2022年末、ChatGPTが登場して以降、「AIが人間の仕事を奪う」とか、「文章はもうAIが書けばいい」とか、そんな言葉を聞かない日はなくなった。
でも、清永は逆にこう思った。(清永はAIは推奨派です。便利なものはドンドン活用するべきだと思いますが、だからこそ、という話を書きます。)
「AIができない、人間にしかできないことに、ますます価値が集まる時代が来た」と。
そして、その“人間にしかできない価値”が、最も濃く現れるのが、展示会だ。
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目次
AIが得意なのは「言葉を使った情報処理」だ。
質問に答え、文章を整え、ロジックを通す。でも、それだけでは、届かない。
展示会で清永が何度も見てきたのは、言葉にならない想いが、場の空気を通じて伝わる瞬間だ。
例えば、ある町工場の社長が、「うちは小さいけど、どこにも負けない精度で勝負してるんです」と言いながら、製品を手に語る姿。
AIには、あの眼差しの熱量、手の動きの力強さは、絶対に再現できない。
展示会は、“人間の熱”を伝えるリアルなメディアだ。
皮肉に聞こえるかもしれないが、AIが進化すればするほど、リアルな対話、リアルな空間、リアルな表情の価値は高まっている。
なぜか?
それは、「誰が話しているか」が問われる時代になったからだ。
AIは答えてくれる。
でも、「あなたはどう思ってるの?」と聞かれたとき、そこに個の想いや判断がなければ、人の心は動かない。
展示会は、自分たちの“Why(なぜやるのか)”を、リアルに伝えられる舞台だ。
今だからこそ、そこに立つ意味がある。
ビジネスにおけるコミュニケーションの目的が変わってきている。
以前は「正確な情報をいかに早く伝えるか」が勝負だった。
今は、「いかに共感されるか」「心に残るか」が問われている。
これも、生成AIの台頭によって変わった点だ。
情報なら、AIが整理してくれる。でも、“あなただから話を聞きたい”という共鳴は、AIでは生まれない。
展示会は、まさにこの「感情共鳴」をつくる場だ。
ブースでの会話、実物に触れた時の質感と温度、熱量あるスタッフとのやり取り
——それら全てが、来場者の心に火をつける。
生成AIは便利だ。だが、便利さだけでは人は動かない。
“感動”がなければ、人は行動を変えないし、未来を切り拓こうともしない。
展示会は、「感動」×「出会い」×「気づき」が同時に起こる“非日常空間”だ。
展示会の場で
「こんなやり方があるんだ」「うちも、もっと面白くできるかもしれない」と、
自社の可能性に気づく人たちを、清永は何百人も見てきた。
AIでは、心は震えない。人は、人で動くのだ。
生成AIが台頭する中、情報は溢れ、便利さは加速した。
しかし、“あえて会いに行く” “リアルで語る”という行為は、
より強い意味を持つようになった。
展示会とは、「あなたが何者かを、あなたの言葉で伝える場」。
「未来はどうなっていくのか?」という不確かさが漂う今だからこそ、
「私は、こうしたいんです!」という人間の意思表示が、何より強く、心に刺さる。
僕は、「展示会は、企業が想いや志を世の中に堂々と発信する最高の場だ!」と信じています。
展示会営業(R)コンサルタント。経済産業大臣登録中小企業診断士。詳細はウィキペディアご参照。
展示会をテーマとした書籍を5冊執筆している展示会の専門家。執筆書籍は、すべてamazon部門1位を獲得しており、「日経MJ」、「NHKラジオ総合第一」他、多くのメディアで取材を受けている。1300社を超える展示会出展支援経験に基づく実践的なアドバイスが好評を博している。ほぼ毎週、東京ビッグサイトに出没する自称 展示会オタク。