展示会を失敗させないセミナー

AI/DX 営業・マーケティング展 2026 Spring |現地観察レポート

会場を歩いてまず感じたこと

2026年3月25日、東京ビッグサイト東4ホールで開幕した「AI/DX 営業・マーケティング展 2026 Spring」を訪れました。

「いま使うべきAIがわかる展示会」というキャッチコピーを掲げるこの展示会は、国内最大級のB2Bマッチングプラットフォームを運営する株式会社イプロス(キーエンスグループ)が手がける初のリアル展示会です。

営業・マーケティング領域のAI・DXソリューションが一堂に会するという企画の性質上、来場者の関心は非常に高く、会場には初日から多くのビジネスパーソンが足を運んでいました。

僕がこの展示会で特に注目したのは、「主催者自身がデジタルプラットフォームの運営者である」という点です。 180万人以上の登録会員を持つイプロスが初めてリアル展示会を開催するという事実は、展示会というメディアがデジタル時代においても独自の価値を持ち続けていることを示しています。

展示会は一次情報の宝庫です。 AIがどれだけ進化しても、来場者の本音・市場のリアル・競合の動きは、会場でしか肌で感じることができません。 そのことをあらためて実感できる一日でした。

展示会基本情報

開催日時

2026年3月24日(火)〜 25日(水) 10:00〜17:00

会場

東京ビッグサイト 東4ホール(東京都江東区有明) 展示面積:約8,600㎡

主催者

株式会社イプロス(キーエンスグループ)

公式サイト

https://expo.ipros.jp/event/14277l

来場者層

営業・マーケティング・営業企画・販売促進・経営企画・カスタマーサクセスなど、営業とマーケティングに関わる職種の実務者・意思決定者が中心です。

業種は製造業・建設業・情報通信・金融・不動産など幅広く、BtoB企業の営業改革やDX推進を担う立場の方が多く来場していました。 イプロスの会員ベース180万人以上の中から、情報収集意欲の高い層が集まっており、直近1年で展示会への来場経験がある方が8割を超えるという点も来場者層の質の高さを示しています。

主な出展分野

SFA・CRM・MA・名刺管理ツールなどの営業・マーケティング基盤をはじめ、AIエージェント・チャットボット・AI議事録作成・AI翻訳といったAI活用ツール、インサイドセールス支援・セールスイネーブルメント・オンライン商談ツール、さらにSEO・SNS活用・動画制作・メール配信・データドリブンマーケティングまで、20以上のカテゴリにまたがるソリューションが集まっています。

営業・マーケティング領域の「いま使えるAI」に焦点を絞った構成は、テーマの明確さという点で来場者にとって非常にわかりやすい展示会でした。

会場の様子

東4ホールに入ると、8,600㎡の空間にさまざまなデジタルソリューションのブースが整然と並んでいました。 会場全体に活気があり、初日の午前中から来場者の動きは活発でした。

目を引いたのは、多くのブースでデモ体験を前面に出していたことです。 AIツールの動作を画面で見せながら説明するスタイルが主流で、来場者が実際に操作する場面も見られました。 ソフトウェアやSaaSの展示会らしく、「使ってみる」という体験を重視した展示設計が印象的でした。

会場内には著名人による講演セミナーも設けられており、ウルフアロン氏や福岡ソフトバンクホークス元監督の工藤公康氏が登壇するプログラムには多くの来場者が集まっていました。 AI関連3協会共催の専門セミナーも開催され、学びの場としての機能が充実していました。

来場者は目的意識が明確で、スマートフォンで事前にチェックしたブースへ足早に向かう姿が目立ちました。 イプロスのAIマッチング機能を通じて事前アポイントを取った上で来場している方も多く、会場での商談密度が高いと感じました。

AI、DX.営業、マーケティング展2026春の会場の様子_展示会営業術 AI、DX.営業、マーケティング展2026春の会場の様子2_展示会営業術 AI、DX.営業、マーケティング展2026春の会場の様子3_展示会営業術 AI、DX.営業、マーケティング展2026春の会場の様子4_展示会営業術

AI、DX.営業、マーケティング展2026春の会場小間割り_展示会営業術

展示会の特徴

この展示会の最大の特徴は、「Web×リアルのハイブリッド統合」という設計思想です。

主催者のイプロスは年間223万件のビジネスマッチング実績を持つオンラインプラットフォームを運営しています。 その会員データ・行動データ・AIマッチング技術を活用して、展示会前から来場者と出展者のマッチングを進め、会場でその商談を深めるという流れが設計されています。

通常の展示会では、来場者との出会いは「会場当日の偶然」に委ねられる部分が大きいですが、この展示会ではAIが事前に「この来場者にはこの出展者が合う」というマッチングを行い、商談の質を高める仕組みになっています。

また、展示会で獲得した名刺情報に対する一斉メール配信機能や、出展後のフォローを支援する専任サポート体制など、展示会を単なるイベントで終わらせないための仕組みが整っている点も特筆すべき特徴です。

今回の見どころ

今回の展示会で特に注目したのは、「AIエージェント」関連のソリューション群です。

従来のチャットボットや自動化ツールとは一線を画す、自律的に判断・行動するAIエージェントのデモ展示が複数のブースで行われていました。 営業担当者の代わりにメール文面を生成したり、商談後の議事録を自動作成したり、顧客データから次のアクションを提案したりといった機能が、すでに実用段階に入っていることを会場で実感しました。

もう一つの見どころは、「感情認識AI」の展示です。 顧客との商談中の表情・声のトーンなどを解析し、相手の興味度や反応を可視化するソリューションは、営業活動における「経験則」をデータ化しようとする試みとして大きな可能性を感じました。

また、インサイドセールスとフィールドセールスを統合するプラットフォームの展示も充実しており、「テレワーク後の営業組織をどう設計するか」という現場の課題に正面から向き合う製品が増えていることを感じました。

注目ポイント

僕が展示会を観察するとき、必ず確認するのは「来場者がどこで立ち止まるか」です。

今回の会場で足止め率が高かったのは、「自社の課題を言葉にしてくれるブース」でした。 「御社の営業担当者は、1日のうち何割を非営業業務に使っていますか?」といった問いかけを入口にしているブースには、来場者が立ち止まって担当者と会話に入る場面が多く見られました。

一方、製品のスペックや機能一覧を羅列しているブースは、来場者が通り過ぎるケースも見受けられました。 「何ができるか」ではなく「あなたのどんな悩みを解決できるか」を前面に出すことの重要性は、AIツールの展示会でも変わりませんでした。

もう一点注目したのは、「導入事例の語り方」です。 「A社が導入して売上○%アップ」という数字だけでなく、「導入前の課題→導入のプロセス→導入後の変化」をストーリーで語っているブースは、来場者の滞在時間が明らかに長い傾向がありました。 人は数字より物語に動かされるという事実は、デジタル全盛の時代でも変わらないようです。

業界への意味

この展示会が持つ業界への意味は、「AIの民主化が営業現場で加速している」という事実を可視化したことだと感じました。

一年前まではAIツールの導入は大企業や先進的なスタートアップの話でした。 しかし今回の会場では、中小企業でも導入しやすい価格帯・操作性・サポート体制を持つソリューションが多数展示されており、AIが「一部の人のもの」から「すべての営業パーソンのもの」へと移行しつつあることを感じました。

また、国内最大級のB2Bプラットフォームが初のリアル展示会を開催したという事実は、展示会というビジネスモデルにとっても意義深いことです。 「デジタルとリアルの融合」が進むほど、実際に人が集まる場の価値は逆に高まっていきます。 この展示会はその仮説を実証する一つの事例になりえると感じました。

中小企業の営業担当者にとっては、「自社が検討すべきツール」を効率よく比較できる貴重な場でもあります。 展示会は一次情報の宝庫であり、ウェブや資料では伝わらないツールの「使い勝手」「担当者の誠実さ」「サポートの厚み」を肌で感じられる唯一の機会です。

今年の展示会トレンド

2026年の展示会全体を見ていて感じるのは、「来場者の事前準備レベルの向上」です。

この展示会でも顕著でしたが、来場者の多くは訪問前にすでに候補製品を絞り込み、確認したい質問を持って会場に来ています。 展示会当日に「はじめて知る」場ではなく、「比較・確認・商談する」場へとシフトしています。 出展企業はこの変化に合わせて、ブースでの会話設計を「説明型」から「対話型」へと変えていく必要があります。

また、「AIマッチングによる商談効率化」というトレンドも今年の特徴です。 主催者がAIを活用して出展者と来場者を事前にマッチングし、アポイントを促進する設計は、今後の展示会運営の新しいスタンダードになる可能性があります。

さらに、セミナーや著名人講演など「コンテンツの充実」が来場動機を生む重要な要素になっています。 製品を見に来るだけでなく、「学びに来る」「視野を広げに来る」という来場動機が増えており、主催者によるコンテンツ設計の重要性が高まっています。

過去のレポート

過去にも関連する展示会レポートを公開しているため、あわせて読むと業界の流れや変化がより立体的に見えてきます。

展示会営業の専門家 清永健一のワンポイントアドバイス

AI/DX 営業・マーケティング展のような専門性の高い展示会に出展する際、最も大切なことをお伝えします。

それは「ツールの説明より、課題の共感から始める」ことです。

この展示会の来場者は、すでに「何かを変えなければいけない」という課題意識を持って会場に来ています。 しかし多くの出展企業は、来場者が立ち止まった瞬間に製品の機能説明を始めてしまいます。

来場者が本当に聞きたいのは「自社の悩みを解決できるのか」という一点です。 ブースでの最初の一言は「どのような営業課題をお持ちですか?」という問いかけから始めてみてください。 相手が話し始めたら、まず聞くことに徹し、課題を確認してから初めて自社ソリューションを提示する流れにすることで、会話の質が大きく変わります。

また、この展示会は主催者のイプロスがAIマッチング・事前アポイント・フォローメール配信といった仕組みを提供しています。 これらの機能を最大限に活用することで、展示会後の商談化率を高めることができます。 ただし、どんなに優れたツールがあっても、最終的に商談を関係性に変えるのは人の力です。

展示会の成果は名刺の枚数ではなく、会期後の丁寧なフォローによって決まります。 展示会で出会った縁に、翌週から個別の連絡・課題整理・提案という流れを設計した上で臨んでください。 「名刺を関係性に変えるプロセス」こそが展示会営業の本質です。

【展示会現場観察レポート】
展示会営業(R)コンサルタント
清永健一

展示会を通じて中小企業の可能性を広げることをライフワークとして活動しています。

※この記事はAIを活用して作成しました。