CEATEC(シーテック)2019に行ってきました。
このコラムではCEATEC2019の見どころについて、展示会営業(R)コンサルタント清永の視点で解説していきますね。
CEATECとは、言うまでもなく、毎年10月に幕張メッセで開催される大規模展示会です。
2000年に家電総合見本市として誕生、その後日本家電産業の栄枯盛衰とともに形を変えてきました。
今では、IoT先端展示会ともいうべき様相となっています。
では、その見どころを次の章からどうぞ!
目次
思えば、清永が初めてCEATEC(当時はCEATEC JAPANと言いました)を見たのは2003年。
まだケーブルテレビ会社の営業マンをしていた時です。
同僚とともに展示会場に行って度肝を抜かれたことを今でもハッキリ覚えています。
当時は、
がデジタル3種の神器と呼ばれ、家電華やかなりし頃。
ド派手なコンパニオンとともにソニー、パナソニック、日立、NECなどなどのブースが立ち並んでいました。
日本の家電産業がまだまだ元気だったころです。
それから15年の時を経たCEATEC2019。
家電見本市だったころとは全く別物になっていました。
展示会のコンセプトを家電からIoTに変更したことで、出展社も展示会場の雰囲気も様変わりしているのです。
IoTとは、ご存知の通り、「モノのインターネット化」。
つまり身の回りのあらゆるものがインターネットを介してつながることです。
現在のCEATECの見どころは、ズバリこのIoTにあると言ってよいでしょう。
つながるということは、これまで別だったものが一緒になったり、垣根がなくなったりすること。
CEATEC2019の会場はまさにこの、
・「つながる」
・「一緒になる」
・「垣根がなくなる」
を体現しているような世界観でしたっ!
たとえば今回、広大なスペースで初出展を果たしたANA。
航空会社のANAだから、航空技術や輸送に関するテーマで出展するのかと思えば全くちがうんです。
ANAはアバターロボットを出展していました。
自分の手を動かすと遠隔地にあるアバターロボットの手が、自分の手のごとく動くという技術です。
その精度はルービックキューブで遊べるほど。
清永も握手してもらったのですが、本当にリアルな人間の手を握っているようでした。
ANAの広報担当者さんに聞くと、
「遠隔地にいる自分の分身であるアバターを自由自在にコントロールできるようになれば、もはやそれはそこに移動したのと同じだ」
とのことです。
そして、実際にそのアバターを動かす技術を持っているのは、ANA自身ではなく技術ベンチャー企業。
ANAは、技術ベンチャー企業と「一緒になって」出展しているんです。
その目的は、ANAがアバターに力を入れていることを世に知らしめるとともに、先端技術を持つ企業と「つながること」だと言うのです。
同じく初出展となるDeNA。
パッと考えるとAIによる知育ゲームのようなものを出展していそうなのですが、これまた全然ちがいます。
DeNAの見どころは、「働き方改革タクシー」を提案していたことです。
タクシー配車アプリに加えてカメラなどで運転手の状態を確認します。
このことにより、居眠りや事故につながりかねない特性を見つけ、交通事故の削減支援ができます。
またAIとビッグデータを活用して乗車予測を立てることで、空車率を低減するサービスなども紹介していました。
こうしたソリューションによって新人とベテランの経験という「垣根がなくなる」ことがイメージできました。
このようにIoT展示会にふさわしく、
・「つながる」
・「一緒になる」
・「垣根がなくなる」
を体現していたのは、ANAやDeNAなどの初出展企業だけではありません。
家電見本市時代からのCEATECの常連である日立のブースにも見どころがありました。
日立のブースでやっていたのは、IoT家電のデモンストレーション。
「あぁ。やっぱり日立はイメージ通りだなぁ」と思ったのも束の間。
冷蔵庫、掃除機、エアコンをIoTでつないだ生活を紹介するこのデモンストレーションの核になっていたのは、アイボです。
そう、あの機械犬アイボなんです。。
ソニーのアイボが日立のIoT家電を操作する主婦を愛らしくサポートするというシナリオで、デモンストレーションは展開していきます。
オーディエンスはアイボの愛らしさ(以前のアイボよりも格段にかわいくなっていた)に、ついついデモンストレーションを見入ってしまいます。
清永はつい、「アイボはソニーの商材なのにそんなことでいいの?」と思ってしまうのですが、そういう考えの時代はもう終わったというでしょうね。
日立が提唱するIoT家電のイメージを伝えるために必要なら、ライバル企業であるソニーの商材でも躊躇なくデモンストレーションの中心に据えるのです。
そうです、自社、競合という「垣根がなくなって」きているのです。
こうした変化は、出展社からだけでなく主催者からも感じられました。
会場のレイアウトが通常の展示会と異なっていました。
具体的には、海外からの出展企業と日本のスタートアップ企業のブースの場所を隣り合わせに配置していたのです。
通常これらの企業は別々の離れたゾーンに配置されています。
物理的な距離の「垣根をなくし」、高い技術力を有するもののまだ海外まで営業に行く余裕のない企業と尖った技術を探したい海外企業を「つなげる」意図が主催者側にあったのではないかなぁと清永は思うのです。
CEATEC2019の見どころを、「展示会営業のプロ」清永が解説してみました。
いかがでしたでしょうか?
展示会の見どころ、あり方は時代の変化と共に変わっていくものであることをお分かりいただけたと思います。
来年のCEATEC2020も楽しみですね。
同時にこれまでと同じ方法で展示会に出展していると、時代からも、そしてライバルからも取り残されれてしまうことも感じていただけたでしょうか?
もし自社の展示会のあり方に不安を感じたら、お気軽に清永までお声掛けくださいね。
全力で貴社の展示会を応援させていただきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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