展示会で説明員が成果を出すためのコツ7選!事前準備や失敗例を解説  

展示会は、自社の商品やサービスをアピールする絶好の機会です。自社の業界やサービスカテゴリーに関心を持つ来場者が多数集まるため、見込み客と接点を持ち、商談や契約につなげたいと考える方も多いでしょう。

 

しかし、展示会で成果を得るには、いくつか課題を乗り越える必要があります。さまざまな課題の中でも、説明員が行う製品・サービスの紹介や、来場者へのヒアリングは重要です。

 

本記事では、展示会の説明員が成果を出すためのコツや、必要な事前準備、避けたい失敗例を紹介します。展示会で成果を上げたい方は、ぜひ参考にしてください。

 

 

展示会で説明員が成果を出すための基本

展示会で説明員が成果を出すためには、いくつかの基本を押さえる必要があります。特に重要なポイントは、以下の2つです。

 

・説明員の役割を理解する

・来場者の特徴や状態を把握しておく

 

まずはこれらの基本について詳しく知っておきましょう。

 

説明員の役割を理解する

展示会では、スタッフの役割を分担することによってブース運営を効率化する必要があります。スタッフの役割には、以下があります。

 

  • 呼びかけ(集客)
  • 受付
  • 説明(営業)
  • 統括(全体マネジメント)

 

上記の「説明(営業)」の役割を担うのが説明員です。

説明員は、呼びかけや受付の担当スタッフからパスされた来場者に対して、商品やサービスの魅力を伝える重要な役割を担います。

 

来場者の特徴や状態を把握しておく

展示会の来場者はさまざまな目的を持っています。来場者の状態や特徴を把握することで、より効果的なアプローチを行えるでしょう。

 

特に、以下のような点に注目することが大切です。

 

  • 業界や職種:どのような業界や職種の方が多く来場するか
  • 役職:意思決定権を持つ経営層か、実務担当者か
  • 来場目的:情報収集なのか、具体的な商談目的なのか
  • 時間帯:朝と夕方それぞれの来場者の特徴

 

例えば、来場者が業界に精通しているのであれば、商品の概要や効果を中心とした説明でも通じます。しかし、情報収集が目的の来場者であれば、業界や市場の前提知識を伝え、他社との比較を入れながら自社の説明をすると効果的です。

 

来場者ごとに求める情報、適切な伝え方が異なるため、説明に入る前に把握するように努めましょう。

 

説明員が来場者の状態を把握するには、呼び込みや受付スタッフとの連携が必須です。「来場者を惹きつけるトークのコツ」で詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

 

展示会で説明員が成果を出すためのコツ7選

ここからは、展示会で説明員が成果を出すためのコツを7つ紹介します。

 

  1. 目標を明確に設定しておく
  2. ターゲットを明確に決めておく
  3. 自社の売りや提供できる価値を明確にする
  4. 相手のニーズや興味の度合いを探る
  5. トークスクリプトに沿って話す
  6. エレベーターピッチを作成しておく
  7. ロープレなどを事前に練習しておく

 

説明が苦手な方は、上のステップから順に実践してみてください。

 

1.目標を明確に設定しておく

まず、展示会でどのような成果を求めるのか、明確に設定しましょう。例えば、展示会の目的を自社の売上の向上とした場合、商談数や名刺交換などの「リード獲得数」を目標とします。

なお、目標の設定にはSTARTの法則を活用しましょう。

 

  • Specific(具体的):「200社と名刺交換する」など具体的に
  • Time-bound(期限付き):展示会期間中という明確な期限
  • Achievable(達成可能):現実的で達成可能な数値を設定
  • Relevant(関連性):今年度の全体の目標と合致しているか
  • Trackable(測定可能):数値化して進捗を把握できるか

 

具体的な目標設定は、チーム全体の行動指針となり、一体感を持って取り組めるようになります。

 

2.ターゲットを明確に決めておく

効果的な説明を行うには、ターゲットの絞り込みが重要です。以下の観点でターゲットを明確にしましょう。

 

  • 「業種・業界」:自社製品やサービスが最も役立つ業種や業界
  • 「企業規模」:大企業向けか、中小企業向けか
  • 「役職」:経営層、管理職、実務担当者など
  • 「課題」:ターゲットが抱えている具体的な問題やニーズ

 

ターゲットが明確になれば、最適なアプローチが可能となります。例えば、経営層にはROI(投資対効果)、実務担当者には具体的な使用方法や導入事例を中心に紹介するとよいでしょう。

 

効果的なコミュニケーションをするために、あらかじめ想定されるターゲットを絞り込むことが大切です。

 

自社の売りや提供できる価値を明確にする

来場者の興味を惹きつけるには、自社の売りや提供価値を明確にする必要があります。以下のポイントを押さえて、自社の強みを整理しましょう。

 

  • 独自性:競合にはない自社の特徴
  • 問題解決力:顧客の課題をどのように解決できるか
  • 導入効果:導入することでどのような効果を期待できるか
  • 実績:過去の導入事例や成功事例

 

これらをまとめたうえで、「キラーフレーズ(相手の心を動かす力強い言葉)」を用意しましょう。数値による実績や効果を示し、来場者に強いメリットを感じてもらえれば、商談につながりやすくなります。

 

4.相手のニーズや興味の度合いを探る

相手のニーズに合ったアプローチをしなければ、商談や名刺交換などの成果にはつながりません。まずは相手のニーズや興味の度合いを探りましょう。

 

説明員が接客する際は、すでに別のスタッフによって来場者のニーズや目的を聞いているケースが多いですが、そのうえで具体的に掘り下げます。

 

  • 「〇〇でお困りではないでしょうか?」
  • 「業務上の課題で1番困っていることは何でしょうか?」
  • 「〇〇の課題を解決する△△にご興味はありますか?」

 

来場者のニーズが明確になれば、相手のニーズを満たす回答や説明ができ、より効果的なコミュニケーションが可能になります。

 

5.トークスクリプトに沿って話す

トークスクリプトを事前に準備しておくことで、展示会当日の説明がスムーズになります。以下のポイントを押さえて、トークスクリプトを用意しましょう。

 

  • 声掛け:メリットや魅力を端的に訴求して興味づけを行う
  • ヒアリング:課題や現状を把握して、自社に興味があるか聞く
  • 製品やサービスの説明:自社のサービスを説明し、魅力や効果を理解してもらう
  • クロージング:名刺交換やアポ、次の商談につなげる

 

ただし、トークスクリプトに頼りすぎると機械的な印象を与えてしまうため、相手の反応を見ながら柔軟に対応することが大切です。

 

6.エレベーターピッチを作成しておく

展示会のように、短い時間で相手に自社の魅力を伝えなければならない場面では、エレベーターピッチが必要です。

 

エレベーターピッチとは、30秒程度で効果的に自社のPRを行うプレゼンの手法のことです。以下の内容を含めて作成します。

 

  1. 自己紹介:名前と所属
  2. 問題提起:顧客が抱える一般的な課題
  3. ソリューション:その課題を解決する自社の製品・サービス
  4. 独自性:競合他社との差別化ポイント
  5. 実績や効果:導入企業数や具体的な成果
  6. 行動要請:次のステップへの誘導

 

限られた時間のなかで来場者へ効率的に訴求するために、メンバー全員で事前の打ち合わせを行い、伝えたいことを簡潔に伝えられるようにしましょう。

 

7.ロープレなどを事前に練習しておく

 

最後はロープレ(ロールプレイング)で、実際のやり取りを練習しましょう。ロープレを実施することで、営業の質を高め、接客の対応力を強化できます。

 

具体的には、以下の方法でロープレを行いましょう。

 

  1. トークスクリプトとターゲットに沿ってチームやペアで練習する
  2. 役割や状況を変更してさまざまなシナリオで練習する
  3. 第三者にチェックしてもらい評価や改善点を出してもらう
  4. 評価や改善点をもとに、トークスクリプトや実際の接客を改善する

 

練習を積み重ねることで、当日の接客やスタッフ全員の立ち振る舞いがよくなり、ブース全体の雰囲気も明るくなります。

 

ここまでの準備を全て活かすために、必ずロープレで当日の練習を行いましょう。

 

 

展示会でよくある説明員の失敗例

展示会では、説明員がうまく対応できず、顧客獲得につながらないことがよくあります。ここでは、よくある失敗例とその改善方法について解説します。

 

相手のニーズや興味を把握せずに声をかける

説明員が陥りがちな失敗例として、相手のニーズや興味を把握せずに声をかけてしまうことが挙げられます。ニーズに合わない説明を行うと、来場者に押し売りと感じさせたり、時間を無駄にしていると印象が悪くなったりします。

 

このような失敗を防ぐためにも、以下を意識することが大切です。

 

  • 来場者の行動をよく観察する:どの展示物に興味を示しているか
  • オープンな質問から始める:「どのような課題をお持ちですか?」など
  • 相手の反応を見ながら会話を進める:興味の度合いに応じて説明を調整
  • 押し売りせずに引く:相手の意思を尊重し、適切なタイミングで引く

 

来場者のペースに合わせたコミュニケーションを心がけることで、来場者に好印象を与えられます。

 

同じ商材の説明しかしない

説明員が陥りがちな失敗例として、同じ商材の説明だけを繰り返すことも挙げられます。このような失敗が起きる原因には、商品ラインナップを把握できていない、あるいは相手に応じて最適なサービス提案ができていないことが考えられるでしょう。

 

このような失敗を防ぐためにも、以下を意識することが大切です。

 

  • 商材のラインナップを幅広く把握する
  • 顧客のニーズに合わせて最適な商材を選択する
  • 複数の商材を組み合わせた提案を行う
  • 業界トレンドや市場動向と絡めた説明を心がける

 

多様な提案ができれば、商談や名刺交換につながりやすくなります。プロフェッショナルとして、提案の幅を広げましょう。

 

商材に関する情報の話ばかりする

説明員が陥りがちな失敗例として、商品やサービスの特徴をひたすら説明してしまい、来場者が求めていることに応えられないケースもよく見られます。効果的な説明を行うためにも、以下のポイントを意識しましょう。

 

  • 顧客視点で考える:「この製品が顧客にとってどのような価値があるか」
  • 具体的な活用シーンを提示する:「〇〇の場面でこのように使えます」
  • 導入効果を数値で示す:「△△%の業務効率化を実現した事例があります」
  • 顧客の課題解決にフォーカスする:「この機能によって××の問題が解決します」

 

顧客が求めているのは、商材がもたらす結果です。相手のニーズに合わせて、価値やメリットをわかりやすく伝えましょう。

 

 

展示会で説明員が成果を出しやすくなる必須ツール

展示会では説明員のスキルも重要ですが、適切なツールの活用も欠かせません。ここでは、展示会での営業をサポートする重要なツールを紹介します。

 

カタログ・チラシ

カタログやチラシは、メリットや魅力を視覚的かつ端的に伝えられる効果的なツールです。具体的には、以下のメリットがあります。

 

  • 商品・サービスの全体像を一目で把握できる
  • 技術的な詳細や仕様を正確に伝えられる
  • 視覚的なインパクトで来場者の記憶に残りやすい
  • 説明の流れを組み立てやすくなる

 

ただし、カタログをただ渡すだけでなく、来場者との対話を通じて効果的に使用することが大切です。

カタログやチラシは捨てられやすいため、名刺をチラシ化するのもお奨めです。詳細は、「展示会専用名刺のつくりかた」をご覧ください。

 

タブレット・モニター

タブレットやモニターを活用することで、視覚的にわかりやすい説明が可能になります。動画やデジタル資料を来場者に見せながら説明すれば、短時間かつ具体的に製品やサービスの魅力を伝えられるでしょう。

 

動画は言葉や資料で伝えるよりも、手軽に全体像を掴んでもらえるので効果的です。動画をブース内で流すことで、説明員が対応できないときでも来場者に自社をアピールができます。

 

営業成果を出すための販促ツールについて、詳細に知りたい方は 、「展示会販促ツール10選」をご覧ください。

 

 

まとめ

説明員が名刺交換数や商談獲得数などの目標を達成するためには、来場者一人ひとりに合わせた提案をする必要があります。

これは簡単なことではありません。

 

しかし、事前の準備や対策を行い、ロープレでの練習や効果的なツールを活用すれば、決して不可能ではありません。本記事を参考に、来場者の興味を惹きつける営業ができるように、入念に準備をしましょう。

 

より具体的に展示会で成果を出すためのコツなどを知りたい方は、ぜひ「展示会営業セミナー」へ参加してみてください。

 

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