展示会で動画制作をするメリットとは|動画の種類とポイントを解説

展示会で得られる効果を最大限に高めるには、来場者に伝わりやすいように工夫したコンテンツを取り入れることが重要です。
視覚と聴覚の双方から訴えられる動画コンテンツは、来場者に対して商材を分かりやすく伝えられるため、非常に効果的です。
今回の記事では、展示会で動画コンテンツを制作することの利点や、効果的な動画の作り方について解説します。

展示会で動画制作をするメリット

最近の展示会では、モニターを設置し動画を流しているブースを増えてきました。このような取り組みには、どのようなメリットがあるのでしょうか。

ここでは、展示会で動画を活用するメリットについてご紹介します。

①来場者の足を止めてもらいやすい

展示会では自社のブースに、来場者の足を止めてもらうための工夫が必要です。

動画コンテンツは、動きや音楽、アニメーションなどの要素で来場者の視覚と聴覚を刺激することができるので、展示ブースに足を止めてもらいやすくなるというメリットがあります。

 

来場者は、展示ブースを端から順番にすべて見ていくわけではありません。興味を持ったブースにのみ足を止めるのです。したがって、来場者の興味・関心をひきつける仕掛けをつくることが非常に重要です。

 

自社ブースの前で、足を止めて「もっと見たい。もっと知りたい。」という印象を与えるには、ポスターのような静止画よりも、動きのある映像を利用することが効果的です。

※アニメーション会社の選び方については、「アニメーション動画の制作会社は増えている?上手な選び方をご紹介|NOKIDもご覧ください。

②短時間で多くの情報を伝えられる

短時間で多くの情報を伝えられることも、動画を用いるメリットの一つです。

あなたは、展示会では、限られたスペースで最大限の宣伝効果を得るために、とにかく情報量の多い展示にすればよいと思っているのではないでしょうか。

それはちがいます。

なぜなら、多くの情報を伝えようとするあまり、説明文の文字量が多すぎて字が小さくなったり、ごちゃごちゃして見づらくなると、パッと一目で見ただけでは、「誰のどんな悩みを解決するブースなのか?」がわからなくなってしまうからです。

展示会来場者は、限られた時間でできるだけ多くのブースを見て回りたいと考えていますから、わかりにくブースは、立ち寄ってもらえなくなるのです。

そこで、動画の出番です。

動画を用いることで、商材のコンセプトや使用方法、活用シーンなどの多くの情報を、短時間で伝えることができます。また、音楽や効果音などを効果的に用いれば、短時間で情報を印象付けられるでしょう。

 

③商材のイメージを伝えやすい

展示会で動画を活用すると、商材のイメージを伝えやすくなります。

 

口頭や文章の解説だけでは理解しづらい、動作や使用方法、製造工程などを目で見て理解してもらえるようになります。商材を使用している様子とともに、魅力や特徴などを伝えたり、細かな構造や利用上の注意点などを補足したりできるため、来場者の商材に対する理解を深めることができます。

 

また、大型工作機械のような、物理的にブースに実機を搬入できない巨大な商材や、小さすぎて、目視で確認することが難しい超精密部品などを分かりやすくPRできることもメリットといえるでしょう。

④ブーススタッフの負担が減る

動画を用いて商材の説明を行うと、来場者に対して口頭で説明したり、質問に対応したりすることが減るため、ブーススタッフの負担が少なくなります。

 

また、ブーススタッフの知識量やプレゼンスキルによって説明の質が左右されることが少なくなり、来場者に伝わる情報が標準化されることもメリットです。

 

ブース前を歩く来場者の興味を引くための動画と、興味を持ってブースに立ち寄った人への詳しい説明の動画をそれぞれ用意しておくとより効果的です。

 

⑤別の用途に流用できる

展示会が終わるとブースは解体されますが、制作した動画コンテンツは、引き続き使用することができます。展示会が終了した後も動画データを残しておけば、別の企画に使用したり、ホームページやSNSに掲載したりと有効活用できます。

 

展示会の開催ごとに新しい動画を作成する場合は、その都度、自社のWebサイトでも閲覧できるようにしておくとよいでしょう。そうすることで、継続的に動画コンテンツを配信し、Webサイトへの流入を促します。

 

展示会に使用する動画のパターン

展示会に動画を取り入れることにはさまざまなメリットがありますが、時間が長すぎる動画やテーマが分かりにくいものは、展示会には向いていないといえます。

 

この章では、展示会に適した動画の特徴について解説します。

①商品・サービスの紹介動画

商品・サービスの使用風景や製造プロセスなどを紹介するための動画を展示会で活用すると、来場者が商品に対するイメージを掴みやすくなります。

 

また、商品が大型で自社ブースに展示できない場合や、ブースでの実演が難しい無形サービスの場合などは、展示物の代用品としても役立ちます。

 

商品紹介の動画を制作する際は、展示会だけでなく後々Webサイトや動画投稿サイトに掲載することも考慮して制作すると、展示会後のPRや営業資料などにも活用できます。

②ティザー動画

ティザー動画とは、断片的な情報を提示して、興味を持ってもらうための動画です。

展示会で使うティザー動画の目的は、何もなければ通り過ぎてしまう来場者を自社ブースに立ち寄らせることです。そのためには、興味喚起だけできればよいと割り切ることが重要です。長々と商品・サービスについて説明し過ぎないように注意しましょう。

足を止めた来場者に対しては、ブーススタッフが声掛けを行い、詳細説明をしましょう。

※効果的な声のかけ方は、「即実践!マル秘テクニック」をご覧ください。

ティザー動画を見て足を止めた来場者に向けて、商品・サービスの具体的なメリットを紹介するための動画を別途用意しておくのも効果的です。

※ティザー動画には、エンタメプレゼンを活用することが有効です。エンタメプレゼンについては、「エンタメプレゼン速習レッスン」をご覧ください。

 

展示会の動画制作費用相場

展示会に使用する動画の制作方法には、自社で制作する方法と外部に依頼する方法があります。外部に依頼する場合は、制作費用として外注コストが発生します。

 

ここでは、動画制作に必要な費用について紹介します。

①アニメーション動画の費用相場

アニメーション動画の費用相場は、10万円~200万円程度とされています。静止画を切り替えるタイプのアニメーションは、比較的安価で制作できますが、連続したイラストを組み合わせて滑らかに動かすような、凝ったアニメーションを導入すると、費用は増加する傾向にあります。

 

②実写動画の費用相場

実写動画の費用相場は、10万円~200万円程度とされています。動画編集の工数を抑えやすいインタビュー動画や、撮影場所を選ばないものであれば、比較的安価に制作できます。一方、一部にアニメーションを取り入れたり、音楽やナレーションに力を入れたりした、テレビCMのような凝った動画は、高額になります。

 

PR動画用にキャストを雇うのではなく、自社の社員が出演すると費用の削減につながりますが、普段の業務に加えて動画制作のための業務負担が増えることには考慮が必要です。

 

動画制作のポイントや注意点

展示会における動画は非常に効果的な反面、ポイントを押さえておかなければ、効果を最大限に得られず、場合によっては逆効果になってしまうこともあります。

 

ここでは、展示会の動画を作成する上で、注意すべき点について解説します。

①動画の尺を短めにする

来場者が一か所に足を止めて立ち止まっていられる時間は想像以上に短いものです。したがって、動画ではできるだけ短い尺で伝えることが重要になります。

 

また、来場者は、始めから動画を見るわけではなく、通りがかった際に途中から視聴することになります。このことを踏まえると短い動画をリピートさせる形式にする方がよいことに気づくでしょう。1本の動画の長さは15秒から30秒程度を目安とし、その間に、来場者の興味を喚起する仕掛けを組み込みましょう。

②字幕を表示する

展示会場は、声や音が飛び交い、思った以上に騒々しいものです。せっかく動画を制作しても、周りの音にかき消されて、音声が鮮明に聞こえない危険性があります。図や写真を用いて直感的に理解できるようにし、説明が必要な部分には字幕をつけるようにしましょう。

字幕は見やすいフォントで大きめの文字サイズにして、遠くからでも見えやすいようにします。動画背景や画像に紛れて字幕が読みにくくなってしまう場合もあるため、背景と同化しないように、補色関係の色を使う、縁取りをするなど、文字が見やすくなるように意識しましょう。

③インパクトを与える演出を入れる

より多くの方に足を止めて見てもらうために、インパクトのある動画をつくることが重要です。「アニメーションやCGを駆使する」「BGMを使う」など、印象的な動画になるように意識しましょう。ただし、あまりにも派手な演出は、伝えたい情報の邪魔になったり、視認性が低くなったりして逆効果になることもあるため、商材に応じて、適度な演出のラインを見極めることも重要です。

④モニターサイズと解像度に気を付ける

映像を制作する際は、解像度にも気を配りましょう。小さなモニターやノートパソコンなどを利用する場合であれば、解像度が多少低くても問題は少ないものの、大きなモニターに投影するときは、解像度が低いものだと動画が荒く映ってしまいます。解像度の低い動画は全体的にぼやけた印象になり、離れて見たときに何が写っているのか分かりにくくなります。動画を配信するモニターの大きさに応じて、解像度を適切に合わせることが重要です。

また、モニターのサイズは、来場者に近づいて内容を見てもらうシーンのときは【32インチ~50インチ】を、数名から数十名の来場者を集めたデモンストレーションに使う場合は、【60インチ~90インチ】にするとよいでしょう。

⑤ブース演出と合わせる

展示会に取り入れる動画コンテンツは、ブースの雰囲気に合うようなデザインを心がけることもポイントです。

 

例えば、シックで落ち着いたブースに元気で騒々しい動画を流すと、ちぐはぐな印象になり、来場者に商材のイメージが伝わりにくくなります。動画の製作を外部に依頼をする場合は、ブース全体の演出を事前に決めておき、動画の制作にあたって、出展コンセプトやテーマを情報共有しておくとよいでしょう。

※出展コンセプトについては、「費用対効果を最大化する出展コンセプトのつくり方」もご覧ください。

 

まとめ

展示会で多くの来場者に足を止めてもらうために、動画は効果的なコンテンツといえます。デモンストレーション動画やアニメーション、製造プロセスなどの動きのある映像を用いて、商材の魅力をアピールすることが可能です。展示会でブースへの集客につなげるために、自社の魅力が伝わる動画制作に力を入れてみてはいかがでしょうか。

 

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