展示会での声掛けは、ブースへの集客率を大きく左右する要素です。適切な声掛けは、来場者の興味を惹き、商談や契約につながる可能性を高めます。しかし、不適切な声掛けを行えば、来場者を逃してしまう場合もあります。
そのため、展示会での声掛けのコツや注意点を把握しておくことは、展示会の効果を高めるために大切です。
本記事では、展示会での声掛けのコツとNGな声掛け、声掛け以外の工夫などを解説します。最後まで読み進めれば、展示会の集客を増やし、売上の増加につなげられるでしょう。
目次
展示会での声掛けのコツ
展示会でスタッフの声掛けを工夫することで、来場者からの認知や集客を増やせます。ここでは、来場者の興味を惹きつけ、展示ブースに立ち寄りたくなるような声掛けのコツを解説します。
役割分担をする
展示会で効果的な声掛けを行うには、スタッフの役割分担と連携が重要です。スタッフが自分の役割を理解して臨むことで、それぞれの仕事に集中できます。
展示会のスタッフの役割には、以下のようなものが挙げられます。
- 呼び込み担当:ブース前で来場者に声をかけ、興味を惹き出す
- ヒアリング担当:来場者のニーズや課題を詳しく聞き取る
- プレゼン担当:製品やサービスの詳細な説明を行う
自分の役割を絞ることで、呼びかけ担当のスタッフは声掛けの回数が増えます。その結果、言葉選びや声の調整などの経験値を積み上げられるでしょう。
さらに、他の役割のスタッフも自分の仕事に集中できるため、ブース全体として接客の質を高められます。
トークスクリプトを作る
効果的な声掛けを行うためには、来場者の状態に応じたトークスクリプトが重要です。トークスクリプトとは、営業活動におけるマニュアルや台本のようなもので、商談や接客の成果に大きく影響します。
来場者の心理状態はさまざまで、それぞれに適した声掛けを行わなければ、期待する成果を得られません。
来場者の状態は、大きく分けて以下のように分類されます。
- 足を止めている来場者
- 急いでいる来場者
- 複数人で来ている来場者
それぞれの状態をよく観察して、トークスクリプトをもとに声を掛けましょう。
特に「足を止めている来場者」は、足の向きと目線を確認してください。来場者が自社のブースに足と目線を向けている場合は、興味を持っている可能性があります。
見込み顧客となり得るため、逃さずに声をかけましょう。
以下では、来場者の状態に応じた声の掛け方について解説します。
足を止めている来場者
足を止めている来場者に対しては、足の向きと目線を注意深く観察します。
- 足が自社ブースに向いている:立ち寄る気持ちがある
- 足が自社ブースに向いていない:立ち寄る気持ちが薄い
- 目線が自社のブースを見ている:展示に興味がある
- 目線が自社のブースを見ていない:展示に興味がない
ブースに興味を持っていそうな来場者に対しては、以下のようにアプローチしましょう。
- 何に興味があるのかを聞く
- 興味のある展示品やサービスについて簡潔に説明する
- 説明のなかで製品やサービスのメリットや長所を伝える
- 来場者の課題や来場目的をヒアリングする
- 深い興味が確認できたら、ブース内の説明員に引き継ぐ
来場者のニーズとこちらのアプローチが合っている場合、次の商談につなげられる可能性が高まります。
急いでいそうな来場者
急いでいそうな来場者には、短時間でブースの説明が聞ける点と、自社ブースのメリットを簡潔に伝えましょう。
「2分だけで終わります」
「資料だけでもどうぞ!」
「〇〇にご興味ある方、3分でご説明します!」
これらの声掛けで来場者の都合に配慮しつつ、自社の製品やサービスに興味を持ってもらう機会を作れます。
立ち止まってくれた場合は、まずお礼を述べてプレゼン担当に「お急ぎです」と伝えましょう。
複数人で来ている来場者
複数人で来ている来場者に対しては、以下のようなアプローチが効果的です。
- これまでに見てきたブースについて聞き出す
- 短時間で特定の課題を解決できる自社の展示ブースを提案する
- グループ全体ではなく数名に直接呼びかける
このようなアプローチで、グループ内の興味を惹き出します。
ポイントとしては、集団全体に声を掛けないことです。来場者が自分ごとと捉えなければ興味を持たれることはありません。特定の来場者に声を掛けて、その周りの来場者にも興味を持ってもらえるように仕掛けましょう。
声掛けの練習を行う
声掛けの質を上げるには、事前の練習が欠かせません。展示会場で存在感を示し、来場者が魅力的に感じるための声掛けを練習しましょう。
- 声掛けの内容を理解して自然に話せるようにする
- 実際に声に出して声量やトーンなどを把握する
- チームメンバー同士でチェックして改善する
展示会当日を想定した練習で自信がつけば、スタッフ全員のパフォーマンスが向上します。また、想定外のトラブルにも対応できる余裕が生まれるでしょう
メリットを感じさせる声掛けをする
来場者の興味を惹き、ブースへの誘導を成功させるために、明確なメリットを伝える声掛けが重要です。以下の点を踏まえて、効果的な声掛けを心がけましょう。
- 来場者が抱える課題に焦点を当てる
- 自社のサービスや製品の強みを簡潔に伝える
- 課題解決の具体的な方法を提示する
例えば、業務効率の改善に課題を感じている来場者には、以下のような声の掛け方をおすすめします。
「業務効率の改善に役立つツールを紹介します。このサービスで月間の残業時間を平均20時間削減した事例もございます」
このように明確なメリットと事例や実績、効果などを示すことで、来場者がより詳しい説明を聞くきっかけを生み出せます。
POPなどの販促ツールも活用する
展示会の声掛けでは、手持ちのPOPや案内板などを活用して行うことをおすすめします。POPなどの販促ツールの活用には、以下のようなメリットがあります。
- 会話しながら端的に製品やサービスの特徴を訴求できる
- 興味が薄い来場者に対しても、視覚的に興味を惹き出せる
- ヒアリングを行いながら、具体的なメリットを示せる
例えば、来場者に対して声掛けと同時に大きなPOPを示せば、魅力的なメリットを見せながら説明できます。
声の掛け方だけでなく、来場者の目線を集められる仕掛けも工夫しましょう。
また、声をかける前段階の立ち方、待ち方も重要です。詳細は、「ブースを背にして立つのは禁止」をご覧ください。
展示会でのNGな声の掛け方
展示会で集客を狙う場合、避けるべき声の掛け方があります。例えば、以下のような声掛けは基本的に避けるべきです。
- ブース前に並んで声掛け
- ブースに入る理由にならない声掛け
ここからは、上記のような声掛けをなぜ避けるべきなのか解説します。
ブース前に並んで声掛け
展示会でブース前に並んでの声掛けはNGです。主な理由は以下の3つがあります。
- 来場者に圧迫感を与える
- 強い売り込み感を与える
- 時間を取られそうに感じさせる
来場者の多くは、限られた時間のなかで効率的に情報を収集したいと考えています。来場者はブース前で積極的に声をかけられると「時間を取られそう」と感じて敬遠してしまいます。
そのため、展示会では待ち構えて声をかけるのではなく、自分の作業をしながら自然に声をかけましょう。
ブースに入る理由にならない声掛け
展示会の声掛けは、来場者に立ち寄る理由を与えられるかが重要です。以下のような言葉を使っている場合は、来場者はブースに立ち寄らないでしょう。
- よければ見ていってください。
- よかったら説明させていただきます。
- 少し時間ありますか。
これらの言葉は、来場者にメリットを感じさせないため、単なる呼びかけになっています。
来場者の課題を自社のサービスや商品が解決できると明確に伝えましょう。
展示会の集客効果を高める声掛け以外の方法
展示会の集客効果を高めるには、総合的なアプローチが必要です。ここでは、展示会の集客効果を高める声掛け以外の方法を紹介します。
ノベルティを配る
ノベルティは来場者との接点を持ちやすく、ブランドの認知向上にも有効なツールです。展示会での集客を図るためにノベルティを利用する場合は、以下の点を意識して選びましょう。
- 来場者にとって有益なものか
- 自社のPRにつながるアイテムか
- 使用頻度の高いものか
重要なポイントは、来場者が受け取ってメリットがあるかどうかです。例えば、うちわやボールペン、エコバッグなどの使いやすいものがよいでしょう。
自社のロゴや社名をノベルティに入れておくことで、来場者が使うたびにPRできます。
来場者との接点を自然に作るためにも、自社のPRにつながるノベルティを用意しましょう。
ブースレイアウトを工夫する
魅力的なブースレイアウトは、展示会場で来場者の目線を集め、自然に集客効果を高められます。しかし、展示会場には数多くのブースが集まるため、以下の点を意識して差別化を図りましょう。
- 視線を集める大型ディスプレイやバナーを設置する
- 製品やサービスの特徴を視覚的に伝えるインフォグラフィック(図・グラフ・イラスト)の活用
- 来場者が気軽に立ち寄れるオープンスペースの確保
- 興味を惹く体験型の展示や実演コーナーの設置
ポイントは、来場者が目新しさや面白さを感じることです。
展示会の面白い仕掛けについては、「展示会来場者が食いつく仕掛け」で事例を含めて解説しています。興味のある方はぜひ参考にしてください。
動的待機で来場者を迎える
展示会ブースでのスタッフの姿勢は、来場者に与える印象を大きく左右します。来場者は興味のある展示ブースだけに時間を割きたいため、売り込みや時間を取られそうなブースに警戒心を持っています。
そのため、来場者を迎える際はスタッフ全員で「動的待機」を意識しましょう。
動的待機とは、スタッフが待ち構えているのではなく、何か作業をしている状態で来場者を迎える姿勢です。
- スタッフが常に適度に動いている状態を保つ
- 展示物の整理や調整を行いながら、来場者の動きを観察する
- 自然な形で来場者に近づき、声をかけるタイミングを図る
上記のようなポイントを意識して、来場者に警戒心や不安を感じさせず、自然なコミュニケーションを図りましょう。
笑顔で明るい雰囲気を作る
展示会での集客において、展示ブースの雰囲気は重要です。明るく親しみやすい雰囲気は、来場者がブースに立ち寄るハードルを下げます。
展示ブースの雰囲気作りには、以下のようなポイントがあります。
- スタッフの笑顔や明るい接客態度
- 展示内容や企業のイメージにあったBGM
- 展示を魅力的に見せるためのライティング
- 清潔感のあるスタッフの服装
- 整理整頓されたブース内
これらを満たすことができれば、来場者から注目される展示ブースになるでしょう。来場者が気軽に立ち寄れる明るい雰囲気作りや、ネガティブな印象を与えない配慮が重要です。スタッフ全員で、チェックリストを作って確認することをおすすめします。
まとめ
展示会で来場者を惹きつけるには、明確なメリットや展示内容の魅力を伝える言葉や雰囲気などが重要です。
また、声掛け以外の工夫も凝らすことで、来場者が展示ブースに立ち寄るハードルを下げ、自然なコミュニケーションを図れます。
本記事を参考にして、来場者の興味を惹く声掛けを身につけ、展示会での集客を成功させてください。
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この記事では展示会の声のかけ方について解説しました。
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展示会営業(R)コンサルタント。経済産業大臣登録中小企業診断士。詳細はウィキペディアご参照。
展示会をテーマとした書籍を5冊執筆している展示会の専門家。執筆書籍は、すべてamazon部門1位を獲得しており、「日経MJ」、「NHKラジオ総合第一」他、多くのメディアで取材を受けている。1300社を超える展示会出展支援経験に基づく実践的なアドバイスが好評を博している。ほぼ毎週、東京ビッグサイトに出没する自称 展示会オタク。

