販路拡大!展示会フォローで使うべき3つの質問とは?

販路拡大のためには、展示会をやりっぱなしにしてはいけません。
展示会で出会った見込み客とは、積極的にフォローしていくことが必要です。

 

実はもっとも重要!フォロー面談

フォロー面談のゴールは、ずばり、受注・成約です。

ここまでのプロセスがいくら上手く進んでいても
フォロー面談で受注に至らなければすべて水の泡になってしまうのです。

しかし・・・だからといって、必要以上にフォロー面談に気負う必要はありません。
展示会でのブース対応やその後のセミナーを通じて、見込み客は、すでにあなたの会社のことを

「よい情報を教えてくれる信頼できる会社だ」

と感じているはずです。

飛び込み営業で面談するのとは、大きく状況がちがっているのです。

セミナー後、フォロー面談ができる見込み客は、
あなたの会社に好意を持っていると考えてまちがいありません。

 

展示会後のフォロー面談では、変にへりくだることはありません。
いつもの癖でお客さんを崇め奉ってはいけません。
展示会当日やその後のセミナーの時に築いた「教える・教わる」という関係性を
崩さないように注意しましょう。

展示会後のフォロー面談のよくある勘違い

ここで、ひとつ、よくある勘違いについてお伝えしておきます。

「フォロー面談は、見込み客の問題を解決してあげる場だ」

と思いこんでいる人がいます。

このような人は、どんなふうにフォロー面談をするのでしょうか?

おそらく面談中に、全力でアドバイスをするでしょう。
見込み客が今後どのようにすればよいのかということを具体的にアドバイスしはじめるのです。

ところが、この方法では、成約率は高まりにくくなります。

なぜなら、今後どうすればよいかを具体的に話しすればするほど、見込み客は、

「うちの出入り業者に頼もう」

「自分でやってみよう」

と考えてしまうからです。

 

実は・・・白状すると、わたし自身もこのような経験を数多くしてきました。

フォロー面談の場で、自分のノウハウの奥深さを示そうと意気込んで、
相手の役に立つアドバイスをたくさん行ってきたのです。

よかれと思ってやっていたのですが、残念ながら成約率はあまり高くない状態でした。

その後、アドバイスをするのではなく、
問題点を明確にすることを意識して進めたところ、
フォロー面談での成約率が飛躍的に向上したのです。

 

あなたやあなたの会社の社員さんは、
自社の商材に関連する領域について豊富な知識やノウハウを持っておられます。
そして、そうした、知識・ノウハウを通じて相手の役に立ちたいと思っていることでしょう。

このこと自体はすばらしいのですが、
具体的にアドバイスしたくなる気持ちをフォロー面談ではグっとこらえてみてほしいのです。

【フォロー面談は、問題を明確にする場である。】

 

こういった発想で、フォロー面談に臨むようにしてください。

全力アドバイスは、受注した後で思う存分行えばよいのです。

 

すべてはこの瞬間に!最後に言うべき一言はコレ

 

それでは、フォロー面談で、問題点を明確にするために、
どのようなことを行えばよいのでしょうか?

それは、問題の原因を深堀りしていくという作業です。

わたしの経験上、見込み客の考えている問題は、
多くの場合、表面的で抽象的なものであることがほとんどです。

 

たとえば、売上が伸びない、といったこと。

こうした問題に対して、原因を深く堀り下げていくのです。
フォロー面談でこれができれば、見込み客の解決への意欲は高まっていきます。

問題の原因を探るというとむずかしそうに感じるかもしれませんが、
実は簡単です。次の3つの質問を繰り返していくだけでよいのです。

「なぜ?」

「具体的には?」

「他には?」

この3つの質問を組み合わせていくことで、原因に迫りましょう。

 

≪実践ケース≫売りたい商材が人材派遣の場合

ひとつ例を挙げましょう。

見込み客である売上低迷に悩んでいる中小企業の経営者に対して、
営業パーソンがフォロー面談をしているケースです。
この営業パーソンが最終的に受注したい商材は、事務職の人材派遣です。

 

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営業パーソン「まずは、もっとも強い問題意識を聞かせてください」

 

見込み客  「問題意識ですか?会社の売上が低迷しているということですね」

 

営業パーソン「売上の低迷ですね。なるほど。それは、『なぜ』だと思いますか?」

 

見込み客  「う~ん。営業力が弱いからでしょうか?」

 

営業パーソン「なるほど。営業力が弱いということですね。
       それは『具体的には』どういうことでしょうか?」

 

見込み客  「そうですね。営業担当者が顧客に訪問できていないことだと思います。」

 

営業パーソン「なるほどですね。それでは、訪問できていないのは『なぜ』だと思いますか?」

 

見込み客  「営業担当者が日々の雑務に追われているからだと思います。」

 

営業パーソン「なるほど。雑務に追われているのですね。それは『なぜ』でしょうか?」

 

見込み客  「う~ん・・・なぜ雑務に追われているのかなぁ?」

 

(沈黙)

 

営業パーソン「見込み客に訪問できていない理由が『他にも』ありますか?」

 

見込み客  「他に、ですか? う~ん。モチベーションが下がっているのかなぁ?」

 

営業パーソン「なるほど。モチベーションが下がっているのですね」

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いかがでしょうか?なんとなくイメージできたのではないでしょうか?

このように、3つの質問を通じて見込み客の問題を明らかにしていきます。

ここでのポイントは、営業パーソンの方から、

「あなたはこれが問題です」

と言うわけではないという点です。

 

見込み客自身の心の中で、

「たしかにこれが問題だな」

と感じてもらわなければ、購買という行動にはつながりにくいからです。

そのため、質問を通じて、本人の心の中から問題をあぶり出していくのです。

 

このように問題を明確にした後は、理想の状態を示していくことになります。

すでに、セミナーで十分に啓蒙しているため、ここでは、理想の状態を何度も伝える必要はありません。

とはいえ、理想の状態を思い出させてあげることがポイントになります。

 

たとえば、

「セミナーでお伝えしたような○○の状態にしていかなければいけませんね」

というように、すでに伝えている話を改めて言ってみてください。

 

もし見込み客がセミナーに参加していなければ理想の状態を丁寧にお伝えして
イメージしてもらう必要がありますが、
展示会のブースやセミナーですでに伝えているので、
このプロセスは簡単でも大丈夫なのです。

 

注意!飛びついてはダメ!

現実と理想の状態が明らかになり、
そこにギャップが存在することがわかれば、
見込み客は自然とそのギャップを埋めようと思うようになります。

セミナーを通じて十分な情報を提供できていればあなたの会社は、見込み客の目に

「問題を解決してくれる頼りになるパートナーだ」

と映っているはずです。

ここまで来れば、見込み客は、
あなたの会社の商品・サービスを購入することを心の中で検討していることでしょう。

 

それでは、この状態からどのように成約まで持っていけばよいのでしょうか?

問題が十分に明確になったら、おそらく見込み客から

「どうやって解決すればよいでしょうか?」

という発言が出てくると思います。

 

このような話が出ると、受注は目前です。

あなたやあなたの会社の社員さんも

「当社のこの商品・サービスを利用することで問題を解決することができます!ぜひ買ってください!」

と言いたくなるでしょうね。

でも・・・

ちょっと待ってください。

すぐにこのように言っては絶対にいけません。

 

なぜなら、垣間見えたニーズにいきなり飛びついてしまうと、
これまでせっかく築き上げてきた見込み客との「教える・教わる」という関係性が
音を立てて崩れてしまうからです。

見込み客から「お願いします」と言ってもらうことが大切なのです。
高単価で受注するためにも決して、あなたの会社からお願いしてはいけません。

あくまでも見込み客の方から主体的に「お願いします」と言ってもらわなければならないのです。

 

ここで、見込み客に、売り込み感を感じさせずに決断を迫る方法を紹介しておきます。
それは、ある質問をすることです。この質問を投げかけることで、
見込み客は自分で主体的に判断をしてくれます。このように質問するのです。

 

「その問題を解決するのに、御社ご自身でいろいろ調べながら進めてもよいです。」

 

この質問を投げかけることで、見込み客は自ら主体的に解決への行動を選ぶことができるのです。

ポイントは、「選択肢を提示してあげる」ということです。

もしかすると、ここで

「自社でやってみます」

という人がいるかもしれません。

しかし、それは一つの結論としてOKなのです。
自社でやっていこうと考える人がいるのは仕方ありません。
そういった人は、そもそもあなた会社のお客様ではないのです。

そのような人がいる一方で、
中には、自社だけでは上手にやれそうにないと感じる人も確実にいます。
自社だけではやれないと感じる人に対して、あなたの会社がサポートしてあげることで、
お客さんもあなたの会社もあなたの会社の社員さんも幸せになっていくのです。

 

「何が何でも、目の前の見込み客を全員お客様にするのだ」

とあの手この手で営業するのもひとつです

しかし、そういった形で受注に至ったとしても、値引きを強要されたり、
不利なサポート条件を付けられたりして、上手くいかなくなるケースが多いのではないでしょうか?

展示会営業術では、売って終わり、ではなくお客さんにファンになってもらうことを目指します。

そう考えると、力技で何としても受注するように持っていくのではなく、
あなたの会社のことを理解した上で、
本当にあなたの会社を必要としているお客さんとだけ付き合っていくことが重要だと思うのです。

 

このようにして、あなたの会社に「お願いします」と意志表明した見込み客に対しては、
そこから具体的な提案を進めていきましょう。

一度、「お願いします」と意志表明した人に対して具体的な提案を進めていくことは、
とても『楽しい』プロセスになるはずです。

ぜひ、あなたの会社の持てる力を全力投球してお客様を幸せにしていってくださいね。