展示会で名刺を集めたものの、その後のフォローで何を話せばよいか分からず、電話をかけるのが後回しになっていないでしょうか。
展示会は「名刺を獲得して終了」ではありません。ブースで交わした会話を、後日の商談・案件へつなげて初めて営業活動として意味を持ちます。そのために有効なのが、展示会後のアポ取り電話です。
ただし、名刺交換した相手全員へ同じ内容で電話をかければよいわけではありません。展示会で何を話したのか、相手は何に反応したのか、自社が本当に役立てそうかを確認し、相手ごとに電話の目的を変える必要があります。
本記事では、展示会で獲得した名刺へのアポ取り電話について、準備、電話のタイミング、受付突破、本人との会話、断られた場合の対応、電話後のフォローまで、すぐ使えるトークスクリプトとともに解説します。
※展示会で成果を出したい方は、展示会を失敗させないセミナーもご活用ください。
清永健一の結論
展示会後のアポ取り電話で大切なのは、「名刺をもらったから売り込む」ことではありません。
ブースで交わした会話を思い出してもらい、「御社のこの課題なら当社がお役に立てそうです」と、相手にとって電話を受ける意味を明確にすることです。
名刺を営業リストとして扱うのではなく、展示会で始まった会話の続きをする。これが展示会後フォローの基本です。
展示会白書のデータ
来場者1,089名に理想的な展示会後フォローを尋ねると、最多は「ブースで話した内容を踏まえた提案や情報提供があること」56.3%でした。続いて、「自社の状況にあわせてカスタマイズされた事例の提供」38.9%、「継続的に役立つ情報の提供」32.4%です。電話の目的は、自社の売りたい内容を一方的に話すことではなく、ブースでの会話を引き継いで相手に役立つ次の一歩を提案することです。
展示会後のフォローアップはなぜ重要か
展示会で名刺交換した相手は、少なくとも一度は自社ブースに立ち寄り、商品・サービス・技術のいずれかに接点を持った相手です。しかし、展示会では来場者も多くのブースを回っています。そのため、数日たつと「どの会社で何を話したのか」が曖昧になります。
だからこそ、展示会後はブースでの記憶が残っているうちにフォローすることが重要です。
ただし、「早ければ早いほどよい」と考えて、会話内容を確認せず一斉に電話するのは逆効果です。スピードと同じくらい、相手ごとに会話を引き継ぐ準備が必要です。
展示会白書では、理想のフォローについて「展示会翌日~3日以内のタイミングで連絡がくること」を挙げた来場者が25.0%いました。つまり、数週間放置するのではなく、早い段階で相手に合ったフォローを行うことが求められています。
電話をかける前に「誰に電話するか」を決める
アポ取り電話は、電話をかける直前のトークより、その前の仕分けで成果が変わります。
まず、獲得した名刺を整理し、次の情報を確認してください。
- 会社名、部署、役職
- 携帯電話番号の有無
- ブースで何を話したか
- 相手がどの商品・テーマに関心を持ったか
- 相手が話していた課題
- こちらから約束したこと
- 自社が役立てる可能性があるか
- 電話で何を確認したいか
特に重要なのは、最後の2点です。
従来の営業では「買いそうかどうか」で見込み客をランク分けする考え方があります。しかし展示会では、まず「自社がこの相手に役立てるか」を基準にしてください。
明らかに役立てそうな相手には電話をする。まだ判断できない相手には、資料や事例を送りながら必要な情報を確認する。今回は役立ちにくい相手なら、無理に追わない。この仕分けをしてから電話へ進みます。
名刺だけでなく「会話データ」を残す
展示会後のフォローで最も困るのは、「名刺はあるが、何を話したか分からない」という状態です。
名刺は会社名、氏名、役職、連絡先しか教えてくれません。アポ取り電話で本当に使えるのは、
- 何に興味を持ったか
- 何に困っていたか
- どんな質問をされたか
- 何を約束したか
- 誰に相談しているのか
といった会話データです。
展示会当日から、名刺の裏、CRM、名刺管理システム、スプレッドシートなどに短く残す習慣をつくってください。
展示会後のアポ取り電話|基本トークスクリプト
電話では、長い会社説明から始める必要はありません。基本の流れは次の5段階です。
- 展示会で会ったことを思い出してもらう
- ブースで話した内容を一言入れる
- なぜ今回電話したのかを伝える
- 相手にとってのメリットを示す
- 具体的な次の日程を提案する
会話の型を用意しておくと、担当者ごとのばらつきを減らせます。ただし、一字一句を丸暗記する必要はありません。相手との会話を優先してください。
携帯電話番号がある場合
携帯電話番号が名刺に記載されている場合は、本人へ直接つながる可能性があります。
本人が出た場合は、次のような流れが使えます。
「〇〇社の△△です。先日の〇〇展ではありがとうございました。
ブースで、御社が『〇〇の工程で人手がかかっている』というお話をされていましたよね。
その件で、御社に近い事例がありまして、お役に立てそうだと思いお電話しました。
一度30分ほど、事例を見ていただきながらご説明できればと思っています。
〇月〇日か〇月〇日でしたら、どちらがご都合よろしいでしょうか?」
ポイントは「展示会でありがとうございました」だけで終わらず、その人と実際に話した内容を一言入れることです。
相手が「確かにその話をした」と思い出せれば、電話は単なる新規テレアポではなく「展示会で始まった会話の続き」になります。
留守番電話になった場合
留守番電話には長い営業メッセージを残さず、誰から、どの展示会の件で、また連絡することだけを簡潔に残します。
「〇〇社の△△です。先日の〇〇展でお話しさせていただき、ありがとうございました。
展示会でお話しした〇〇の件でご連絡しました。また改めてお電話いたします。よろしくお願いいたします。」
会社の代表電話へかける場合
携帯番号がない場合は、代表電話から取り次いでもらいます。
ここでも大切なのは、単なる新規営業ではなく、展示会で本人と会っていることを受付に伝えることです。
「〇〇社の△△と申します。先日の〇〇展で□□様とお話しさせていただいた件でお電話しました。□□様をお願いできますでしょうか。」
展示会場で「後日電話します」と具体的に伝えていた場合は、その事実を受付にも伝えます。
ただし、実際には約束していないのに「本人から電話するよう指示された」と言うのは避けてください。受付突破のために事実と異なる説明をするより、展示会で面談した事実を正確に伝える方が長期的な信頼につながります。
本人が不在だった場合
不在時には、何度も無計画にかけ直すのではなく、戻り時間や次に連絡しやすい時間帯を確認します。
「ありがとうございます。では改めてお電話いたします。差し支えなければ、何時ごろお戻りのご予定でしょうか。〇〇社の△△から展示会の件で電話があった旨だけお伝えいただけますと幸いです。」
アポ取り電話で話すべきは「反響」より「相手との関係」
営業トークでは、「多くの会社から問い合わせが来ています」「反響があります」といった社会的証明を使う方法があります。実際にその事実があるなら、補助材料として伝えることはできます。
ただし、それを主役にする必要はありません。
展示会後の電話で相手が最も知りたいのは、「なぜ自分に電話してきたのか」です。
「他社から人気だから」ではなく、
「展示会で御社の〇〇という課題を聞き、その課題に近い事例があるので連絡しました」
と言う方が、相手にとって電話の意味が明確になります。
アポ取り電話は、売り手の勢いを伝える場ではなく、相手との接点を具体化する場だと考えてください。
展示会白書のデータ
展示会後フォローで不満・ストレスを感じた来場者780名に具体的な内容を尋ねると、「ブースで話した内容と無関係な営業をされた」50.6%が最多でした。続いて、「名刺交換しただけなのに強引な売り込みをされた」43.2%、「興味のない製品・サービスのメールが大量に届いた」40.4%です。アポ取り電話でも、ブースでの会話を無視した売り込みは避ける必要があります。
受付突破は「すでに面識がある事実」を正確に伝える
会社の代表電話へかける場合、最初の壁になるのが受付です。現行原稿でも、単なる新規営業電話ではなく、展示会で実際に本人と面談したことを伝える点を重視していました。この考え方はそのまま活かすべきです。
たとえば、
「先日の〇〇展示会で、□□様とお話しさせていただいた〇〇社の△△と申します。展示会でお話しした件でご連絡しました。□□様はいらっしゃいますでしょうか。」
と伝えれば、まったく面識のないテレアポとは違うことが分かります。
重要なのは、実際にあった事実を使うことです。展示会で本人から「後日電話してください」と言われているなら、その約束を受付にも伝えて構いません。
「先日の〇〇展示会で□□様とお話しした際に、後日こちらの番号へ連絡するようお話しいただきましたので、お電話しております。」
一方で、実際にはその約束をしていないのに「電話するよう指示された」と言って取り次いでもらうのは避けます。受付突破の一瞬だけうまくいっても、本人との信頼を失えば展示会フォローとしては逆効果です。
本人が不在であれば、戻り時間を確認し、
「では改めます。差し支えなければ、何時ごろお戻りでしょうか。〇〇社の△△から、先日の展示会の件で電話があった旨だけお伝えいただけますと幸いです。」
と伝えます。受付の人に商品の説明まで長くする必要はありません。「展示会で面識がある」「何の件で電話したか」の2点が伝われば十分です。
本人につながったら「なぜあなたに電話したのか」を最初に伝える
現行原稿では、本人につながったときに「先日の展示会ではありがとうございました」「思った以上に反響があった」「30分ほど説明させてほしい」「御社のお客様なら役に立てると思う」と進めるトークを紹介していました。
この流れの中で、特に残すべきなのは、展示会での面識を思い出してもらうこと、相手に役立てる理由を具体的に示すこと、面談時間と候補日時を具体化することです。
たとえば次のように組み立てます。
「〇〇社の△△です。先日の〇〇展示会ではありがとうございました。
ブースで、御社のお客様は〇〇のような企業が多いとお話しされていましたよね。
その後、同じような企業で使われた事例を整理してみたところ、御社にもお役に立てそうだと思いましてお電話しました。
30分ほどで事例をご説明したいのですが、〇月〇日の〇時はいかがでしょうか。」
「御社にも役立つと思う」と伝えるだけでは弱いので、展示会で聞いた顧客層、用途、困りごとなどの具体情報を1つ入れます。これによって、「誰にでも同じ電話をしているのではない」と伝わります。
「反響があった」という社会的証明を使うなら事実だけを使う
現行原稿では、「うれしいことに、先日の展示会で思った以上に反響がありまして、『説明に来てくれ』とのご希望をたくさんいただいております」と伝え、他社も興味を持っていることを示すトークを紹介していました。
これは、実際にその反響があった場合には使えます。たとえば、
「展示会後、同じテーマについて複数社からご相談をいただいています。〇〇様からも会場で同じ課題を伺っていたので、参考になる事例を共有したいと思いました。」
のように、事実を補助材料として使います。
ただし、反響を盛って人気を演出する必要はありません。展示会後の電話で最も強い材料は「多くの企業が興味を持っていること」ではなく、目の前の相手が会場で話した課題に、自社がどう役立てるかです。
日程は「いつがいいですか?」ではなく具体的に提示する
本人が話を聞く意思を示したら、その場で候補日時を提示します。
「いつがよろしいでしょうか」と相手に丸投げするより、
「30分ほどでご説明できます。たとえば〇月〇日の14時か、〇月〇日の10時でしたらいかがでしょうか。」
と具体的に提示する方が、相手は予定を確認しやすくなります。最初の候補が難しければ、別候補を出します。
ただし、相手が「今は面談までは必要ない」と言っているのに、候補日を何度も押し続けてはいけません。その場合は、資料送付、事例送付、後日の連絡許可など、相手の温度感に合った次の一歩へ切り替えます。
電話をかけるタイミング
展示会後のフォローは、相手がブースでの会話を覚えているうちに行います。
目安としては、展示会終了後の翌日~数日以内に最初の連絡を入れます。展示会白書でも、理想的なフォローとして「展示会翌日~3日以内のタイミングで連絡がくること」を挙げた来場者が25.0%いました。
ただし、すべての相手に電話をかける必要はありません。会場で「資料を送ります」と約束したならまず資料を送り、「来週こちらから電話します」と約束したなら約束したタイミングで電話します。
連絡手段も、電話だけに固定しないでください。ブースでの会話と相手の状況に応じて、
- 電話
- 個別メール
- 資料送付
- サンプル送付
- 技術回答
- オンライン面談
を使い分けます。
電話する時間帯は相手の業種に合わせる
電話時間に絶対的な正解はありません。一般的なオフィスワーカーなら始業直後や昼休み、終業間際は避けた方がつながりやすい場合がありますが、業界・職種によって事情は大きく異なります。
経営者、工場責任者、店舗責任者、医療関係者など、仕事のリズムはそれぞれ違います。展示会での会話から相手の働き方を想像し、迷惑になりにくい時間帯を選びます。
「とにかく朝早くなら社長につながる」といった一律の考え方ではなく、相手への配慮を優先してください。
「24~48時間以内」を絶対ルールにしない
現行原稿では、「理想は展示会終了後24~48時間以内」「遅くとも1週間以内」という目安を示していました。確かに、展示会での記憶が残っているうちに連絡する考え方は重要です。
一方で、「48時間を過ぎたら成果が大きく落ちる」と一律に断定できる根拠は、この記事内では示されていません。そこで、時間だけを絶対ルールにするのではなく、会場で何を約束したかを最優先にしてください。
- 「明日、資料を送ります」と約束した → 翌日に送る
- 「来週電話します」と約束した → 来週電話する
- 「技術担当に確認して回答します」と約束した → 回答準備後すぐ連絡する
- 具体的な約束がない → 記憶が薄れないうちに早めに連絡する
つまり、速さは大切ですが、速さより約束を守ること、内容を合わせることが優先です。
電話時間は10時~11時30分、14時~16時を一つの目安にする
現行原稿では、一般的なオフィスワーカーへの架電時間として10時~11時30分、14時~16時を例示し、朝の始業直後、昼休み、終業間際は避けるという考え方を紹介していました。
これは一つの目安として使えますが、相手の業界・職種によって事情は変わります。工場責任者なら朝一番が忙しい、店舗責任者なら昼前後がピーク、経営者なら日中は外出が多い、といった違いがあります。
また、現行原稿には「中小企業の比較的高齢の社長なら朝7時30分にかけてみる」という例もありましたが、これは相手との関係や勤務状況を把握している場合の特殊例として考えるべきです。展示会で一度名刺交換しただけの相手へ早朝に電話することを一般ルールにはしません。
「つながりやすさ」よりも、相手が落ち着いて話せる可能性が高い時間を選ぶという考え方が基本です。
よくある断り文句への対応
アポ取り電話では、断られることがあります。そこで無理に押し返すのではなく、相手の意思を尊重しながら、必要なら次の接点だけ残します。
「忙しいので時間がありません」
忙しい相手に対して、すぐ「30分だけ」と押し続けると負担になります。
まずは、
「承知しました。展示会でお話しした〇〇に関する事例だけメールでお送りします。ご覧いただいて、必要でしたら改めてお時間をいただければと思います。」
と、相手のペースを尊重する方法があります。
「資料を送ってください」
これは断り文句の場合もあれば、本当に資料を見てから判断したい場合もあります。無理に面談へ引き戻すのではなく、何に関する資料が必要かを確認します。
「かしこまりました。展示会でお話しした〇〇の事例と、△△の比較表をお送りします。どちらを特に詳しくご覧になりたいですか?」
これなら、資料送付そのものが次の会話になります。
「検討します」
「検討します」と言われたら、何を検討するのか、次にいつ連絡してよいかを確認できれば十分です。
「ありがとうございます。では、まず事例をお送りします。社内でご覧いただいた後、〇月〇日ごろに一度状況を伺ってもよろしいでしょうか。」
電話後のフォローアップ
電話をしたら、その結果を必ず記録します。
- 電話した日時
- つながったかどうか
- 相手が話した内容
- 新たに分かった課題
- 送ると約束した資料
- 次回の連絡日
- アポ日時
- 担当者
アポイントが取れた場合は、すぐに確認メールを送り、日時、方法、参加者、当日話す内容を明確にします。
アポイントにならなかった場合も、「資料送付」「数週間後に再連絡」「メルマガで情報提供」「今回は追わない」など、次の扱いを決めます。
電話をした事実だけ残すのではなく、相手との関係が一歩どう進んだかを記録してください。
アポ取り電話の成功率を高めるのは「電話本数」より会話の質
展示会後の電話では、すべての名刺からアポイントが取れるわけではありません。
大切なのは「100件電話した」「30件つながった」という活動量だけではなく、
- 本当に自社が役立てる相手へ電話したか
- ブースでの会話を引き継げたか
- 相手の課題をもう一段深く聞けたか
- 次の一歩を具体化できたか
- 商談・案件まで追跡できているか
です。
展示会白書のデータ
展示会でリードを獲得した出展者529名に、実際に商談につながった割合を尋ねると、最多は「10~29%」31.8%でした。次いで、「30~49%」26.3%、「5~9%」18.3%です。展示会後の成果は、電話本数だけでなく、最終的に何件が商談へ進んだかまで追う必要があります。
「アポ率20~30%」という数字だけを目標にしない
現行原稿では、「一般的に、展示会後のフォローアップでアポイントが取れる確率は20~30%程度と言われている」という記述がありました。
ただし、このページ内には、その20~30%という数字の調査対象・業界・商材・電話対象の選び方などの根拠が示されていません。そのため、これを自社の標準値として追いかけるのはおすすめしません。
展示会後の成果は、商材単価、検討期間、来場者属性、ブースでの会話の深さ、次回アポの取り方によって大きく変わります。
むしろ、自社では次の数字を継続的に記録してください。
- フォロー対象と判断した名刺数
- 電話した件数
- 本人と会話できた件数
- 資料・サンプル・回答など次の一歩が決まった件数
- 次回アポ件数
- 商談化件数
- 案件化件数
- 見積提出件数
- 受注件数・受注金額
この数字を展示会ごとに比較すれば、「自社にとってどのフォローが効いているか」が分かります。
断られることを恐れず、ただし追いかけすぎない
現行原稿では、アポ取り電話の心構えとして「断られることを恐れないこと」「数をこなすことでスキルが上がること」を挙げていました。この考え方は重要です。
展示会で名刺交換したからといって、全員が面談を希望するわけではありません。情報収集中の人、たまたまブースに立ち寄った人、すでに別の方法で課題が解決している人もいます。
そのため、一度断られたことを失敗だと考える必要はありません。
一方で、「断られても諦めず何度も電話する」という意味でもありません。
相手が、
- 今は不要と言っているのか
- 時期が合わないだけなのか
- 資料を見てから判断したいのか
- 別の担当者が適任なのか
- 自社ではそもそも役立ちにくいのか
を見極め、必要以上に追わないことも営業品質の一つです。
電話を重ねるほど「自然な会話」はつくりやすくなる
初めて展示会後の電話をかける人は、スクリプトを読むだけで精一杯になることがあります。しかし、何本か電話すると、相手の反応パターンが分かり、どこで質問すればよいか、どこで説明を止めればよいかが見えてきます。
そのため、展示会フォローを一人のベテランだけに任せず、チームでトークを共有し、
- どの第一声で思い出してもらえたか
- どんな断り文句が多かったか
- どんな資料を求められたか
- どの話題からアポにつながったか
を共有すると、次の電話から改善できます。
電話をかけた日時、相手の反応、次回のアクション予定は、CRMやスプレッドシートなどへ必ず残してください。展示会フォローを個人の記憶だけに依存させないことが重要です。
アポ取り電話でやってはいけない7つのこと
1.名刺をもらった人全員へ同じ内容で電話する
相手の関心・課題を無視した一斉営業になりやすくなります。まず自社が役立てる相手かを確認します。
2.展示会で話していない商品を突然売り込む
電話はブースで始まった会話の続きです。別商品を提案するなら、相手の課題との関連を説明してください。
3.受付突破のために事実と異なる説明をする
「本人から電話するよう言われた」など、実際に約束していないことを言うのは避けます。
4.断られたらすぐ押し返す
忙しい、資料だけ欲しい、まだ検討段階など、相手の状況を尊重します。
5.アポだけをゴールにする
資料送付や技術回答など、その時点で相手に合った次の一歩も立派な成果です。
6.電話結果を記録しない
次回担当者が同じ質問を繰り返す原因になります。CRM等へ会話内容を残します。
7.取れたアポ数だけで展示会成果を判断する
その後の商談、案件、見積、受注まで追跡します。
展示会後アポ取り電話のチェックリスト
- ブースで話した内容を確認したか
- 相手が興味を示したテーマが分かるか
- 自社が役立てる可能性を確認したか
- 今回電話する理由を一言で説明できるか
- 相手にとってのメリットを伝えられるか
- 具体的な次の行動を提案できるか
- 携帯・代表電話それぞれのトークを用意したか
- 不在時の対応を決めたか
- 断られた場合の代替案を用意したか
- 電話結果を記録する場所を決めたか
- 商談化・案件化まで追跡する仕組みがあるか
展示会後のアポ取り電話に関するよくある質問
展示会後はいつ電話すればよいですか?
相手との約束があれば、その約束を優先します。約束がない場合も、会話を覚えているうちに早めに連絡します。ただし、一斉架電ではなく、会話内容を確認してから行ってください。
名刺交換した全員に電話するべきですか?
いいえ。自社が役立てる可能性、相手の関心、会場での会話内容を基準に優先順位をつけます。
携帯番号が書いてあれば必ず携帯へ電話すべきですか?
本人へ直接つながりやすい点では便利ですが、展示会での会話や相手との関係を考慮してください。メールの方が自然な相手もいます。
電話でアポが取れなかったら失敗ですか?
失敗とは限りません。資料送付、サンプル、技術回答、後日の再連絡など、相手に合った次の一歩が決まれば関係は前進しています。
何度まで電話してよいですか?
一律の回数ではなく、相手の反応を基準にします。「必要になったら連絡します」と明確に言われた相手へ何度も電話するのは避けます。
電話とメールはどちらがよいですか?
目的によります。短く状況を確認して日程を決めたいなら電話、資料や事例を届けたいならメールが適しています。両方を組み合わせても構いません。
展示会後のアポ取り電話で押さえる6つの実践ポイント
ここまでの内容を、現行原稿で示していたポイントを踏まえて整理すると、次の6点になります。
- できるだけ早くフォローする
ただし、速度よりも会場での約束と会話内容を優先します。 - 携帯番号の有無で連絡ルートを変える
携帯なら本人へ直接、代表電話なら展示会で面談した事実を受付へ伝えます。 - 展示会での会話を思い出してもらう
商品名だけでなく、「〇〇で困っているとお話しされていましたね」と具体化します。 - 具体的な次の行動を提案する
「またお願いします」ではなく、資料送付、技術回答、30分面談など次を明確にします。 - 相手の立場と課題を理解して話す
自社が売りたい商品ではなく、相手の課題に関係する情報だけを使います。 - 適切に継続し、商談以降まで追跡する
一度で決まらなくても、相手の意思を尊重しながら必要な接点を残し、商談・案件・受注まで追います。
「まず1本電話してみる」という現行原稿の姿勢も大切です。ただし、その1本を単なる営業電話にせず、展示会で始まった関係を次へ進める電話にしてください。
展示会後のアポ取り電話は「営業電話」ではなく「ブースで始まった会話の続き」
展示会後のアポ取り電話で最も重要なのは、電話技術そのものではありません。
展示会で何を話したかを残す → 自社が役立てる相手を見極める → 会話内容を踏まえて連絡する → 相手に合った次の一歩を提案する → 商談・案件まで追跡する
という一連の流れをつくることです。
名刺を「電話するリスト」に変えるのではなく、展示会で得た会話を「次に役立てる情報」に変えてください。
展示会を単発で終わらせず、準備・当日・フォローまで一気通貫で成果を出す方法は、展示会成功の強化書で体系的に解説しています。
この記事で引用した調査結果の全体は、展示会白書で無料公開しています。
展示会で成果を出すコツを知りたい方へ
展示会後のアポ取りまで含めて成果につなげたい方は、展示会を失敗させないセミナーをご活用ください。

展示会営業(R)コンサルタント。経済産業大臣登録中小企業診断士。詳細はウィキペディアご参照。
展示会をテーマとした著書5冊を含む合計7冊を執筆し、すべてAmazon部門1位を獲得している。執筆書籍は、すべてamazon部門1位を獲得しており、「日経MJ」、「NHKラジオ総合第一」他、多くのメディアで取材を受けている。1300社を超える展示会出展支援経験に基づく実践的なアドバイスが好評を博している。ほぼ毎週、東京ビッグサイトに出没する自称 展示会オタク。
