先日、ある企業に伺っていた時、若手の営業マンが悩みを打ち明けるようにこう言いました。
「実は・・・おれ、うちの商品がいいと思えないんです。。。」
こんにちは!展示会営業コンサルタントの清永健一です。
「自社商品に惚れ込め!」
声の大きな社長や営業部長に、このように言われたらほとんどの営業マンは、
その場では「はい!惚れ込んでます!」と答えざるを得ないのではないでしょうか?
本当に「うちの商品は、最高だ。どこにも負けない」と思うなら、
「はい。惚れ込んでます!」と自信を持って答えればよいでしょう。
でも、現実には、腹の底では
「もっと、ここを改善してほしい」
「競合の方が優れている」
と思っている場合が多いのではないでしょうか?
そもそも商品に惚れ込んでしまうと、あばたもえくぼの状態となってしまいます。恋愛ならよいのですが、ビジネスでは「あばたはあばた」でなければいけません。
「あばたもえくぼ」では、客観的に自社商品を見ることができなくなってしまうからです。
営業マンが取るべき正しい姿勢は、「惚れ込めるものにする」こと。
自社商品に惚れ込もうと思っても、現実に「競合よりも商品力が劣っている」というケースがあります。
だから顧客からは、
「ここを改善してほしい」
「競合の商品は、こんな便利な機能がついている」
「もっと安くしてほしい」
という声が上がってきます。
ここが、営業マンの腕の見せどころです。
もし競合よりも商品力が劣っていれば、当面は、営業マンの努力でカバーするしかありません。
足繁く通って人間関係を構築したり、メンテナンスやサポートサービスなどの付加価値を
付けたりして挽回することもできるでしょう。
優秀な営業マンほど、このような「サポート価値」を顧客に提供しているものです。
しかし、そうした努力もいずれ限界が訪れます。
根本的な商品力が劣っていれば、
いつ競合に食い込まれてもおかしくありません。
清永の経験則で言えば、営業マンによる「サポート価値」で商品力の不足をカバーできるのは、
2年が限界です。
これは、裏を返せば、商品の寿命を2年も延ばせるということでもあります。
つまり、人間関係やサポートで売れているうちに、
企業として商品改良を行って商品力を高めれば、顧客をつなぎとめることができるのです。
そして、顧客からの改善要望やクレームを自社の開発部門にフィードバックすることで
商品改良を加速させるのも営業マンの役目です。
営業マンは、前線で顧客の声をダイレクトに聞くことができます。
顧客の生の声や声なき声をキャッチして社内に商品改良のネタを提供する役割を担えるのは
営業部門をおいて他にありません。
そうです。
営業マンこそが
商品改良の先頭に立つべきなのです。