展示会に参加する際には、展示会パネルを上手く活用して顧客にアピールすることが重要です。展示会パネルの完成度次第で、集客率やアピール力は大きく変わります。自社にとっての理想的な展示会パネルについて考え、制作に取りかかる必要があります。本記事では、展示会パネルの役割や制作時のポイントを解説します。
目次
展示会に参加するのなら、展示会パネルの準備は欠かせません。展示会パネルは顧客の興味を引き、自社商品・サービスの情報を一目で伝える重要なアイテムです。以下では、展示会パネルの基本的な役割について解説します。
展示会パネルには、複数の役割があります。例えば魅力的でインパクトのある展示会パネルを作って、集客力を高めることが1つの役割です。遠目からでも興味を引ける展示会パネルを制作することで、来場者への視認性を高め、自然と自社のブースを加えることが可能です。
思わず足を止めてしまう展示会パネルをデザインすることが、集客力を高めるポイントになるでしょう。そのほか、商品・サービスの特徴やメリットについて、一言でズバっと端的に説明することが展示会パネルの役割になります。サイズの大きな展示会パネルを使うことで、他にはない魅力などを正確に伝えられます。
口頭で説明しなくても、商品・サービスの基本的な魅力が伝わるようにするのも、展示会パネルを使用する際のコツです。このように展示会パネルには、さまざまな役割があります。それぞれの役割を果たせるように、デザインや記載情報を工夫して、有効活用するのが展示会を成功させるカギになります。
「そもそも展示会パネルは必要なのか?」という疑問を持たれることもありますが、多数の企業が参加する展示会において、展示会パネルは必須のアイテムだと言えます。仮に展示会パネルを使わない場合、「どこの会社なのか?」「どんな商品・サービスを扱っているのか」といった情報をスムーズに伝えられません。
最初から具体的な目的を持って展示会に参加している来場者も多いため、情報が上手く伝わらないと興味を持ってくれる可能性が低くなります。展示会パネルは自社の存在をアピールするアイテムとして活用でき、展示会後も「あのときの企業だ」と思い出してくれるきっかけにもなります。
将来の顧客を生み出す可能性もあるため、展示会への参加時には展示会パネルを制作・活用するのがおすすめです。
展示会パネルを使用する際には、自作と外注の2択が考えられます。展示会パネルのサイズが小さめであり、社内に本格的なデザインを行える環境がある場合には、自作することが検討できます。自作であればコストを抑えられるため、展示会にかかる費用を削減できるメリットがあります。
社内でスムーズに展示会パネルの完成イメージを共有できて制作時間がかからない点も魅力です。一方で、プロのデザイナーの制作したものと比較すると、どうしても見劣りする可能性が高いです。他社がデザイナーを使った本格的な展示会パネルを使用している場合、悪目立ちしてしまうケースも懸念されるでしょう。
展示会パネルの制作を外注する場合には、専門家の知識・技術を活用して完成度の高いデザインを利用できるのがメリットです。積極的に提案・アドバイスをもらえれば、想定していたクオリティ以上のものを完成させることができます。
しかし、外注の場合には費用がかかるほか、自社が求める展示会パネルのイメージを正確に理解してもらうまで時間がかかるというデメリットがあります。
展示会パネルを制作・準備するときには、いくつか意識すべきポイントがあります。高クオリティの展示会パネルを制作するには、ポイントを押さえておくのが重要です。以下では、展示会パネルの制作時におけるポイントを解説します。
展示会パネルを制作する際には、全体のバランスを意識してデザインを考えるのがポイントです。展示会パネルに記載できる情報量は、決して多くはありません。限られたスペースを上手く利用して、優先して伝えたいことを目立つように配置していくのが重要となります。
どのくらいのサイズの画像を使うのか、文字の配置やフォントをどうするか、メインとするカラーは何色にするかなど、決めておくべき要素は多数あります。全体のバランスを考慮しながら決定しないと、チグハグな印象を与える展示会パネルになる恐れがあります。
まずは伝えたい情報やイメージの方向性を明確にして、完成図を構築することから始めてみましょう。
あれもこれもと情報を詰め込みすぎてはいけません。情報量が多いと、文字を小さくせざるを得ないからです。小さい文字は、通路を歩く来場者からは見えません。
パネルの文字は、人間の顔くらいのサイズ(=A4用紙1枚に一文字)でつくるのがベストだと考えましょう。
使用目的を明確にすることも、展示会パネルの制作時におけるポイントの1つです。展示会パネルの役割は、先に紹介したように複数あります。すべての役割を担える展示会パネルを制作するのが理想ですが、商品・サービスの性質や情報量次第では、すべてを備えた完璧なデザインを作るのが難しい可能性があります。
そこで1番の使用目的を決定して、「〇〇の役割を達成する展示会パネルを作る」といった方針を決めるのがポイントです。展示会パネルの方針が決まれば、優先して記載する情報やデザインの雰囲気をイメージしやすくなります。
展示会パネルに記載する情報は、正確性を重視する必要があります。例えば商品のサイズ・価格・アピールするポイントなどの情報に、間違いがないことを複数人でチェックすることが求められます。展示会パネルの情報に誤りがあると、自社の信頼が落ちるリスクがあります。
せっかく興味を持ってくれた来場者も、情報に間違いがあるとわかると、商談につなげられなくなる可能性があります。制作してから間違いに気づいても遅い場合が多いので、実際にかたちにする前にミスがないことは複数回にわけて確認しておきましょう。
展示会パネルは、「見やすくてかつインパクトのあるもの」にするのがポイントです。特に大きな会場で行われる展示会の場合、展示会パネルのインパクトが不足していると、顧客に気づいてもらえない可能性があります。思わず目を止めてしまうデザインを意識して、多くの顧客にアピールできるように工夫しましょう。
インパクトを重視するあまり、内容がわかりにくくなってしまうケースも多いです。5メートル先からでも見やすくなるように、配色やフォント選びには時間をかけて、さまざまなパターンを試してみるのがコツです。見やすさとインパクトを両立した展示会パネルを制作することが、成果を出すポイントです。
展示会パネルには、キャッチコピーを活用するのも1つの方法です。商品・サービスの魅力を表現する魅力的なキャッチコピーがあれば、顧客の興味を引きやすくなるでしょう。社内で展示会パネルに記載するキャッチコピーを公募したり、コピーライターに依頼したりする方法が考えられます。
キャッチコピーをつくる際の鉄則は、メリット提示、具体性、TO MEメッセージです。詳細は、「ブースキャッチコピー3つの鉄則」をご覧ください。
展示会パネルの制作時には、会場の規模や使用できるブースの広さを考慮してサイズを決める必要があります。展示会の会場が広い場合、なるべく大きなサイズを使用して遠目にもアピールできる展示会パネルを使用するのがおすすめです。大きなサイズを制作する場合、搬入時の方法なども同時に考えておく必要があります。
ブースの広さが制限されている場合には、来場者の邪魔にならない程度のサイズを選ぶのがポイントです。机の上に置けるサイズの展示会パネルと、ディスプレイとして機能する大きめのサイズを、2つ用意する方法もあります。
展示会パネルを制作する際には、基本となる流れがあります。具体的な流れを把握しておくことで、スムーズに展示会パネルの制作に取りかかれるでしょう。以下では、展示会パネルの制作工程について解説します。
展示会パネルを制作するには、まず展示会の来場者の内、自社が出会いたい相手を具体的に設定します。どんな人が展示会に参加するのか、どのような目的を持っているのか、どういった情報を優先して収集したいと考えているのかといった点を、具体的に想定します。設定した見込み客像を踏まえて、必要な情報とパネルデザインを考案します。
この来場者像の設定が実際に出会いたい相手とズレてしまうと、展示会パネルの効果を引き出せなくなる可能性があります。そのため最初の段階で理想の来場者像の設定には時間をかけて、展示会パネルの方向性を間違わないように備えるのが重要です。
展示会の規模や出展する企業に合わせて、展示会パネルのコンセプトを確定させます。「自社の認知度を高める」「商品・サービスに興味のある顧客を増やす」といった目的を軸にして、展示会パネルのコンセプトを考えるのが1つの方法です。
コンセプトが曖昧なままだと、伝えたいことが不明瞭な展示会パネルになる可能性があります。展示会で成果を出すためにも、コンセプト案は複数提案して最適なものを選べるように備えましょう。
コンセプトが決まったら、実際に使用する展示会パネルのサイズを決めます。ブースで手軽に扱えるサイズから、看板のように扱える大きなサイズまで多数の種類があります。展示会の状況をイメージして、どのサイズがもっとも有効に扱えるのか考えてみるのがポイントです。
また、縦向きで使うのか横向きで使うのかによっても、デザインの方向性が変わります。展示会パネルの設置場所を想定したうえで、縦・横のどちらを採用するか検討するのもポイントです。
展示会パネルのサイズを決めたら、記載する情報を選択します。サイズや文字の大きさによって、記載できる情報量は変わります。あまりに多くの情報を記載しても、文字が見づらくなってインパクトを残せない可能性が高まります。
まずは伝えたい情報の優先度を確認し、記載することにメリットのあるものから順に載せてデザインのバランスを取りましょう。
展示会パネルのコンセプト・サイズ・記載する情報を決定したら、いよいよ具体的なデザインの構築に移ります。使用するフォントやカラーを決めつつ、実際にかたちにしてバランスを見ていきます。最初に完成図をラフ画で作っておくと、ゴールが明確になるためデザインを作りやすくなります。
一方で、最初の完成図にこだわりすぎるのではなく、臨機応変にデザインを変化させていくのもコツです。実際にデザインを制作していく過程で、「もっと〇〇を強調したい」「〇〇のカラーをメインにしたい」と、考え方が変わっていくこともあります。
そういった変化にも柔軟に対応し、最適な展示会パネルを構築するのがポイントです。
展示会パネルの制作時には、いくつか注意すべきポイントがあります。事前に注意点を確認し、完成度を高めるのも重要です。
以下では、展示会パネルの制作時における注意点を解説します。
展示会パネルを制作する際には、著作権に注意が必要です。有名キャラクターやロゴを使用すると、著作権上の問題に抵触する恐れがあります。完全に同じものでなくても、特定のキャラクターや製品を想起させるデザインの場合、問題視される可能性があるでしょう。
あくまで展示会パネルのデザインは、オリジナリティを重視するのが基本です。
展示会パネルは、遠距離から見てもらうことを前提に制作するのもポイントです。遠目からでも内容がわかるようにデザインすることで、多くの顧客にアピールができます。周回予定がなかった顧客の集客につながる可能性もあるため、実際に遠距離から展示会パネルをチェックして魅力的に見えるか確認しておきましょう。
展示会パネルの制作時には、情報を引き算していくのも重要です。一般的に展示会パネルで伝えたい情報は多く、できるならすべてを記載したいと考えるでしょう。しかし、展示会パネルのサイズには限界があるため、すべての情報を記載するのは困難です。
そのため情報を引き算し、優先度の低いものや口頭の方が伝えやすいものは、あえて記載しないように意識しましょう。
展示会パネルは、展示会を成功させるためのアイテムの1つです。展示会パネルの目的や制作方法を把握し、魅力的なデザインを構築できるように備えることが、展示会で成果を出すコツになるでしょう。この機会に展示会パネルの基本について確認し、実際に使用するデザインについて考えてみてください。