展示会において、「どうすれば来場者の注目を集められるのか?」という点について疑問を抱える人も多いのではないでしょうか。商品を並べるだけの展示や他社と似たような展示では、来場者の興味を惹くことは困難といえます。
本記事では、来場者の興味を惹くための事前準備から効果的な展示方法までを解説します。この記事を読むことで、展示方法に新たな視点を取り入れ、来場者の注目を集めるための具体的なアイデアを得ることができます。
目次
展示会を成功させるには、綿密な準備が必要です。ここでは、効果的な展示を実現するための重要なポイントを解説します。
展示会出展の成功を左右するといっても過言ではないのが、「明確な目的」と「ターゲット設定」です。計画の段階では、以下の項目を具体的に決めることで、効果的な展示方法がみえてきます。
項目 | 具体例 |
展示会出展の目的 | 新規顧客開拓による売上増、ブランド認知向上、新製品PRなど |
主要ターゲット | 業界、職種、役職、年齢層、関心事など |
期待する成果 | 受注件数、商談件数、案件化数、資料請求数、名刺獲得数など |
目的とターゲットが明確になれば、どのような展示が効果的か、どのようなアプローチが有効かなど、具体的な方向性が定まります。展示会の準備を始める前に、必ず設定しておきましょう。
なお、展示会の目的を定める方法について、「展示会出展目的と達成のポイント」で紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
展示会の会場で来場者を惹きつけるには、他社との差別化を図ることができる記憶に残るような魅力的な仕掛けが必要です。来場者が「面白そう」「気になる」といった感情になるような企画を検討しましょう。たとえば、以下のような企画が効果的です。
企画 | 具体例 |
体験型コンテンツ | ・商品の実演・体験コーナー ・インタラクティブなデモンストレーション ・参加型のワークショップ |
デジタル技術 | ・VR/ARを使用した製品体験 ・タッチパネルでの情報提供 ・デジタルサイネージの活用 |
エンターテインメント要素 | ・ミニステージでのプレゼン ・クイズやゲーム形式の製品紹介 ・ノベルティの工夫 |
自社の展示内容に合わせながら、来場者が体験を通じて記憶に残りやすい展示、あるいは他社ではみられない珍しい機会を提供し、他社との差別化を図りましょう。
展示会での面白い企画を考えるポイントについて、「展示会での面白い企画」で紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
展示会で来場者の注目を集めるには、魅力を感じられるブース作りが必要です。限られた時間で効率よく回る来場者に対して、魅力的なブースを設けることで、集客効果を高められます。
以下では、来場者の注目を集める効果的な展示方法を5つ解説します。
最新技術を活用した展示は、来場者に強い印象を与えられます。特に、以下の方法が効果的です。
VR体験 | ・製品の使用シーンを仮想空間で再現 ・大型設備の内部構造の可視化 ・サービス導入後のシミュレーション |
AR活用 | ・スマートフォンでの製品情報表示 ・設置イメージの即時確認 ・技術説明の視覚化 |
見慣れない技術には、来場者の興味を惹き、好奇心を刺激する力があります。最新の技術を活用すれば、商品の魅力がより伝わり、印象に残りやすくなるでしょう。
展示会ブースにSNS映えするフォトスポットを設置すれば、来場者が立ち寄りたいと思える魅力的な空間が生まれます。写真をSNSでシェアしてもらうことで、自然と認知度が高まり、集客力の向上につながるでしょう。具体的には、以下の要素が効果的です。
上記のように、商品やサービスに関連した遊び心あるデザインを取り入れたり、投稿者に特典を提供したりすることで、SNSでの拡散を促し、認知度の向上が期待できます。
展示会のブースでは、展示内容だけでなく、空間演出も欠かせません。たとえば、自社のコンセプトに合うように照明を調整したり、BGMを流したりすると、ブース全体の雰囲気が一層引き立ち、来場者に強い印象を与えられます。
さらに、天井や床などブース内の空間全体をうまく活用するのもおすすめです。具体的には、天井の空間を使ってバルーンを揚げたり、床に絵を入れて訴求したりすると、来場者の視線を集められます。
自社製品の特徴や魅力を実演する「デモンストレーション」を活用すれば、来場者の興味を惹きつけやすくなります。その結果、ブース内が賑やかになり、認知度の向上につながるでしょう。
専門的なスタッフによる実演では、具体的な使用シーンをみせることで、来場者が「この製品がどう役立つのか」をよりイメージしやすくなります。さらに、スタッフが来場者の質問に直接答えたり、操作を一緒に行ったりすることで、製品の理解を深められるでしょう。
展示会に体験型アクティビティを取り入れることは、来場者との距離を縮め、商品やサービスへの理解を深めてもらううえで効果的です。
たとえば、以下のような要素を取り入れることで、商品をより深く理解してもらいやすくなります。
ただし、押しつけがましい印象を与えないように、あくまでも「気軽に体験できる」という雰囲気作りが大切です。
展示会の面白い仕掛けとブースの事例について、「来場者が食いつく面白い仕掛け」で紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
また、来場者との接触数を増やすスタッフの立ち方は、「即実践!マル秘テクニック」をご覧ください
展示会で失敗を避けるためには、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。ここでは、展示会出展で注意すべきポイントを4つ解説します。
展示会には多くの種類があり、それぞれの特徴が異なります。そのため、闇雲に出展するのではなく、まずは「自社の求める集客数を確保できるか」や「狙っているターゲットの来場を期待できるか」などを確認しましょう。
なお、展示会を選ぶ際は以下を確認することをおすすめします。
特に注目すべきは、過去の来場者データです。来場者の属性や業種をもとに悩みやニーズを想定すれば、効果的な施策を導き出せます。
効果的な展示を実現するには、来場者目線のブースを設営するのが重要です。複雑でわかりにくい展示内容では、来場者の興味を惹くのは難しいでしょう。こうした事態を避けるためにも、情報を詰め込み過ぎず、主要な特徴を「3つ程度」に絞るのが大切です。
また、自社の視点で目立つことだけを追求してしまうと、ブランドのイメージを損なうリスクもあります。仕掛けはあくまで、商品の特徴や価値が伝わる範囲で考えることが重要です。
展示会の成功は、事前集客次第で大きく左右されます。そのため、事前に告知を行い、ターゲットとなる来場者を確実に集めることが重要です。商談が停滞している顧客や休眠客を掘り起こす有効なきっかけとして活用しましょう。
具体的な方法としては、以下が挙げられます。
これらを組み合わせて、展示会の開催前から注目を集めることが重要です。
展示会の成果を最大化するには、会期中の対応から事後のフォローまでの計画的な準備が必要です。
当日は、来場者に対して迅速かつ丁寧な対応を心掛け、商談につながるように情報提供を行いましょう。スタッフの対応品質を均一化するため、当日の対応マニュアルを整備し、商談記録の取り方や資料の渡し方まで、細かく規定しておくことが重要です。
展示会終了後は、当日に得た名刺や商談記録を整理し、事後のアプローチを効率よく行える体制を整えておきましょう。
展示会後に送るフォローメールについて、「展示会フォローメールの効果を高める4つのコツ」で紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
展示会で来場者の注目を集めるには、魅力的な展示内容や仕掛けが必要です。ブースのデザインや来場者との接点作りなどを工夫することで、集客力が大きく向上します。これらのポイントを押さえ、展示会後の商談や問い合わせにつなげていきましょう。
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展示会営業(R)コンサルタント。経済産業大臣登録中小企業診断士。詳細はウィキペディアご参照。
展示会をテーマとした書籍を5冊執筆している展示会の専門家。執筆書籍は、すべてamazon部門1位を獲得しており、「日経MJ」、「NHKラジオ総合第一」他、多くのメディアで取材を受けている。1300社を超える展示会出展支援経験に基づく実践的なアドバイスが好評を博している。ほぼ毎週、東京ビッグサイトに出没する自称 展示会オタク。