展示会への出展効果を最大化するには、「視察」で情報収集を行うことが大切です。展示会の視察では、業界のトレンドや競合の情報を集めることができます。これらの情報は、競合他社との差別化に有用な要素となりえます。
しかし、明確な目的やコツをおさえていなければ、情報を得られないまま終わってしまう危険性があります。
本記事では、展示会を視察する目的や視察のポイントについて解説します。最後まで読み進めれば、展示会の視察で自社にとって有益な情報をまとめた報告書を作成できるようになるでしょう。
目次
展示会を視察する目的には、主に以下のものがあります。
トレンドの把握 |
業界の最新技術や顧客のニーズを掴める |
競合の動向把握 |
競合他社の出展内容や集客状況を確認し、自社との比較や差別化できる部分を見つけられる |
自社の出展時の企画に活かす |
トレンドと競合の出展状況から、自社独自のPR方法を見つけ、最適なブースレイアウトを考案する |
展示会に出展する企業の売り出し方や商品の特徴から、共通点や差別化できるポイントが見つけられます。
共通点として見つかった部分は、業界の動向としておさえるべきトレンドです。それぞれの企業独自の切り口は、自社が展示会に出展した際の売り出し方のヒントになるでしょう。
展示会を視察する際は、以下のポイントをおさえておきましょう。
これらのポイントをおさえないまま展示会を視察すると、有益な情報を得られずに失敗してしまいます。以下では、それぞれのポイントについて詳しく解説します。
展示会を視察する目的を明確にすることで、有益な情報を得られやすくなります。
目的によって、必要な情報や準備、当日の動き方が大きく変わります。目的が明確になっていれば、自社に必要な情報やサービスを提供しているブースをピックアップしやすくなるでしょう。
さらに、ピックアップしたブースを起点に、展示会をどのような経路で回るかといった計画も立てられます。
効率的かつ効果的な視察にするために、目的を最初に設定しておきましょう。
展示会視察では、当日の計画を練っておくことが重要です。
当日は数多くの出展ブースが並び、来場者もかなりの人数が集まります。そのため、予想以上に時間がかかったり、回りたいブースを見られなかったりするケースもあります。
確実に見たいブースを見逃さないためにも、次のように計画を練ることが大切です。
展示会の当日は思わぬトラブルが起きたり、想像以上に時間がかかってしまったりするケースがあります。綿密な計画を立てて視察に臨みましょう。
展示会視察の当日には、できるだけ動きやすい服装で臨みましょう。
展示会では、各企業のブースでノベルティや資料などが渡されます。渡されたものを収納できる状態にしておかなければ、両手が塞がりメモや写真がとれません。
常に両手が空いた状態を保てるように、大きめのリュックを用意しましょう。
また、展示会当日は長時間立ちっぱなしとなるため、歩きやすく履き慣れた靴がおすすめです。
展示会の情報収集は、初めての方や慣れていない方にとって不安が大きいはずです。「展示会の効率的効果的な回り方」で展示会の情報収集のコツを解説しています。
ぜひ参考にして、自社に有益な情報を集めてください。
展示会の視察では、報告書を作成するケースが多いです。報告書の作成を前提に準備しておきましょう。
しかし、報告書の作成ポイントやコツを理解できていなければ、視察で有益な情報を得られたとしても、上手くまとめられない可能性があります。
ここからは、展示会視察をよい結果にするために、報告書の作成方法について解説します。
展示会の視察で報告書を作成する場合、最初に「会社にとって必要な情報か」を確認しましょう。
本当に必要な情報を理解できれば、視察当日の自分の動きをイメージできます。例えば、以下のような内容を確認すべきといえます。
具体的に報告書の完成イメージを持っていれば、社内に共有する際に認識のズレが少なく、会議や企画に活かしやすくなります。
必ず事前に確認して、視察を無駄にしないようにしましょう。
展示会の視察前に、報告書のフォーマットを決めておきましょう。報告書のフォーマットは目的によってさまざまです。
視察にいく前にフォーマットを決めておくことで、必要な情報をどのような形にまとめるのかイメージが浮かびます。
また、質問や会場のなかで見るべきポイント、どのような写真を撮影すべきかまで想定しやすくなるでしょう。
ここからは、展示会視察の報告書で書く項目について解説します。
報告書で書くべき項目は、以下の通りです。
それぞれのポイントを把握して、有益な情報を社内に共有しましょう。
まずは、展示会名や会場名、見学日などの基本情報を記載しましょう。このときに、正式名称で記載することが大切です。
展示会はさまざまな場所で開催されており、展示会の名称が同じでも会場は違う場合があります。そのため、展示会ごとに比較するには、基本情報を正確に記載しなくてはなりません。
また、後で見返して理解できるように、ブースを出展している企業名やキャッチコピー、展示物の名称なども細かく記載しておくのがおすすめです。
報告書は誰がいつ書いたのかわかるように、作成者と作成日も記載しましょう。
氏名はフルネームで記載し、部署や所属、役職なども載せておくのがおすすめです。これらの情報を記載する目的は主に2つです。
報告書は、自分や上司の評価に活用される場合があります。また、報告書の情報をもとに展示会の企画を練る際に、視察で得た情報を求められるケースが想定されます。誰に情報を求めればよいかすぐに確認できるように、作成者の名前を記載しておきましょう。
展示会の報告書には、参加目的を改めて記載します。報告書に参加目的を記載することには、以下のような意味があります。
展示会の視察では、数多くの情報を収集して報告書にまとめる必要があります。この際に、わかりやすい報告書にするには、目的に応じた情報の取捨選択が必要です。改めて社内の人員に目的を認識してもらい、必要な情報を絞っていることを伝えましょう。
その結果、報告書の情報をどのような視点で確認・評価すべきかがわかりやすくなるため、企画や会議をスムーズに進行できます。
展示会の視察報告は、報告書のなかで最も重要な部分です。社内に共有する情報に漏れがないように、以下の内容を盛り込みましょう。
これらの情報を記載することで、展示会の全体像と要所のポイントを把握できます。しかし、展示ブース全てを網羅しようとしたり、会場全体の情報を細かく記載したりすると、内容が多くなってしまい、確認する側が負担となってしまいます。そのため、自社の目的に合わせて、どの情報が優先的かを判断したうえで、記載する情報を絞りましょう。
所感は、視察にいった人にしか書けない貴重な情報です。できるだけ具体的に現場の情報を伝えましょう。
所感を記載する際は、以下のポイントをおさえることが大切です。
実際に現場を視察して感じたことは、顧客が体験する感覚に近いため、具体的に感想や考察を入れることで、自社の出展時に活かせます。
顧客目線を意識して、現場の様子をできるだけ鮮明に伝えましょう。
展示会視察の報告書を作成する際には、注意点やポイントがあります。効果的で信頼性の高い報告書を作成できるように、以下で紹介するポイントをおさえましょう。
報告書を作成する際は、できる限り写真を入れましょう。
文章だけで展示会の様子を伝えることは困難です。写真を入れることで、実際の様子を瞬時に伝えられるため、社内共有がスムーズになります。例えば、報告書に以下のような写真を入れることで、競合のブース同士を比較しながら社内のメンバーで話し合えます。
自社のメンバーが会議や企画の作成で使いやすい情報を提供できるように、できるだけ多くの写真を残しておきましょう。
報告書において、客観的事実と主観を切り離すことが重要です。
例えば、視察して会場の様子を見た結果「来場者の数が多かった」と記載したとします。これに対して、人によっては「どの程度の来場者がいたのか」の捉え方は異なるため、メンバー間での認識に誤差が生じます。
正確な情報共有を行うためにも、主観を記載するのではなく、定量的に記載することが大切です。例えば、「Aのブースには、1度に来場者が30名ほど集まっていた」などと記載するようにしましょう。
報告書を作成する際は、数字や表を使って具体的にわかりやすくしましょう。
報告書で数字や表を使うことで、以下のようなメリットがあります。
報告書は、社内のメンバーに共有して理解してもらわなければ意味がありません。そのため、報告書を作成する際は、「読み手に伝わるのか」を意識したうえで作成するようにしましょう。
報告書の作成については、「展示会レポートはこう書く!」もご参考になさってください。
展示会の視察を有意義な時間にするには、目的を明確に設定することが重要です。目的を明確にしていなければ、どのような情報が必要かわからず、自社に必要な情報を収集できない可能性があります。
事前に目的を設定し、必要な情報を具体的に理解したうえで、視察の準備を行いましょう。視察の準備では、必要な情報を提供しているブースに絞り、当日の会場の周り方や質問内容を決めて臨むことをおすすめします。
また、展示会の視察は報告書の作成を前提に行いましょう。報告書を目的に沿って作成し、必要な情報をわかりやすくまとめられれば、社内のメンバーに有益な情報を届けられます。本記事で紹介した内容を参考に、展示会の視察を効率的に行い、自社の出展に活かせる報告書を作成してください。
また、自社でどのような仕掛けを取り入れるとよいか相談したい方は、成果につながる展示会のコツを直接お伝えする無料セミナーをご活用ください。
このセミナーに参加すると、
成果を出すノウハウを習得できます。