BtoB営業の企業は「展示会に出展するべきだ」と強く感じています。
その理由は、展示会出展が、
BtoB営業の企業にとって最も効率的かつ効果的に
売り上げを増大できる販売促進手段だからです。
ですが、実は、それ以外にもわたしが、展示会出展を強く奨める理由があります。
それは、自社の想いや志を世の中に発信する舞台として、
展示会を使うことができるという点です。
わたしは、展示会は、中小企業にとって、
自社の想いや志を世の中に堂々と宣言するために最適な場だと信じています。
目次
展示会には、何百、何千、何万という来場者が訪れます。
そういった来場者に、
自社のビジョンや目指している未来を
直接語りかけることができることの意味は計り知れません。
わたしがお手伝いしている企業さんの中には、
こんなステキなエピソードを持っておられるところがあります。
その企業さんは、何年もの間、毎年、同じ展示会に出展して、
自社の想いを熱く語り続けていました。
すると、あるとき、情報収集のために展示会に来ていた来場者が、
その熱い想いに惹かれてファンになりました。
それ以来、その人は、毎年、その展示会に来場し、
その企業さんのブースを見るのを楽しみにしているのです。
もちろん、ファンになって以来、その企業への発注額は年々増えています。
このように、展示会で、自社の想いや志を宣言することで
ファンを生み出すことすらできてしまうのです。
ただし、やみくもに、熱い想いを吐露すればいいわけではありません。
それでは、ただ単に暑苦しいだけの無骨な中小企業になってしまいます。
実は、自社の想いを伝えて共感を生み出すにはコツがあるのです。
では、どのようにして、自社の想いを伝えればよいのでしょうか?
ポイントは、「ストーリーで語る」ことです。
「ストーリー」をうまく使えば、
来場者が、あなたの会社の大ファンになってくれます。
大ファンになってくれれば、もちろん高額の受注も見込めます。
あなたの会社も大ファンをつくっていきましょう。
それにしても・・・
なぜ、ストーリーなのでしょうか?
ストーリーには、記憶に残し、感情を動かす力があります。
たとえば、桃太郎やシンデレラといった物語は、
努力してその流れを思い出そうとしなくても、自然と頭の中に残っていますね。
映画を思い出すときにも、
ストーリーという流れの中で記憶をたどることになるはずです。
このようにストーリーがあるからこそ内容が、人の記憶に残っていくのです。
そして、ストーリーの力は、人の気持ちをも動かします。
映画で感動するのは、
俳優がイケメンで女優が美女だから、というわけではありません。
映画のストーリーの力によって、わたしたちは心を動かされ、涙まで流します。
こうした、ストーリーの持つ力を活用しない手はありませんね。
あなたの会社や商品の生い立ちや歴史を思い出してみてください。
きっと、たくさんの出来事がストックされているはずです。
その出来事をあなたの会社の波乱万丈な歴史やの商品の開発秘話、
社長のドラマチックな人生といったストーリーとして綴りましょう。
そうすることで、あなたの会社を来場者の記憶に鮮明に残すことができます。
そして、来場者の共感を生み、感動させ、ファンにすることさえ可能になるのです。
あなたも、ストーリーの力について、イメージができたと思います。
では、具体的にどのようにして、
来場者を惹きつけるストーリーをつくっていけばよいのでしょうか?
まずは、次の質問に答えてみてください。
Q1:なぜお客様は同業他社の中で、当社を選んでくれているのでしょうか?
Q2:当社はお客さんにどのような価値を実現しているのでしょうか?
Q3:当社の本当の売り物は何でしょうか?
Q4:お客さんをとりこにする当社の魅力的なストーリーは、どのようなものでしょうか?
Q4について、
「そんなこと言われても、ストーリーなんて、脚本家じゃないのだから、書けないよ」
と感じた方もいるかもしれませんね。
そこで、あなたのヒントになるようなストーリーのつくり方をお伝えしておきます。
魅力的なストーリーをつくるコツは、幅を意識することです。
幅とは、
・良かったことと悪かったこと、
・うれしかったこととかなしかったこと
のギャップです。
中小企業が事業活動をしていると、
プラスの出来事も マイナスの出来事も起こります。
実は、その幅が、人の心を動かすポイントなのです。
多くの企業がホームページに自社の沿革を掲載していますが、
そのほとんどは、「単なる出来事の羅列になっている」か、
「自社の自慢になっている」かのどちらかです。
あなたの会社もそうなっていませんか?
これでは、幅が極端に少ないのです。
出来事を羅列されて、ずっと、プラスでもマイナスないゼロ地点から語られても
無味乾燥な感じで印象に残りません。
また、自慢気にプラスの方向だけを読まされると、どうしても鼻についてしまいます。
そうならないように、
あなたの会社の歴史や商品の誕生秘話、さらには社長の人生などを、
プラスとマイナスを上手く活用してストーリーを作成してみてください。
「なるほど。マイナスということは失敗談を書けばよいのだな」
と思われたかもしれません。これは半分正解で、半分が誤りです。
何でもマイナスのことを書けばよいというわけではありません。
大切なことは、来場者がどのように感じるかという点です。
あなたの会社のマイナス面の出来事の中で、
見込み客に共感してもらえるようなものは何でしょうか?
まず、マイナス面の出来事をできるだけ多く列挙してみましょう。
その上で、特に見込み客に共感してもらえるようなものを選んで
ストーリーにしてみてくださいね。
最後に、もうひとつ、ストーリーをつくる時の注意点をお伝えしておきます。
それは、ストーリーは、
「自社が目指している、実現したい未来で締めくくる」
ということです。
いくら、プラスとマイナスのギャップのあるストーリーをつくっても、
その内容が過去の出来事だけだと片手落ちです。
そうではなくて、自社が目指すビジョンや明るい未来、
つくりたいと思っているワクワクする将来のイメージを
ストーリーに盛り込むようにしてくださいね。
あなたの会社もストーリーを活用して、
展示会でファンを生み出し、増やしていってほしいと思います。
「うちには、世の中に発信するような大それた想いはなんてないよ!」
あなたは、もしかするとそんな風に感じたかもしれません。
奥ゆかしくて謙虚なのは、すばらしいことですし、美徳だと清永も思います。
でも、同時のそれではもったいないとも思うのです。
あなたの会社にも、経営理念、ビジョンや行動指針があると思います。
文章になったものがなくても、
創業した時には創業社長のほとばしる気持ちが、
商品開発の過程では設計者の熱い情熱があったはずです。
そうした気持ちや情熱は、
もしかすると、必ずしも前向きなプラスのものではないかもしれません。
でも、別に前向きなものだけでなくてよいのです。
その気持ちが、憤り、怒り、憤慨のようなマイナスのものであっても一向に構いません。
まずは、気持ちのままに、文章にしてみましょう。
そしてそれを、展示会で、自社のブースを通りかかる来場者たちに、
マイクを片手に堂々と発信するのです。
マイクを持つ人は、目立ちたがりの若手でもいいですし、
営業部長でもいいですね。もちろん、社長さん本人が語るのも説得力があります。
「そんなの恥ずかしい」
まだ、そう思っておられる方のために、以前にあったお話をしておきます。
わたしがお手伝いしているある企業で、展示会に初出展することになりました。
「自社の想いや志を来場者に伝えてほしい」
とわたしがお願いしたところ、この企業の経営者であるK社長の返事は、
「いやだ。照れくさい。」
でした。
でも、わたしがあまりにもしつこかったからでしょうか?
最終的には、若手社員とK社長が交代で、マイクを持ち、自社の想いや志を来場者に語りかけてくれました。
すると・・・
展示会が終わった数日後に、ある問い合わせが入ったのです。
「展示ブースでのマイクから流れていた熱い想いが気になったから!」
というのが問い合わせの理由でした。
しかも、相手は大きな企業の経営者です。
わたしは、「よっしゃ!思った通りだ!」と感じました。
ところが、K社長の顔はいまひとつ冴えません。
K社長は、展示ブースで語った想いが、
「自分自身の心からの言葉になっていない」
と感じていたのでしょう。どこか後ろめたい気持ちがすると言うのです。
それでもビジネスです。K社長もさすがです。
この引き合いに対してきちんと対応し、見事受注しました。
「照れくさいし恥ずかしいけど、想いを言葉にして伝えるのも悪くないかもね」
受注した後、K社長は言っていました。
話はこれで終わりません。
それからしばらくして、見込み客から資料請求の依頼がありました。
その依頼に対応していたところ、なんと・・・
その引き合いも、展示会で想いを伝えていたことがきっかけだったのです。
見込み客からそう告げられたK社長は、こう答えたそうです。
「わが社は、こういう想いを持って事業を行っています。
そのことを少しでも多くの人にわかってほしいと考えて、
展示会で、あのように、自社の想いや志を発信しているのです!
そこを評価してくれてとてもうれしいです!!」
恥ずかしがったり照れたりしていたK社長はもうどこにもいません。
わたしたちの脳は、
自分で何度も繰り返し言っているうちのだんだんその気になるようにできているのです。
しかもそれが、受け手である来場者から評価され、さらに、仕事につながるならなおさらです。
「熱い想いを語る効果はわかった。でもどんな風に想いを文章にしたらいいかわからない」
そう感じている方もいると思います。
実は、弊社も弊社が展示会やセミナーなどの場で想いを発信しています。
その内容を載せておきますので参考にしてみてください。
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今までの営業は、堅い、真面目。
展示会営業は、楽しい。喜怒哀楽豊かな人気者になっていきます。
今までの営業は、「仕事でやらないといけない」から売りに行く。
展示会営業は、「知ってほしい!」からストーリーにして伝える。
今までの営業は、お客さんと対立する。
展示会営業は、お客さんと共通の目標像を目指す同志になる。
今までの営業は、左脳を重視する。
展示会営業は、右脳と左脳が融合している。
今までの営業は、「売れるまで帰ってくるな!」と叱る。
展示会営業は、
「お客さんにも都合があるよね。タイミングはコントロールできないから、
強引に売り込むよりも、役に立つ情報提供をしてよい関係になろう。
どういう情報がお客さんのお役に立てるかな?」と問いかける。
今までの営業は、営業マニュアルを暗記する。
展示会営業は、ゲーム感覚で楽しみながら動く。だから自然にレベルアップしていく。
今までの営業は、自分の成績のためだけに歯を食いしばって働く。
展示会営業は、自社も顧客も、そして社会もハッピーになるために働く。
今までの営業は、お客さんの機嫌を損ねないことが最優先。
展示会営業は、教える人になる。お客さんをもっと喜ばせるために、
プロとしてお客さんの考えを超えていく。
今までの営業は、与えられたものを売る。
展示会営業では、営業職ひとりひとりが、
商品づくりに関与する。お客さんの声を吸い上げて、
磨き上げた商品を、自分の家族や友達に奨めるように「これいいよ」と教えてあげる。
今までの営業は、とにかく頑張る。努力が大事。
展示会営業は、努力とやり方の掛け算。
今までの営業は、お客さんは神様。
展示会営業は、
「お客さんだって生身の人間なんだ。だから悩みも間違いもある。
そんな愛すべきお客さんとともに、明るい未来を目指す同志になろう。
自社とお客さんは対等。見下す関係でなく、お互いが尊重し合える関係なんだ。」
と考える。
展示会は、中小企業が、自社の想いや志を世の中に高らかに宣言するために最適な場です。
展示会営業で、愛と喜びに満ちた社会へ
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これを、音楽の乗せて堂々と語るのです。
エンタメプレゼンのレベル1:ミュージックプレゼンです。
たくさんの方が、共感してくれ、
ファンになり、弊社のコンサルティングや研修を導入してくれます。
展示会などのイベントの場で、
想いや志を堂々と宣言することのパワーは絶大です。
ぜひ、あなたの会社でも活用してほしいと思います。