展示会を成功させる営業トーク術!来場者が思わず足を止める声掛けのコツは?

展示会は、自社のPRや売上増加につながる有効なイベントのひとつです。多くの来場者が集まるため、効率的に営業を行い、商談につなげたいと考える方は多いでしょう。

 

しかし、会場に集まる多くの来場者に対して、何も意識しないまま営業を行っても、成果をあげることはできません。

 

そこで本記事では、展示会の出展で成果をあげるための営業トークを紹介します。本記事を参考に営業トークを磨けば、来場者が思わず止まってしまうような声掛け、来場者の記憶に残るブース接客、展示会後のアポイントを取りやすくなる接客クロージングを行えるようになります。

 

 

展示会で営業を成功させるための基本

まず、展示会で営業を成功させるためにも、基本をおさえることが大切です。基本が守られていなければ、以降で紹介する営業トークを効果的に実践することは難しいです。

 

来場者の目的を把握する

展示会の来場者には、主に以下の4つの目的があります。

 

  • 情報収集
  • トレンドの把握
  • 自社の課題解決
  • 競合他社のリサーチ

 

目的によって、来場者が魅力に感じる声掛けは異なります。まず来場者が何を望んでいるのかを把握するために、目的をヒアリングしましょう。

 

例えば、以下のような声掛けがおすすめです。

 

「何か特定の商品をお探しですか」

「本日は情報収集でお越しですか」

 

このような声掛けを行い、相手の様子を見ながら目的を探りましょう。

 

来場者に合わせてトークを変える

来場者の目的を把握できれば、それに応じた内容でトークを変えます。

 

例えば、目的が情報収集やトレンドの把握が目的だった場合、来場した理由を聞いた後に次のように伝えるとよいでしょう。

 

「業界のトレンドをお伝えした上で、自社の商品も少しだけ紹介させてもらえませんか」

「弊社だけでなく他社の製品も一覧でお見せし、お聞きしたい情報にお答えしますので、トレンド把握のお役に立てると思います」

 

このように、まず来場者が欲しい情報を提示します。そのうえで自社のPRを入れることで、受け入れてもらいやすくなるでしょう。

 

 

展示会で成果をあげるための営業トーク

展示会で営業トークを行う際は、以下の4ステップを意識して話すことが大切です。

 

  1. 【声掛け】来場者が気になるメリットを提示する
  2. 【ヒアリング】相手のニーズを迅速に引き出す
  3. 【説明】簡潔かつ説得力のある内容を心がける
  4. 【クロージング】次のアクションを意識した声掛けを行う

 

それぞれのステップに関して、具体的に解説します。

 

1.【声掛け】来場者が気になるメリットを提示する

来場者に自社の展示ブースに興味を持ってもらうには、初めに明確なメリットを提示する必要があります。

 

来場者がメリットを感じる際のポイントとして、以下が挙げられます。

 

  • 手軽にできる
  • 好奇心を掻き立てられる
  • 自分の悩みや課題を解決できる
  • 実績や効果が確かで信頼できる

 

例えば「○○の課題を解決する新製品をご紹介しております」や「業界初の△△技術を搭載した製品をお試しいただけます」といった、新規性や体験を訴える声掛けが効果的です。

 

また「今なら無料で〇〇をプレゼントします」「導入企業の90%が効果を実感しています」などの無料や実績の訴求なども来場者が食いつきやすいです。

 

2.【ヒアリング】相手のニーズを素早く引き出す

声掛けで来場者が足を止めて話を聞いてくれれば、ヒアリングでニーズを素早く引き出しましょう。

 

ヒアリングの際は、以下の2つのポイントを意識して聞き出します。

 

  • オープンクエスチョンンとクローズドクエスチョンを使い分ける
  • 本質的な課題やニーズを深掘る

 

それぞれの聞き出し方について、以下で詳しく解説します。

 

オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンを使い分ける

オープンクエスチョンとは「はい」か「いいえ」で答えられない質問です。一方で、クローズドクエスチョンは「はい」か「いいえ」で答えられる質問を指します。

 

クローズドクエスチョンは、実態や現状把握に使い、オープンクエスチョンは、相手の本質的なニーズを引き出すといったように、使い分けるとよいでしょう。

 

質問タイプ

効果

オープン

クエスチョン

「御社ではどのような課題をお抱えでしょうか」

話を広げる

本質を引き出す

クローズド

クエスチョン

「コスト削減が主な目的とお考えでしょうか」

焦点を絞り込む

確認する

 

これらの質問を使い分けて、スムーズなヒアリングで来場者のニーズを把握しましょう。

 

本質的な課題やニーズを深掘る

来場者が何(課題)に困り、どうしたいのか(理想やニーズ)を把握することは重要です。

 

課題の解決方法を提示して、メリットを伝えれば来場者は強い関心を抱きます。

 

「現在困っていることは何ですか」

「課題を解決してどのような状態になるのが理想ですか」

「現在の課題が生じている理由は何だと思われますか」

 

このような質問で、来場者の現状やニーズを深堀りできます。

 

【説明】簡潔に説得力のある内容を心がける

説明を行う際は、以下の3つのポイントを意識することが重要です。

 

  • 数字を用いて説明する
  • 事例を活用して説明する
  • エレベーターピッチを作成して話す

 

来場者に説得力ある説明をスムーズにできれば、営業の成功確率が上がります。それぞれの説明の仕方について、以下で詳しく解説します。

 

数字を使って説明する

数字を使った説明は、説得力が格段に増します。例えば、以下の説明を比較してみると、数字を使った説明のほうが、来場者の反応がよくなります。

 

  • 「導入後は作業効率が上がり、クライアントから高い評価をいただきました」
  • 「導入後の作業効率は20%向上し、クライアントの満足度は90%以上という結果が出ました」

 

数値は曖昧さを無くし、明確な実績として提示できます。その結果、説明を受ける側も確かな効果を感じられます。

 

事例を活用して説明する

実際の導入事例や成功事例を紹介することで、自社製品やサービスの有効性を伝えられます。

 

例えば、以下のような具体例を出すと、信頼性を高められます。

 

「A社は弊社のシステムを導入後、年間1000万円のコスト削減に成功した」

 

さらに、以下のポイントを意識することで、より強く印象に残ります。

 

  • 複数の事例を出して有効性を担保する
  • 事例の概要、課題、解決した結果を見せる
  • ストーリー調にして伝える

 

実際に使える事例を確認し、上記のポイントを考慮したうえで説明できるようにしてください。

 

エレベーターピッチを作って話す

エレベーターピッチとは、エレベーターに乗っている短い時間のなかで魅力を伝えて関心を持ってもらう手法です。

 

30秒から2分程度を想定して、いかに端的で興味を惹く伝え方ができるかを意識します。

 

具体的な内容は、以下の通りです。

 

「弊社の○○は、△△業界向けの××ソリューションです。□□という独自技術により、従来の◇◇という課題を解決し、導入企業の90%が▽▽の効果を実現しております」

 

このようにスムーズに自信を持って話せば、来場者の印象に残りやすいでしょう。

 

4.【クロージング】次のアクションを意識した声掛けをする

商談の締めくくりには、次のアクションにつながる声掛けが重要です。

 

「詳細資料をお送りさせていただいてもよろしいでしょうか」

「来週、お電話でより詳しくご説明させていただくお時間はございますか」

 

このように、具体的な次のステップを提案しましょう。

※次のステップにつなげる方法については、「目からウロコの展示会フォロー」をご覧ください。

 

また、名刺交換を確実に行い、フォローアップの約束を取り付けることも忘れてはいけません。「本日のお話を踏まえて、○日頃にご連絡させていただきます」などと具体的な日程を提示しましょう。

 

 

展示会の営業トークを失敗させないための注意点

営業トークには、以下のように失敗してしまう典型的なパターンがあります。

 

  • 一方的な説明を避け、対話を重視する
  • 専門用語の使用を控え、わかりやすい説明を心がける
  • 競合他社の批判を避け、自社の強みをアピールする

 

まず、営業の際に相手を意識せずに一方的に話すのは避けましょう。話を聞いてくれない担当者は、信頼されないだけでなく、印象が悪くなります。必ず相手の状況やニーズを理解して、「対話」を意識しましょう。

 

また、専門用語を多用すると、相手が理解できない可能性があります。誰でもわかる言葉を使い、複雑な説明は資料を活用するなど、相手を配慮する姿勢を見せましょう。

 

さらに、競合他社の批判も避けるべきです。自社の強みを適切にアピールして、真摯な態度を貫きましょう。

 

 

展示会営業を成功させるためのコツ

展示会での営業を成功させるには、事前の準備から事後のフォローまでコツがあります。

 

以下の6つを意識して、営業の一連の流れとポイントを把握しましょう。

 

  1. 目標やターゲットを明確にしておく
  2. ブースレイアウトの仕掛けを工夫する
  3. トークスクリプトを作っておく
  4. 事前集客を徹底する
  5. 事前にロープレを行う
  6. アフターフォローを行う

 

1.目標やターゲットを明確にしておく

展示会の営業で成果をあげるには、明確な目標やターゲットの設定が重要です。

 

「新規顧客の獲得」や「新製品のPR」などの目標が定まれば、必要なアクションや戦略を計画できます。

 

また、ターゲットを明確にすることで課題やニーズを正確に把握でき、最適な提案が可能です。その結果、来場者から詳細を求められたり、次の商談機会を得たりする可能性が高まります。

 

2.ブースレイアウトの仕掛けを工夫する

来場者の興味を惹き、スムーズな商談につなげるためには、ブースレイアウトの工夫が最も効果的です。

 

製品やサービスを効果的に展示し、来場者が自然に足を止めたくなるような仕掛けを考案しましょう。

 

例えば、インパクトのあるビジュアル、体験型のデモンストレーション、目を惹くキャッチコピーなどがおすすめです。

 

来場者を引きつける展示ブースの仕掛けについては、「展示会で思わず食いつく面白い仕掛け」をご覧ください。

 

3.トークスクリプトを作っておく

効果的な営業トークを行うためには、事前にトークスクリプトを準備しておくことが重要です。

 

来場者に応じて基本的な説明内容や、よくある質問への回答、クロージングの文言などを整理し、スタッフ間で共有しておきましょう。

 

しかし、スクリプトを暗記して機械的に話してしまうと、来場者は不信感を覚えます。相手の反応や状況に応じて柔軟に対応することが大切です。

 

4.事前集客を徹底する

展示会で成果をあげるには、事前集客が欠かせません。当日までに見込み顧客を集めることで、商談や契約につながる確率が高まります。

 

また、事前の告知や情報発信も重要です。来場者への情報発信で、自社への理解度や認知を向上させられます。具体的には、以下のようなことを行いましょう。

 

  • 自社ウェブサイトにて展示会特設ページを作成する
  • SNSを活用し、出展内容や特典情報を定期的に発信する
  • メールマガジン登録者に対し、展示会の見どころや来場特典を案内する

 

これらの施策を行い、できるだけ多くの見込み顧客を集めましょう。

 

5.事前にロープレを行う

質の高い営業トークを実現するには、事前練習が欠かせません。社内でロールプレイング(以下:ロープレ)を実施し、想定される様々な状況に対応できるように準備しましょう。

 

効果的なロープレの実施方法は、以下の通りです。

 

  1. 来場者のタイプ(情報収集、課題解決、競合調査)を想定したシナリオを用意する
  2. 社内で来場者役と営業担当者役を決め、実際の展示会さながらの状況を再現する
  3. トークの内容、姿勢や表情、声のトーンなどを意識して練習する
  4. ロールプレイング後に参加者全員で改善点をフィードバックし合う
  5. フィードバックを基にトークスクリプトや対応方法を適宜修正する

 

綿密な準備で本番の対応力が向上し、より多くの商談機会を獲得できるようになります。

 

6.アフターフォローを入れる

展示会当日に、契約や購入まで進めるのは困難です。そのため、展示会後のアフターフォローが営業の成果を出す重要なポイントです。

 

効果的なアフターフォローの手順は、以下の通りです。

 

  1. 展示会終了後3営業日以内に御礼メールを送付する
  2. 1週間以内に詳細資料や提案書を送付する
  3. 2週間以内に電話やメールでコンタクトを取り、追加の質問や要望をヒアリングする
  4. 必要に応じて訪問や製品デモンストレーションの日程を調整する

 

このような段階的かつ継続的なフォローで、展示会をきっかけとした成果につなげられるでしょう。

 

展示会営業を成功させる方法」で、展示会の営業で成果を出す方法について詳細に説明しているので、本記事のトーク術と合わせてご覧ください。

 

 

まとめ

展示会の営業で成果をあげるには、事前準備から当日の動き、その後のフォローまで一貫した対策が重要です。

 

来場者の目的を把握し、ニーズを解決することを前提に自社の営業を工夫しましょう。営業トークでは、メリットを明確に提示したり、簡潔で説得力のある話し方をしたりする必要があります。

 

本記事で紹介した営業トーク術を実践し、展示会を成功させましょう。

 

また、自社でどのような仕掛けを取り入れるとよいか相談したい方は、成果につながる展示会のコツを直接お伝えする「展示会営業セミナー」をご活用ください。

 

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