展示会に来場者として参加した後にすべきことの1つとして、レポートや報告書の作成があります。
ところが、レポートや報告書には定められた書き方があるわけではなく、正しい作成方法が分からないと不安を抱くことがあるかもしれません。
そこで本記事では、展示会レポート・報告書の書き方について、例文付きで解説します。
目次
展示会のレポートや報告書を作成する意義とは、何なのでしょうか。
ここでは、レポートを作成することで得られる効果について解説します。
社外向けの効果として、見込み客との接触の機会として活用できる点が挙げられます。
展示会の模様をレポートにしてプレスリリースしたり、ホームページに公表することで、休眠客に自社の存在を思い出してもらったり、検討中客の背中を押すことができる可能性があります。人気があり、人だかりができている自社ブースの写真などがあると、ブランディングにもつながります。
社内向けの効果としては、次回の出展に向けた課題や評価が明確になることが挙げられます。レポートにするこで、展示会出展の目的や成果を再確認できるためです。
出展によって得られる効果を明らかにし、次回はより大きな効果を得るためのアプローチ方法を検討します。
また、それらを社内で共有することで、次回の展示会出展をブラッシュアップすることができます。
展示会のレポート・報告書を効果的に作成するためには、いくつかの準備が必要です。
ここでは、展示会のレポートや報告書を作成する際の事前準備として、3つのポイントを解説します。
展示会に参加する際のどのブースをどの順番で回るかを大まかに計画しておくことは、レポートを作成する事前準備として重要です。
当日は、多くの来場者で会場が混雑することが考えられます。情報収集を効率化するためには、事前にブースに立ち寄る順番を考えておくことが非常に重要なのです。
レポートに書く内容や構成についてある程度イメージしながら、それらの情報を集めるために必要なブースを回れるという観点でブース順路を計画するとよいでしょう。
当日、構成や必要な情報について悩むことがなくなるので時間を無駄にすることもないでしょう。
何を重視して参加するか、来場の目的について決めておくことも重要です。
来場目的は、そのままレポートのテーマとして使えます。レポート構成の軸を設定することで、作成が容易になります。
レポートに書く項目を設定しておくこともポイントです。
具体的に項目を挙げておくと、必要な情報が明確になります。
ただし、項目が多くなりすぎないようにすることも大切です。あまりに項目が多すぎると、時間内にすべてを網羅できない危険性があるからです。
当日に無理なく動けるよう、レポートに記載する項目は、ルートや時間配分をイメージしながら設定しましょう。
展示会のレポートや報告書に必ず記載しなければならない項目はあるのでしょうか。
重要なことは、展示会の様子をより明確に伝えることです。
以下では、報告書に必ず記載するべき項目を5つ挙げます。
また、その他当日の会場の雰囲気をより想像しやすいように、来場者やブースの数などを加えてもよいでしょう。
展示会の正式名称と開催日時・場所を明記することは必須です。
とくに、展示会名は他の展示会と区別するため、一字一句間違えないように注意しましょう。
また、個別企業のブースをレポートする際は、社名や出展商材名を明らかにしましょう。
いつ開催された展示会で、どの企業がどのようなブースを出展をしたかが分からなければ、その後に続く内容も伝わりづらくなります。
展示会名はタイトルと同じように、レポートの概要を示すものだと理解しましょう。
レポート作成者の氏名と、作成日も必須の項目です。
レポート作成者の氏名はフルネームで記名し、社名、部署、役職などの所属を明らかにしましょう。
これによって、レポートが誰の責任下で書かれているかが一目で分かります。
また、レポートの評価は、作成者の評価と同等です。観察の視点やまとめ方など、仕事ぶりをアピールする機会にもなることを覚えておきましょう。
作成日に関しては、レポートがどの時点での情報かを明示するものとして重要です。
展示会に参加した目的を記すことも必須です。
これによって、レポートが伝えようとする内容が明らかになります。
また、展示会をまだ経験したことのない人にとっては、次回参加する展示会を選ぶための判断材料になります。
展示会の具体的な内容が記載されていなければ、報告書とはいえません。
事前準備として作成した項目に基づき、客観的な事実を伝えるようにしましょう。
作成者の所感を記すことも重要なポイントです。
実際に見てきた者の視点は、報告を受ける側にとって説得力があります。
安易に「おもしろい」「よかった」などと表現することは避け、現場にいたからこそ得られた感想をできるだけ詳細に述べます。
など、具体的な内容について展開しましょう。
必ず書かなければならない内容以外に、展示会のレポート・報告書にあるとよい内容には、どのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、実際にレポートや報告書を作成する際に押さえるべき4つのポイントを解説します。
できる限り、写真を報告書に組み込みましょう。
視覚的な情報があると、展示会の様子がより伝わりやすくなるためです。
当日は、以下の点を含めて、アングルを変えた写真を数枚撮影するとよいでしょう。
展示会に参加した後、なるべく早い段階でレポートを作成することもポイントの1つです。
頭の中に新鮮な情報がある状態でレポートを作成したほうが、鮮明で的確なレポートが作成できるからです。
たとえ、事細かにメモをしていたとしても、時間が経過すればするほど、記憶が薄れてしまいます。
できる限りリアルタイムに近い状態で、生々しい情報を共有できるようにしましょう。
客観的な事実と、作成者の意見・所感を区別してまとめることも重要です。
この2点を同じ項目で述べてしまうと趣旨が不明瞭になります。別々に記載しましょう。
また、たとえば出展の内容について「○○だと思う」とすると、感想文のように見え、読み手が混乱します。表現の仕方にも注意を払いましょう。
誰が読んでも理解できる平易な文章で作成することも重要なポイントです。
専門用語の多用は避けましょう。展示会に参加していない読み手がイメージしやすいような言葉選びを心がけるとよいでしょう。
また、長い文章は読み手にとって負担になります。必要な情報を簡潔に書くことが重要です。
この章では、展示会のレポートや報告書を作る際に使える例文について紹介します。
レポート・報告書を作成する際には、是非参考にしてください。
展示会に来場者として訪れた際のレポートに使える例文です。
①ブース形態・デザイン:ブース入口に配置されているものがなく、開放的で入りやすかった。
②パラペット:社名と製品名のみでメリットについては触れられていなかった。改善ポイント。
③ノベルティ:卓上カレンダーを配布。小型で扱いやすい。名刺交換の際に手渡していた。
④PR方法:動画はなく、デモンストレーションに特化。
⑤接客の様子:2人のスタッフが呼び込みをし、3人のスタッフがデモンストレーションの位置に常駐していた
B社……
C社……
新商品の初公開を目的とする展示会出展でのレポートで使える例文です。
①訪問者数:●人
②サンプル配布:●部
③ノベルティ配布:●部
展示会のレポートは、社内外へのアピールとして活用できます。
参加の目的と展示内容を明確にし、簡潔にまとめましょう。
このセミナーに参加すると、
成果を出すノウハウを習得できます。