こんにちは!展示会営業(R)コンサルタントの清永健一です。
展示会に出展する目標はどのように設定すればよいのでしょうか。
ズバリ言います。展示会出展の最終目標はすべての企業にとって同一です。
すべての企業にとって共通の展示会出展目的、それは「売上アップ」です。
展示会に出展するためには、多大な費用と労力が必要です。
費用と労力をかけて、わざわざ展示会に出展するのですから、その分『売上を伸ばして、かかった費用や労力を10倍、20倍にして取り返してやるぜ!』と考えてほしいのです。
「長年出展しているから今年も(惰性で)出展する」とか「取引先とのしがらみがあって、付き合いで出展している」という方も、この機会に展示会出展の目標について見直してみてはいかがでしょうか。
この記事では、展示会出展における目標設定の方法について解説します。
目次
『展示会の最終目標=売上アップ』ということで異論はないと思います。
では、中間目標はどう定めればよいでしょうか?
清永が提供する展示会営業コンサルティング研修でこの質問をすると、出てくる回答は、大きく、次の2つにわかれます。
あなたの会社の中間目標はどちらでしょうか?
清永のお奨めは、
『 見込客獲得』
です。
なぜなら、
展示会が終わったあと、「認知度向上」は測れないけれど「見込客獲得」は測れるからです。
「認知度向上」も、厳密にいえば、リサーチ会社に委託すれば、測定できるかもしれません。
でも、莫大な費用がかかってしまいますね。
一方、「見込客獲得」なら〇件と具体的に数値を定めて取り組むことができますし、結果も〇件と数字で表すことができます。
見込客獲得目標が350件で、実績が、280件だったなら、その差は、『70件』と明確ですね。
立てた目標に対して、どういう結果だったのか?達成したのか、しなかったのか?しなかったとしたら、そのギャップはいくつなのか?を測ることができなければ、目標を立てる意味がないと思うんです。
立てた目標に対しての結果を数値化し、目標とのギャップを測定するからこそ、次回以降の改善につなげることができるのです。
目標を立てる大切さについては、ハーバード大学で行われた実験の結果が役に立ちます。
ある時、ハーバード大学では、『卒業生が明確な目標を立てているかどうか?』についてアンケート調査を実施しました
すると、
という結果が出たのです。
世界中の秀才が集まるハーバード大学でさえ、
84%の人が目標を立てていないというのですから、
驚きですよね。
それでね・・・
ここまでだったら普通のアンケートなのですが、アメリカ人がすごいのはさらに追跡調査をするところです。
追跡調査として正しいのは、個々人の目標達成度合いをリサーチすることだと思うのですが、それはちょっと大変すぎますよね。
そこで、どうしたかというと、単純に年収で評価することにしたんです。
このあたりもアメリカっぽいですよね。
すると驚きの結果が!
だったというのです。
この実験結果は、測定可能な目標を立てること、そして、その目標を常に意識しておくこと、の重要性を教えてくれますね。
展示会でも同じです。
目標と結果の差が明確に見えるからこそ、次の展示会出展に備えて、どう改善するのかを考えることができるのです。
清永がお手伝いしたビルメンテナンス業S社は、展示会出展にあたって見込客獲得という中間目標を具体的な数値で定めました。
そして、さらにそれを、ブレークダウンして、
と目標達成ストーリーを数値化しました。その結果、S社では、前年比2.9倍の成果を上げたのです。
このように、最終目標から逆算して、中間目標を設定することは、成果を上げるために非常に効果的な手法なのです。
続いて、目標の上位概念である目的についても考えてみましょう。以下では展示会に出展する目的としては、以下が挙げられます。
展示会には、その展示会の開催テーマに関心のある方が来場します。自社商材の分野に興味・関心を持って来場した方に、五感を使ってアピールできますから、見込み客獲得のための最高の場であると言えます。
見込み度合いに応じてランク分けし、展示会後にリードナーチャリング(顧客育成)を実施し、受注につなげていきましょう。
展示会に出展することで、認知度の向上を期待できます。そのためには、出展コンセプトを明確ににし、出展商材が「だれのどのような悩みを解決するのか?」をブースに大きな文字で掲げることが重要です。この文字のことをブースキャッチコピーと言います。
※出展コンセプトのつくり方は、「出展コンセプトを練り上げる4つの質問」をご覧ください。
※ブースキャッチコピーのつくり方は、 「ブースキャッチコピー3つの鉄則」をご覧ください。
また、商品やサービスを目や身体で体験してもらい、記憶に残してもらうことができる点は、展示会に出展する大きなメリットといえるでしょう。
※体験アトラクションについては、「ブースで絶対に行うべき体験アトラクションとは?」をご覧ください。
展示会へは、既存顧客も来場します。見込み客だけでなく、既存顧客との関係構築にも展示会を活用しましょう。
既存顧客に対しては、商品やサービスの使用感や不満点などを直接聞き出し、新たな改善点の発見につなげるとよいでしょう。
また、不満点を元に新商品をアピールし、追加受注を狙うことも可能です。
ただ漠然と目的を設定するだけでは、展示会に出展している意味がなく費やした費用や時間が無駄に終わります。では、展示会出展における目的を達成するためには、どのようなポイントを押さえればよいのでしょうか。
展示会出展を売上アップにつなげるためには、見込み客の目的を理解することが重要です。見込み客の主な目的としては主に以下が考えられます。
業種・職種・役職・会社規模(大手・中小)など、ターゲットを明確にすることで、展示会に出展する際のブースのつくり方が変わります。ターゲットを明確にしていれば、ブースに掲げるキャッチコピーやブースでのトークスクリプトも明確になります。
来場者の目的に沿った内容をアピールすることが、商談につなげるための大きな鍵です。
抱えている問題に寄り添って解決策を提示することで、商品だけでなく会社そのものに対して興味を持ってもらえるケースもあります。これらは、口頭で伝えるだけではなく、ブースキャッチコピー・パネル・資料・販促品などにメッセージを込めることで、ブースに立ち寄る来場者が増加します。
展示会は主に、合同展示会(商談会・ビジネスフェア)、動員催事・セール、パブリックショー、プライベートショーの4つに分けられます。
合同展示会はBtoBが主で、ある業界の中でテーマを決めて開催されることが多いです。主にビジネスパーソンが来場するため、商品やサービスの購入を検討している消費者が来場することはあまりありません。この展示会では、その場では、売れず、会期後にフォローする中で受注することになることがほとんどです。このタイプの展示会として、フーデックス、ケアテックス、ジムトフ、機械要素技術展、ビューティーワールドなどが挙げられます。
動員催事はBtoCであり、主に商品を販売することが目的として開催されることが特徴です。対面で販売するため、直接、購入者の反応・反響を見られます。
また、他社の売れ筋商品やサービスのアピール方法などを調査できるでしょう。例として、ムーンバットファミリーセール、ノルディックフィーリング(NORDIC FEELING)などが挙げられます。
パブリックショーとは、BtoBandCであり、主に商談ではなくPRや展示即売することが特徴です。パブリックショーには、BtoBとBtoCとで日程を分ける場合があります。例として、コミックマーケットや、東京モーターサイクルショーなどが挙げられます。
プライベートショーとは、単独企業による個展です。合同展示会や動員催事などと異なり一般公開はされないことが多く、企業が告知や招待で集客をします。そのため、主催者としては、告知に使われるサイトや画像の作成、招待状の作成や会場の設営などしなければならないことが多いため社内の各部門の連携が重要です。
例として、大塚商会実践ソリューションフェア、エフピコフェア、日本アクセスフード今ペンションなどが挙げられます。
本記事では、展示会で成果を上げるための目標設定法についてお伝えしました。最終目標である売上アップからブレークダウンした中間目標を設定することコツです。あなたの会社も、ぜひ取り組んでみてください。心から応援しています!
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