「もう疲れた。」
学生時代の友人と久しぶりに会いました。
彼はつぶやきました。
「営業っていう仕事が本当に嫌になった。
社外でお客さんに頭を下げて、
社内でも製造部門とか経理部門に頭を下げまくって、、、
毎日数字目標に追われて、、、もう疲れた。」
こんにちは!展示会営業Ⓡコンサルタントの清永健一です。
清永には、仕事柄、‘営業’について議論する機会が
多くあります。
時には営業部門以外の方とも議論します。
企画スタッフ部門や開発製造部門の方は
「うちの営業はだめだ」とか
「あいつらのやることは適当で言い訳ばっかり一人前だ」などと
厳しいことを仰ったりもします。
清永は、涼しい顔をして聞いていますが、
実は、、、とても腹を立てていたりします。
清永は営業マン、営業マネージャー、営業コンサルと
一貫して営業畑を歩んできました。
良くも悪くも心情的に、営業マンの味方なのです。
そういう声に対して、営業部門が反論する会社はまだ健全です。
部門間に摩擦があるのは当然、
大いに喧嘩しながら
顧客満足を高めるために
摩擦を乗り越えていってくれればいいと思います。
しかし、営業マン自身が、
「そうさ、どうせオレたち、お客様の言いなりだもん」とか、
「おれの説明より
うちのホームページの動画の方が分かりやすいしね」と
しょんぼりしている姿を見ると
とてもとても悲しい気持ちになります。
‘営業’という言葉から3つのことを連想します。
①営業の仕事は商品の「売り込み」だ。
②外回りの営業は本社の「手足」だ。
③「見た目」や「話し方」が成功の秘訣だ。
よく営業では「顧客満足」や
「お客様志向が大切だ」と言われます。
それは言い換えれば
「顧客が不満足なことはしない」、
「顧客の立場で物事を考える」という意味でしょう。
「売り手の都合」による押しかけ・押し付け・押し込みは
「買い手の事情」を無視した独りよがりです。
「売り込み」が通用するほど、お客様は甘くありません。
営業はただ「商品を売る」だけの仕事ではありません。
お客様が自社の商品やサービスと直接接する「購買接点」であり、
さまざまな要望を受ける役目なのです。
どんなに商品が優れていても、
営業マンに対するお客様の評価が低ければ
商品が売れることはありません。
営業マンは本社の「手足」ではないのです。
書店に並ぶセールステクニック本には、
身だしなみや笑顔などの「見た目が重要」だとか
「こう話せば成功する」といったハウツーが示されています。
ハウツーは確かに大切でしょうが、
それだけに頼っていては成功しません。
見た目や話術はそこそこでも
大きな成果を上げる営業マンがあなたの近くにもいると思います。
その多くは「まじめだ」とか「親身になって考えてくれる」という評価を
お客様から受けているはずです。
清永は、顧客が購入を決断する最も大切な基準は
2点だと考えます。
①その商品が本当に自社の役に立つのか?
②その会社や担当者が親身になってくれる味方なのか?
そうなると、一方的な「売り込み」営業はもちろん、
注文を取るために頭を下げるだけの「お願い」営業や
日ごろの付き合いで数字が稼げると思う「御用聞き」営業では通用しません。
「こんな方法はどうでしょうか?」と提案し、
お客様とともに悩みつつ課題解決を図る協働作業者、
すなわちパートナー型営業マンが、
今まさにお客様から待望されているのです。
従来から営業マンには、3つの『込み』が必要だと言われてきました。
・聞き込み(顧客の不満や要望をゆっくり聞き出す)
・話し込み(じっくり意見交換しながら解決策を考える)
・惹き込み(ファンになっていただく)
パートナー型営業マンには、
さらに、もう一つ、『巻き込み』が必要です。
自社の提示した商品に対して
「もっと改良できないか?」という宿題が出た際に、
「うちには無理です」と返せば商談は成立しません。
ここで大切なのは
「ご要望に近づけるように社内で智恵を絞ってみます」と即答し、
社長や上司、関連部門を巻き込んで改善策を考えるための
コーディネータ役を担うことです。
会社の技術力や連携力を総動員して
顧客の期待に近づくことができれば、
営業マンにとってこれ以上ない最高のやりがいとなるはずです。
清永は、現在ほど、営業マンが主役となり得る時代はない、
と考えています。
今こそ営業マンという存在を再定義し、復権しましょう!