。「展示会の効果的な回り方とは?」の記事を参考にして、展示会の回り方を計画してみてください。
展示会の情報収集する際は、必ずレポートの準備をしておきましょう。レポート作成を前提に情報収集に向かうことで、必要な情報をより深く得られます。
また、新人の場合は研修の一環としてレポートの提出を求められる可能性もあります。レポートのフォーマットをもとに、会場やブースの様子、必要な情報を詳しく埋めていきましょう。
展示会のレポート作成に使えるフォーマットを確認したい方は、「展示会のレポートの書き方を解説」で解説しています。ぜひ参考にしてください。
展示会に出展する企業の中には、事前に面談予約を受け付けている場合があります。展示会を効率的に回って情報収集するために、事前予約を活用して目当てのブースを押さえておきましょう。
事前予約をするメリットは、次の3つです。
公式ウェブサイトやプレスリリース、展示会の公開情報を早めにチェックしておきましょう。
展示会に参加する前には、必ず質問事項や自社の課題などを明確にしておきましょう。
展示会の情報収集の成果は、目的に応じてどのように質問をするのか、何の情報を収集するのかといった準備で決まります。
例えば、自社の課題が「業務効率を高めること」だとします。この場合は、業務効率化を図るためのサービスやツールを提供しているブースに参加し、具体的なメリットやスペック、導入事例などを質問するとよいでしょう。
課題と質問が決まっていなければ、自社にとって何が有益な情報なのか判断できません。事前に必ず明確にした上で展示会に参加しましょう。
展示会の情報収集では、目星をつけたブースに絞ることが重要です。なぜなら、自社にとって優先順位の低いブースに時間を割くと、本当に必要なブースに参加する時間が減るからです。
目星をつけたブースに参加する場合は、次の順番で質問やヒアリングを行いましょう。
このように深掘りをしていけば、有益で必要な情報を得やすいです。ヒアリングシートを自分で用意しておき、ブースごとにメモするとよいでしょう。
展示会の情報収集に重要なのは、現地の情報をよりよい形で自社に持ち帰ることです。集めた情報をもとに自社で会議を開き、課題の解決策を考えたり次の展示会に活かしたりする可能性があります。そのため、展示会の情報収集では、次の情報を残しておくとよいでしょう。
これらの情報を残しておけば、自社の課題解決や次に展示会に参加する際の参考にできます。また、複数のブースの情報を残しておけば、自社に最適な見本を見つけるための比較検討も可能です。
ここまでは、展示会の情報収集の事前準備やコツを紹介しました。しかし、どれだけ事前準備をしていても、展示会本番で失敗してしまう人もいます。そこで、ここからは展示会の情報収集に失敗してしまう人の例を紹介します。
事前準備やコツを無駄にしないためにも、必ず確認しましょう。
革靴などの動きにくい靴で展示会の視察をする人は、体力的に辛くなる可能性があります。展示会の会場は広く、いろいろなブースを回る場合は、かなりの距離を歩きます。また、長時間立ちっぱなしにもなるため、時間が経つにつれて足腰に疲労が溜まっていくでしょう。
そのため、スニーカーのような動きやすい靴を履くのがお勧めです。ビジネスシーンでも使える黒や白を基調としていて、履き慣れたスニーカーを選びましょう。
展示会にブリーフケースやハンドバッグで視察する人は、荷物の処理ができず情報収集に困る可能性があります。ブリーフケースやハンドバッグでは、それを持つために常に片手が塞がってしまうからです。展示会はノベルティやパンフレットなどの配布物をたくさん渡されます。参加しながらレポートを書いたり、写真を撮ったりするには、常に両手を開けて動きやすい状態にしておく必要があります。
そのため、展示会に参加する際の荷物は、リュックのような両手が空いていて動きやすいものを選びましょう。できる限り多くの荷物が入り、収納のよいリュックがおすすめです。
ランチタイムに昼食を食べる人は、展示会の情報収集を失敗する可能性があります。展示会当日は、関係者から来場者まで多くの人が会場近くの飲食店を利用します。そのため、店は非常に混み合い想像以上に時間を取られるでしょう。その結果、午後からの視察に遅れてしまい、視察の時間を失うケースが考えられます。
しかし、裏を返せばランチタイムは会場内の人は少なくなっているため、視察しやすい状況です。昼食の時間をずらせば、ランチタイムに自由度高く視察できます。昼食の時間をいつもと変えてスケジューリングしましょう。
※東京ビッグサイトでランチする方は、「東京ビッグサイトのランチはここ一択」もご覧ください。
展示会の情報収集で名刺を多めに持参しない人も、よくある失敗の一例です。展示会当日は、参加したブースや関係者と挨拶を交わす機会が多く、その度に名刺を交換します。そのため、いつも以上に名刺を持参しておかなければ切らしてしまうでしょう。
名刺交換で接点を持った担当者と展示会の後に連絡を取り合い、商談や契約に至るケースも考えられます。できるだけ多くの方と面識のある状態を作っておくことが重要です。確実に名刺を切らさないように、多めに予備を持っていきましょう。
展示会当日の休憩時間や飲み物を準備しない人は、情報収集に失敗する可能性があります。展示会は長時間行われ、動き回ったり人と会話したりする機会も多いです。そのため、後半になるにつれて体力が奪われてしまいます。
休憩や水分補給をしなければ、体調不良によって情報収集できなくなる危険もあります。例えば、1時間おきに5分程度の休憩と水分補給を入れるなど、余裕のあるスケジューリングを心がけましょう。
展示会の情報収集は、事前準備や当日の動き、服装などたくさんのコツがあります。これらのコツを押さえていなければ、必要な情報を得られずに終わってしまう危険があります。
本記事で紹介した展示会の情報収集を成功させるコツ7選と失敗する人の特徴を押さえておけば、自社にとって有益な情報を持ち帰ることができるはずです。あなたの展示会での情報収集を心から応援しています。
また、展示会出展をお考えの方は、成果につながる展示会のコツを直接お伝えする無料セミナーをご活用ください。
このセミナーに参加すると、
来場者の「感情」を刺激して人垣のできるブースをつくることが できるようになります。