展示会の案内状で抑えるべきマナーは?工夫ポイントや例文も解説

展示会の告知のための案内状は、自社の商品やサービスに関心を持ってもらい、お客様に展示会へ来場してもらうために非常に重要です。今回は、特に、自社主催で開催するプライベート展示会の案内状に必要なマナーを中心に解説します。

案内状を送付する目的 

自社主催のプライベート展示会において、案内状を送付する目的は集客です。

展示会の開催を知ってもらい、展示会に来訪してもらうことで、自社商品やサービスに興味を持ってもらいます。

これはビジネスチャンスにつながる、大切な作業です。

印刷された紙の案内状だけでなく、メールでお送りする電子案内状をお送りするのもよい方法です。

案内状には、展示内容や来場時のお客様のメリット等を、わかりやすく記載します。

このことが、しっかりできているかどうかが、集客の差につながります。

案内状で伝えること 

案内状で伝えることをお伝えします。

プライベート展示会の案内状で伝えることは、まず第一に場所と日時です。

展示会場の場所は、単に地図をのせるだけではなく、最寄り駅の情報や展示会場に迷わずに到着できるように特徴的な建物や最寄りの駐車場なども掲載します。

また公共交通機関、車などの各種交通手段で訪れた際の所要時間に関する情報も大切です。

 

展示会の目的と来場者のメリット

展示会の目的は、営業活動を行うことです。

来場者に自社の製品やサービスについて伝え、購入してもらうことで売上につなげます。

新規見込み客の開拓ができることや既存顧客との関係をより深められることが、その効果として挙げられます。

来場者側は、プライベート展示会主催企業とコネクションが作れることや、目的としている製品、サービスを実際に目で見て手で触れながら購入の判断ができることがメリットとして挙げられます。

そのため、主催企業は展示会の場で来場者が商品やサービスの魅力、メリットについて余すことなく伝えられるように工夫することが重要です。

実際の使用感を体験してもらったり、活用事例をセミナー形式でお伝えするなどを行い、見込み客に有益な新情報を与えられるようにしましょう。

開催日時や会場をわかりやすく提示

展示場の案内状には、開催日時や会場についての詳細な情報を分かりやすく記載しましょう。たとえば、展示会の開催日が祝日の場合、その旨について記載することも重要です。

開催時間についても午前午後から記載をし、参加者に誤解が生まれないような記述を心がけることが大切といえます。

また会場までの道のりについては単に地図を記載するだけでなく、特徴的な建物の記載や、どの駅のどちらの出口からどの程度の距離でつくかを記載するような、来場者がスムーズに会場までたどり着けるように工夫することが重要です。

道案内にスマートフォンやカーナビを使用する人も多いので、会場となる建物の名称や住所についても書いておくことが望ましいでしょう。

そのほかに、車での来場の可否についても記載し、可能な場合は駐車場の位置や収容台数についても記載しておくと、どのような移動手段を使えばよいか来場者が判断しやすいでしょう。

展示会に関する問い合わせ先

展示会に関する問い合わせ先としては、自社の連絡先を記載しましょう。そして連絡が入った際は、丁寧な応対をすることが重要です。連絡は、既存顧客だけでなく、休眠客や新規客からも入ることを想定しておきましょう。問い合わせに対して適切に回答することで、よい印象を与えることができます。

案内状における工夫・マナー 

自社主催のプライベート展示会の案内状はビジネス文章として体裁を整えて記載しましょう。

案内状は、受け取った本人以外に、その方の同僚や上司、仕入先等協力会社の方にも見られる可能性があります。たとえ仲のいい相手にお送りする場合でも、さまざまな方を念頭に置き、誰が見ても不快に感じない文章にしましょう。

案内状は前文、主文、末文で構成されます。

展示会の趣旨やメリットは、前文として記載します。

主文は挨拶から始め、来場した際のメリットが感じられる内容を記載しましょう。

たとえば展示会参加者への限定特典の案内や商品・サービスの先行販売や体験会を行う旨の記載が有効です。

そのほかにも、商品の独自の特徴について記載し、自社の商品・サービスを選ぶメリットについてイメージしてもらえるようにしましょう。

末文では、開催時期や会場の詳細情報、問い合わせ先などの、参加に伴って、伝えておきたい事項について記載します。

 

また、展示会の案内状をメールで送る場合は、件名に社名や担当者氏名を記載しておくことも重要です。

用件のみを件名に記載していると、迷惑メールだと勘違いされてしまう場合もあります。そのため、所属や送信者を明らかにして、メール受信者が感じる不安を取り払ってあげましょう。

案内状の例文

 

                             令和5年3月吉日

                             株式会社ABC
                             代表取締役 展示 太郎
株式会社****  
〇〇 〇〇様                       

              新商品の無料体験展示会のお知らせ

 

平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。株式会社ABCの展示太郎でございます。

このたび、弊社主催にて、〇月〇日から、弊社社屋で、新製品の無料体験展示会を開催することとなりました。

今回の展示会では弊社が開発した新商品を、無料で体験していただく機会を設けさせていただきました。

今回の新商品は、****という点や*****という点が画期的で、

貴社にお取り扱いいただくことで、貴社の業績に大きく貢献できると確信しております。

どうぞ皆様お誘いの上、お越しくださいませ。

社員一同心よりお待ち申し上げております。

 

  • 日時:4月7日(金)~4月9日(日)
  • 場所:<住所、地図、建物名建物名>
  • アクセス:<最寄り駅や所要時間、高速道路出口>
  • 参加費用:<有料・無料か、有料ならば金額>
  • 展示内容:<展示する商品の特徴、概要など>
  • みどころ:<来場者限定特典や体験会の案内など>
  • 問い合わせ先:担当 山田 太郎
  • 電話00-0000-0000
  • メールアドレス○○@△△co.jp

展示会の案内状を作成するときのポイント

展示会の案内状を作成する場合、いくつかのポイントに焦点を当てることのが重要です。魅力的な案内状で顧客の興味を引けるように、事前にポイントを整理しておくとよいでしょう。以下では、展示会の案内状を作成するときのポイント・コツを解説します。

 

客観的な視点を持って作成する

展示会の案内状を作成するときには、客観的な視点を持つことが重要です。案内状を読む側の気持ちになり、どんな情報が書いてあると嬉しいのか、どのような形式だと最後まで読みたいと思えるのかを、具体的に分析するのがポイントになります。

 

客観的な視点を持たずに案内状を作成すると、主張が強くなりすぎたり、必要な情報が不足したりするケースがあります。顧客にとって魅力とは言えない案内状になる可能性が懸念されるので、客観的な視点を持つことの重要性はきちんと把握しておきましょう。

 

作成した案内状はそのまま送付するのではなく、一旦間を置いてから再度内容をチェックし、読む側の心理に沿って書かれているか分析するのがおすすめです。

 

セールスライティングの「4U」を活用する

展示会の案内状の作成時には、セールスライティングにおける「4U」の技術が役立ちます。4Uとは、以下の4つの要素を指します。

 

・独自性(Unique)

・有益性(Useful)

・緊急性(Urgent)

・超具体性(Ultra specific)

 

上記の4つのUを意識して案内状を作成すると、わかりやすくて効果的な内容を構築しやすくなります。独自性(Unique)とはオリジナリティのことで、形式通りではなく自社独自の要素を盛り込むことを意味します。有益性(Useful)は顧客にとってのメリットを指し、展示会に参加する理由や特典を紹介する方法が考えられます。

 

緊急性(Urgent)とは、早めに参加した方がお得であることをアピールする方法です。例えば先着で特別な配布物を用意するなど、優先してブースを訪れるメリットを紹介することが考えられます。最後に超具体性(Ultra specific)とは、わかりやすくて具体的な情報を盛り込んで、信頼を獲得する方法です。

 

具体的な数字や事例を記載して、案内状から豊富な情報を読み取れるように備えるのがポイントになります。

 

展示会に来ないと得られない利益を記載する

展示会の案内状には、その日に来ないと得られない利益について記載するのも重要です。展示会で紹介した情報は、後ほどインターネットなどで全体に公開されるケースがほとんどです。そのため現地に参加しなくても、あとから情報だけ確認すればいいと考える人も多くなります。

 

しかし、展示会に参加するメリットが多いとわかれば、時間を作って参加してもらえる可能性が高まります。例えば限定のノベルティを配布したり、商品を直接触って体験できる機会を設けたりすることで、展示会に参加する理由ができます。

 

先に紹介した4Uの緊急性(Urgent)を軸に、展示会に行く必要性を明確にするのがポイントです。

 

詳しい情報を提供できるURLを記載する

展示会の案内状には、詳しい情報を掲載している自社ホームページなどのURLを記載しておくのもコツです。案内状に記載できる文章量は限られているため、伝えたいことのすべてを書き出すのは困難となります。

 

そこで豊富な情報が掲載されているページのURLを記載して、より詳しく知りたい場合にはそちらにアクセスしてもらうように誘導する方法がおすすめです。展示会に関する専用のWebページを作成したり、商品・サービス情報をまとめたページを記載したりすることで、スムーズな情報提供が実現できます。

 

作成した案内状は社内で複数回のチェックを受ける

作成した案内状は、社内で複数回のチェックを重ねて内容を精査するのがポイントです。複数回チェックを入れることで、よりよいかたちに案内状の内容を更新していけます。チェックの過程でミスに気づける可能性もあるため、案内状の完成度を高めるためにも複数回の確認を行いましょう。

 

案内状のチェックは1人で行うのではなく、複数人で実施するのもポイントです。複数人の視点を活用することで、意外なミスや適切ではない表現を発見できる可能性が高まります。

 

例文を軸に改善を加えていく

展示会の案内状を作成する場合、先に紹介した例文を軸にして、内容を改善していく方法がおすすめです。例文はそのままでも使用できますが、自社独自の魅力を伝えるためにも改変していくことが重要となります。4Uで言うところの独自性(Unique)を意識して内容を構築することが、案内状の魅力を引き立てます。

 

自社のキャッチコピーや展示会の魅力を伝える文章の導入など、さまざまなかたちで独自性を演出できます。自社のイメージやブランディングに合った方法を模索し、案内状を彩ることを考えてみましょう。

 

作成方法をマニュアル化する

展示会の案内状における作成方法は、マニュアル化しておくのもポイントです。作成のポイント、NGなやり方、基本的な流れをマニュアルにまとめておけば、その後も案内状作りがスムーズに進められます。次回以降の展示会への備えにもなるため、案内状の作成と同時にマニュアルを構築するのもおすすめです。

 

マニュアルの内容は適宜見直し、改善していくのもコツです。作成したマニュアルが古い状態で放置されると、時代に合わない内容になる可能性もあります。定期的にマニュアルを見直して最適なかたちに直していくことで、有効活用が可能となります。

案内状を送付する適切なタイミングと送り方 

案内状が完成したとしても、相手方の手元に届き見てもらえなければ意味がありません。

案内状はいつ送付すればよいのでしょうか。

この章では、案内状を送付するタイミングと同封したほうがよいものや案内状の送り方について解説します。

送付するタイミングについて

展示会の案内状は、開催日から1か月程前の段階で送付することが望ましいでしょう。遅くても、開催の2週間前には顧客に届くタイミングで送付します。

相手方企業のうち、役職が高い方を招致したい場合、多忙で予定が早く埋まってしまう傾向にあります。せっかく展示会に興味を示してもらえたとしても、スケジュールが空いていなければ、来場してもらうことはできません。できるだけ早いタイミングで案内状を送付するようにしましょう。

また、特に、来場いただきたいVIP客については、できるだけ直接お会いし、口頭で説明しながら案内状を手渡しするとよいでしょう。

同封物について

展示会の案内状に、当日のプログラムや会場までの詳細な地図を同封しておくと、来場者の不安を払拭することに役立ちます。また、お送りする顧客の担当者の手書きのメッセージを同封すると好印象をもってもらえます。

送り方について

多くの場合、案内状の送付方法は郵送かメールで行います。メールマガジンとして一斉送信をしてもよいでしょう。

ただし、重要な顧客の場合、できるだけ対面して手渡しすることが望ましいです。それが難しい場合には、郵送お送りした後に、電話やメールで個別に連絡するようにしましょう。

以下は、案内状をメールで送信する際の一例です。

 

件名:新作春物ウェアー展示会のご案内

 

株式会社XYZ
マーチャンダイジング部長
〇〇 〇〇様

 

平素よりお世話になり、ありがとうございます。
(株)ABC商事 営業部の鈴木 次郎です。
日頃は格別のお引き立てを賜り、感謝しております。

今回も毎年恒例の、新作春物ウェアの展示会を開催します。
今回の目玉は、ファッション性だけでなく、体温を調節し快適に過ごせる、画期的な新商品のご紹介です。

一般販売に先立ち、特別価格での先行販売の企画を立てました。

詳細は以下の通りです。

_____________

  • 日時  〇月〇日(〇)~〇日(〇)  10:00~18:00
  • 場所  弊社社屋(地図リンク)
  • 株式会社ABC商事   営業部 〇〇
    〒888-8888
    〇〇県〇〇市△△町2-2
    TEL:00-000-0000  FAX:00-000-1111

_____________

ご多用中とは存じますが、ぜひご来場いただきますよう、お願い致します。

展示会の案内状を作成・送付するときに注意すべきこと

展示会の案内状を作成・送付するときには、注意すべきこともいくつかあります。注意点を踏まえて案内状を作成・送付できれば、想定した効果をスムーズに引き出せるでしょう。以下では、展示会の案内状を作成・送付するときに注意しておきたいポイントを解説します。

 

情報を詰め込みすぎない

展示会の案内状には、情報を詰め込みすぎないように注意が必要です。あれもこれもと情報を記載していくと、肝心の開催日や参加のメリットなどが見づらくなる恐れがあります。優先して伝えるべき情報が埋もれてしまうと、展示会の案内状としての役割を果たせません。

 

あくまで展示会の案内状は必要最低限の情報を伝えるツールにとどめ、具体的な情報は実際に参加してから説明するように備えましょう。先に解説したように専用のURLを記載して、展示会の詳細や商品説明を顧客側で自発的に確認してもらう方法もあります。

 

汎用的な例文をそのまま使用しない

展示会の案内状を作成する際には、例文を参考にするのが有効です。しかし、汎用的な文章をそのまま利用すると、相手に既視感を与えてしまい、案内状の価値が弱まる危険性があります。そのため例文を参考にする際にも、オリジナリティを取り入れて自社が特別な案内状を送付していることをアピールすることがポイントです。

 

汎用的な文章に偏ってしまうときには、例文を細分化して不要な部分を削り落とし、そこにオリジナルの言葉を付け足していく方法が考えられます。例文を活かしつつ独自性を出す際には、文章を細かくして表現を変えていくのがコツです。

 

誤情報の記載には十分注意する

展示会の案内状には、何よりも正確性が求められます。誤情報を載せてしまうと、相手側に混乱を招き、自社の信頼を損なう可能性もあるでしょう。展示会の開催日や会場までのルート・移動時間など、数字を使う部分は特に間違いがないように注意が必要です。

 

誤情報が見つかった場合には、速やかに訂正した正しい案内状を送付します。相手側と直接連絡が取れる場合には、早めに誤情報の問題を伝えてトラブル回避に努めましょう。

 

余裕を持って作成期間を設ける

展示会の案内状を作成する際には、余裕のある期間を設定するようにしましょう。送付までの期日がギリギリだと、作成に時間をかけられず、効果的な内容を構築できない可能性が高まります。焦って作成した案内状にはミスが発生しやすいため、余計な手間が増えるケースも懸念されるでしょう。

 

展示会の基本情報が決まったら、早めに案内状の作成に取りかかる準備を始めるのがおすすめです。

 

不明点がある場合には展示会のプロに相談する

展示会の案内状の作成に関する不明点・疑問点がある場合には、プロに相談する方法がおすすめです。展示会のサポートに特化したサービスを活用することで、案内状の書き方や効果的な内容を構築するポイントをスムーズに把握できます。

 

よりクオリティの高い展示会の案内状を作成するきっかけになるので、積極的にプロの意見を取り入れるとよいでしょう。

 

集客率を上げるには 

自社主催のプライベート展示会において、集客率を上げることは非常に重要です。

この章では、2つの方法から、集客率を上げるための工夫について解説します。

相談予約の枠を設ける

事前相談の予約の枠を設けることは、集客率の向上に役立ちます。これは来場者の相談を事前に受けることで、当日、会場に訪れるインセンティブを高めるという方法です。

来場者の相談内容には、WEBサイトの記載事項やコールセンターでのFAQでは解決できない細かなニーズが含まれています。これらについて知ることは、商品の改良や今後の企業運営に際して大いに役立つでしょう。

また、相談予約を受けておけば、人繰りもしやすくなるため、当日の流れもスムーズになります。

既存客と新規客で案内内容を変える

プライベート展示会の来場者は、大きく分けると、既存顧客と新規客に分類できそれぞれに適した対応は異なります。

既存顧客は自社の商品やサービスについてある程度の理解があるため既存の製品についての解説は不要といえるでしょう。既存顧客は、新しい商品や企画について詳細を知る目的で、展示会へ来ていると考えられます。

一方で新規客は、既存の商品やサービスについても詳しくは知らないケースが多いでしょう。そのため、新規客に対しては、既存商品・サービスのメリットや特徴についても詳細を伝えるようにしましょう。また、新規客に対しては、これまでの実績や事例などを伝え、自社への信頼感を高めることも有効です。

まとめ

自社主催のプライベート展示会の開催にあたって、案内状は、集客のための重要なツールです。

案内状の書き方、送付のタイミング、顧客タイプによる適切な対応も重要です。

これらを工夫することで、展示会を成功させることができます。

また展示会の案内状に求められるのは、展示会に来場した際のメリットの訴求です。

展示会に行きたいと思わせることができる案内状を作成しましょう。

 

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