コロナ後、再開された展示会で成果を出すコツ!【本質編】

こんにちは!展示会の専門家 清永(きよなが)健一です。

 

コロナで中止になっていた展示会がついに再開しました!

9月2週目までに開催されている展示会をザっと挙げるだけでも、

 

  • 9/2〜9/4 第12回 Japanマーケティング Week【夏】東京ビッグサイト
  • 9/2〜9/4 第15回 ライフスタイル Week【夏】東京ビッグサイト
  • 9/9〜9/11 【関西】スマートエネルギーWeek 2020インテックス大阪
  • 9/9〜9/11 【関西】住宅・ビル・施設 Week 2020インテックス大阪
  • 9/9〜9/11 第1回 ライフスタイルWeek関西インテックス大阪
  • 9/9〜9/11 第1回 化粧品 開発展 大阪インテックス大阪
  • 9/9〜9/11 第1回 Japan マーケティング Week 関西インテックス大阪
  • 9/9〜9/11 第1回 [関西]資産運用EXPOインテックス大阪

 

など、たくさんあります。

いや~、うれしいですね。

清永も、Japanマーケティング Week【夏】に行ってきましたが、

かなり活況でした。

 ※詳しくは、「コロナ後、初のビッグサイト!どこよりも早い実況中継」をご覧ください。

 

ということで、このコラムでは、展示会の再開を記念して、

コロナ後、再開された展示会で、成果を出すコツについて

お伝えしていきます。

 

コロナ後の展示会の来場者属性

 

コロナ後の展示会の特徴として、来場者が減っている

という点が挙げられます。

そして、実は、

このことが、出展社にとってプラスに働く可能性があります。

 

「えっ!なんで!来場者は多ければ多いほどいいんじゃないの?」

 

あなたは、そう思ったかもしれません。

でも、よく考えてみてください。

あなたは、全く買う気がない冷やかし客に対して

ブース対応をしたいでしょうか?

答えは、もちろん、 NO! ですよね。

そうなのです。

コロナ後の展示会は、来場者が減っています。

このことだけを考えると、出展社にとっての

展示会の魅力が下がったように感じるかもしれません。

しかし、減っているのは、

  • 冷やかし客
  • 単に遊びに来ている人
  • 決定権のゼロの新人
     (コロナ前は、させることがない入社したばかりの新人が結構多く来場していました)

なのです。

 

一方で、

  • 決裁権のある人
  • 解決すべき課題を持っている人
  • 会社から明確なミッションを与えられている人
  • 予算を持っている人

は、しっかり、来場しているのです。

冷やかし客が減って、

真剣に検討している来場者がたくさんいるのは、

とってもよいことですよね。

 

一方で、コロナの影響で、出展社数は減少傾向にあります。

 

つまり、コロナ後の展示会は、

コロナ前よりも質のよい来場者を、コロナ前よりも少ない出展社が、分け合っている

という非常においしい状態だと考えることができるのです。

 

コロナ後の展示会では、売り込み厳禁

 

でも、だからと言って、コロナ後の展示会に単に出展すれば成果が出ると

考えてはいけません。

新型コロナウィルスが蔓延する以前と同じ考え方で、

自社商材の説明をひたすらまくし立てるようなやり方では、

残念ながら成果は出ません。

厳密に言うと、こういうやり方では、コロナ前から成果が出なかったはずなのですが、

きちんと作戦を練って対応しても商談化しない冷やかし客が多かったこともあり、

成果が出ないという事実が薄まっていたのです。

 

しかし、コロナ後の展示会は、真剣に検討している良質な来場者がほぼすべてです。

自社商材の説明をひたすらまくし立てるような、売り込み感満載の行為をしていては、

マイナスのブランドイメージを植え付けて、逆効果になってしまう危険性すらあります。

良かれと思って、がんばって一生懸命行っていたことが、実はマイナスになっているとしたら・・・

怖いですね。

展示会の専門家である清永の目で見ると、そういうブースがたくさんあります。

あなたは、そうならないように注意してください。

 

コロナ後の展示会で重要なのは『教える』ために『質問する』こと

 

では、どうすればよいのでしょうか?

それは、売り込むのではなく、『教える』ことです。

そのために、大事なことがいくつかありますが、

このコラムではもっとも重要かつ取り組みやすい点についてお伝えします。

 

それは、ブーススタッフが、自分で話すぎず、

『できるだけ来場者の話を聞く』

ということです。

コロナ前は、これがむずかしかったのです。

なぜなら、

「御社はどのような状況でしょうか?」

「何かお悩みがありますか?」

と聞いても、相手が冷やかし客だった場合、

「うちのことはいいから、まずどんな商材なのか説明してくれ!」

と言われてしまうことが多かったからです。

それはそうです。

何しろ、ただの冷やかしですから、

質問されても、明快に回答することができませんからね。

 

 

でも、コロナ後の来場者は、真剣に検討している方です。

こちらが、質問すれば、きちんと答えてくれる方が多いはずです。

あなたも、できるだけ相手の話を聞くために質問をしましょう。

 

コロナ後の展示会で来場者に質問する時のポイント

 

コロナ後の展示会で来場者に質問をするときには、

非常に重要なポイントがあります。

それは、自社が解決できない悩みにも触れる、ということです。

これは、展示会の専門家として清永が以前から作成することをお奨めしている

出展コンセプト検討シートの右上:

「その人が心の中でつぶやいている悩みは?」の部分に当たります。

 ※出展コンセプト検討シートについては、

 「展示会で強味をアピールすると成果が出ない理由とは?https://tenjikaieigyo.com/seika/」をご覧ください。

むずかしく考える必要はありません。

自社がその悩みを解決できるかどうかは一旦横に置いて、

「あなたは、こうした悩みを抱えておられるのではないですか?」

と質問するだけでよいのです。

「そんなことをして、もし、

 『そうなんです!なんとかしてください!』

 って言われたらどうするんだ。うちでは解決できないぞ。」

あなたは、そう思ったかもしれません。

でも、解決できなくてもいいのです。

「そういう悩みがあるのですね。大変ですね。」

と共感してあげるだけで十分なのです。

そうした姿勢を来場者は敏感に感じ取ります。

「このブースは他のブースと何かちがうなぁ。」と思ってもらえるはずです。

 

コロナ後の展示会で教える人になる具体的な方法とは?

 

「なるほど。これまでのやり方とはかなりちがうアプローチだな。

 このやり方を社内で徹底させるのはかなり骨が折れる気がするぞ。」

そう思ったあなたは、かなりするどい感性の持ち主です。

その通りなのです。

この「売り込むのではなく、役に立つ情報を教える」というやり方は、

これまで一生懸命にお仕事をしてきた人ほど違和感を持ちがちな方法なのです。

無理もありません。

だって、人口が増加していて、需要が供給を上回っていた時代は、

お客立ち情報を提供することなんて非効率でムダなことだったのですから。

目の前にすでにあなたの商材を欲しい人がいるのですから、

いかにわかりやすく手短に自社の商材の良さを伝えるかということが最重要です。

そして、買ってもらったら、さっさと次の商材の話に移るか、

次の欲しい人のところに行くというのが、優秀な営業マンだったのです。

 

ですが、あなたもご存じの通り、そんな時代は、とっくに終わっています。

売り手側が買い手のニーズを掘り起こすことこそが重要になった現在では、

一旦自社商材から離れて、買い手の悩みに寄り添い、

役に立つ情報を教えることが重要なのです。

 

このアプローチは、実は、コロナ前だとかコロナ後だとか関係なく、

もっと言うと、展示会に出展する、しないに関わらず、

すべての企業にとって必要なことです。

 

にもかかわらず、多くの企業が、この方向転換をスムーズにできずにいます。

頭ではわかっていても、心がついていかないのです。

では、どうすればよいのでしょうか?

実は、この

「売り込むのではなく、役に立つ情報を教える」

というマインドチェンジをスムーズに行う方法があります。

 

出展コンセプトにもとづく「肩書」を新たにつくることです。

「肩書?部長とか課長とか主任とかそういうやつのこと?」

そう思ったかもしれませんね。

でも、ここで言う肩書は、そういう役職をあらわすものではありません。

ここで言う肩書とは、自分が何屋さんなのか?を端的に示す言葉のことです。

「何屋さんなのか?」を端的に示す言葉といっても、

 

  • ネジ製造業
  • システム販売業
  • 花屋
  • 清掃業 

 

などのように、単に業種をあらわすものになってしまってはいけません。

そうではなくて、

『だれに、どのように、役に立つのか』が伝わるようにする必要があります。

ひとつ、事例を挙げてみます。

A社の事例です。

「清掃業」を営むA社は、これまで、ビルや飲食店を顧客としていましたが、

あらたに、介護施設を顧客として開拓するために、

介護系の展示会に出展することにしましょう、

その際、肩書を、単に「掃除屋さん」としてはもったいないです。

では、A社は、どういう肩書にしたのでしょうか?

A社は、「介護施設うるおいサポーター」という肩書にしたのです。

肩書をつくる前に、出展コンセプトを練り上げることが重要です。

A社は、

『介護施設に対して、

 ノロウィルスやインフルエンザの発生を防ぎ、

 安心・安全・快適な環境を提供する』

という出展コンセプトを策定しました。

 

そして、その出展コンセプトを体現するわかりやすい言葉として、

自分たちを「介護施設うるおいサポーター」と名付けたのです。

 

 

そうすると、あるおもしろい変化が起こります。

「介護施設うるおいサポーター」という肩書をつけるということは、

「介護施設うるおいサポーター」と自ら名乗ったり、呼ばれたりすることになります。

最初は、名乗った時に照れくさかったり、呼ばれ方に違和感を感じたりするでしょうね。

しかも「介護施設うるおいサポーター」ですから、

そうじのことだけ話をしているわけにはいきません。

時にはわからないことを聞かれて焦ることもあるでしょう。

でも、そういったことを繰り返すうちに少しずつ慣れてきます。

そして、だんだん、この「介護施設うるおいサポーター」という響きが、

自分をあらわす言葉としてしっくりくるようになるのです。

そうなればしめたものです。

「介護施設うるおいサポーター」としてふさわしい

  • 手洗いのポイント
  • うがいのコツ
  • 消毒をする時の注意点
  • 注意喚起のポスターに記載する内容

 

などを自ら進んで教えているはずです。

 

もしかしたら、教える内容は、

このような自社商材である清掃に関連する内容だけにとどまらないかもしれません。

『うるおい』という言葉から派生して、

  • 介護施設の人間関係にうるおいをもたらす挨拶の仕方とか
  • 入居している高齢者の生活がうるおうお花や絵画の配置の仕方

 

などにまで踏み込んで情報提供する人が出てくるかもしれません。

自らの肩書を「介護施設うるおいサポーター」とすることによって、

自分自身のセルフイメージが高まって自然と教える人になっていくのです。

 

あなたも、コロナ後の展示会出展をきっかけに、

出展コンセプトに基づく新たな肩書をつくってみてください。

 

コロナ後の展示会で教える人になる肩書をつくる3つのポイント

 

では、肩書はどのようにして作ればよいのでしょうか?

せっかくですから実効性のある肩書をつくりたいですね。

そのためのポイントは3つあります。

コロナ後の展示会で重要な肩書のポイント1

 

ひとつ目のポイントは文字数です。文字数が長すぎてはいけません。

13文字以内を目安にしてください。

わたしたち人間の目と脳は、

13文字までなら読むという感覚でなく見るだけで意味を判別できると言われています。

だからでしょうね。

あの有名なヤフーニュースの見出しも13文字(成果には13.5文字)です。

あなたも13文字以内の肩書をつくりましょう。

 

コロナ後の展示会で重要な肩書のポイント2

ふたつ目のポイントは、「専門領域 (+メリット)+一般名称」で考えるということです。

「+メリット」がカッコ付きになっているのは、

メリットを加えることよりも、文字数を13文字にすることの方が優先だからです。

肩書におけるメリットは文字数が13文字に収まる場合のみ追加しましょう。

専門領域は、出展コンセプトを一言で集約した言葉にします。

「展示会で出会いたい相手」の業種や業界名をそのまま記載してもよいかもしれません。

前述のA社の場合は、この部分が「介護施設」になりました。

そして、一般名称は、

  • アドバイザー
  • サポーター
  • パートナー
  • コンサルタント
  • コーチ
  • コンシェルジュ

 

などのように専門家をイメージさせる言葉にするとよいでしょう。

A社の場合は、「サポーター」になりました。

この専門領域 + 一般名称 をつなげた言葉が、

文字数13文字に対して余裕がある場合はさらにメリットを加えるとよいでしょう。

A社の場合は、「専門領域 + 一般名称」 =「介護施設サポーター」とすると9文字になり、

まだ6文字余裕があったので、相手方に提供できるメリットを追記することにしました。

メリットは、

「介護施設の入所者さんやヘルパーさんたちがイキイキと暮らすことをサポートする」という未来をイメージして

「うるおい」としました。

そして、「介護施設うるおいサポーター」という肩書が決まったのです。

 

コロナ後の展示会で重要な肩書のポイント3

 

最後のポイントは、検証をすることです。

ポイント1、ポイント2を踏まえて考えたた肩書はまだ仮説でしかありません。

この肩書が本当に有効なものなのかどうかを検証しましょう。

検証には自社視点での検証と顧客目線での検証の2つがあります。

まずは、自社視点での検証をしましょう。

つくった肩書が、セルフイメージを高め、

提供する情報の幅を広げるようなものになっているか?を検証します。

それをクリアしたら、次に、顧客目線での検証をします。

肩書を顧客が聞いた時に、

「おっ!うちにとって役に立ちそうだぞ」

とか

「あっ!なんかもっと詳しく話を聞いてみたい」

と思うようなものになっているか?を検証していきましょう。

 

コロナ後の展示会の参考になる寓話

 

ところで、あなたは、石を積む職人の寓話をご存知でしょうか?

ドラッガーがマネジメントで取り上げているのでご存知の方も多いかもしれませんね。

こんなお話です。

 

旅人が、ある村で建設現場に通りかかりました。

旅人はそこにいた職人に、

「何をしているのですか?」と聞きました。

するとある職人は、

「この仕事で生計を立てているんだよ。食べていくためさ。」

と答えました。

二人目の職人は、

「見れば分かるだろう。石を積んでいるんだ。上手く積むためには技術がいるのさ」

と返答しました。

旅人は、三人目の職人にも同じように質問しました。

するとその職人は、

「わたしは素晴らしい教会を作っているのです。この場所は多くの人の心の安らぎになるのです。」

と答えたのです。

 

この寓話は示唆に富んでいます。

石を積むという同じ行為でも、自分を何者と捉えるかによって、

その意味付けが大きく変わってくるのです。

自分を、生活のために仕方なく石を積んでいる人間だと考えると、

それ以上の発展は全くありません。

自分を、石を積むプロフェッショナルと考えると、

石を積む技術についての研鑽が進むでしょう。

これはこれで立派なことだと思いますが、

さらにもう一歩踏み込みたいのです。

自分を、教会を作るために石を積んでいる人だ、と捉えると、

皆が集う教会の土台になるのにふさわしい石の積み方はどのようなものだろう?と考えるでしょうね。

さらには、心に安らぎをもたらす建築設計とはどういうものだろうか、

と言うことにまで思いを馳せるかもしれません。

 

わたしたちの仕事も同じなのです。

自分を何者ととらえるかによって、

わたしたちの思考や行動は大きく変わります。

しかし、それはセルフイメージを変えることですから、

簡単ではありません。

だからこそ、肩書として設定し、名刺にも記載し、日々名乗ったり、呼ばれたりすることで、

じわじわと浸透させていくことが重要なのです。

あなたもぜひ、コロナ後の展示会出展をよいきっかけとして、

セルフイメージを変える肩書を作ってほしいと思います。

まとめ コロナ後の展示会で成果を出す!

 

書いているうちについ熱がこもって、本質の話になっちゃいました。

コロナ後の展示会では、

 

  1. 売り込むのではなく「教える」
  2. 「教える」人になるために、出展コンセプトに基づく新しい「肩書」をつくる

 

ということを肝に銘じながら、出展準備を進めていきましょう。

 

別の機会に『コロナ後の展示会 テクニック編』もお伝えしようと思います。

ご期待ください。    

 

          

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