「契約したらまったく顔を見せない」
「本当に必要な時には来てくれない」
上のセリフに聞き覚えがある人は、
おそらく「刈り取り型」です。
こんにちは!展示会営業コンサルタントの清永健一です。
清永には
営業マン研修の序盤に
問いかける質問があります。
「営業とは何をする仕事でしょうか?」
様々な回答が出ますが、
一番多い回答は、
「営業とは契約を取る仕事です」
というものです。
契約を取ることを目的とした営業は、
案件をキャッチして
クロージングする「刈り取り型」の営業と
言い換えられます。
刈り取り型の営業担当者は、
案件ベースで営業活動を展開します。
なので顧客を訪問してみて
案件がないことが分かったり、
途中で競合に案件を取られてしまったりすると、
そこでアプローチは終了になります。
うまく案件を受注しても、
契約を取るという目的を達成できたので、
途端に顔を見せなくなります。
じつは、成長市場において、
刈り取り型は有効な営業手段でした。
成長市場では、
行動量と営業成績が比例していたのです。
例えば、
10人の営業マンが1日8時間走り回って
10件の新規案件を獲得したとしましょう。
それぞれが、
あと4時間残業すれば新規案件は
行動量に比例してあと5件増えました。
行動量=訪問する会社数が多いほど
契約が取れたので
とにかく頑張って
刈り取りに行った営業マンが評価されたのです。
(あ~、なんとよい時代だったのでしょう。。。)
ところが今は案件の数が
如実に減ってしまいました。。。
案件数が激減し、
三分の一、五分の一になってしまった
業界も多いですね。
こうなると、
行動量にモノを言わせた
かつての刈り取り型営業は通用しません。
10人が8時間走り回っても、
新規案件はピーク時の三分の一で、約3件、
仮に30名体制にして
営業マンの行動力を3倍にしたとしても、
せいぜい4~5件程度の案件数しか
確保できないのです。
市場が縮小しているので
もともと案件数が少ないし、
それを競合と奪い合うため
行動量を増やしても刈り取り量は
なかなか増えません。
しかも当然、
競合との価格競争になるので
受注しても利益が出ないのです。
ここで改めて質問です。
「営業とは何をする仕事でしょうか?」
清永は
『営業とは、顧客を増やし、
関係性を深くしていく仕事』
だと考えています。
決算書には記載されませんが、
言うまでもなく
顧客は企業のもっとも重要な資産です。
案件も契約も、
そこから生まれる売上や利益も、
もとをたどれば顧客です。
営業マンは、
新たに顧客を獲得したり、
顧客の満足度を高めることを目的として
営業活動を展開するべきです。
「契約を取ること」も大事な仕事ですが、
それは営業の仕事のほんの一部にすぎません。
顧客になってもらったり、
満足してもらったりする活動の中に、
契約を取るという
一つのプロセスがあるに過ぎないのです。
成熟市場において営業マンが追うべきなのは、
案件の数ではなく、顧客との関係性の深さです。
成熟市場では、
顧客を訪問しても、
すでに競合が入りこんでいます。
案件を追う営業スタイルでは、
もうそれ以上の進展はありません。
しかし、
顧客との関係を構築することを
目指せば競合がいても関係ありません。
先方の担当者の悩みを聞き、
関係を継続させることが可能です。
最初は、
細くて頼りないつながりかもしれないですね。
でも、継続的にアプローチしていけば、
きっと、
「いつも色々提案してくれるけど、
今回の提案は本当に魅力的だね。
一回お試しでやってみようか」
「今度新しいプロジェクトが
社内で立ち上がるんだ。
うちの部からは発注できないから、
そっちを紹介するよ」
となることがあります。
顧客との関係性を深めるという観点で
営業活動を再点検してみてください。