オンライン展示会の魅力とは?メリット・デメリットや準備の方法を解説

商品やサービスを紹介する場として有効な展示会は、オンライン環境を利用することでも開催できます。オンライン展示会には直接顧客と接するリアルの展示会にはない魅力があり、独自の成果を得られる可能性があります。本記事ではオンライン展示会の魅力やメリット・デメリット、準備の方法、成果を出すコツなどについてわかりやすく解説します。

 

オンライン展示会とは?

オンライン展示会を開催・参加するには、まず「​​オンライン展示会とはどんなものなのか?」といった基本を理解するのが重要です。以下では、オンライン展示会の基本と特徴を解説します。

 

インターネットを使ったオンライン上の展示会

オンライン展示会とは、インターネット環境を活用して開催する展示会のことを指します。バーチャル空間を利用して自社ブースを出展し、商品やサービスの紹介・アピールを行います。従来はリアルの展示会がメインでしたが、コロナ禍の影響で直接的なアプローチが難しくなった結果、オンライン展示会に注目が集まりました。

 

現在もオンライン展示会は開催されていて、リアルの展示会とは違う魅力を持つ方法として認知されています。リアルでの開催が可能な状況でも、あえてオンライン展示会を選ぶケースも少なくありません。リアル展示会に併設されているケースも増えてきました。今後もリアルの展示会と同じくらい、オンライン展示会を活用する機会が増える可能性があるでしょう。

 

オンライン展示会の目的とは?

オンライン展示会は、主にリアルの展示会ではアプローチできない顧客との接触が目的になり得ます。リアルの展示会は会場が1つに絞られるため、遠方の顧客は参加できない可能性があります。開催日も決められているので、時間を作れないと参加の意思があっても諦めざるを得ないことがあるでしょう。

 

その点、オンライン展示会はインターネット環境さえあれば、どこからでも参加が可能です。会場への移動時間や距離を考慮する必要がないため、普段は参加できない顧客と接点を作れる可能性に期待できます。新たな販路拡大やリード顧客の育成など、さまざまなメリットにつながると予想されるでしょう。

 

オンライン展示会の実績

オンライン展示会は、すでに多くの企業が参加した経験を持っています。多くのイベント会社がオンライン展示会の開催をサポートしているため、参加のハードルは下がっているのが現状です。例えば株式会社ストラーツは、合同開催型のオンライン展示会「IT&MARKETING EXPO」を開催しました。ITサービスやソリューションを展開する企業が参加し、2020年の開催時には4,000人以上が参加しています。そのほかにも、SoVeC社が開催した「組合まつり in TOKYO ~技と食の祭典!!~」も、多くの企業と来場者をオンラインで結びつけています。

 

リアルとオンラインの両方を活用したハイブリッド型展示会として、さまざまなメリットを提供しました。このように、オンライン展示会はすでに多くの企業が開催し、多数の来場者を集めています。その実績からオンライン展示会に参加することを検討する企業は、今後も増えると予想されるでしょう。

 

オンライン展示会に参加するメリット

オンライン展示会への参加には、特別なメリットが多数あります。オンライン展示会ならではのメリットを活用することで、リアルの展示会とは異なる成果を得られるでしょう。以下では、オンライン展示会に参加する主なメリットを解説します。

 

展示会の参加にかかるコストを削減できる

オンライン展示会は、一般的にリアル展示会と比較してコストが安くなります。展示会で使用するパネルやパンフレットなどの現物を用意する必要がないため、最小限のコストで成果を出せます。そのほか、当日に必要となるスタッフの数も少なくて済むため、人件費の削減にもつながります。

 

移動費や宿泊費もかからず、ブースの管理費や出展費用も安くなる点がメリットです。コスト面の課題が展示会への参加を妨げている際には、オンライン展示会の利用が優先されるでしょう。

 

顧客情報をスムーズに収集できる

オンライン展示会に参加すると、顧客情報をスムーズに収集できる点もメリットです。オンライン展示会を行う際には、専門のツールやプラットフォームを利用することになります。使用するツールやプラットフォームの機能によっては、来場者の情報を簡単に確認できたり、当日の行動データを取得できたりします。

 

簡単に顧客のデータを集められるため、次回の展示会の参考にしたり、終了後のアプローチに利用したりといった方法が考えられるでしょう。その顧客がどのようなブースに興味を持ったのか、どんな商品・サービスを求めているのかもデータから予測できるため、見込み顧客にリーチしやすくなる点がメリットです。

 

オンライン展示会でも名刺交換が可能

オンライン展示会でも、リアルの展示会と同様に名刺交換が可能です。ツールやプラットフォームによっては、あらかじめBtoB向けにオンラインでの名刺交換機能を搭載しているケースがあります。最初からデータとして名刺を受け取れるため、リアルの展示会のように後から紙の情報をデータ化する手間が省けます。

 

リアルの展示会の場合、もらった名刺を紛失してしまうリスクもあります。その点、オンライン展示会なら紛失の可能性がないため、確実に相手の情報を収集して管理できます。

 

会場に来られない顧客とも接触できる

先の解説通り、オンライン展示会は会場に来られない顧客とも接触できる点が大きなメリットです。リアルの展示会に訪れるのが難しい顧客も、オンライン展示会であれば時間を作って参加してくれる可能性があります。従来の方法では出会えない顧客に営業をかけて、商談につながるケースにも期待できます。

 

アプローチできる顧客の幅を広げられる点は、オンライン展示会ならではの魅力です。すでにリアルの展示会に複数回参加している場合などには、オンライン展示会で新たな顧客層の開拓を目指すのも1つの方法です。

 

当日の天候や交通機関の状況などに影響されない

オンライン展示会は、当日の天候や交通機関の状況に影響されない点もメリットです。悪天候に見舞われると、どうしても来場者数は減少してしまいます。運悪く台風などがやってきた場合には、中止の可能性も懸念されるでしょう。また、交通機関の乱れによって来場が間に合わず、参加を断念する参加者が出る可能性もあります。

 

予定していた来場者数を実現できないリスクがある点は、リアルの展示会の大きな悩みになるでしょう。その点、オンライン展示会なら天候や交通機関の状況に左右されず、来場者を集められます。仮に当日が悪天候だったとしても、会場に移動する必要がないため、問題なく展示会を開催できます。

 

オンラインならではの展示方法が試せる

オンライン展示会では、リアルの展示会ではできない独自の展示方法を試せます。例えば3Dを使ってオンラインの会場内を自由に閲覧してもらえる「3DCGブース」、ブースの中身を360°見回せる「360°画像ブース」、平面の画像にリンクなどを貼ってアピールする「2Dブース」などが利用可能です。

 

そのほか、セミナーやイベント展開をオンラインで開催する「​​ウェビナー」なども、オンライン展示会で活用できる方法の1つです。さまざまな開催方法を選べるため、自社の目的や商品の特徴に合わせやすいのがメリットです。

 

オンライン展示会のデメリット

オンライン展示会は独自のメリットがある一方で、デメリットになる部分もあります。デメリットを事前に把握し、対処法を考えておくのも重要です。以下では、オンライン展示会の参加時に想定されるデメリットを解説します。

 

実際に商品を手に取ってもらえない

オンライン展示会では、実際に商品を手に取ってもらうことができません。そのため自社商品の魅力を、すべて伝えきれない可能性がある点はオンライン展示会のデメリットです。手で触れて初めてよさがわかる商品や、その場で試してもらえるのが特徴である商品の場合、オンライン展示会とは相性が悪くなるでしょう。

 

少しでもオンライン展示会で商品の魅力が伝わるように、使用している様子を動画に撮影して放送するなど、オンライン環境に合わせた工夫が求められます。

 

能動的に接客ができない

オンライン展示会は、能動的な接客ができません。基本的に顧客の方から自社のオンラインブースに訪れてもらうしかないため、集客率が低下する恐れがあるでしょう。事前に自社のアピールをしたり、SNSを上手く活用できたりしないと、顧客と交流できる機会が減少する可能性があります。

 

リアルの展示会であれば、ブースの近くに来た顧客にチラシや試供品を渡して話をするなど、積極的な営業活動が行えます。オンライン展示会ではそういったアプローチが取れないので、受け身でいるしかない点はデメリットです。

 

オンラインに慣れていないと準備がなかなか進まないことも

オンライン展示会に不慣れだと、準備がなかなか進まないリスクもあります。基本的には専用ツールやプラットフォームの使い方を理解できれば、問題なくオンライン展示会に参加できます。

 

しかし、社内のITリテラシーが低い場合や、オンラインでの対応に慣れていないスタッフばかりだと、想定している成果を出せない可能性が高まります。オンライン展示会に参加する際には、事前に勉強会やセミナーでスタッフを育成するのも1つの方法となります。

 

自社に最適なオンライン展示会の方法を見つけるのが難しい

オンライン展示会に参加する場合、先に紹介したいくつかの方法から展示方法を選択することが求められます。3DCGブースや360°画像ブースには、それぞれメリット・デメリットがあります。そのため自社のコンセプトや商品の特性に合わせて、最適な展示方法を選ぶことが、オンライン展示会の成功につながります。

 

しかし、どの展示方法が自社に合っているのかを判断するのは、簡単ではありません。実際に試してみて初めて、各種展示方法と自社の相性がわかることもあるでしょう。オンライン展示会で成果を出すには、ある程度の経験が必要になることを事前に把握しておきましょう。

 

オンライン展示会に参加する際の準備について

オンライン展示会に参加する際には、事前に準備しておくべきポイントがあります。リアルの展示会と基本的な流れは同じですが、オンライン展示会用に内容を調整する必要があるでしょう。以下では、オンライン展示会への参加時における必要な準備を解説します。

 

コンセプトや出展内容を明確にする

オンライン展示会への参加時には、まず出店のコンセプトや具体的な内容を明確にします。何のためにオンライン展示会に参加するのか、どんな成果を得ることが目的になるのかを考えて、関係者と情報を共有するのが最初のステップです。展示会のコンセプトが曖昧だと、顧客の興味を引けない可能性があります。

 

出展内容に統一感がないと、自社の魅力を正確に伝えられないケースが懸念されます。そういったリスクを排除するためにも、オンライン展示会のコンセプトと出展内容は早めに決めておきましょう。

 

当日の運営とアフターフォローの方法を確立する

オンライン展示会でも、当日の運営方法とその後のアフターフォローの方法を確立しておく必要があります。リアルの展示会と異なり、オンライン展示会の当日は会場で動き回る必要はありません。その一方で、オンライン上のデータを管理・収集したり、顧客とチャットなどでコミュニケーションを取ったりするのが基本となります。

 

担当者や各作業を行う人員をあらかじめ確定させて、スムーズにオンラインでの対応ができるように備えましょう。オンライン展示会でも、アフタフォローはその後の商談につながる重要なポイントです。お礼メールの送信などを行い、オンライン展示会後もつながりを保てる方法を考えるのが重要となります。

 

オンライン展示会で失敗を避けるコツ

オンライン展示会での失敗を防ぐには、いくつかのコツがあります。以下を参考に、どのような点に注意すべきなのか、どんな対策をすべきなのか確認してみてください。

 

オンライン展示会の事例を収集しておく

オンライン展示会への参加時には、過去の事例を収集して確認するのがコツです。実際にオンライン展示会でどのような成果を出せたのか、どのような点に不満を感じたのかといったことを事前に把握できれば、それに合わせて展示方法などに工夫を加えられます。

 

オンライン展示会に適したコンテンツを用意する

オンライン展示会に参加するのなら、「オンライン展示会に適したコンテンツ」を用意するのが重要です。リアルの展示会と同じ内容では、オンラインで情報を正確に伝えられない可能性があります。例えば動画を撮影したり、オンラインでもインパクトのあるブースを構成したりして、専用の環境を整えるのが1つの方法です。

 

自社単独で自前オンライン展示会を開催する

オンライン展示会だからと言って、大規模に来場者を何千人も集めないといけないわけではありません。5人、10人などの小規模でも構いませんので、自社単独で開催する自前オンライン展示会にも挑戦してみるとよいでしょう。

自前オンライン展示会の開催方法については、「売上をつくる自前オンライン展示会開催ノウハウ」をご覧ください。

 

まとめ

オンライン展示会は、すでに多くの成果を出している展示会の方法です。今後もリアルの展示会と組み合わせたハイブリット展示会も含めて、オンラインでのアピールが有効な手段となるでしょう。この機会にオンライン展示会の基本を確認し、参加に必要な準備を進めてみるのがおすすめです。

参考記事:マーケティング手法としての展示会とは?出展を成功させる7つのコツ|kyozon